グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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使役動物の行方

今日のニュースで「ロシアが軍用イルカを復活」の一文に目がとまりました。

イルカだけでなく、過去の戦争で様々な哺乳動物が訓練され
軍用として使われていた事実があります。
犬は軍用犬として使われていました。

「使われていた」という言葉通り、こうした動物は使役動物といいます。
使役動物の定義は曖昧になりがちですが、
人が作業のために使われる動物
人が作業をすることを教えて使う動物
といったところでしょうか。

「作業」の目的は軍用から荷物運び、福祉事業に入る盲導犬なども使役動物に含まれます。

どの目的が良いもので、どれが悪いものだという区別はできません。

人がいないと生存が成り立たない状態では、動物は依存性を高めます。
特に使役動物になりうる動物たちは人と同様に共感性が高く、
飼育や訓練を行う人の感情に敏感になります。
そのため、育て親になる人が喜べば作業の意欲は増していきます。

動物の側はとても純粋でシンプルな動物としての社会性や感情を動かされています。
だからこそ、動物を使いたい側の人間は、動物以上に社会的な存在であることを
求められている気がします。

伴侶動物、つまりペットといわれる人が飼っている犬は使役犬ではありません。
それでも、私たちは何かの希望や目的があって彼らを近くに呼んだのではないでしょうか。

対等であるということは、どこまでも難しいことです。
それでも、一歩ずつそちらに進んでいきたいという希望だけは持ち続けています。


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プライベートトレーニングクラス

プライベートトレーニングクラスを行いました。
今日は主にクレートの使い方について再検討しました。

クレート、ものによってはケイジやキャリーケースといわれる
いわゆる犬の寝床をどのように使っているのかは
ご家庭の事情や飼い主さんの価値観によって様々です。

そして、クレートを犬に提供する際、
つまり、クレートを最初にどのように使用したかという過去の経験において
犬がクレートを好意的に受け止めるか、嫌悪的に受け止めるかという反応の違いもあります。

子犬のころからクレートの必要性を説明しても
実際に生活上であまりクレートを活用することがないと
クレートはあまり活用されていません。

活用されていないというよりはクレートに入ることができない
クレートの戸口を閉めようとすると抵抗を示すようになってしまっていることもあります。

クレートの必要性についてはまた別の機会に紹介したいと思います。

まずはクレートに対して好意的かどうか、クレートを必要としているかどうかを
チェックしてみてください。

クレートの入り口を閉めることができないという場合には
本来クレートが必要になったときに用を足しません。
また別に解決しなければいけない問題を持っている可能性もあります。

逆にクレートに入っている状態でも、外の物音にクレート内から吠えるという行動があれば
こちらもクレートトレーニングが完了している状態ではありません。

この二つはほんの一例です。
他にもクレートが犬にとってどのようなものなのかを知る行動がたくさんあります。

クレートトレーニングはいろいろな特殊な状態を犬に負担なく過ごさせる道具にもなります。
都市生活では欠かせない道具です。

ぜひクレートを見直してみてください。

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犬語セミナー

今日は毎月開催している犬語セミナーの日でした。
犬語セミナーの内容についてはホームページでぜひご覧にください。

私はこの犬語セミナーが好きです。
犬のことをもっと理解したいという気持ちで、単純にとても楽しい時間です。

動物の行動を知るために必要なことは実はとてもシンプルです。
行動観察をする
その行動を評価する
この二つだけです。

とはいっても実際に犬のビデオをみていただき参加者に行動をひろいあげてもらっても
ひろわれる行動とひろわれない行動があります。
ひろわれない行動とはつまり、見過ごしてしまっている行動です。
今回も見過ごしてしまっている行動があって、なんども同じ場面のビデオを見ていただきました。

なぜ見過ごしてしまうかというと、自分の脳が勝手に「必要のない情報」としてしまうからです。
ではなぜ「必要のない情報」として処理されているかというと、たいていの場合において思い込みです。

それも「良い行動として思い込んでいる」ものはほとんど「必要のない情報」ボックスに入れられます。
逆に「悪い行動として認識する」とその行動はひろいあげられる可能性が高くなります。
たとえば、ストレス行動とか攻撃的な行動とかですね。
こういった行動はたくさん拾われていました。

参加者はくり返しこのセミナーや他のクラスでも学んだ熟練者ばかりなので
行動を観察する力もとても高いですし、行動を評価する力もかなり高いのです。
それでも「自分がよく接して知っていると思っている犬」に限って思い込んでいることがたくさんあるのです。

犬という動物に関心をもち、仲良くなりたいと思い接することはすばらしいことだと思います。
そして、接するのであれば相手を理解するということが大切だと思います。
関係を深めていく過程の中では欠かせないことだからです。

先日読んだ野生動物の行動を研究している先生の執筆した野生動物に関する書籍にも
同じ主旨のことが書いてありとてもうれしくなりました。

今日このシーズンではじめてのうぐいすの声を聞きました。
生物が多様であるということは豊かなことなのだなと感じるひとときでした。

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春の雷

七山では雷がゴロゴロとなっています。
春の雷(ハルノライ)という季語にもあります。
この時期になると毎年聞いている気がするので、季節の風物詩なのかもしれません。

雨がさほどひどくなくても、遠くの方で聞こえるゴロゴロという音。
最初は雷だと思わず、山で石でも転がっているのかと思っていました。

梅雨のあの雷のようないさましさはありません。
春の雨と雷は暖かくなりますよーというお知らせのような気がします。

雷といえば、雷を怖がるいわゆる雷恐怖症とよばれる状態の犬たちがいます。
不思議なことですが、雷恐怖症の犬たちを山に連れてくると
自宅にいるよりも雷をこわがらないといいます。
自宅にいるよりも、というより、全く怖がっている様子が見られません。

山にいるときに雷に反応したいため、自宅でもしなくなったかなと思うと
自宅に戻るとやはり震えたり隠れたりするという行動が出るとのことでした。

雷は光や音だけでなく、そのものが非常に大きな自然のエネルギーです。
七山では犬も野生動物も人も、雷におろおろしているのを見たことがありません。

犬は何か「違い」を感じ取っているのですね。
そんな犬という動物が知っていることをもっとわかるようになりたいです。

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プライベートトレッキングクラス

山道には昨日の雪がまだしっかりと残っていましたが
今日はトレッキングクラスにでかけました。

雪道を歩く私の楽しみは、野生動物の足跡をいくつも発見できることです。
これはうさぎ、これはいのしし、これはあなぐまかな?
そして小さな4つのパッドのある足跡をみつけました。
うーん。これは猫ではないだろうか?

私もつい最近まで里から離れた場所に猫はいないと思い込んでいたのですが
最近になって運転中に猫より一回り大きいかなと感じる動物が動いているのをみました。

車を止めてそちらを見ると、猫です。
向こうもやぶにらみな感じでこちらの様子を伺っています。
こんなに里から離れた山の中に生きている猫がいるのかと驚きました。

たしかに食べるものはあります。
野ねずみがたくさんいるし、小鳥もいますからね。

さて、犬の行動に戻ります。
雪になじみのある犬でも、雪の日はいつもと臭いが異なることもあり動きもいつもよりも大きくわさわさとした感じになることがあります。
全ての犬がということではありません。
こうした環境の変化による行動の変化のひとつひとつが、犬の性質や経験や状態を知るチャンスになるため毎回のことですがトレッキング中に犬を観察することはとても楽しいことです。

犬が落ち着いて移動することができるようになるまで相当の時間を必要とします。普段の生活、経験、ストレスの度合いや飼い主さんとの関係まで、影響を与えているものは多様なため原因をひとつにしぼることは難しいのです。
ですが、犬が今どのような状態かを知るチャンスにはなります。
そして飼い主が犬にできることもわかってきます。

トレッキングはみんなとワイワイとにぎやかにするものだという勘違いも多いですが、飼い主さんと犬の関係が一番大切です。


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訪問トレーニング

家庭訪問のトレーニングを行いました。
動物愛護センターから保護犬を家庭犬として迎えられた飼い主さんのご家庭に伺いました。当日急遽、犬のお友達が来ているからその様子もみてほしいということだったのであわせてみせていただきました。

犬は生活環境や飼い主が変わると安定するまでに早くても数ヶ月を必要とします。特に成犬の場合には子犬の頃よりも適応能力が低下しているため少々時間がかかることを前提として迎えいれる必要があります。それでも、安定するまでの期間や安定の度合いは飼い主さんの協力によって違ってきます。

かわいらしい子犬から犬を飼いたいとか、以前飼っていた犬と同じ犬種を迎えたいなど、犬を飼う理由や環境は人によってさまざまです。今までどのような生活をしていたのかわからない成犬を迎え入れることに不安を抱かれる方もいらっしゃると思います。

人の生活が変化しやすいこの時代には、いろいろな状況から成犬を飼えなくなってしまうことも多いでしょう。最近では成犬の飼い主募集は子犬よりも多く、飼い主を必要としている成犬がまだたくさんいることも事実です。

成犬を迎えて不安を抱えられるような場合には早めに専門家からアドバイスを得ることをおすすめします。飼い主さんの不安が犬の不安につながっていきますし、その犬にあった飼育環境を聞くことも可能です。

ドッグトレーニングは問題がおきる前に、困ったことになる前に利用していただきたいサービスです。犬のことが理解でき、人の手に余すほどの問題に発展することを防ぐこともできます。

犬を理解することに関心の高い飼い主さんの家庭に来た元保護犬さんがどのような成長をみせてくれるのかとても楽しみです。

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トレッキングシューズ

山暮らしが始まったときにすぐに購入したのが「トレッキングシューズ」です。

ところが、トレッキングシューズをはいて山を歩くと、粘土みたいにやわらかい土が靴底にどんどんついてきてシューズがどんどん重くなります。
これでは困るな~と思案しました。

こういうときは「犬に学べ」です。犬の足裏はパッドです。パッドはゴムの役割です。ただし鉤つめつきですけどね。
それでゴム長靴で歩くことにしてみました。
そうしたらなんと、長靴の方が歩きやすいではないですか。

私が長靴で歩いているのを見て、生徒さんたちは最初は抵抗を示されました。
ところが今では、みなさん長靴を履いて山を歩いています。
本当は足袋で歩きたいところですが、湿度が強すぎるので濡れてしまいます。
それで、山歩きの靴には、今のところは長靴がナンバーワンです。

山ではお役ごめんとなったトレッキングシューズを街中のアスファルト用に履いています。

以前知人が足首にウエイトをつけているのを見せてくれたことがあります。
訳を聞くと「平たいところばかり歩くので足が上がらずつまずいてしまうから。」ということでした。
ウエイトをつけていると足を上に上げようと意識するのでつまずくことがなくなったといわれていました。
その話を聞いたときに「では、都会でトレッキングシューズを履けばいいということかな」と思ったのです。

トレッキングシューズにもいろいろありますが、装備が強いものは重量がかなりあります。私の個人的な見解では靴の重量がある理由は「足をきちんと上げることと、岩場で足を挟まないようにするため」なのかと思います。

とりあえず、長時間歩くときには都会ではトレッキングシューズを履いています。
ちなみに3時間くらいは歩いていますが硬いアスファルトを長時間歩くと足の裏が痛く硬くなってきます。犬は大変だろうなと思います。

トレッキングシューズ。もうしばらくこの形で使ってみようと思います。


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写真撮影

ホームページをリニューアルするにあたり、真の入替も行うことになりました。
そこで、生徒さんにお願いしてトレーニング風景の写真を撮らせていただくことになりました。

久しぶりにご家庭を訪問したワンちゃんだったので「お鼻にキッス攻撃」の洗礼を受けました。話したいことがたくさんたまっていたみたいですね。
社会性がきちんと育っていて他者とのコミュニケーションを楽しめる犬は、犬のことを理解できる人といっしょにいることで社会生活に満足を得ます。社会性が育っているというのはそれだけ相手を観察でき相手のことも理解できるということだからです。

すでにトレーニングは修了されているので、撮影はポーズをとるような感じですすめられました。モデルになっていることがわかっているようで辛抱強く協力してくれました。

ルールが分かりやすく伝われば犬も安心して生活できますね。
よくルールを守る犬は飼い主さんに認めてもらおうとがんばっています。だから、犬がやりたいことに飼い主さんもつきあってあげるとお互い様ですね。

今日は協力してくれてありがとう。
またゆっくりお話しましょうね。

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コラム「たくさんの知識が必要なのか?~しつけ・トレーニング~」

久しぶりに美容室へいきました。グッドボーイハート福岡のご近所の美容室です。髪の手入れをしてもらっているときもこの地区の近所犬のはなしがつきません。
美容師さんはミリちゃんというミニチュアダックスの飼い主さんです。ミリちゃんの子犬時代からグッドボーイハートで犬のしつけやトレーニングを通して犬についてたくさん勉強され、散歩中に会う犬についてもわかることが多くあるといわれます。

「勉強する」というとどこから、どのくらい勉強すればいいの?と不安に思われるでしょうか。実はとてもシンプルに犬のことを学び始めることができます。

ミリちゃんの飼い主さんがグッドボーイハートに犬の飼い方について相談された理由は「犬を飼ったことがないし犬があまり得意ではないけど知人に相談されてつい飼うことになってしまったんです。」というものでした。家に迎えたミリちゃんのことがわからない、だけどきちんと育てたいという責任感からトレーニングは始まりました。

最初、飼い主さんは犬については真っ白の状態です。子犬がどのような生活環境を必要としているか、何をしなければならないのかなど、課題が決められインストラクターの指導によってトレーニングはステップアップしながら進みます。課題は「こうしてください」というものだけではありません。「ミリちゃんはそのときどうしていましたか?」という質問の方が多くなります。飼い主さんはミリちゃんをよく観察して、こういうときにこういう行動をするのはこういう意味があるのだな、と理解を深めていきます。

この段階で自己流のしつけ方にこだわりインストラクターのアドバイスを受け入れられなかったり、事前に得た知識「私は犬のことをよく知っている。」という気持ちが観察力を落としたりします。なぜしなければならないのかと納得できないとしない、という場合にはトレーニングはなかなかすすみません。それがわかるのは実際に練習をくり返し犬に変化がみられたときなんです。

大切なのは知識や情報を仕入れることではなく、この犬に何が必要なのかというシンプルな答えだからです。頭の中だけで知ろうとするのは意味がないばかりかその間にも犬は問題を山積みにしていきます。そのためにこの道の専門家がいるのです。美容師である飼い主さんは、専門家がいうことを「ただ実践するという力」を持っていました。技術は魔法ではありません。飼い主さんの受け取る力が大切です。

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超えるもの

いのさんの筍堀りのおかげで満腹を忘れることのないオポ。
準備が整っていればちゃんと芽が出てくるんだから本当に不思議です。
それを探す術と獲る術を知っている動物たち。

オポたち犬は本来なら一番上にいたんだろうけど、今のところは一番下で食べていることになる。
「いろんな事情があったのさ。そのうち話すよ。」
とオポがいうので、そのまま月日は過ぎていった。

自然の中で起きていること、自分の知らない世界がある。

たくさん知りたいから、知っている人が描いた作品なども見る。
「先生の家にそっくりの家がでてくるんですよ。」といわれてちょっとだけ関心のあった映画を借りることができた。なるほど「力を込めないと開かない洋風の窓」のことね。

そのシリーズは自然や宇宙について大人と子供にもわかりやすく表現してある。
映画をご覧になっていない方のために、できるだけ簡単に…こんな感じで。

少女は大変好奇心旺盛で、いろんなことに興味を持っていた。
年齢も大人に近づいてくると、その好奇心で次々と行動を起こしていく。
大人の目線から見ると「危ないから止めなさい」といわれるくらい。

結果、好奇心から行動したことで問題を起こしてしまいそれが家族(仲間)にまで危険を及ぼすようなことになった。
少女は大変落ち込む。自分の行動で皆を危険にさらしたのだ。
だが、少女は自分でその問題を解決しようとさらに行動を起こす。

少女と出会った少年は心臓が悪く、文字通り心の病を抱えていた。
少年の両親は仕事に忙しく、少年はいつも一人ぼっちだった。
少年は少女に言った。「君には家族がいるんだね。うらやましいな。」

動物はみな好奇心というものを持っている。
性質によるから、好奇心の強い動物とそうでないものがあるだろう。
ただ、どんなに小さな好奇心であっても、好奇心のない動物はいない。

その好奇心を持ち、動物はいろんなことを経験する。
経験とは「良い事」だけをいうのではない。
それなのに犬に対して楽しい経験だけをさせようとしたり
安全だからと囲いの中に入れてしまおうとしていないだろうか。
安全に作られた遊具でしか遊ぶことが許されていない子供たちのように。

生きていれば辛いことを、だれしもが経験するだろう。
そのきっかけが「自分の好奇心」であったということが、自分を戒める結果にもなる。
未熟な自分によって起きたいろいろな経験は、今の自分を教えてくれるからだ。
そこで落ち込んでしまうのか。
落ち込んでいる犬を見て飼い主も落ち込んでしまうのか。
それは経験の内容によるのではないと思う。

経験は自分を成長させるためにある。
そして動物が自分できちんと選択して行動を起こしたのなら
それを超えていくのも、やはり動物自身なのだ。

成長というボタンを押してくれるもの、それが少女にはあった。
毎日協力しあって生活をし、共に暮らしている家族。
家族の絆といえばあまりに単純なコトバになるが
その見えないつながりこそ、彼女を奮いたたせた。

犬という動物が暮らす環境は本当に難しくなってきた。
家族の絆を知っている犬がどのくらいいるのだろう。
犬に聞かなくてもわかる。それは彼らの行動に現れる。
つながりを知っている彼ら、強いものね。

ブログ用オポ雪の中

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