今季はじめて雪、が降りました。
といっても1時間くらい吹雪があって積もったといっても1センチくらいです。
雪の降る数時間前までお預かりの犬ちゃんと山歩きしながら草刈をしていました。
ゴーゴーと北から聞こえる音に犬ちゃんは鼻を高くあげて吹雪の到来を察知します。
鈍感な人間の私もさすがに聞こえる冬の到来の音。
部屋に入って暖をとって構え、気づくと外は真っ白です。
雪はすぐに収まりほっとしましたが、翌日のトレッキングクラスに来られた生徒さんたちは、うっすらと白くなった尾歩山に驚いていました。
雪が降ると不便だけど少しテンションが高くなってしまうのは動物の共通する気持ちなのですね。
季節の移り変わりに気持ちが反応する、そんなとき人と犬は共感する気持ちを得られるのでこの瞬間が大好きです。
トレッキングクラスにはまだ不慣れな子犬たちもいますので、安心安全、環境を確認しながらゆっくりとしたペースで少しずつ進みます。
普段は犬同志で興奮してしまう犬ちゃんたちも、同じ目的をもって活動をはじめると結束せざるを得ません。
集団行動というのは動物になんらかの影響を及ぼします。
そういえば、日本は特に体育の時間に集団行動の練習が多いものですが、これがアメリカとなると多少違うようです。
個々の能力を伸ばすことを大切にする文化では、全員が同じ行動をして協調するなどといった練習は好まれないのかもしれません。
トレッキングクラスはひとつの集団行動ではありますが、みながそれぞれの能力の中でできることをするという意味では動きをあわせているだけの集団化とは違います。
集団化は個性を失なわせる行為ではありません。
犬も人も社会の中で自分の能力に合わせた活動をできる、トレッキングはその小さな世界です。
トレッキングクラスの後は動画を見ながら犬の行動学について学ぶ犬語セミナーを開催しました。
犬の行動から犬の状態や気持ちを汲み取っていき、その先に犬が今必要としていること、それをどのようにしたら提供できるのかということも考えていきます。
犬に何をしてあげたらいいのか、犬が何を求めているのか、どうすれば犬は幸せになるのか、その答えは今の犬の姿を冷静に把握するしかないのです。
ところが、犬が何か問題になる行動をしていると気づいてしまうと不安になってしまうのが人の心理です。
犬たちはすでに幸せで自分は何もしなくていいと思っていたいでしょう。
ところがそれでは、犬とちゃんと向き合って過ごしているとはいえず、もったいないことです。
毎日の仕事や家族のこと、食事のこと、買い物のこと、将来のこと、趣味のこと、人にはやりたいことがたくさんありすぎて、なかなか犬のことまで考えが及ばないかもしれません。
では、なぜ犬と暮らしているのでしょうか。
犬はメッセンジャーです。
犬は行動を通して、いつでも飼い主さんにたくさんメッセージを伝えています。
そのメッセージひとつでも受け取れるよう、また犬語セミナーで学びたいと思います。