グッドボーイハートの家庭訪問トレーニングクラスは3頭まで料金が変わりません。
60分の家庭訪問クラスを10回のチケットをご購入の場合には、お時間でいただいているので3頭までは対応させていただきます。
そのせいかもしれません、多頭飼育されているご家庭からのトレーニングクラスの依頼がよくあります。
家庭犬のトレーニングを始めて20年立ちます。
その間犬と人の暮らし、特に福岡地域の流れについてはずっと経過を見てきたのですが、多頭飼育は確実に増えていると思います。
理由のひとつ目は、飼われている犬のサイズがかなり小さくなってきたことです。
二つ目は、犬の留守番時間が長いためひとりでは寂しいだろうということで2頭とか3頭を飼われることが多いようです。
同胎犬を2頭迎えるという場合もあるし、1歳とか2歳の犬がいるご家庭に新しく子犬を迎えるケースも多いですね。
先住犬がいるご家庭に子犬を迎えたけれど、犬同士があまり仲良くなれないというご相談も多々あります。
人の兄弟や姉妹でも仲良しばかりではありません。
仲良く遊ぶ兄弟もいれば、喧嘩ばかりの兄弟もいます。
犬は人と同じ理由で喧嘩をしているわけではありませんが、人の兄弟よりも犬の同居犬同士のトラブルはどちらの犬にとってもストレスの多い不幸なことです。
この多頭で暮らしている犬と犬がうまくいかない問題について、犬が問題だと思われていることがあります。
子犬が元気すぎるとか、乱暴すぎるとか言われることはよくありますが、子犬は基本的にわがままで自制が聞かず、興奮しやすく、とびついたり甘噛みしたりしてくるのは正常な行動です。
それに対して先住犬がどのようにふるまっているのかということがまず観察事項です。
もしも、先にいる犬が10歳を超える老犬であれば、社会的な活動を縮小させる時期なのであまり期待せずに住み分けを考えてください。
もし先にいる犬が10歳でも元気だとか社会的に活動できそうな状態であれば、それより若い成犬たちと同じように観察していきます。
成犬の子犬に対する行動はどうでしょうか?
子犬を自分のグループの一員として受け入れようとしているのか?もしくは拒絶して追い出そうとしているのか?いずれかです。
子犬は成犬から拒絶される行動を受けると、犬としての社会性にゆがみが生じ、成長してから(1歳を超えたくらいから)他の犬に吠えたりうなったりする攻撃性を示すことになります。
行動に現れるまでに時間がかかるのです。
子犬が来てから1年近くたってからなので、なかなか先住犬との関係が他の犬への社会的行動に結びついていると考えることができないかもしれません。
ですが、犬のどのような社会的行動も、そのベースは家庭内の一番小さなテリトリーの中で作られているということはもはや真実です。
人の他人に対する態度を学校の先生に教えてもらおうとしても難しいのです。
それは社会性ではなく社交性であって、人の力にはなりません。
社会的な態度という真の社会性は家庭の中で作られている、これがベースです。
成犬がまだ若く大人としてうまく対応できず、子犬といっしょになって興奮してしまったり、お互いの攻撃性を高めたりする結果になることもあります。
犬同士が体をぶつけあうプロレス遊びですが、適切に介入していかないと犬はただの攻撃性の高い犬になるだけです。
多頭飼育の問題は、犬同士で解決することはありません。
そこには人という大親分がいて、その家庭の中で行われていることは人とそれぞれの犬の関係性なくしては語れないのです。
犬が寂しいだろうと思って新しい犬を迎えても、今の犬と飼い主の関係が安定した信頼関係でなければ、子犬が来ることで余計にトラブルが増えて犬のストレスが増すだけなのです。
多頭飼育となりトラブルが始まったことで家庭訪問トレーニングクラスを受講される方も多いので、クラスを通して犬のことを学んでいただく機会をもっていただけたことだけは好機に恵まれたなと思います。
なにかきっかけがないと犬のことなど学ぶ機会はないでしょう。
犬と暮らしているという理由だけでは、犬のことを学ぶ機会にはならないのです。
みなさんにとってとても大切な存在なのに、たくさんの知らないことがあるのはもったいないことです。
なぜ犬が思い通りにならないのだろうという考え方の場合には、なかなか先にはすすみません。
問題を解決するために何かをすると改善しそうだけどしないのです。
犬は知っているのです。自分が本当に愛されているかどうかを。
犬はなんでも知っています。
多頭飼育で上手くいかない方も、まだ諦めないでください。
犬たちにとってもこの犬生は一回限り、生まれ変わってから幸せになるよりも今幸せになってほしい、そのためにできることはまだたくさんあります。