グッドボーイハートのクラスの中に「お預かりクラス」というのがあります。
名前がよくないのでしょうが、よく預かり訓練と間違えられてお問い合わせをいただくことがあります。
グッドボーイハートでは、預かり訓練は行っていません。
理由は、預かり訓練は飼い主との関係改善にはならないというとてもシンプルなものです。
では、なぜ「お預かりクラス」というのかというと、単にお世話をする預かりではありませんよという意味合いをこめています。
飼い主さんがご不在やご旅行のときに犬を預かるといういわゆるドッグホテル形式であることは間違いありません。
一般的なホテルと違うのは、犬を預かっている際に見られる行動やシグナルについて飼い主さんに報告すると同時に、自宅で出来ていること、十分にはできていないこと、犬の変化やステップアップのためのヒントなどをご報告することがクラスの目的にもなっています。
預かりの方法については、できるだけ犬に負担をかけずに一対一で向き合う時間をつくるために、原則として1頭ずつしかお預かりしないことにしています。
また、預かり時の扱いについては、犬の環境に対する適応性と安定度をみながら、室内、屋外のどの場所をどのように使うのかも決めています。
たとえば、先日は外飼いされている犬くんの預かりをしましたが、この場合には、係留が可能な時間には落ち着ける場所に係留し、係留時に安定できるように観察しています。
お預かりのときに、他の生徒さんのトレッキングクラスが重なってしまうこともありますが、お互いにストレスとならないように上手に回避できる空間を作っています。
トレッキングから帰ってくると、山の上から犬くんが寝ているのが見えました。
写真ではよくわかりませんが、さらに近付いてみるとわかります。
置いてあるクレートに入って熟睡しているようです。
プライベートクラスにもよく参加してくれて、グッドボーイハートのルールもよくわかっている犬たちは、預かりのときには安定した状態で過ごしてくれます。
自宅では物音や子供の声などに落ち着かなくなってしまうことのある犬くんも、グッドボーイハートでは騒ぐことなく落ち着いていられるのです。
環境が広く臭いがなく、自然環境に恵まれているというのも理由のひとつなのかもしれません。
さらに、その環境を管理している人間が、この場合には私がその管理者になりますが、一定のルールをもって接し、預かり中は犬をきちんと守るという意志を表現できるほど強くなければ犬は不安になってしまいます。
先日のブログにご紹介したように、犬に対する甘えが犬を不安定にさせてしまうのです。
犬に必要以上に厳しくする必要はないんのですが、不安定になりがちな犬に対しては、興奮しないこと、慌てないこと、パニックを起こす前に落ち着きをもたらす強さを示すことは、犬のために必要なことです。
犬も人も同じかもしれませんが、精神的に弱く恐怖を感じやすい動物ほど、パニックになりやすく攻撃性も高まりやすいのです。
群れとして、家族として、規律のある社会に存在することは、社会性の高い犬という動物にとって、愛情よりも大切であるということを犬たちが教えてくれます。