グッドボーイハートのトレッキングクラスは、初期のころはグループクラスとして開催していました。
グループのトレッキングクラスは、複数の犬と飼い主さんたちといっしょに山歩きをするクラスです。このクラスは七山校を開催する前から行っていました。
そのグループのトレッキングクラスを重ねるうちに、プライベートでトレッキングをする必要性を痛感するようになりました。
他の犬との関係性がむずかしかったり、他の犬との関係性の前に飼い主さんともっと安定した関係を作る必要を感じたからです。
ところが、一旦グループでのトレッキングクラスに参加すると、プライベートでのトレッキングクラスを受講されることはつまらないと感じられる方もいらしたようです。みんなでワイワイいいながら歩くほうが楽しいと感じられるからでしょう。
どんなことでも楽しいと感じられる方がいいとは思いますが、本来の目的を見失っていては困ります
グッドボーイハートでクラスを受講される本来の目的はなんだったのでしょうか。
犬とより良い関係を築きたい、犬に十分に与えられなかった経験学習の機会を提供したい、犬の社会性を育てていきたい、犬の自律性を育てていきたい…など。
その本来の目的をきちんと見据えて、犬と向き合っていく時間としてすべてのプライベートクラスはグループクラスよりも重点を置いています。まず、犬のことを良く知るためには環境の中の家庭訪問トレーニングから開始して、そして犬の社会性を育てる機会としてプライベートトレッキングクラスに起こしいただくようになると、犬の行動の安定性は目に見えるように変化していきます。
自然環境の中で動物に行われていることについてすべて科学的に説明ができるわけではありません。
ただ、この広大でたくさんの命の育まれる場所で、飼い主さんと犬のそれぞれに、そしてその間にも何か見えないけれども確実に変わっていくものがあります。
変化の起こりやすい飼い主さんにはある似た面をお持ちなのだなということを感じます。
それは、今を見ることができるようになるということです。遠くを見過ぎない、後ろを振り返りすぎずできるだけ今を見るようつとめること、そんなことができるようになる飼い主さんたちは、なぜか犬も少しずつ変化していきます。
そうなると、こんなにできないとかこんな風になってほしいという言葉が少なくなり、今はこのときはこういう風に行動するその意味や理由はわからないけど、といったような発言が多くなります。
変化するというのはすごく流れるのではなく、安定した状態で自分の中に核となるものができあがることで安心して変わっていけるということだからでしょうか。
山歩きも同じだと思うのです。一点一点、足を地面につけるときにそこに自分が存在していなければ、足場はグラグラしてしまいます。気持ちが不安定だと、山歩きのときにそのことがよくわかるようになります。今日はちょっとふらついているなと思うこともあり、それが自分を知る機会にもなるのです。
ほんの数回の山歩きなのに少しずつ変化する犬の姿は楽しいものです。
トレッキングクラスは犬を走らせたり、遊ばせたり、ストレスを発散させるためのクラスではありません。それは危ないことなのでそうさせたいなら囲いの中で行ってください。
この違いが分かるようになったら、それは一歩前進です。
何に前進しているのかというと、犬としてそして人としてという関係作りへの前進です。
※3月14日に公開予定だった記事を本日公開しましたので、あわせてご覧ください。
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