今月は生後6ヶ月の犬ちゃんがお預かりクラスを利用しています。
若干長めのお預かりになるので、預かり中にステップアップして行動の範囲を広げていきます。
預かりの犬のテリトリーの広げ方も、家庭でのトイレのしつけができているかどうかが大きく影響します。
家庭内でトイレのしつけができないような状態では、預かったときに適切にテリトリーを作りながら安定を図るというのは犬にとっては難しいことだからです。
逆に、家庭内できちんとトイレトレーニングができていると、預かりや屋外活動を始めたときの行動がより早く安定します。
家庭内でのトイレトレーニングも、寝床のテリトリーから輪が広がるようにいくつもの境界線を広げていく形で行いながら、ベランダや庭といった屋外スペースに排泄場所を獲得できている犬たちは、テリトリーの安定度が高くなります。
逆に、室内拘束状態となってトイレがいつも室内のトイレトレーという環境になると、そのことは犬の行動にも影響します。
犬が家庭内で適切な排泄行動をするようになったら、やっと次のテリトリーで行動ができるようになります。
つまりやっと散歩に出られるようになるということです。
たくさんの刺激にたださらすことが社会化だという検討違いな考え方や方法論が横行しています。
トイレのしつけもできていないような状態で屋外の刺激にさらすことは、社会化を後退させることになるためおすすめできません。
さて、現在預かり中の犬ちゃんですがご自宅に来る前からトレーニングのご相談を受けていたため環境整備がスムーズに進みました。
飼い主さんの努力もあってトイレのしつけは早い時期に終了していました。
預かり中も庭で排泄の機会を与えるようにすると、庭の端の方で排泄を行います。
庭に出る前に広めのテラスがあるのでそのスペースがひとつの境界線になって安定するようです。
またテラスが地面よりも高く階段3つ分くらい上にあるため、そのことも犬の行動を安定させるのに役立っています。
室内の一定の場所で過ごさせるように練習しても、室内で排泄の失敗をすることはありません。
排泄欲求が高まり庭への戸口に早くたどり着けるように、室内環境も一度に広げずに少しずつ広げていきます。
預かり中に行動を安定させるために、排泄の管理についてはかなり慎重に行っています。
同じことですが、家庭内で排泄行動が安定している犬は、旅行先などでの排泄の失敗もほとんどありません。
ただこの場合も、室内のトイレトレーで排泄をする習慣をもつ犬の場合には若干不安定になってしまいます。
日本国内では、室内にトイレ場所があるのが普通になりつつありますが、海外では室内トイレを見ることがまずありません。
小型犬でも庭に出られるようにペットドアをもうけている家がほとんどで、みな庭やベランダなどの屋外で排泄をしています。
この室内のリビングというゴハンを食べる場所に犬のトイレ場があるという光景が、異様に思われていないのはなぜだろうと不思議でなりません。
大型犬の場合には排泄量の多さからなのか、子犬の時期から庭で排泄させられるご家庭も多いようですが、大型犬もサークルに入れられて排泄を強いられているのを見ると、のちの行動に影響を及ぼしてしまうと思い危機感を覚えます。
テリトリーが安定していると犬の自由行動範囲も広がっていきます。
つまり犬の自律した行動が引き出せていけるということです。
犬が自分のテリトリーを主張しすぎると人が犬を呼んでも帰ってこなくなるという逆の問題も生じてきます。そこは人との関係性の問題なので、しっかりと取組みましょう。
犬が成長していけば次の新しい課題が出てくるのは当然のことです。
こうして人も犬も動物としてひとつずつ成長していくのだと思うのです。
そうなるのが嫌だからと犬を閉塞的な空間に閉じ込めてしまうと、犬の豊かな生活と性質の発達はできません。
つまりはどちらかを飼い主が選択する必要があるということです。
犬とどのように暮らしていきたいのか価値観も様々でしょうが、お互い様とまではいかなくても家族である犬がそれなりに動物として成長し豊かな感情で安定して生活できるようにしたいものです。
預かり犬ちゃんですが、いろいろと行動を起こしてくれるので行動観察の素材として楽しませていただいています。
また、その様子をお知らせします。