今年に入ってからはまっている本があります。
以前にもご紹介したのですが、麻布大学の高槻成紀先生の本です。
図書館や知人に借りたり、自分で購入したりして何冊もの本を読みました。
今回読み終えたのはヤマケイ新書のこの本です。
唱歌「ふるさと」の生態学~うさぎはなぜいなくなったのか~
唱歌「ふるさと」とは「うさぎ追いしかの山 ♪ 」というあの歌です。
小学生のときに歌った記憶があり、メロディは覚えていました。
ですが、東京のマンションで幼少期を過ごし
その後も博多の中心地で成長し、自然といえば庭しか知らないような私です。
おそらく、全く意味がわからないまま歌っていたのでしょう。
グッドボーイハートが七山に移転してオポと共に学んだ7年の経験を通して
ほんの一部ですが、この「ふるさと」の歌がわかりかけたのかと思っていました。
でも今回この本を読み、2000年にもなると「ふるさと」の風景は
一変してしまっていたことを知りました。
私たち世代は、この歌に詠まれている光景を見ることすらできず
知ることもできなくなってしまったのです。
本にはどのように変化してきてこうなったのかがわかりやすく記述されています。
里山の変化、水の変化、森林の変化、社会の変化、
そして震災と自然というテーマでも語られています。
文章の中には、生態学者としての高槻先生の自然への熱い思いを感じます。
この題材はあまりにも大きく深いため、自分の中でも一気には解決しません。
だからこそ、なんどもなんども考えたり調べたり思ったりして
頭の中を整理していく作業をくり返しています。
でも希望があります。
なぜなら、高槻先生の本を読みながら私の中には
生き生きと自然と生きる犬の姿が思い浮かんでしまうのです。
どうしてだろう…。
生態学を学ぶということは、自然環境がどのように変化し
そのことが生態にどのように影響を与えたのかを知る必要があります。
その時同時に人が自然環境にどのような影響を与えたのかを知ることになります。
そして、近代化が与えたそれは、自然や動物にとって重大なことなのです。
そのため、そのことを考えると相当に落ち込みもするのですが、
同時に私たちの祖先が自然によりそい命あるものに畏敬の念をいだきながら
生きてきた時代があったことも知ることにもなります。
「最新の」という言葉が使われます。
新しいことが良いことのように思われてしまうことがあります。
「最新のドッグトレーニング」など。
犬は自然の生き物です。
たとえペットとなってしまっても、犬は動物です。
犬と人の関係も「先人の叡智」から学ぶことができます。
犬を自然の一部だと感じられる方には、高槻先生の本をおすすめします。
犬を飼っていないけど、自然の心地よさが好きという方にもおすすめです。
この本をなんども読み直していこうと思います。
このような時代にこのような先生に出会えたこと感謝しています。
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熊本被災ペット支援ネットワーク
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