犬の散歩中の状態を飼い主さんに質問するときに、必ず尋ねるのが「犬が散歩中にどこで排泄するのか。」ということです。
この質問の意味がもしわかるのでしたら、相当に犬の行動について勉強をされて来られたということです。
ほとんどの飼い主さんが、犬が散歩中に排泄をする場所や目的について考えることがありません。
散歩中にどのような場所で排泄をしますか?という私の質問に多くの飼い主がこう答えます。
・散歩中に排泄をします。いつも同じところです。
・散歩中に歩いていて適当な場所でします。
・散歩中に自分がしたいと思ったところでします。
どの答えもしっくりときません。
いつも同じところでしますと答えた場合でも、歩道の上でする。
歩いていると急に立ち止まってするなどいろいろとあります。
犬が排泄をするときだけ立ち止まっている行動についても、立ち止まってすると思ってしまうようですね。
犬が排泄をする目的は常にテリトリーの境界線との関係があります。
排尿はもちろん、排便にはもっと深い意味があります。
ここぞと思うところで犬は排便をするはずなのです。
ところが、犬が「ここぞ」と思える場所がないと、歩いている途中で便意をもよおしコンクリートの上に排便をしてしまことがあります。
犬がここぞと思った場所で排便をするときは、入念に匂いを嗅いで「ここ」と場所を決めてするものです。
また排便は当然のことながら消化が終わったあとの便のことなので、未消化のものや軟便をするときには本来の排泄とは違う目的で出してしまったことになります。
人間からすると、そんなに都合よく自分が目的とする場所にたどり着くまで排便をがまんするわけないと考えるでしょう。
でも、ある意味人間ですら便意を催したときに、適切な場所(せめて近場のトイレ)に駆け込むまでは我慢できるはずです。
以前知人から聞いた話だと小学生の息子さんは、便をするためにわざわざ学校から自宅まで戻ってきていたということです。
となると、本当に適切な場所でないと排便できないのは犬も人も似たもの同士です。
犬は排泄物でテリトリーを構成する習性を今でも固辞しています。
もし散歩中に排泄を「その辺でしたいときに」しているとすれば、散歩の環境やさせ方の何かに不具合が発生しています。
犬の行動には面白いほど「意味」があることが多いのです。
だからこそ犬を学ぶことは新しい発見の続きです。
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