グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬の不安を解消する

犬の問題行動を見つめていくと、その犬がどのような状態であるのかを知ることができます。
犬の困った問題行動について「どうしたらよくなるのか?」ということより先にまず考えるべきことは、「犬はどのような状態なのか?」ということです。

犬が感情を持つ動物だということは、よく知られています。
ですが、その感情は人と全く同じものではないことは、あまり知られていません。

いっしょに暮らす犬という動物を家族として大切に思い、人と同じ気持ちで付き合うあまり、彼らが「犬」であることを私たちは忘れてしまいがちなのかもしれません。
犬の感情的行動について触れるときには、犬という動物としてみることが大切です。

犬にも「不安」という感情があり、その感情を表現する行動があります。たとえば、飼い主に執着するような行動や、ものを破壊するような行動などは、不安を表現する行動にみられます。

「飼い主に執着する行動」とはたとえばこういう行動です。飼い主にとびつく、強くじゃれるようにして飼い主の手や服を口でくわえる、歯をあてる、マウンティングする、膝の上にのりたがる、体を寄せたりよりかかってくる、後ろをついて回る、など。

飼い主に執着する行動がみられる犬は、飼い主がそばにいないときや気配を感じられないときに、不安を表現する行動をします。何かをかじったり破壊する、排尿をする、置いてあるものを動かしたり散らかしたりする、自分の皮膚をなめたりかじったりする、ウロウロして落ち着かない、などの行動をします。

飼い主への執着行動は、犬の生活の中で解消されない不安が元で起こりますが、執着する対象が「飼い主」である場合には、飼い主の犬への接し方がその行動の原因になっています。原因となる飼い主の接し方もいろいろありますが、多いのは「人の赤ちゃんのように子犬に接して育てた」場合です。
特に、子犬が不安を感じているときに、抱き上げるとか、抱きしめる、なだめる、撫でる、声をかける、という接し方をしていると、子犬から成犬になったときの不安傾向は強くなります。

人間の子供だったら同じことをしてなだめるから、という飼い主さんの優しさから出た行動でしょうが、相手は犬です。子犬が不安を感じたときにできることは、その環境を整備することだけです。それよりも不安を感じやすい生活空間や、長い留守番によって、日常的に不安を強めていることがほとんどです。

犬の不安行動の解消、できることのひとつは「生活環境の整備」です。環境整備についてはくりかえし強調します。たとえば、屋内飼育や移動の多い犬にクレートトレーニングは必須です。過去のブログでクレートについてお話しました。→クレートトレーニング

次に、犬らしい行動ができる機会を与えてください。土の上を歩く、都会の臭い臭いのしない風を感じたり臭ったりする、静かな環境でゆっくり過ごす、草を食べる、新鮮な水を飲む、山をゆっくりと歩く、犬に伝わるように接することなど、犬の成長に応じてできることがたくさんあると思います。

犬は犬らしくいきることで不安を解消できるということ、これも犬の力です。

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