グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

トップページ
お電話でのお問い合わせ
お問い合わせフォーム

子供と犬の山歩きをもっと広めたいこと。

前回のブログ記事を読んで、子供教育の現場に長くお勤めの教師の先生からコメントをいただきました。

記事の内容には、普段街中を歩くのを嫌がる小さな子供が、犬といっしょに山歩きをするトレッキングクラスに参加して一時間もかかる坂道を楽しいと言いながら歩いたことを紹介しました。

子供の教育に携わる立場から、子供が山を犬と一緒に歩くという体験は、子供の脳や精神や肉体の健全な発達のためにとても役立つことだという後押しのお言葉をいただきました。

コロナの影響で福岡の子供たちにはタブレットが配布されて子供たちはいつでも気軽でタブレットを見れるようになりました。

このことは子供たちの成長を促進するよりも後退することにつながる可能性の方が高いというご意見も伺いました。

子供はYouTubeを見て時間を過ごすようになったことで、まるでYouTubeにお守をされているようなものだということです。

わたしも同じような考えを持っていたので、とても共感できました。

子供にとって大切なのはYouTubeを見続けることではなくて、自分の体を使ってバランスをとったり、木々に触ったり坂を歩いたり土に触れたり草をむしったりすることであるはずです。

さらに、子供だけが山歩きをするのではなく、犬と一緒に山を歩くことにとても大切な学びがあります。

山歩きでは犬が本来持っている能力を最大限に発揮することができるからです。

そして子供たちは山を歩く「犬」の姿を見て、必ず何かをつかみ取るはずです。

親が説明しなくても、犬が山を歩いている姿が部屋の中でボールを追いかけている姿とは違うということを、ただ見るだけで子供はわかるのです。

そこが大人よりも子供が優れているところです。

小さな犬をおもちゃのように子供が扱おうとするのは、山を歩く犬の姿を見たことがないからではないでしょうか?

犬はもっとすごい動物なのだということを子供たちが知る機会が、犬との山歩きにはあります。

子供自身の成長にも役立つ山歩きを通して、犬という動物について新しい見方をできるようになり、より動物として興味関心を持てるようになれば、子供の生涯を通して犬との暮らしは今までとは全く違うものになります。

実は私は子供時代に犬といっしょに山を歩いた経験がありません。

子供の時にやれなかったことを大人になってやっているようなものです。

小さな子供たちが山を犬と歩く姿を見ていると、本当に羨まして仕方ありません。

グッドボーイハートのトレッキングクラスでは、犬の家族の大人は二名まで、子供たちな何名でも参加できるというルールになっています。

子供たちが犬のことを知れば、犬の世界は変わります。

これからも子供と犬のトレッキングクラスがもっともっと広がるような仕組みを考えていきたいと模索中です。

どなたかよい案があれば、ぜひ教えて下さい。

関連ブログ記事 <初めて犬と山歩きですごく楽しく歩けたのは子供が自然だからです。>

 

Posted in クラスのこと, 犬のこと, 自然のこと

iphone13なら大丈夫!じゃなかった山のエリア感はさすがにすごい。ココから発展した「犬を変えるためにできるのは環境を変えることだけです。」

ネットの広告でiphone13を手にした人が激しく動き回ったあとにでるキャッチコピー「iphone13なら大丈夫」を見ながら思ったことは「iphone13も大丈夫じゃなかった」でした。

お預かりクラスのときに撮影している犬の自然の中での姿を、みなさんみたいにきれいに撮影できればという気持ちで携帯電話をiphone13に変更したのですが、2日で返品することになりました。

理由は、電話が通信できなかったからです。

iphone13に変えて七山に戻ると全くアンテナが立っていないことに気づきました。

来客の方々の中にもiphoneを利用されている方はいらしたはずだけど、有効なのはWi-Fiをつかったライン電話の方でした。

ドコモのエリアチェックを受けて、やはりエリア的に非常に通信が難しい場所であることがわかりました。

人工的になんでも発達して機械もどんどん良くなって、みんな最新の携帯機種を持ってより快適でより楽しい生活を作ろうとしている中で、山の奥にあるこのグッドボーイハート七山では通用しないものがいくつもあるということを実感したひとつの学びになりました。

そんな人の力の通用しない山の中にそれぞれの力で生きている動物がたくさんいます。

都会では触れることのできない野生動物のにおいがそこら中にあります。

都会では見ることもできない植物であふれています。

名前もしらない不思議な昆虫がたくさん生きています。

そんな人の手の及ばない場所だからこそ、犬の脳は活発に活動を始めるのだと感じるのです。

今自分がおかれているこの山の中で自分のためにできることは何か?

と、犬の脳が最大限に動き始めたときに、今まで閉じ込められていた壁を自ら突き破り解放されて犬の中で変革が起きることを待つしかありません。

私たちが犬に対してできることは、環境を変化させていくことだけです。

環境とは犬を取り巻く外的な要因のことです。

都会で過ごすのか、自然の中で過ごすのかといった大きな環境要因の問題。

室内で過ごすのか庭で過ごすのかといった環境の使い方。

リードをどのように使うのかという犬に用いる道具の使い方。

そして環境の中には飼い主としての向き合い方、接し方も含まれます。

犬にどのような問題行動が起きていようと、人が変えられるのは周囲の環境だけなのです。

それを内面から変えようとすると「薬やサプリメント」ということになります。

神経に作用するもの、脳の機能に影響を与えるもの、ゆっくりと効果のあるものであれば使用する価値はあると思います。

犬の内的なもの、内臓や脳や神経などに影響を及ぼすものについては急変するものはおすすめできません。

それぞれの犬にできることから精査して初めていきましょう。

でもどの犬にもできることは自然の中に連れ出すことです。

だれにでも気軽にできて犬が受け入れることができる自然がみなさんの近くにもあるはずです。

iphone13とはお別れしましたが、国産の携帯電話が七山では活躍しています。

結局写真はバージョンアップできなかったけど、つたない写真の中から犬たちの気持ちを汲み取っていただければと思います。

 

Posted in 犬のこと, 自然のこと

初めて山歩きをする犬は何を感じているのだろうか。

今日もまたトレッキングのために山まで行ってきました。

相当寒いと思っていましたが心地よく晴れて涼しい北風が吹く七山、紅葉は赤から黄色へと変化して落ち葉絨毯に埋め尽くされた山を歩くことができました。

参加した小さな犬ちゃんは山歩きが初めてとのことで、どのような反応を見せてくれるのか飼い主さんも楽しみに来られたようです。

最初は脚の毛にまとわりつく落ち葉に戸惑う様子で人に助けを求めるような様子もありました。

しかし、山を歩き進むうちに犬ちゃんは自分からどんどんと前に進んでいきます。

飼い主さんの方は、思ったよりも急坂ですねと言われながら、歩き進む小さな勇士の姿にびっくりした様子でした。

「山を歩きたがらない犬はいないのでしょうか?」という質問をされました。

今までにたくさんの犬と山を歩きましたが、山を歩きたがらないという犬はいませんでした。

山の坂でバランスを崩して動けなくなってしまうのは犬ではなく飼い主の方です。

犬はその四つ足で上手にバランスをとりながら上り道、下り道とむしろ楽しむように進んで歩いていきます。

山歩きが小さな犬ちゃんは臆することなくあゆみを続けました。

ときどきにおいとりをするようになっていきます。

木々から、地面から、風からにおうたくさんの獣のにおいをかぎ分けられたでしょうか。

犬との山歩きは犬だけの楽しみではありません。

犬が自然とどのようなコンタクトをとるのかを私たちが身近に感じることに楽しみがあります。

犬は人と自然をつないでくれるガイド役なのです。

小さな犬ちゃんの山での成長がこれからますます楽しみです。

グッドボーイハートのトレッキングクラスに参加したテトちゃん
 

Posted in クラスのこと, 犬のこと, 自然のこと

雨の日でも犬を大地の上で遊ばせたいという飼い主の気持ち

一雨ごとに寒さが増してきました。

緩やかな一日は過ごしやすいのですが、こうして寒くなったり温かくなったりする緩急が訪れると気持ちが引き締まります。

先日も朝から雨模様の気配の日に、トレッキングクラスに来る予定の生徒さんがいました。

ご連絡しようか迷いましたが、あの飼い主さんならこの天候でも来られるだろうと思っていると案の定、犬を連れて到着されました。

雨が降ってきましたね。降り止むまで少し待ちましょう。

といいつつも、少雨になると待ちきれなかったように山歩きに出かけます。

七山の環境にも慣れていて犬もある程度の自由行動ができます。

生徒さんはいつも草刈鎌を片手に歩きだすようになり、腱鞘炎が続くわたしは「しないでください。」と釘を刺される方で、手持ち無沙汰でしたがいつもとは違う雨宿りコースで山を歩きました。

しばらくするとまたザーっと雨が降ってきて、いったん戻ろうということになり室内で服を乾かし、再び雨が上がったのでまた広場に行ってふらふらと。

一日の気温や天候の変化が激しくても自然環境の中ではあまりストレスを感じません。

飼い主さんも「雨の日の散歩がいつもの散歩コースだったら、いやだなと思うのにこういうところだろ全然いやじゃないのが不思議です。」と。

むしろ天気にあわせて外に出たり隠れたりと天候の変化を楽しめます。

犬たちも同様にまったりして気温の変わらないときはぼーっとしているのに、雨が降ったり急に晴れたり、風が吹いたり止まったりという変化が起きると周囲の環境の変化をいち早く知ろうとするのか集中している様子がうかがえます。

こういうことを重ねていくことが頭を使うということではないかと思います。

その日にトレッキングに来ていた犬ちゃんも雨の日は散歩に行きたがらなかったので、山の雨トレッキングも最初は少し抵抗があったようですが今では全然なんともないという感じで雨の中を歩いていきます。

お預かりクラスに来ていた若いオス犬たちは、むしろ雨を楽しんでいるように泥まみれになって遊んでいました。泣きたいのはこちらの方ですね。

でもドロドロになってみたいという若い犬たちの欲求を満たしてあげる方が、汚れることを怖がることよりもずっと大切だと思うのです。

わたしたちも彼らも同じ動物で、自然の中で活動するための知恵を身に着けることが最も大切なことだとどこかで知っているはずです。

成長期に犬の脳を発達させるというのは、知的玩具でおやつを探させることでも、囲われた人工的な空間に連れていくことでも、たくさんの人に撫でてもらうことでもありません。

大きな自然という環境の中で安心を獲得していくこと、そしてそこに信頼できる仲間が共にいること、この二つが犬にとって最も大切なことです。

といっても体力がいりますね。

やっぱり犬はパワーがあります。

グッドボーイハートの雨の日のトレッキング

Posted in 日々のこと, クラスのこと, 犬のこと, 自然のこと

ニホンオオカミに最も近いのは現代の柴犬である論文が発表された。

先日生徒さんから送っていただいたネットニュースの情報が面白いものだったのでここに紹介します。

紹介していただいたのはジャーナリストの田中淳夫氏がYahooに寄稿された記事です。

題名には「オオカミよりも柴犬を放て。獣害対策に有効な「放し飼い」」とあります。

田中氏が記事の中で紹介されている、サル対策のための忠犬事業については以前からネットで配信されている記事などで知っていましたが、二ホンオオカミの遺伝子情報の解析についての論文発表については初めて確認しました。

田中氏の記事の中から引用します。

総合研究大学院大学(神奈川)を中心とする研究チームは、各地の標本から9頭のニホンオオカミの遺伝子情報を取り出して解析し、他種のオオカミやイヌ属の動物と比べた研究が「bioRxiv」に発表された。

それによると、ニホンオオカミは他のオオカミとは遺伝的に異なるユニークな亜種で、現代のイヌにもっとも近いことがわかったのだ。

 しかもDNAの共有率を調べた結果、シェパードやラブラドール・レトリーバーといった西欧の犬種とはほとんど共有していず、日本の柴犬やオーストラリアのディンゴなどと、最大で5.5%のDNAを共有していた。

 

ニホンオオカミは残された標本や写真などから見て、明らかに西洋のハイイロオオカミとは骨格よも容姿も異なることがわかります。

ですから、ニホンオオカミに一番近い犬種が柴犬だということが遺伝子情報として証明されたことについては驚くことではありませんが、科学的に証明されると納得できるということでしょう。

同時に柴犬そのものが野生のオオカミに近い性質や行動体系を持っていることは、犬を長く飼育された経験のある方なら気づかれます。

特に西洋の洋犬種と日本の純血種とは明らかに違いがあり、同じように育てようと思ってもうまくいきません。

同じイヌであっても、これだけ違いがあるのかと思うほどに面白い違いがたくさんあります。

例えば、多くの柴犬はワンワンと澄んだ声でなくことはなく、ギャンギャンとかギャとかといった締め付けられたような声を出します。

声だけを聴くと犬というよりは狐の鳴き声に近いような音を出します。

現在も生育しているハイイロオオカミもワンワンと鳴くことはありません。

やはり同じようにギャとかウォーとかそういった特徴のある音を出します。

日本に生育してきた犬の中でワンワンとなくのは、柴犬よりも野良犬の方です。

その野良犬の多くは雑種=ミックス犬です。

人がきっちりと管理してきた純血種の柴犬の方が、人から離れて勝手に繁殖を繰り返した野良犬の方が犬っぽいというところがあるようです。

西洋のイヌと日本のイヌでは大きな違いがあるうえに、日本の純血種と日本の雑種犬にもまた大きな違いがあるのです。

日本の雑種犬の中には西洋犬が混在を初めていますし、同時に雑種犬たちは純血種の柴犬のように完全管理で飼育されずに、一度の野に放たれて自由になった犬たちも多いのです。

生育の過程の違いが遺伝子に流れ込みまた遺伝子情報に変化を及ぼします。

今度は、柴犬と日本の雑種犬の遺伝子情報がどの程度離れているのかも研究していただきたいと期待しています。

田中氏は記事の中で、獣害被害を抑えるための方法として西洋のハイイロオオカミを持ち込むよりも訓練した飼い犬の放し飼いの方が安心だという意見を述べられています。

私ももちろんこの意見に賛成です。

もともと日本の犬たちが守ってきた里山の獣と人との境界線を守らせるために西洋から動物を入れる必要はないと考えます。

人とより良い関係を作ることができる日本の飼い犬こそ、里山を獣から守るためにともに戦ってくれる同志ではないでしょうか?

今月からイノシシ猟が解禁となります。

七山で活躍してくれる里山犬たちを募集しています。

Posted in 犬のこと, 自然のこと

はじめてのお預かりクラスで犬の性質を探るヒント・自然環境にどのように反応をするのか

今はお預かりクラスを初めて利用する1歳未満の犬たちの観察に追われています。

はじめて自宅を離れて家族と離れて過ごすこと、場合によっては大人の犬といっしょになることもあり、まだ成熟していない犬たちの行動には成長期にみられる性質の特徴を見ることができるので毎回楽しみにしています。

お預かりクラスを利用したときにどの犬といっしょになるのかということも犬の行動に影響はしますが、犬の性質は変わらないのですからどんな部分が見え隠れするのかという程度です。

一緒になった犬が何歳なのか、どのくらいの預かり経験があるのか、その犬の性質はどうなのかということもはじめて預かりクラスを利用する犬の行動に影響を与えます。

たくさんの情報が知りたいという気持ちと、犬に負担をかけすぎてはいけないという気持ちが行き来しながら対面をさせつつ行動の変化をうかがっています。

自宅では自由気ままにわがままいっぱいで怖いものなしのように振舞っている犬が、預かり場所ではキョロキョロ、おどおどしているのは珍しいことではありません。

特に室内犬の場合には、だれにも襲われることのない安全かつゆるーい空間にいるのですから、七山の山の中の環境に置かれるだけでも犬にとっては驚くことがたくさんあります。

特にこの季節は蜂がぶんぶんと頭の上をよく通過するので、私もときどき大きな蜂の羽音に座り込むことがあります。

昨年、スズメバチに刺されてから少し敏感になっているかとは思います。

室内で暮らす犬にとって、休んでいるときに頭上にまで配慮しなければいけないという環境はありません。

犬はお気楽に慣れすぎてしまいあまりにも無防備かつ無知にもなっているような気がします。

自然の中とか犬にそんな怖い思いをさせるのはかわいそうだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、キングギドラが頭上から舞い降りてくるわけではありません。

犬という動物であればみんな出会う可能性がある小さな生物が空を飛んでいたり地面をはっていたりするだけのことです。

そんなことにびっくりして自分のクレートに戻っていこうとする犬も珍しくありません。

しかし、最初はおどおどしているはじめてのお泊り犬たちも数日を過ごすようになるとたくましく変化していきます。

「そうだわたしは犬だった」と気づいたかのように、飛んでくる虫にカツリと威嚇をしたり身をかがめて隠れたり、地面を動く虫に気を奪われなくなったりしていくのです。

これは犬の野山に対する社会化というものですが、本当であればコンクリートよりも先にこちらの社会に社会化させることが大切です。

なぜ大切なのかというと、犬の脳の発達はそのような仕組みになっているからです。

続きはまた。

 

はじめてのお預かりクラスでクレートから世界をのぞくグリーズちゃん

Posted in クラスのこと, 犬のこと, 自然のこと

都市と田舎を行き来する生活で学ぶこと。

新しい生徒さんに必ずといっていいほど聞かれる質問。

「いつもはどちらにお住まいなんですか?」

どちらにというのは、福岡なのか七山なのかということです。

毎回答えに詰まりますが、住まいは福岡、スクールは七山なのです。

犬のお預かりクラスやトレッキングクラスのある時は七山にいます。

季節にもよりますが半分は七山にいたいと思いつつも、訪問レッスンが増えると福岡に滞在します。

都市空間と自然の真逆の環境を行き来しているのは仕事の為に結果としてそうなったというこですが、今のところこれが理想的ではないかと考えています。

同じことを早くから実践して薦めているのが解剖学者の養老孟司先生です。

知識だけでなく人格者としても尊敬する先生が薦めて下さる生活なので、自信をもって人にも薦めています。

すでに田舎に育ちそこにコミュニティがあり家族がいて生活が成り立っている方は、わざわ都会で暮らす必要はありません。

行き来しなければいけない自分などは、仕事にために都市に行く必要があり、また大家族というコミュニティを持たないために孤立怯えるからです。

都市空間で育った私が自然環境に出向くことになったのは犬のためです。

知識で学んだわけではありませんが、オポ連れて山や海に出かけることは「オポ」にとって必要なことだと思っていたからでしょう。

この事を誰からも教えてもらったことはありあません。

言葉では伝えくいことですが、一度でも犬と山で遊んだことのある人なら、山の空間の中で広がっていく犬の感性というものがあることに気づくはずです。

犬何を必要としているか?を常に考えているわけですから、この気づきは当然のことでした。

話を元に戻しますが、この都会と田舎を行き来する生活について薦めている養老先生も、これを人にすすめると贅沢だと言われると話されていました。

お金があったらできるんだけど、ということについては、実際にはお金があってもしなものですよね。

自分にとっての必要性の最重要項目にならなければ、人は環境を変えられないものです。

その都会の生活の中で犬たちがストレスを抱えています。

福岡市内はもちろんのこと、福岡の新興住宅地も都会の付属品です。

ストレスによって犬に起きているのは問題行動ばかりではありません。

歪みなら修正が効きますが、障害となると時間がかかります。

欠損となると回復は難しいものです。

犬の脳や精神が壊れる前に、犬を自然環境で過ごさせましょう。

福岡の新興住宅地も都会の付属品です。

飼い主さんができないということで、お預かりクラスもやっています。

行き来には労力もかかりますが、犬に必要な事を提供するためならまだまだ頑張ります。

山で遊ぶ金太郎くん

Posted in 犬のこと, 自然のこと

山のお預かりクラスで犬の社会化が進むのは安心できる場所、管理と時間があるから。

お預かりクラスを繰り返しご利用いただくたびに、犬の行動に変化が訪れてくるのを見るのが毎回楽しみです。

七つの山に囲まれたこの空間の中に、飼い主から離れて過ごしている犬。

最初は不安を抱えている犬も、繰り返しお泊りに来てくれるようになることでここでの過ごし方に馴れていくようです。

特に「おひとり様お預かりクラス」の場合には優雅にテラスを独り占めしています。


写真の中に犬ちゃんの姿は見つかりましたか?

ひさしの向こう側の下あたりにチワワちゃんが休憩しています。

テラスの上で、周囲見張っていたり休んでいたりしながら一日をゆっくりと過ごしています。

寝ているようですが、たくさんのものを感じています。

空気の流れ、その流れにのってやってくる匂い、太陽や雲の動きで変わる気温、湿気と風、鳥たちの声、川の流れる音、草のふれあう音など。

この中心的テリトリーから出るときは、私と共に広場や散歩やトレッキングに行くときです。

戻ってくると、ここが自分の居場所とばかりにすぐにお庭に入り、テラスの上や草の中にある所定の位置にむかいます。

寝場所はドアの内側にあるクレートの中。


クレートカバーの隙間から撮影したけれど起きてしまいました、ごめんなさいね。

クレートの中は犬にとっては巣穴なのでここには外敵は入ってきません。

ゆっくりと丸まって頭を休めて、そしてまた外で見張り番をしています。

この小さなチワワちゃんを空からみたらどんな風景なのか。


グーグルマップの航空写真でみたらこんな感じです。

ブルーの丸印がチワワちゃんが休憩しているテラスですね。

周りは緑に囲まれた山です。

都会のマンションの中と比べるとやっぱり環境が大きく違います。

犬にとっての楽しみや幸せは、オヤツを食べることやドッグランで走り回ることでは全く物足りないと考えています。

犬にとっての充実した時間は、犬としての時間を持つこと。

それがこの風景の中に自分の居場所を持って役割を果たし、心地よく一日を終えることなのです。

犬たちがこうして過ごしてくれるから、テラスの片づけも頑張らなければ!


 

Posted in クラスのこと, 犬のこと, 自然のこと

プライベート・トレッキングクラスを七山で開催しました。

不安定なお天気の合間に、プライベートトレッキングクラスを開催しました。

いつもグループトレッキングクラスに参加してくれているゴールデンリトリバーの犬くんです。

グループクラスとプライベートクラスでは、トレッキングの内容もお話することもまた全く違います。

山歩きをしながら犬ちゃんの状態を聞いたり、環境の変化やそれに伴うご相談などプライベートならでは個別相談に応じられるのがプライベートクラスです。

また、プライベートでのトレッキングクラスでは、グループクラスとは違う目的をもって歩いています。

自制とバランス。

そもそものトレッキングクラスで身に着けたい犬の行動に焦点を当てながら歩いていきます。

今回、クラスを受講してくれた生徒さんと犬くんは、家庭での訪問レッスンを終えられて普段の生活では落ち着いて犬との暮らしを楽しまれています。

そんな楽しい犬との生活をつづけながらも、もっと深い人と犬の関わりについて、さらに一歩ずつ進んでいかれたい方が、継続してクラスを受講されています。

こうしたクラスは私にとっても味わい深いものです。

生徒さんと犬との関係が深まると同時に、時間と場所をたくさん使えば、自然と私と犬の関係にも変化が起きているからです。

犬の一生は長いものでやはり本当に短いです。

わたしたちの時間のながれからするとあっという間に彼ら犬の時間が過ぎてしまいます。

その上、毎日飼い主さんの仕事中は留守番をしている犬たちも多く、人と犬が過ごす時間の質を上げることはとても大切なことなのです。

プライベートトレッキングクラス、この日はとても涼しく心地よい風が吹きました。

Posted in クラスのこと, 自然のこと

犬のハエ追い行動(フライバイティング)はストレスが原因なのか?

前回のブログ記事で犬の「常同行動」について書きました。

このタイミングで犬が虫を追う行動についてのご質問があったので、あわせてこちらに説明します。

犬が虫を追う行動は、犬のハエ追い行動と同じ部類の行動です。

実際には虫やハエはいないのに、犬が虫を追っているような、ハエを追っているような行動をします。

対象のないものに対する真空行動が繰り返し起きる常同行動です。

飼い主さんから見ると不思議な行動なので見逃されている方も多いのですが、犬の行動観察に関心のある方や、犬の行動に興味を持っている方が気づかれることがあります。

室内でこのような行動をしているのですが…。

と動画を見せていただいたのですが、それは犬の虫追い行動・ハエ追い行動でした。

 

実際にはないものを追うこの行動のパターンは犬の神経症と結びつく可能性もあるため飼い主は、「犬が何かの病気にかかっているのでは」「犬の脳に何か障害があるかもしれない」という不安を抱かれる場合もあります。

しかし、犬の真空行動が出たからといって、必ずしも犬が障害や病気を抱えているわけではありませんので慎重に経過を見る必要があります。

犬の真空行動転移行動転位行動と同じように、犬が葛藤したときに出現する行動でもあります。

犬には葛藤で生じる行動がたくさんあります。

飼い主にとっては犬に葛藤などが生じるということ事態が信じられないかもしれません。

犬でいう葛藤とは犬の欲求が十分に満たされないことで起きる葛藤です。

というと、納得されるのではないでしょうか。

犬が必要とする欲求が十分に満たされていると自信を持って言えるでしょうか。

犬の欲求とは、犬が犬という動物としての習性を発揮することです。

例えば、犬には性的な欲求がありますが、これは不妊手術でその欲求をコントロールすることができます。

しかし、それ以外の犬の本能的は欲求はほとんど満たされていません。

そのために、犬は欲求不満に陥り、葛藤行動を生じるようになります。

その葛藤行動のひとつがハエ追い行動という常同行動なのです。

犬が神経症を抱えていると判断する前にまだできることがあります。

犬の欲求不満を解決するための策を考えてみることです。

ちなみに、山の学校で犬のお預かりクラスをしているときには、普段その犬が家庭内でしている常同行動を見ることはありません。

実際に虫を追っていることはあっても、いない虫を追うことはありません。

犬が病気であるかどうか、犬が障害を抱えているかどうかを決める前にやってほしいことは、犬を自然の環境の中でゆっくりと過ごさせることです。

環境を変えて犬の行動を観察すること。

これも飼い主が犬を知るためにできる大切なことです。

写真はすくすくと成長する犬ちゃん



 

 

 

 

 

Posted in 犬のこと, 自然のこと