彼岸の季節になると、きっちりと花を咲かせてくれる彼岸花が七山でも見られるようになりました。
お米の収穫時期と重なるので、彼岸花を見ると新米を連想してしまい、結局は花よりだんごなのは犬と同じようです。
さて、犬のしつけ方のご相談でご連絡をいただくときに、同じような壁にぶつかっていらっしゃるのだなと感じるようになりました。
犬のしつけ方についていろいろと調べてたくさんの情報を得たのでいろいろやってみたけれど、一体どれがいいのかわからなくなってしまったというものです。
10年前にはあまりなかったことですが、現在のように誰でもスマホを使って簡単にネット検索ができるようになった背景があります。
ネット検索は広告宣伝や収益と常に結びついているために、みなさんの検索しやすい情報が散乱している状態になっているからです。
しかもその情報の中には、いろんなページのコピー&ペーストであったり、本に書いてあることの受け売りだったり、はたまたフェイクニュースだったりといい加減なものもたくさんあります。
特に犬のしつけ方に関しては、「これをすれば犬の困った行動がなくなりお利口さんになる」というようなハウツー的な情報には注意が必要です。
逆に、犬はこのような動物です、犬の習性にはこうした行動がありますといった情報は、まず疑いを持ちながらも精査していく情報のひとつとして取り上げていくことができます。
一般の方が犬の行動を読み解けるようになるまでは、かなり時間がかかってしまいます。
そのうちに犬はどんどん成長したり、難しい行動がますます難しくなるといった状態に至ってしまいます。
そのために、焦りが出てしまい早く解決しなければいけないと思って、ハウツー情報に頼って犬のしつけにとりかかってしまうというお気持ちもよくわかります。
ところがこの対処法ですが、そう長くは続きません。
一旦はよくなったように思えても、次に膨らむときには前以上の問題となって浮上してきます。
犬をノックアウトさせるようなしつけの方法になると効果があったとはいえますが、時間をかけて成長を促していき発達の機会を与えるという「育てる」時間も奪われてしまいます。
大人しい犬になったとしても、飼い主さんとの関係は難しいものになってしまうこともあります。
犬の行動を読み解けるようになるのに、何が一番難しいのしょうか。
それは、犬の行動に影響を与えているのは飼い主である自分自身だということです。
飼い主が自分の行動を客観的に見ることのできる機会を得られなければ、犬の行動を変えることはできません。
飼い主は無意識にやっている日常的な行動が犬に影響を与えているとは、なかなか考えられないのです。
こうなると第三者的な立場に立って説明を行う人が必要となります。
家庭犬インストラクターという仕事はこの第三者的な立場として入っていくことです。
直接、犬をしつけて飼い主に渡すのは、家庭犬インストラクターの仕事ではありません。
自分の役割は、犬を理解する力を身につける人をひとりでも多く育てていくことです。
23日は犬語セミナーを開催します。
このセミナーも同じ目的を持っています。
今回もまた、スカイプ利用でのご参加を受付ました。
インターネットという道具を有効に利用して、日本全国から犬語セミナーに参加してくださる方々といっしょに、この何もない七山で犬のことを真剣に考えます。