昨日からお預かりクラスを利用して、お泊まりにきてくれている犬くんがいます。
グッドボーイハートのお預かりクラスは、グッドボーイハートでクラスを受講されている生徒さんの犬だけが対象の特別クラスです。
さらに、その中でもクレートトレーニングが完了していること、トイレトレーニングを進行中もしくは完了していることが条件です。
今回、お泊まりに来てくれた犬くんは、熊本地震によって保護された犬くんです。
ご縁があって、グッドボーイハートで学ばれたことある方の家族として迎えられました。
熊本県は保護施設が大変な状態になっており、保護された犬たちにもいろいろと難しい面もあります。
特に子犬期にたくさんの犬がワンワンと吠える施設で育っていますので、社会化にも時間がかかります。
保護されてから半年。
迎えた飼い主さんの熱意と愛によって、保護犬くんは立派に家庭犬として成長していきました。
そして、今日はその預かり犬くんをお山歩きをするグループクラスに合流させて
いっしょに行動する勉強もしました。
もちろん、飼い主さんたちも犬語セミナーなどでよくお話しされていて、事情も知っており
お互いに協力してやっていただけることを了解していただいています。
山歩きがまだ未熟な上に、いろんな刺激にも反応しやすく衝動性も高いので
山の中では十分に注意が必要です。
ですが、コントロールしすぎてがんじがらめにしてしまうと、学びの機会は得られません。
どこまで学ばせて、どこをコントロールしていくのか、さじ加減というものが社会化学習には必要です。
社会化学習というと、なぜか街中を歩くことや人に会わせることと勘違いされていることがあります。
都市空間で生活する上では、車や道路、工事の音など、適応しなければいけない環境は確かにあります。
しかし、犬の脳形成は人と同じ手順で社会化の過程を行っても、成功しないばかりか社会化が厳しい状況に追い込まれてしまうこともあります。
典型的な例が、抱っこして散歩をするという社会化学習です。
抱っこして社会化できるのはヒト科の動物や、子どもが親に抱きついた状態で移動する動物だけです。
ヒトとか、チンパンジーとか、サルもそうですね。
こうした社会学習を身につけていない犬に、抱っこして散歩すること
抱っこしてベランダから外を見せること、犬用バギーに乗せて風景を見せること、
車に乗せて風景を見せることなど、すべて社会化学習には逆効果です。
社会化とは環境に対する接触を図りながら、脳に学習の機会を与えていくということです。
犬という動物が、外界の環境に対して接触を図る機会とは、嗅覚が一番大切なのだということを
忘れてはいけません。さらに、行動できることが前提で社会化学習が促進されるのだということも
覚えていてほしいことです。
犬と山を歩くクラスをなぜするのですか?と尋ねられることがあります。
さて、なぜでしょうか?
たくさんの答えがあるのですが、ぜひその理由は自分で体感して知っていただきたいと思います。
犬の社会化期は生後4ヶ月までで第一段階を終えて、生後6ヶ月が次の段階。
そして生後1才までにほぼ9割型の脳形成が終了するようにできています。
といっても慌てて外に出すことも失敗します。
社会化学習が有効になる犬は、室内犬も室外犬も排泄行動が適切に行われるようになってからです。
えー。どうしてとまた思われることでしょう。
犬の行動とテリトリーは切り離して考えられない。
犬のテリトリーと排泄行動は切り離して考えられない。
そして犬の社会化と行動(活動)は切り離して考えられない。
これがその仕組みです。
どこからはじめたらいいのか。
まずは犬の行動を通して犬を理解することから始めてください。
そして犬の習性について学んでください。
いつもクラス時には写真撮影はしないのですが(クラスに集中するためです)
お預かり犬くんが2頭いたので、参加された生徒さんにお願いして撮影してもらいました。
山歩きの途中で尾歩山の手入れをする私、横にはそれを待つ犬たちの風景です。
号令の「マテ」をかけているわけではありません。
オヤツも使っていません。
ちょっと待っててと声をかけているだけです。
山歩きの不思議について知りたい方は、初回カウンセリングを受講してみてください。
まずは自分の犬について知ること、すべてのスタートはここからです。