グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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風景の中の犬

今日は月下虫音に出演します。※ブログ記事「ラジオ番組に出演します」

犬のことをラジオを通して伝えることができる機会は、グッドボーイハートのクラス開催とは違う意味で貴重です。犬と暮らしていない人、犬があまり得意でない人に犬のことを聴いていただく機会になるからです。

月下虫音の中で大田こぞうさんはいろんな生き物の話しをします。その中には、見たこともない珍しい昆虫、動物、鳥などの話しもありますが、比較的興味がわくのは、今までに自分が見たり接したことのある生き物についてです。都会育ちなのであまり多くの生き物に接してこなかったのですが、それでもたまに田舎でみたメダカやカエルなど、生き物を見たり接した子供時代の記憶は強いものです。

犬という動物は特別な動物ではありません。現在成人しているくらいの年齢の方が子どものころには、家にいたとか、家にはいなくてもどこかで見かけることのあった動物です。犬はどこにでもいる、どこででも見ることのできる風景の中に存在してました。これは過去形ではなく、現在でも見ることのできるということろですが、その風景は若干変化してきたのです。

ここ数十年、都市環境で犬が飼われるようになってから、風景の中の犬が変化し始めてきました。マンションで飼育が許可されているサイズの犬は小型の純血種です。マルチーズ、チワワやミニチュアダックスといった犬種から始まり、トイプードル、フレンチブルドッグ、豆柴など、小型化された犬が都市環境でみる風景の中の犬に変わってきたのです。

みなさんの田舎でみかけた庭犬の雑種犬と、都市を歩いているトイプードルは同じ犬です。
人為的な繁殖と淘汰によって、そのサイズや形は大きく変化しました。

風景の中の動物が変化してきたのは、人が犬を飼う目的が変わってきたからです。それがどのように変わってきたのかが、人の環境による犬という動物への価値観を示しています。

ところが犬のほうは、雑種犬であれトイプードルであれ、犬としての行動の特性は大きく変わっているわけではありません。ただ、形は断尾により行動がわかりにくくなっているだけです。行動が変わったように思えるのは、犬という動物の変化ではなく環境によるものなのです。

今日はラジオを通して、大田さんとまた深く楽しい犬の話しができることを楽しみにしています。みなさんぜひ76.1を聴いてください。


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小さなワンコのお山デビュー

梅雨があけた三連休。プライベートトレッキングクラスに参加した小さなワンコは、犬生初のお山体験です。

犬がはじめて自然の中で行動するのを見るのは、飼い主さんにとってはドキドキする体験でしょう。先生である私にとっても同じです。都市環境で自然とはほど遠い環境で生活している犬が、全くことなる環境でいつとは違う状況を提供されるのです。トレッキングクラスは犬のある一面を知る時間になります。

今回お山デビューとなった小さな犬は、事情があって保護され現在のご家族と共に新しい生活をはじめ、飼い主さんと関係作りをすすめているところです。人為的に繁殖された小型犬種で、同じ犬種によくある飼い主さんに頼りがちな傾向があります。クラスの前に、飼い主さんにルールを説明すると共に、トレッキングクラス中の犬の行動予測についてはなしました。

新しいことを体験させるときは、「犬はどのような行動をすると思いますか?」という質問をします。動物の行動を予測することは、起きるかもしれないことに対して心やものの準備を促すために必要です。そして、飼い主が犬のことをどのように見ているのかを、飼い主自身が考える機会になります。

「うーん。どうだろう。あまり自分から離れないような気もするし…。」飼い主さんの答えの中には、不安と期待が混在しています。でもこれでいいのです。不安も期待もどちらも大切なのです。不安は抑制の要素として働き、期待は促進の行為として働いてくれます。

トレッキングに参加した小さな犬は、クンクンと草の臭いを入念にかぎながら右に左にと歩きます。そのうち草を食べ始め、地面になにか臭いのするものをみつけると寝転がって臭いをすりつける行動をみせました。こうした行動にも犬の性格が現れます。
少し離れても飼い主を振り返り、声をかけると戻ってきます。室内や普段の散歩で見るときはお母さんにベッタリの様子なのに、今日はいつもとは違う表情や動きになります。普段は使わない脳の回路が働いていることがわかります。

自由に行動することは、犬にとってすぐにプラスに働くわけではありません。常に管理下にある動物は、自由になることにまずストレスを感じます。ストレス行動も少し見られました。こうしたストレス行動は、日常的にも生じています。その行動の一部が自由行動に移った際に出てくるのです。その行動にガッカリする必要はありません。行動は一度に全てが変わってしまうわけではありません。行動が増えたり減ったりする。特に環境を変えたときに、一時的にストレス行動が増えることはトレーニングではよく起きることです。

愛玩犬として繁殖された純血種の小さな犬にも、犬らしい行動がたくさんみられることがうれしく思います。犬が犬らしくできる時間と空間と、飼い主との関係が、少しの時間から始まって、ゆっくりと継続していくことができるようになれば、今までにない犬と人のつながりについて実感されると信じているからです。

クラスの終了後の飼い主さんの感想は「犬が思ったよりしっかりと歩いていた」
そして「自分がスッキリしました」。犬も同じ感覚だったでしょう。共感性が高まる時間をくり返し体験して新しい関係を築かれること、楽しんでください。

さくちゃん





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動物取扱責任者として<犬の習性を考慮する>

動物に関わる事業を行う団体は、第一種動物取扱業として登録が義務図けられています。
動物取扱業とは、様々な形で動物に関わることを業とする活動団体のことで、各企業や自営業者などが登録しています。各事業所ごとにその責任者であるものを動物取扱責任者といいます。なじみのない名称でしょうが、たとえばペットショップや動物病院、ドッグスクール、トリミングショップなどにもお店ごとに1名の動物取扱責任者がいるのです。

動物取扱業には登録をする必要のある団体もあります。非営利目的で活動をする動物に関する団体、たとえばボランティア団体などで、複数の犬や猫などの動物を一時預かりしている施設を所有する団体などは登録が必要です。

動物取扱業にはさまざまな責任が課されていますが、その中には環境省の定める「動物の愛護及び管理関する法律」を遵守しながら活動を行うとともに、飼い主に対しても同じくその理解と実践を求める指導を行うことも含まれています。

犬や猫などの動物と暮らしている方でも、この法律についてはあまり馴染みがないかもしれません。
動物に対する姿勢や接し方は、共に生きるものとして生活の中で自然と身に付いたものであり、動物に対する思いやりは誰もが持つことのできる気持ちだと思うのが自然なのかもしれません。

現実問題としては犬や猫などのペット化された動物は急増する中で、ブームとして簡単に飼われたり捨てられたりするなどの問題が表面化したことやペットに対する人の価値観の変化によって、以前は動物の管理に関する法律であったものを、動物の愛護という姿勢を加えることでその法律の内容が時代の流れと共に変化してきたということです。動物行政はこの法律がベースなので、動物と暮らす人には知っていただきたい法律です。詳しい内容は環境省のホームページで見ることができます。

その基本原則には以下のような文面があります。
「人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。 」

大変難しく深いテーマだと思います。
「人と動物の共生」という形がどのようなものであるのかは、地域や個人の価値観によって多様化しています。「人と動物の共生」については、今は考える段階でしかないと思います。そしてそれをだれもが考える権利を持っていることも事実です。

二つ目の「その習性を考慮して適正に取り扱う」については、実践することが可能です。この実践には「その動物の習性」を正しく理解する必要があります。習性とは、同じ種にみられる行動の特性のことです。

この習性は犬の飼育環境の変化に応じて変わりつつあります。そのため種のもつ行動特性が崩れてきたのではないかと感じることすらあります。種は長い歴史の中で、環境に応じてその行動の特性を変化させてきました。たとえば、文明化された社会に住む人と原野に住む先住民族では、その行動と能力には大きな違いがあります。わたしたちの身近な環境を例にあげると、都市環境に住む犬と、自然の里山で生きる犬とでは違いが出てくるのは当然のことです。

環境を変えると犬の行動にも変化がみられます。人が変化させた環境から影響を受けた犬の行動を、すべて犬の自然な習性とすることについては疑問を持ちます。

「犬の習性とは」「犬の習性を引き出す環境とは」について理解しそれを伝えることも、動物取扱業の大切な仕事のひとつであり、今後も真摯に取り組みたいと思います。


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※ブログをいつも読んでくださりありがとうございます。
今週から日曜日、月曜日をブログ休刊日にさせていただきます。
次回は火曜日更新です。

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<犬のこと>犬の狼爪

犬の爪の話しです。
犬の指は前が5本、後が4本です。まれに後に5本の指があります。
地面に直接つかない親指にあたる部分があり、これを狼爪(ろうそう)といいます。イヌ科動物には狼爪があります。

狼爪は他の爪に比べて伸びやすいため、やっかいに思われることもあるようです。
子犬のときに狼爪を指ごと切除してしまうことがあります。特に小型の愛玩犬種では多くの犬に行われています。飼い主の家に来たときからないので、飼い主が気づいていないこともあります。前脚の指が4本しかなかったら、子犬のときに切除されたものです。よくわかりませんが、ダッコしたときに爪をひっかけてしまうとか、室内で指を怪我するかもしれないという理由かもしれません。

成犬になってからも切除手術を行うこともあるようです。理由は「ひっかけることがあるし役に立たないから」というものです。

後肢の狼爪はあまり機能していません。これが出るのは特定の純犬種の中におきたり、雑種でもその純血種が入っているのではないかと思われる種類の犬であるため、遺伝的な問題で生じたようです。後肢の狼爪には骨がない場合が多く、ぶら下がっているようになっていてさわっても力が入りません。

では、すべての犬にある前肢の狼爪はどうでしょうか。動物の体の中には、役に立たないものがあるのかもしれません。役に立たないと聞いて、本当にそうだと思いますか?実際に使っているのを見たことがあるという方もいるのではないでしょうか。

狼爪は犬にとって必要な指と爪なのです。
どのような時に使われているかというと、斜面を歩くとき、ジャンプするとき、立ち上がるときに使用しています。斜面のようなところを歩く機会がある犬は、狼爪を切る必要はなく、使用によって削れていきます。生活環境の中に勾配のある場所があり、それらを下りたり登ったりすることがあれば、同じように消耗してくるので狼爪を切る必要はありません。

狼爪に限らず、犬が日常的に過ごしている場所が、犬という動物の習性に適した場所で、また習性にあった行動を行っている以上は、人による「つめきり」は必要ないのです。
爪は移動や行動によって削れたり折れたりします。狼爪は比較的のびやすいのですが、これも立ち上がりなどの動作のときの使用によって、一定部分が延びると折れるようになっています。

狼爪が伸びきってしまういわゆる巻爪になってしまうのは、狼爪を使えるような場所を歩く機会がないからです。アスファルトの道路や整備された公園などでは狼爪を使う機会がないため、爪が伸びすぎてしまいます。

犬の爪は土の中に入り込む鉤型をしています。スコップのような形ですね。そのためアスファルトのような硬い地面では爪が地面に入らないため、削れてまっすぐになります。
これは本来のイヌ科動物の爪の形ではありません。爪が地面に入らないとすべるようになり歩きにくくなってしまうからです。人工的な環境が犬に与えている影響のひとつです。

狼爪を使えるような場所を歩くことが犬の健康につながります。
パッドも鍛えられ、脚の筋肉もついてくるし背骨もしっかりとしてきます。
若い犬なら、つめきりをする前に「歩く」という行為について何か工夫をしてみることをおすすめします。

老犬になったら、できるだけ犬が自分の脚で歩く時間が続くことを願いますが、寝たきりになってしまったら爪の処理は必要になります。

狼爪を切除することは犬にとって不利益なことです。
犬が狼爪を使う機会を、ぜひ大切にしてあげてください。



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犬が暑さを乗り切るコツ

毎年この時期になると思うことが「今年の夏は暑くなるのだろうか」ということです。
一般的に犬は暑さが得意でないため、夏に体調を崩すことも多く、暑さ予報にに敏感になってしまうのです。

一般的な犬というと、超小型の犬を外したほぼ全ての犬が暑さは得意ではありません。
大型犬や西洋の北部で繁殖されていたような純血種はもちろんのこと、日本の純血種である秋田犬や柴犬なども毛の量が大変多く、本州より南のこれらの犬にとっては夏は辛い季節です。
小型犬は暑さに強いように思われていますが、そのようなことはありません。トイプードル、チワワ、ミニチュアダックス、キャバリアなど、小型の純血種はたくさんいますが、どの犬も暑さには弱いです。
毛質の問題だけでなく、汗腺がほとんどないことがその理由です。

超小型のチワワになると暑い日も活動するため暑さへの反応は少ないようにみえますが、これらの犬たちも暑さは得意でないと思われることがあります。これは後で説明します。

犬が体温調節のためにすることは、ハアハアと口から蒸気を吐き出すことです。これが人が出す大量の汗に相当します。そのために水を余分に飲む必要があります。この作業は心臓のポンプを使いますので体力を消耗します。

涼しい場所で体を冷すということもします。外飼いの犬たちは家の軒下に穴を掘ってその中に体をうずめます。土が冷たく体温を下げてくれます。いくつもの穴を準備して、日替わりでその穴にはいっている犬もいます。コンクリートで穴が掘れないときも、床下は大変涼しいので、床下にもぐっていく犬もいます。それでも、周囲の環境の悪化は外飼いの犬たちにとって厳しいものへと変化しているようです。

子供のころに扇風機で過ごせた博多の夏が、エアコンがないと過ごせないようになりました。地球規模の変動もあるのでしょうが、都市環境が進みアスファルトの土地にたくさんのエアコンの室外機からの暖気によって都市環境の夏は酷暑になりました。それは中心地から進んでいますが、確実に外飼いをされている犬たちの地域にも影響を与えています。

水のあるところに伏せてしまう犬もいます。一旦は体が冷えて気持ちがいいのでしょうが、ハリのない毛質(飾り毛)の犬の場合にはすぐに毛が乾かず、人でいう濡れた洋服をきた状態になってしまうため、立ち上がったときにタオルなどで腹部を拭いてあげてください。

室内飼いの場合にはエアコンで乗り切られることでしょう。犬はエアコンはあまり得意ではありません。エアコンに当たると体がだるく感じられないでしょうか?エアコンの入っている室内では長袖を着る方が多いのも同じ理由からです。地肌が寒さを感知すると、少しでも熱を外に出したいという動物の体の機能に反するため、熱が体内に閉じ込められてしまい体がだるくなるのです。一定時間エアコンをいれても、外の気温が低い時間には窓をあけて風をとおしたり、エアコンを使わなくてもいいような場所に一定時間を過ごすなどと工夫をしてみてください。

山間部や田舎に住む友達がいたら、夏の数日でも掃除などを手伝いながらそこで過ごさせてもらうとか、週末ごとに通うとか、それでも犬の体調には良い影響を与えてくれると思います。これはある意味犬の別荘のようなものですが、贅沢という意味ではなく健康のためには必要なことではないかと真剣に思っています。

ハアハアと体温を下げる行為ですが、実はこの行為があまり出ない犬もいます。暑いのが得意なのではなくて、体力がないため行動が起きないのです。そのため秋頃になると体調と崩してしまいます。中にはハアハアいわないから大丈夫と散歩出てしまい、散歩中に熱中症で卒倒したという例を聞きました。こうした行動はわかりにいくく、なかなか気づいてあげることができないのですが、全体の表情や状態を日頃から細かく観察していれば、普通ではないその変化には気づきやすくなります。

熱中症につながるのは犬を興奮させることです。海や川での興奮遊びも涼しいからといって油断できません。興奮しやすい犬は短い時間だけ、休憩を十分にとって過ごしてください。人と同じように犬も夏の事故は多いので、怖がると何もできないと不安になるかもしれませんが、ゆっくりと時間を使うことがポイントです。
犬たちとよいひと夏を、夏はもうすぐそこですね。

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室内で生活する犬のための犬用ベッド

室内で暮らしている犬たちには必要な道具がいくつかあります。
クレートの大切さについてはブログでもなんどかお伝えしました。
(※ブログ検索“クレート”で検索してみてください。)

クレートと同じくらい大切なため、ぜひ準備してほしい道具が「室内の犬用ベッド」です。なぜ大切なのかというと、犬用ベッドはクレートと同じように犬専用のテリトリーだからです。
クレートを室内に設置されているご家庭では「クレートがあるのにベッドも別に必要なんですか?」と尋ねられるのですが、クレートとベッドは別の役割を果たすために必要です。

犬を室内で飼われるような環境では、室内もあまり広くないことがありますので、犬のためにクレート、そしてベッドまでとなると場所をとるからと抵抗を示されることもあります。特に大型犬の場合にはクレートもベッドも大変場所をとるため、飼い主さんの気持ちもわかります。でも、このふたつはどうしても準備してほしいものです。

犬用のベッドはいろいろな形状があります。ラウンドタイプ、スクエアタイプなどですが、できればカウチのついているものを準備してあげてください。カウチがなくても素材によって周りに上手く囲いができるようなものであれば大丈夫です。

素材も大切です。犬用ベッドを何ども買い与えたのに全部かじってダメにしてしまったという犬もいました。それで犬用ベッドを準備しても意味がないといわれたのです。少し高価だけどお勧めブランドのものを買っていただいたところ、新しいベッドは破壊することなく、愛用してくれるようになりました。

みなさんがご自宅にソファを購入するときは、あちこちのインテリアショップですわり心地を試してみて、悩みに悩んだ上に生活スタイルにあったものを選びませんか?犬が一時的に休む場所は、人が使っているソファと同じものです。居心地が悪ければ遊びものになってしまいます。最初から少しいいものを準備した方が、結局はお得だということです。

形、生地の質、クッションの硬さ、犬にあったサイズをよく吟味してワンちゃんにあう一品を見つけてください。大型犬やすぐに大きくなりますので、子犬のころから成長したときのサイズのものを購入することをおすすめします。

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わんげる・ミーティング<植物の先生たち>

グッドボーイハートでは、毎月1回わんげる・ミーティングという半日のクラスを開催しています。
参加者は安定した行動をある程度持続させられる上級者です。頭数も少なくしてクラスの目的がきちんと達成できるように、生徒のみなさんには終始協力をお願いするため、規律、秩序が守られるクラス開催を目指しています。

梅雨の間の曇りの日にはなったのですが、七山の高いところは雲の中で、涼しくも湿度が高く動物にはこたえます。いつもとは違う場所を選択し、休憩もたくさんとってゆるりと過ごすことにしました。老犬もいたので、高い段差はサポートを行いながら、協調性、社会性を大切にしてお互いを敬いながら過ごすのがルールです。

下山途中に上がってくる数名の登山者と遭遇しました。道の端によけて通行されるのを待っているのですが、その歩みが非常にゆっくりであと数メートルなのになかなか近づいて来ません。向こうも相当のお年の方がいるのかなと思ったのですが、よくみると片手にメモ帳で何かを書き込みながら歩いて来られます。

近くまで来られたので「こんにちわ」と挨拶を交わすと、近くにある植物をひとつずつ手にとりながら「これは●●だね、ココにもあるんだね。」と聞こえて思わず耳を傾けました。「これはクロモジだね。」といわれたところで、「どれですか?」というと「臭いを嗅ぐといいですよ。」といわれ葉を渡されました。ハーブのような臭いがしました。
いつも「クロモジってどれだろうね。」といいながら歩いていたので、本当に出会えた気持ちがして感動でした。クロモジはつまようじに使われていた草木でお茶席などではなじみのあるものです。しばらくお話したあとで、正式には「ケクロモジ」という種類であることを教えていただきました。

この植物に詳しい方々は佐賀県の山々の植物の研究をしている会の一員だということでした。来月この山の植物観察会があるので、どのような植物があるのかを下見に来られたそうです。

以前は植物の種類には全く関心がないほうでした。ところが、七山校の裏手の敷地が杉林だったものを広葉樹に植え替えていただいたことから、手入れを行うことでよく触れるようになり、木々の成長に応じて植物も変化していく風景を10年近く見てきたため、自然と植物の種類について関心を持つようになりました。

そこで思わず「いろんな植物のことがわかって素敵ですね。うちの山も見てもらいたいな~」とつぶやくと「いいですよ、どこですか?」と聞いていただき「七山の池原です。」とこたえると「湿原のところですね。」と。七山で一番有名なのは樫原湿原(かしばるしつげん)です。北海道にいる知人も知っていたほどで、一般の方が湿原などの環境に興味をもたれていることがわかる瞬間です。

会のホームページから連絡させていただくことにしました。いつもと異なる環境に待つ犬たちもそれぞれの表情でしたが、ひとりの男性が一頭の犬の顔を見られていたので、犬が少し後ろに下がる行動をしました。「すみません、少し怖がりなので。」と飼い主さんがいうと「人間の心がよくわかるんですのね。」と言って通り過ぎていかれました。

動物であれ、植物であれ、鳥であれ、自然に近い存在について関心を示し、自然の姿について理解を深めようとする姿勢をもつ方は、いつか自然の全体のひとつとしてすべてのものを見るようになるため、犬の心にも触れることができるのかもしれません。偶然の出会いでしたが、学びの多い一日でした。

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トレッキングクラス<完全管理からの一歩>

今週はプライベートトレッキングクラスの参加者が多く、とてもうれしく思います。
犬の問題や成長に応じて、プライベートトレッキングクラスを導入していきますが、生後6ヶ月以上の犬は原則としてどの犬もクラスの対象です。プライベートトレッキングクラスの最初の目的は生活環境により影響を受けた日常行動のパターンを外していくことです。

動物園の動物と犬を単純に比較することはできませんが、犬は室内飼育でリードで強く拘束されなければ安定した歩行が得られないような社会化の状況下では、檻の中にいられた動物に近い管理状態におかれています。

動物の行動を比較しても、同じようなストレス行動がみられます。動物園の檻の中にいる動物は管理下に置かれてかわいそうに思われるかもしれませんが、実際には、その管理下である檻の外に出すほうが難しいのです。外の社会に適応する力のない動物=社会化が未発達の動物の「安全な場所に閉じこもっておきたいという」執着にも近い欲求は、管理される動物のもつ特徴的な欲求です。

ところがこの欲求は、単に安全を確保するために働いているわけではなく、動物としての行動を制限することにもなるため、動物園では動物としての自然行動を見ることはできません。犬も同じです。ブログ記事「発見する楽しみ」に書いたような探索欲求を、室内だけで満足させることはできないのです。

プライベートトレッキングクラスに参加する犬の中には、不安や緊張をかかえている犬もいます。それを穏やかに解消するために最初にできることは、拘束された安全な管理下から一歩を出ることです。でも、最初はこのことがストレスになります。動物は環境が変化に敏感です。それが良い方向に変化したときでさえ、その違和感は動物にとってはストレスになります。そのストレスは行動で表現されますがその行動も実にさまざまです。個々の犬の性質や飼い主との関係、生活環境が犬に与えたことなどをみることができます。

飼い主は犬を「楽しませたい」と思うようです。大好きな犬がどんな気持ちでいるのか、楽しい気持ちでいて欲しいと思うことは大切な気持ちです。そういう気持ちを持つ飼い主と暮らせることは犬はラッキーですね。ただ、勘違いが多いのは、犬が走り回ったり飛び跳ねたりしている行動を、犬が楽しんでいると思われてしまうことです。

トレッキングクラスでも、犬が走り回ったり早足で歩いたり飛び跳ねたりすることがありますが、これは犬の興奮行動であり楽しんでいるわけではありません。この行動を楽しいと思ってしまうのは、自分自身が(人が)興奮を求めているからかもしれません。でも、本当にそうでしょうか。みなさんの本当に大切な時間は、興奮しているときなのでしょうか。

犬の安定した行動や状態を引き出していくと、犬が歩く姿が変化してきます。トレッキングクラスはそれ自体が学びのクラスでもあるし、日頃の状態を知るてがかりにもなるのです。どうぞ、これからもこのクラスを楽しんでください!

ルーク5
 

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本当に怖い動物とは「後編」

本当に怖い動物とは「前編」では、山の動物のイノシシ、キツネ、タヌキ、イタチ、テン、アナグマ、トンビ、カラスについてお話しました。

サルはいませんか?と生徒さんに尋ねられます。
サルはいます。七山校の敷地内にある電信柱に登っているのをみかけたり、裏の栗の木に登って栗を食べているのを部屋の中からみたこともあります。一番敷地で危険だったのは、テラスの屋根にいたサルが下りてきて庭の裏側を走って柵を飛び越えるのを見たときです。このときはオポが室内から吠えて追い立ててました。山の中で遭遇することはありません。サルも警戒心が高く、犬猿の仲とは本当のことでイヌを嫌いますので、犬と歩いているときには姿を現さないようです。七山地区ではときどき放送で「サルに遭遇しても手出しをしないでください」という内容の指導があります。サルによる農作物の被害は大変なものですが、サルは駆除の対象にはなっていないようです。

爬虫類で最も恐るべきはやはりマムシでしょうか。マムシの毒性が高いこととマムシの反射的にかみつく習性により、イヌがマムシに咬まれる事故は珍しいことではありません。これについては過去ブログ記事「もしもマムシに咬まれたら」をご覧ください。
他のヘビもその動きや風貌から「気持ち悪い」と恐れられていますが、私はあまり怖くありません。幼少期に母から教えられたことが記憶に残っているからです。ヘビをみて泣いていた幼い私に「へびは怖くないよ。ヘビは話しがわかるからはなしかけてみてごらん。」というような母でした。近くで顔を見るとゴジラのような感じですが、威嚇のシグナルがはっきりとしているので、オポが立ち止まるところにヘビありという程度でした。そういえば、昨日も一昨日もヘビをみかけましたが大丈夫です。ヘビは山神様といわれるくらいなので大切にしてほしい存在です。

昆虫の中で出会いたくないものがあります。ススメバチです。
キイロスズメバチも恐ろしいですが、なんといってもオオスズメバチが目の前を通過する際には、ヘリコプターのような音がして微動だにできなくなります。オオスズメバチの観察経路の高さは、ちょうど人の目線の高さくらいで、犬たちの目線には入りませんが、ホバリング音への反応は高いです。オオスズメバチは数があれば大きな動物への攻撃もするため、音への反応を身に付けているのかもしれません。

先生が一番怖いものは何ですか?と尋ねられ即刻応えたのがムカデです。私のムカデ嫌いは有名です。
屋外ではあまり怖くない気もするのですが、一度草刈のあとに首元がむずむずするので洗面所で首にまいていたタオルをとったらそのタオルにすっごく大きなムカデがついていて言葉を失いました。室内に入ってきたムカデはオポがいた当時はムカデセンサーだったオポがすばやく見つけたのですが、一度なかなか見つけられずについに…という事件がおきてしまい、それで夏場の睡眠の深さはかなり浅くなりました。オポ亡き後はホモサピエンスの私はムカデを見つけることができなくなり、ますますムカデにおびえる日々ですが、医療機関にお勤めの生徒さんからは「ムカデなんか昔はムヒつけてたんだからそれで十分。」とさらりと言われてしまいました。

犬の多くはムカデにそれぞれの反応を示します。鼻を近づけていく犬もいますが、ムカデに咬まれた犬を見たことがありません。少なくとも咬まれる現場を見たことはありません。咬まれたとしても対して腫れはないと予測します。そう説明すると、
山歩き中はあくまで移動中のテリトリーなので危険を回避すれば済むことですが、本拠地を侵害して攻撃を仕掛けてくる生き物となるとさすがに寛大ではいられません。今までに侵害してきてトラブルになったムカデ、アリ、アブ、ブユなどの昆虫たちと武勇伝はいつか少しずつ紹介していきます。

このブログを書いている現在も、一番小さなアリ、おそらくヒメアリと戦っています。なぜかこの時期、甘いものがあるわけではないのに温度の高いパソコンに住み着き、手から足からあがってきてかみます。チクリとして大変痛いのですが、オポがヒメアリを避けている様子を見たことがありませんでした。イヌはアリなど食べてしまいますから、イヌには近づかないのかもしれません。イヌがアリを怖がるなら靴もはかずに土の上は歩けません。

それにしてもやっぱりイヌはすごい、動物力は私たちより数段上です。

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本当に怖い動物とは「前編」

先日トレッキングクラスに参加した飼い主さんと、山の中で出会ったら怖い動物話で盛り上がりました。

山の中で出会ったら怖い動物といえば、みなさんにとっては何でしょうか。
怖い動物というと体のサイズの大きな動物を思い浮かべるため、福岡佐賀近郊ではイノシシが比較的大きな動物になります。イノシシにあったら怖いと思うのは当然のことでしょう。
私はオポと散歩中になんどもイノシシに遭遇したことがあります。オポが山で落ち着いた行動をするようになり安定していたため、最初のころに緊張していたのは私の方でした。悲鳴や奇声をあげたりするタイプではないのですが、行動力と思考力が確実に低下していました。それでも私にはオポという先生がいましたので、オポの行動をよくみて同じように安定を取り戻すことが可能でした。練習の甲斐あってイノシシを発見してもうまく対応できるように成長していきました。

イノシシ以外のこの近辺の山で遭遇する可能性のある動物には、次のようなものがいます。
四つ脚の動物はタヌキ、イタチ、テン、アナグマ、キツネです。
このうち、イタチ、テン、アナグマはイタチ科ですが、イタチ、テンがすばやく逃げるのに対し、アナグマは反応が鈍く出会う可能性も高いです。七山校の裏庭ではよく穴をほって昆虫を食べているのを1メートルくらいの近距離で見ることができますが、相手は気づいていないようでした。気づけば急いで逃げますので犬が追いさえしなければ怖くはありません。

キツネとタヌキは昔話にもよく出てくる、人と交流の深い動物です。
キツネはイヌ科キツネ属です。九州にキツネがいると聞いて驚かれることもありますが、キツネは昔話のとおり非常に警戒心が強く、簡単に人の前に姿を現しません。犬を連れていればなおさらのことです。車にひかれることもないので遺体を見る機会も少ないでしょう。

この中で犬にとって一番やっかいなのはタヌキかもしれません。タヌキもイヌ科です。
タヌキはよく車にひかれます。山に見るときには動きが遅い感じはしないのですが、キツネと比較すると警戒心が低いのかもしれません。そのため人との遭遇も多く、餌付けされてしまうことも多いため注意が必要です。
餌付けされた野生動物は人への執着が高く、必要以上に人に接近するためイヌとのトラブルmも多くなります。タヌキはこの良い例かもしれません。まず餌付けを行わないこと、イヌのタヌキに対する反応は、他の動物とは少し異なるのではないかというのが、私の現在の見方です。イヌと歩いているときにタヌキに遭遇した経験のある方は、そのときのイヌの反応をぜひ教えてください。

次に鳥がいます。大きなサイズの雑食の鳥といえば、トンビとカラスです。
オポと山歩き中にトンビに狙われた経験がありました。私が白い帽子をかぶっていたので、獲物とまちがえられたようで、私の膝元でV字を描きまっすぐに空へと帰っていきました。
このときもオポと私がほぼ横列だったはずですが、オポは全く歩速をおとすことなくゆっくりと前進をつづけました。立ち止まって停止した思考の快復をまったのは私の方です。以後白い帽子をかぶるのを止めました。

後編へ続く

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