最近の小型犬たちの歩き方を見ていると、どうしても気になってしまうことがあります。
気になる歩き方とは、後ろ脚の運び方です。
犬の前脚と後ろ脚では長さが違います。
前脚はまっすぐな印象で、後ろ脚は曲がっていることをご存知だと思います。
もともと山がお里の動物ですから、山の斜面を長時間歩くのに発達した体型なのです。
前脚も後脚も上にあげては下に降ろすという運び方で歩くのが犬の歩き方です。
ところが、最近の犬たちは前脚も後脚もあまり上にあげずに歩いています。
前脚は棒のように前に出るのですが、後脚の方は長くてまっすぐに前には出せないため、横から出すような歩き方になります。
武士の姿で裾の長いハカマを履いて歩く感じです。
右後ろ脚と左後ろ脚を交互に横に出しては前に運ばなければ、裾が長くて歩けません。
犬もそんな歩き方をしているのです。
同じような歩き方を人がするのは、アイススケートでも見ることができます。
足を滑らせながら歩くために、足を横に蹴るようにしてすべるため、左右の足が横に出ています。
脚を上にあげて歩かずに、横に出すようにして歩く犬は、小さいころ滑りやすい床面にいたのかもしれません。
サークルなどに入れられている環境でも、滑りやすい床面になっていることもあります。
また、サークルの中での立ち上がり行動や、飛びあがり行動も脚を湾曲させていきます。
様々な悪影響で後脚は次第に湾曲してきます。
後ろから見るとO脚になってしまうのです。
こうした後脚になってしまった犬は、坂道を歩くのが苦手です。
脚を上に持ち上げなければ、山歩きはできないからです。
山をあまり歩かない人も、山歩きをするといつも使わない筋肉が痛みを生じた経験を持たれた方もいるでしょう。
山歩きのように足を上にあげて歩く行動は、平な地面では必要ありませんから、足の筋肉も一部は使われずに退化してしまうのです。
坂道を歩けずにしゃがんでしまう犬ですが、そのうちにだんだん脚を上に持ち上げて歩けるようになります。
がに股になっている犬の脚がしっかりと上がっているのを見ることは、毎回感動します。
脚の筋力を鍛えて健康な体をつくるには、やっぱり山歩きが一番です。
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