家庭犬インストラクターとして長く仕事をさせていただいていますが、一昔前まで、こんな仕事が成り立つなどとは誰も思いもしなかったような仕事です。
犬のしつけ方を飼い主さんに教えることが業として成り立つようになるなどと、昭和の時代には思いもしなかったことです。
少なくとも、自分が子供のころに犬を飼っている時代には無縁のことでした。
犬のトレーニングの学校といえば、警察犬とか麻薬犬など特殊な犬たちの学校のことだと思っていました。
自分が短大を卒業するときに選んだのは、盲導犬訓練士になることでした。そのときに家庭犬トレーニングというのは、一般的ではなかったので選択肢として思い浮かぶわけもなかったわけです。
それが、時代の流れでこうして家庭犬のしつけ方を教える家庭犬インストラクターとして仕事をさせていただくことになっています。
盲導犬の訓練と家庭犬のしつけ方指導の学びは、多少は重なりますが全く異なる勉強をしなければならないことの方が多かったと思います。
その勉強方法は、本、ネット、セミナーと多岐にわたりますが、最も勉強になるのは実践学習です。
勉強の際に気をつけていることは、自分が入手(インプット)した情報は必ず様々な方法でアウトプットすることです。
このインプットしたら必ずアウトプットさせるという学習は、どうやら的外れではないようです。
本を読んで「その通りだなとか、そうなんだな」と納得した内容は、本当にそうなのかを実際の犬たちの行動を観察して当てはめることで分析していきます。
犬のしつけ方の具体的な方法のいくつかをセミナーで習ったときにも、必ず自分でまずやってみたりその内容について再度自己検証を行ってから現場での実践につなげていきます。
トレーニングの現場で実際に行うことで、その内容がより理解できるようになると共に、思い違いや見方を変えることを求められることもあります。
いずれにしても、入手したらすぐにアウトプットして作り上げていく、これが自分の仕事のスタイルです。
実際に犬にしつけを行う飼い主さんのステップアップにしても同じ作業が必要になります。
前回のブログでご紹介した「お散歩マップ」もひとつのアウトプットの形です。
他にもマテのやり方をレッスンで習ったら、そく練習を重ねていくことでアウトプットしていきます。
犬の行動に関する理論や頭の中で学んだことは、それを含めて再度観察していくと理解がより深まります。
たとえば、生徒さんが「人の接し方で犬の行動が変わるといわれていたけど、先日散歩中に犬に触ろうとしてきたときに、犬が体をかきはじめて、本当にそうなんだなと思いました。」といわれました。
これもアウトプットの形のひとつです。
インストラクターから説明を受けて「へー」で終わらずに、言われた事をさらに観察してみて実際にどうなのかを確認し、そして確認したことを私に対して言葉で説明するという、すごくステップするアウトプットです。
こうしてアウトプットしていくと、その人の中での価値観が大きく変わります。
だから、生徒さんたちからの行動のアウトプット、言葉のアウトプットをとても大切にしています。
たくさんお話ししているので1時間のレッスンがあっという間で、ついつい時間オーバーしてしまい移動にバタバタしてご迷惑をかけている次第でして、みなさんすみません。
犬のしつけ方や犬について学び犬を育てていくためには、自分の脳を成長させる必要があるのです。
アウトプットの形のひとつとして、犬語セミナーのあとのお茶会やグループレッスンの中での食事会などがあります。
いろんな飼い主さんとのアウトプット大会もまた楽しいものです。
レッスンやセミナーで学んだら次はアウトプット。ぜひ実践してください。