台風が過ぎ去って安心すると共に秋が深まっていきます。
涼しくなるこの季節にみられる傾向があります。
夏の暑さにばててリードを引かなくなっていた犬が再び散歩中に引っ張り始める、
暑さで吠える気力を失っていた犬が、涼しくなって吠えるようになるなど、
季節と共に行動が復活してくることがあります。
秋に見られる犬の他の行動としては、飼い主にまとわりつく分離不安行動が強くなることです。
犬の分離不安とは、飼い主が犬から離れると落ち着かなくななどのストレス行動をする状態にあることです。
夏の終わりころになると少し軽減されていた犬の不安行動が強くなっていることがあります。
トレーニングで改善を図ろうと環境整備をしているのに、なぜよくならないのだろうと不安になる飼い主もいます。
夏場の犬の環境に関わる問題としては、暑さでエアコン生活となりほとんど室内からでなくなることです。
人の生活の同じようにエアコンの効いている部屋から車へ、そしてスーパーから車から部屋へと暑い屋外空間で活動することがほとんどなくなります。
犬はもっとひどくほとんど室内から出されなくなっています。
庭のないマンションになると軟禁ではないかと思うほど室内にいます。
さらに暑さで散歩がままならなくなり散歩に行く回数も減ってしまう、もしくはほとんど行っていない場合もあるでしょう。
分離不安はこうした人の臭いの中に閉塞的にされる状態で進行します。
病気の状態としては進行、犬の状態としては悪化というところです。
夏場も気をつけて環境を整えるためにできることをしなければいけないのですが、そう簡単ではありません。
犬は人の都合で飼われるペットという存在ですから、人の環境に適応できなければ犬の方が排除されてしまうことの方が多いです。
結局そうなると、ストレス行動のパターンとして睡眠を続けてしまう脱力タイプの性質が生き残ることになります。
犬のサイズが小さくなって、人も少し鈍感になってしまい犬のストレス行動には気づかないことがほとんどですから、気づかれないまま犬たちの精神は死んでいくのかもしれません。
犬に分離不安行動を引き起こしてしまうような環境は人という動物にとってもメリットはないはずなのですが、人という動物の不思議は計り知れません。
とりあえず、自分にはまだ動物としての感性があると思っている方は少しだけ環境を考えてみられると良いと思います。