山肌がすっかり茶色に染まってきました。
ようやく色づいた秋が終わり冬が始まろうとしているのだと感じ、身の引き締まる思いと少しだけワクワクしてしまいます。この枯葉色のカモフラージュが大好きです。いつまで見ていても見飽きることがありません。茶色なのにいろんな茶色が混じっていて、心が落ち着きます。
色味に興味のない犬たちも、風の冷たさと北からふく新しい風の臭いをとりながら、夏とはちがってやっぱり落ち着いていくような気がするのは気のせいでしょうか。
今年最後のテントクラスを週末に開催し無事に終了しました。
毎年どのくらい寒かったかとか記憶になくなってしまいますが、12月の3週目の寒さは厳しすぎますね。昼間の暖かさにごまかされてしまい、夜の冷え込みは、芯から冷えるとはこういうことかというほどでした。今回は預かりクラスの犬もいっしょにテントに宿泊するイレギュラークラスで、犬が多いほうが暖がとれるからと少し油断もしていました。
暑い季節のときは、犬たちが自分の体温を下げるために一気に熱を体から放出させるのでテントの中が蒸してしまい、夜遅くにならないとテントの中に入りたいとは思わないほどです。ところが、寒い季節になると犬は丸まって自分の体温を温存させようとしますので、犬のそばにいても暖かさを全く感じることができません。狭いテントなので人と犬はひっついた状態で寝ているのですが、暖かいというよりは、枕にしないで、という気持ちの方が高くなります。
朝になると木々の少ない場所では地面が白くなっています。霜ですね。
歩くとジャリ、ジャリと音がしています。朝になるとうさぎやアナグマの歩いたばかりの気配に鼻を奪われてオロオロとする犬もいました。
犬とテントに泊まる時間はとても好きです。
お酒や食べ物を持ち込んで騒ぐようなキャンプには関心はありません。
自然の空間の中で犬と人が過ごすときは、いつもとは違う時間になります。なかでは場所とりやらなにやらでワイワイいいますが、テントの中では食べ物もない、テリトリーもない、お互いに対等です。テントの出入り口を人が管理しているので境界線は人の方ですね。環境の受け取りに関しては、感覚の鈍い人の方が無力です。最近の犬たちはお家っこになっていますので、動物の気配などに少し緊張しすぎる犬もいるようですね。人との関係性がしっかりしていないと、犬としての機能をしっかりと使うチャンスもなくなってしまいます。犬は尾根をいく動物。山の中で最も見晴らしの良いところを歩き、その周辺を隠れながら別の動物たちが動いている。そして人という最強の友を見つけたのだから、しっかりしようよとエールをおくります。
来年のテント解禁は4月ころでしょうか。
改名したばかりの尾歩山(おぽさん)の冬景色がこれから楽しみです。
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