グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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天候と犬<夕立>

ちびっコワンコの初トレッキングクラスを終了した後、涼しい七山校で過ごしました。

いわゆる「下界」(※都心部から七山に上がって来られる生徒さんたちが、なぜか都心部のことを「下界」といわれるので)に比べると気温は10度近く低く、午前中は「エアコン入ってますか?」といわれるほどの涼しさです。
午後になると夏日でじっくりと焼かれた家の中の気温は少しずつ暑くなり、15時くらいには扇風機回そうかなと思うほどになります。

こんな時「今、夕立が降ったら涼しくなるのにね。」と思う日々が増えています。
七山で過ごすようになってから10年ほどの間に、夕立が年々減っていると思います。

そういえば、小学生のころに福岡の博多地区に住んでいたことがあったのですが、夕立の思い出があります。
母といっしょに、慌てて洗濯物を取り込むという光景は昭和の日常でした。
天候の問題だけではなく、土が少なくなることで地表の温度が上がっているお知らせではないでしょうか。
日中庭で過ごす犬たちが気がかりです。

雨が降るときは気圧が低気圧になります。これは犬の行動に変化を与えます。
気圧の高低が動物の自律神経に影響するからです。
高気圧のときは交感神経が優位になり、低気圧のときは副交感神経が優位になります。
副交感神経は休息の神経で体を休憩させるため、よく寝るようになったりしますね。

自律神経は体の状態を外環境に適応させるために調整を働くのです。

ところが夏の夕立は急激に気圧が下がります。
急激な気圧の低下は、自律神経が副交感神経を優位にしすぎたり、落ち着けなかったりして調整がうまくいかなくなり不調を感じます。また、自律神経は血液の循環に影響しますので、自律神経の混乱により血液の循環にも影響を生じ、全身症状へと向かう事もあるため、病気がちな犬や老犬では心配されるような症状が出ることもあるでしょう。

犬の自律神経は行動に影響をしているため、トレーニングでも重要視する犬の仕組みです。

「自律神経を整える」ということを聞かれたことがあると思います。
でも、犬が「自律神経を整えようかな」と運動を始めることはありません。不自然な体操や食べ物を使って体を動かしてあげる体操や運動などは犬の自律性をさらに損います。

自律神経を助ける方法は、自律神経に負担をかけないということです。

続きは次回。

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犬の習性<分配する力>

犬と猫が人のそば暮らすようになったのは、「食べ物」を人の近くで得られたことでした。
ですが、犬と猫ではその過程が違います。

猫は人の環境の中に増えたネズミを食用するため、人の住処の近くにテリトリーをかまえるようになりました。
ネズミは害虫のため、人にとってこれは助かることです。積極的に猫を人の近くにおくようになり、ペット化されていきます。

犬の場合には少し違います。
犬は人の食べ物の残りものを狙って、人のテリトリーの近くをうろついていました。
人に見つからないように身を潜めて好機が来るのを待ちます。
そのとき、暗闇で他の動物が近づく気配があると、犬は「ウー」と唸り声を出します。
これが、人にとっては貴重な合図となり、自分自身の身を守る方法として人は犬を必要としました。
そのため犬に食べ物を積極的に与えることで犬が人の近くにいるようになり、人は使役、食用、ペットとして犬を利用する機会を得たのです。

「ペットとして利用」という言葉に抵抗を示されることがあるかもしれません。ペット化は否定されることではありませんが、人につく「家畜化」では崩れなかった犬の本来の性質が、ペット化によって変化してきたという事実はあります。
人が犬を飼うこと=ペットというわけではありませんが、人の愛玩の存在として利用されるようになることがあるという事実からは目をそらすべきではないと思います。この話しは少々時間がかかります。文字では限界を感じますのでまたいつか。

話しを元に戻します。

犬は人から食べ物をもらうようになりました。これは犬の動物としての本来の習性に適応していました。

イヌ科の動物は、群れのメンバーのうち狩りに出て獲物をとる動物と、食べ物を待つ動物にわけられます。
子犬は成犬が食べ物をもちかえるのを待ちます。
獲物をとった犬は成長した他の犬にも、子犬と同じように食べ物を持ち帰ります。

運搬できるものであれば口にくわえて持ち運びます。
そうでないものは一旦、胃袋に収めた上で「吐き戻し」という行為によって、他のものに与えられます。
子犬が親犬の口をペロペロとなめるのは、この「吐き戻し」行動を誘引する行動なのです。
結果、犬は食べ物を分配しているということです。犬が「群れ」という社会集団を構成する上で重要な習性です。

食べ物を分配する行為は、多くの動物で見られるように感じれるかもしれません。
自分の子にあたる動物に分配することは、ネコ科の動物でも同じことです。

これに対し、イヌ科動物は自分の子でなくても、群れのメンバーに対して分配を与えるということです。

人と暮らすようになった犬は、人から食べ物を分配してもらうことになります。
このことは結果として、人に対する群れのメンバーとしての関係を高めることにつながります。

イヌ科動物の分配には、別の情報も入ります。
群れを構成する犬は、その群れの中に順位制をつくります。
誰が何をするという役割分担で、その中には誰が優先的に食べものを得るのかということも含まれます。

優先的に食べものを得るものが、好きなだけ食べていいということではありません。個々が群れの一員として、群れが存続するために必要なものを得てバランスをとる必要があるからです。群れが健康に存続することが、犬の個体の強さにもつながっていきます。

分配の過程で順位付けがあいまいになっていると、争い事がおきることがあります。
人から食べ物をもらう行為に、犬が興奮行動などのストレス行動を伴うのはこのことが理由のこともあります。
ブログ記事「ゴハンのときに興奮しますか?」を参考にしてください。)
分配がうまくいかないのは、人と犬で構成された群れ内の順位付けがあいまいなためです。
もしくは多頭飼育の場合にも、分配がうまくいかずトラブルになる例があります。

人と犬で構成された群れの分配力は、その順位付けが影響し、それは群れの健康の度合いを示しています。
家族のメンバーが代わったり、犬が老齢化してくることで、順位が一時的に不安定になることがあります。
でも、それもしっかりとした健康な群れであれば、すぐに安定を取り戻すことでしょう。

この分配力ですが、実は人社会でもこの分配力を高めた結果、今の住居を固定する生活を安定させてきました。
食べ物をつくり、家畜を育て、そしてそれを分配する家族という構成です。
動物としては違う人と犬が、分配力については同じ習性を発揮しているのです。

犬の分配力は、人と群れを構成するようになった過程を示す重要な犬の習性(本来の性質)です。
犬の習性が十分に生かされるような環境と関係で、犬の分配力を育ててください。

チロル6


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アメリカ版猫のヘルパーに学ぶ

生徒さんにジャクソン・ギャラクシーという猫の行動カウンセラーの本を借りて読んだことがあります。

そのカウンセリングがテレビで放送されていたとも聞いたのですが、そのときは見る機会を得られませんでした。それが最近ネット配信で一部を公開されていて(気づいたのが最近なのかも)、念願のジャクソン・ギャラクシーの番組を見ました。

猫を飼ったこともないし飼いたいとも思っていないのですが、自分の身近でウロウロとしている動物なので、動物として関心があることと、ペット化によって起きる問題をどのようにアプローチするのかということにも関心があります。

過去にテレビの取材をなんども経験したことがあるので、実際の現場とは異なる形で放送されている可能性が非高いことを承知の上で、じっくり拝見しました。

興味深いことがたくさんありました。
問題解決の基本は「犬と同じ」だということです。

番組内でジャクソン・ギャラクシーはまず、飼い主の自宅を訪問します。そして、飼い主から猫の現在の行動を聞き出し、現在の環境についてチェックをします。
改善の基本は「環境改善」です。

犬のトレーニングについて、家庭訪問が大切なことも同じ理由です。
犬の環境改善についてはこのブログでもお伝えしていますので復習してください。

アドバイスの中には、猫に隠れる場所を与える、猫が避難できるスペースを準備するなどがありました。
猫と犬で行動のパターンの違いはありますが、これらは犬にも必要なことです。

猫という動物として必要な環境と、猫の性質に応じて必要な環境の二つの点からみていきます。
これも、犬に共通しています。

犬の環境改善は、犬にとって最も大切なことです。
犬という動物として必要な環境と、犬の性質に応じて必要な環境です。

そして環境の中には、飼い主の接し方が入っています。
たとえば番組内では、猫の抱きかかえ方とおろすべきシグナルについて説明していました。
猫が決して抱きかかえられたいわけではなく、猫の許容する範囲にとどめるということでしょう。

犬も、飼い主の犬への接し方は猫以上に重要です。

「エネルギー」というコトバも使っていました。
番組内では「飼い主のエネルギーが猫の伝わる、だから撫ですぎないで。」と伝えました。

見えない部分なのでわかりにくいかもしれませんが、人が抱えているテンション、気分、思考、姿勢、などそのようなものが猫にも犬にも伝わってしまうのです。

犬と猫。
異なる種ですが、人の生活に組み込まれた家畜化の歴史をとった動物としては共通点もあります。
コンラート・ローレンツの本「人イヌに会う」でも、そのように紹介されています。

犬の場合、環境のうち「飼い主の影響」が非常に強いということです。
昔の人がいった「犬は人につき、猫は家につく」は深いコトバです。

また、日本とアメリカでは動物を飼うスペースがあまりにも違いすぎます。
犬の場合には、与えられている庭の広さにも驚くほどですが、庭を囲う習慣はないことに伴うトラブルも多いようです。

欧米でも猫は室内飼育傾向が高いことをうかがわせます。
それが猫の問題行動の急増にもつながっているのでしょう。

番組では猫の飼い主さんたちが口にしていた言葉が印象的でした。
「どんなことをしてもこの問題を解決したい。
この猫といっしょに暮らしたいんです。できることはなんでもします。」

これは、犬猫などの動物と暮らすトレーニングの必須項目だからです。
このエネルギーは何にも変えられないものです。

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犬のパーソナルスペース<つづき>

犬のパーソナルスペースについて昨日のブログでご紹介しました。
実際、犬とくらしているみなさんの中には、犬にもパーソナルスペースがあるなと感じられることを思いつかれたのではないでしょうか。

人の行動を観察すると行動の基本になっているパーソナルスペースですが、最近はこの犬のパーソナルスペースが十分にできあがっていないと感じられる行動が増えています。

動物は生まれたときは親動物に完全依存した状態で生まれます。動物によって立ち上がりのいわゆる「自立」の時期は違います。犬の場合には自ら排泄に出るようになるのが生後約21日です。この期間は完全依存の状態といえるでしょう。兄弟犬たちとひっつきあって寝ていたり、親犬の上に寝ていたりという時期です。

犬は排泄行動によってテリトリーを構成しますが、テリトリーを意識して警戒吠えをするようになるのが8ヶ月~1歳くらい、しっかりと守るようになるのは2歳を過ぎてからです。もちろん固体差があります。
テリトリーを守るまえに、パーソナルスペースを意識します。時期は幼犬期から青年期のころまでに行われます。環境や犬の発達の度合いにより異なりますが生後1歳前後にもなるとほぼパーソナルスペース広がっているように感じられる行動を示します。相手との距離感をとるなどの行動によって示されています。ちょうど警戒吠えを始めるようになるときですね。

同年齢時期には、休みたいときに自分の居場所であるクレートに戻って寝るようにもなります。人が見えていないところでもテリトリー内では不安行動を示さなくもなります。

このパーソナルスペースができていないということは、自分の個体空間を守るという意識がないということです。これは幼犬期に飼い主との関係によって、依存から自立への発達が得られず飼い主に依存した状態が継続しているということです。

たとえば次のような行動をするようになります。

飼い主のひざの上にのってくる
飼い主の布団の中で寝る
飼い主に接触して寝る
ほんの一例です。

パーソナルスペースは他者とかかわりを持ちコミュニケーションを発達させていく上で重要な空間です。このスペースを守ることができるからこそ、社会的なコミュニケーションを作ることもできるのです。

そのため、パーソナルスペースを獲得できていない犬は、社会的な、特に他の犬とのコミュニケーションがうまくいきません。距離があっても犬に興奮したり不安行動を示すようになります。

パーソナルスペースをつくるためにも、まずパーソナルスペースを尊重する必要があります。その方法については、また次回紹介します。

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犬のパーソナルスペース

パーソナルスペースという言葉を聞いたことはありますか。

パーソナルスペースとは個人空間のことで、他者が自分に接近することを許可できる空間です。パーソナルスペースは状況や接近する対象によっても異なります。これな心理的空間でもあるため、個体の精神的な状態によってもその広さには違いが生じます。

一般的な状況では、屋外で他者が自分にコミュニケーションをとろうとして近づいてきたときに、違和感や不快感を覚えずにいられるスペースはどのくらいでしょうか。対象が一者にしぼられる場合は「距離感」といった方が分かりやすいかもしれません。

もちろん近づいてくる相手によっても異なるということでしょう。わかりやすい範囲というと、両手を前後左右に伸ばしたくらいの円形が基本的なパーソナルスペースになります。相手にも同様のスペースがあるため、遠慮がちな場合には互いのパーソナルスペースが重なるかどうかという位置に立つことになります。この位置だと、互いに片手を伸ばして握手をするときに少しお互いのスペースが重なったようになり、親近感を覚える距離になります。相手によっては、不快感を感じてしまう距離でもあります。

他にも、電車の座席や、カフェレストランのイス、バス停での立ち位置などを観察していると、パーソナルスペースを確保しながら安心感を獲得しようとする人の行動がみられます。

実は犬にもパーソナルスペースがあります。驚くようなことではありません。野生動物にもパーソナルスペースはあります。動物に心理的要素が働かないと決めつけてしまうとこれらのスペースを理解することはできません。
しかし、動物は人と同じかそれ以上に自分の周囲の空間には敏感です。パーソナルスペースは危険から身を守るというだけではなく、日常的にコミュニケーションをとる危険性のない仲間や家族に対しても必要なスペースなのです。

パーソナルスペースをきちんと持っている犬は、それを自分の意志とは反する形で侵害されることに嫌悪感を抱きます。たとえば、人が手を出して体を触ろうとするとよけるとか、犬の横に寝そべると立ち上がって違う場所へ移動するなどです。
これは決してその人のことを警戒したり遠ざけたいわけではありません。あくまでもパーソナルスペースを維持するためだけに行われます。こうした行動をとる犬も、結束を高める必要があるときはや必要なときには、人に対して距離を縮めることもあります。

問題はパーソナルスペースを獲得できていない犬たちです。
これについては続きでご紹介します。

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動物保護施設

昨日ブログに書いたように、動物保護施設、正式な名前は、動物愛護管理センター、動物愛護センター、動物管理センターという名称の施設が、各県や地域によっては市でも運営されています。

熊本では熊本県と熊本市、福岡では福岡県と福岡市、佐賀県では佐賀県のみですが、佐賀県は三瀬と武雄の2ケ所に施設があります。施設の運営は所轄の県行政や市行政によって行われますが、施設は企業への委託業務になることもあります。いずれにしても、施設の予算や運営方針が各行政による指導のもとに行われているということではどこも同じです。

これらの施設には迷子猫や犬と他のペットたちや飼い主が放棄したり、飼い主不明のペットたちが収容されています。迷子犬猫も一定期間が過ぎると飼い主はいないという扱いになります。

飼い主が不明もしくは不在となった犬猫には、新しい飼い主を見つけるための様々なチャンスが与えられます。施設の主催による「犬猫の譲渡会」や一般への直接譲渡、保護ボランティアへ引き取り一時預かりを経て譲渡されるなどがその主な方法になります。行政の積極的な公報活動やボランティアのみなさんの活動によりここ10年で譲渡活動は活発化しており、その結果犬猫の安楽死(行政のよっては殺処分)の数は年々減少しています。自分達の意識の持ち方や協力体制によりこれだけ変化を促せるものなのかと、その変化には驚きを感じています。

これらの譲渡はという各行政ごとに定められた「適正譲渡」に沿うように行われています。たとえば、新しく飼い主となった人が再び犬猫を放棄することがないように、適切な飼い主に渡すということです。犬猫には種としての特性のほかに個体による行動の特徴がありますので、性質に適した環境に引き取られるようにする適性譲渡する必要があります。

これらの適正譲渡をすすめるためには、譲渡するだけでなく施設に収容される動物の数そのものを減らしていく必要があり、そのためには飼い主の教育も大切です。

収容数を減らす必要があるのは、処分される動物を直接的に減らすことはもとより、収容されている動物の福祉に関わる問題なのです。

これらの収容動物が収容されている状態を直接ご覧になったことがあるでしょうか。地域によっては見学が可能なこともありますので、そのような機会はぜひ大切にしていただきたいと思います。

これらの収容施設は建設時は行政が「動物を管理するための施設」として作ったものです。動物を一時管理し数日後に殺処分することを目的に建てられた施設で、動物を一時預かりして譲渡することを目的として作られたわけではありません。そのため、動物愛護施設へと変化するなか、もともとある建物を決められた予算の範囲内で工夫して使うとか、少しずつ改築していくという形でそれに応じたものに変化させていく必要がありますが譲渡活動事体が軌道に乗りはじめたばかりのため、施設の改築までにいたっていないのが現状です。

犬を収容する施設は個別の犬舎が必要です。一頭一頭が異なる部屋を与えられているとイメージしてください。室内犬舎と屋外犬舎がつながっていて、それが運動場へとつながっていくというのが、動物を収容するために作られている施設です。盲導犬育成施設の多くはこのような構造になっています。犬1頭に対する広さは畳2畳分くらいでしょうか。コミュニケーションの時間のために、相性の良い犬が2頭いっしょにいれられることもまれにはあります。

動物愛護施設では、個別犬舎を備えている施設は少なく、個別犬舎があっても屋外用がないため、日中は外につないでおくという対応になります。日に当てるためだけでなく、犬舎は毎日清掃して乾燥させる必要があるからです。
収容頭数が増えるとケイジに収容したり、大きな犬舎の中につないでおくという措置をとられることもあります。もしくは数頭を同じ犬舎の中にいれるということにもなるでしょう。

猫も同様です。猫の場合には高さのあるケイジが必要になりますが、場所がなければ小さなケイジにいれられることにもなるでしょう。

これらの問題は、動物の収容数を減らすということだけでは解決しません。飼い主を待つ犬猫を含め動物を一定期間を収容するのであれば、収容時に動物に負担をかけず動物が安心して滞在できる施設を準備する必要があります。

施設の準備ができない間は、保護ボランティアのみなさんが一時預かりという形で家庭で預かってくださる環境が必要です。一時預かりはすでに動物と暮らしている場合には難しいこともあります。一時預かり先ボランティアへの行政の支援が継続されるようなつながりを持てるようになることを望んでいます。

犬や猫と暮らしその動物を理解しようとつとめ、かわいいという存在をこえて動物を尊重することができる方が増えることが、今起きている問題を解決していくエネルギーになることを信じています。


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ゴハンのときに興奮しますか?

「犬の楽しみといえば「散歩」と「ゴハン」。
犬に限らず「食べる」ことは楽しいことです。生きるために大切なことでもあり、その欲求が満たされる瞬間がうれしいのは、当たり前でもあり健康的なことでもあるでしょう。

ところが犬にゴハンを与えるときに、困った行動がおきることがあります。
ゴハンを与えるときや、与える前に、犬が興奮することがあるからです。
ゴハン時の犬の興奮は「うちのコはゴハンが大好きなの。」と思われがちですが、興奮の度合いによってはゴハンをもらうときの行動の中にもストレス行動がみられます。

たとえば、ゴハンの前の以下のような犬の行動は要注意です。
・ワンワンと連続して吠える
・ピョンピョンと飛び跳ねる
・部屋の中をいったりきたりして歩き回ったり走り回る
・家具や壁をかじろうとしたり手でかくような行動をする
・壁や床を手でかくようなくり返し行動をする(猫のつめとぎのような格好)
・飼い主やぬいぐるみやベッドなどのマウンティング行動をする
・声を出す(キーとかギャーといった奇声やキュンキュンといった鼻ならし)
・ぬいぐるみをくわえてウロウロとする
・クルクル回る

犬は動きやすく興奮しやすい動物と勘違いされがちです。
犬は人よりも俊敏に活動することができるため反応が高く感じられたり、四つ足で動くためにたくさんステップを踏んでいるように見えるのかもしれません。

イヌとヒト。あくまで動物と人間であるため行動を比較することには限界がありますが、興奮行動には似たようなパターンがあります。
ウロウロ動く、とびはねる、かじる、走る、声を出す。これらの行動は人が興奮したときにも見ることができます。

犬だからゴハンのときに興奮するわけではありません。ゴハンのときに確かにテンションは上がるけど、興奮しない犬もたくさんいます。
・ゴハンをもらえる場所にいって待つ
・ゴハンを持っているひとが近づくと尾をゆっくりと振る
・ゴハンを予測してオスワリをしている
・伏せて待つ
など、ですね。

「食べる」という喜びの時間なのに、興奮状態になってしまう犬がいるのはなぜでしょうか。
いくつかの理由や原因が考えられます。

なんらかの事情で十分に食べることができなかった経験をもつとか、たくさんの犬に対してドッグボウルひとつを与えられていることで競争で食べることになった経験をもつ、などもその例に入ります。後者の例は子犬期に繁殖者の管理方法によっては起こり得る状況です。

食の内容に影響を受けることがあります。加工されたドッグフードの中でも糖質や油分の高く、ミネラルやタンパク質の低いフード、犬版ジャンクフードは脳内活動の依存値を高めてしまいます。フードの臭いだけで興奮するような行動をみせるときには、この傾向があるかもしれません。

生活の中で十分に欲求が満たされていない場合にも「ゴハン時興奮」が起こります。欲求の偏りによって食べる欲求が異常に強くなってしますからです。留守番が多い、社会的な経験が少なく行動が制限されやすい、などは欲求不満を高めます。

そして、比較的多いのが「飼い主との関係性」です。犬にとって食べることは飼い主に依存した行為です。その依存が大変強い状態になると、その行為に対して興奮値が高まります。
こうした依存による興奮行動の場合には、犬の世話をする人が一定期間変わることで犬の行動に変化が見られることもあります。

ゴハンのまえの興奮は、興奮行動をとめる対応が対処法です。
あとは根本原因をつきとめて、その事に対して対応することが、犬と暮らしと犬と人のより良い関係を助けます。


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お散歩デビュー:散歩を始める前に必要なことをしよう

子犬が生後3ヶ月を迎えるころに散歩の練習を開始します。散歩行動を簡単に述べると「リードをつけて家の周りを飼い主といっしょに歩く行動」です。
散歩という生活習慣が始まることで、犬は一気に新しい環境へと足を踏み出すことになります。

散歩に出る前にやらなければいけないことがいくつかあります。

まずは自分の自宅周辺の環境をよく把握しておきましょう。子犬が最初にテリトリーを出て移動する練習をするときにはできるだけ静かで、人や犬が多すぎず、適当は広さがあり、車通りとははなれている場所が必要です。
福岡市内の住宅地になると、なかなか適切な場所がないのが現状です。
近くに公園はあるけど、夏場は来る人や犬が集中してしまう。
家のすぐ前が車通りでそこを歩かないと静かな場所へはいけない。
家のすぐ前にすごく吠える犬がいる。
自宅内の環境を整備することはできても、自宅周辺とはいえ環境整備をすることのできない環境については、どのように克服することができるのか、トレーニングの中では大変難しい問題です。

犬や環境によって必要な対応は個体差によって異なります。ここではあくまで一例として紹介します。
自宅周辺の環境が騒音、人や犬の多さで難しい場合には、リードに十分なれるまでは静かな環境まで車で移動して練習を開始するということも可能です。これは一時的な対応です。

散歩というのはテリトリーをつくっていき、家の周辺をパトロールする行動です。
自宅から自分の足で歩いて出なければ散歩とはいえず、テリトリーができない状態で自宅の庭や室内で過ごすことになるため犬は不安定な状態になります。

室内飼育の犬は、散歩に出る前に十分に庭で過ごす時間をつくってください。
子犬を生後7週齢~8週齢で迎えた場合にもすぐに庭で過ごす時間をつくります。
ブログ記事「子犬と庭遊び」に紹介しました。

散歩に使うリードもいろいろな種類があります。環境に応じて練習の手順が変わってきますので、練習に必要な長さ犬につける首輪や胴輪についても犬の状態に応じて選びます。スクールやインストラクターからの指導内容でも、自分の犬に適した方法かどうかは不明です。マネは危険なので気をつけてくださいね。

犬がリラックスして散歩を楽しめているのは次のような状態です。
犬が周囲の環境を調べながらリードをゆるめた状態で、飼い主の歩く速度とあわせながら歩きます。
広場などではさらにリードを少し長めにした状態で散策することを楽しめるようになれば、散歩の時間は犬の生活にとってリラックスした楽しい時間となるでしょう。

成後1歳くらいまでは、散歩中にリードのひっぱりや立ち止まりがなくても環境適応できていないことがあります。
メッセージとしては、散歩から帰宅後や室内で急に走り回る、家具をかじる、カーペットをかじる、人へのとびつき、尾を追うなどの行動が現れます。
リードのひっぱりがなくてもこうした行動が出ているときにはすぐに専門家に相談してください。

散歩のときに犬がストレスを表現している行動は過去のブログ記事の中のお散歩中に出やすい問題となる行動として紹介しましたので参考にしてください。ブログ記事「お散歩チェック

子犬が散歩を始めてから最初の1ヶ月は犬の「社会化期」にあたり、犬が環境に適応する力をつけるための重要な時期です。
この時期の経験が成長後の犬に影響を与える重要さを考えすぎてしまい、犬にたくさんの経験を積ませようと、たくさんの人や犬に会わせたり、いろんな場所に連れていくことは、社会性の発達に対して逆効果です。また、犬に苦手な経験や嫌な経験をさせたくないという気持ちから引きこもりがちにならないように注意する必要もあります。

散歩は外への刺激に対する反応だけではありません。
散歩はテリトリーを作っていく行動となり、成長するとテリトリーを調べる行動へと変化していきます。この変化には3年くらいかかります。犬が成犬となる、人でいうと成人を迎えるのは3歳前後だからです。

この間の散歩は、飼い主という群れの先輩と行く社会経験ということです。飼い主と犬の関係が犬の行動に影響を与える理由はここにあります。飼い主が犬を尊重できない接し方をすると犬と飼い主の関係性は群れ関係にはなりません。犬の社会的な生活にも影響を与えます。

犬に厳しくして欲しいと伝えているわけではありません。
犬を尊重して接していただければいいのです。

散歩に出始める生後3ヶ月の子犬は幼稚園生くらいです。
自分の意志ももちはじめ、克服する力も、冒険する力もあります。
子犬の社会体験は見ていると楽しいものですね。でもあっという間に過ぎてしまいます。
しばらくは忙しい生活をストップして、子犬育てに没頭してください。

専門家の話しを聴いたことがない方は、子犬の時期のプライベートの勉強はぜひおすすめします。
生徒さんから「子犬のために準備したものの中で、一番やってよかったと思ったのが子犬のしつけだった」という話しをききました。子犬のしつけというのは、飼い主の勉強のことです。
学びは知識の詰め込み出なく、見方考え方を広げること。
子犬の散歩体験からも犬の行動がたくさん学べます。

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犬語セミナー<犬と犬の距離の縮め方>

今日は犬語セミナークラスを開催しました。
ビデオを見ながら、犬の行動を観察し、その行動から読み取ることができる犬の情報や成長を確認したり、考えたりするセミナー形式の講座です。

今回は犬と犬の初回対面から同じ組合せで3回目までを続けてみることで、犬の行動の変化や関係性の変化について勉強しました。

一頭の犬は生後6ヶ月で他の犬に対する緊張が高く、散歩中も興奮しやすい状態です。もう一頭の犬は8歳で他の犬に対して積極的ではありませんが、関心を示しながら安定性を求めるタイプの犬です。強く優位を示すことができないため、幼年期から青年期にあがる時期の不安定な犬にも脅威を与えることはありません。この2頭は性質的に共通点があることが対象を選んだ理由で、性別はオスとメスという組合せにしました。それにも理由はあります。

生後6ヶ月といっても、その成長の段階は固体差が大きいものです。ペット化やそれに伴う人為的な繁殖が進む中で、大型犬であっても「幼児性」を強く残してしまう傾向があり、犬の発達は時間のかかるものになっています。くわえて飼い主さんの接触により犬への世話が多すぎる傾向があると、飼い主への依存性が高まり他の犬への緊張度や恐怖行動が増加します。

この生後6ヶ月の犬が他の犬に関心を示す発達段階であり、他犬への攻撃行動が現れていない状態であれば、接触によって関心を安定に変えていく可能性は十分にあります。

今日題材にしたビデオの中で確認できたのは「犬と犬の距離の縮め方」です。

片方が社会的な経験値が低く、他者に対して消極的な態度しか見せるとができないけど社会的な関係に関心をもつ者であった場合で、もう一方も他者に対して消極的な態度で対応するが、グループでの安定性を求める姿勢を身に付けていたとします。

犬に関心のある犬は、他犬に対して距離を縮めようと行動しますが、相手がそれに対して何かの反応を見せると距離をとろうとします。相手が一定の距離から近づいてこなければ、消極的な成犬はそれ以上のコンタクトをとろうとはしません。
これに対し、関心のある犬は少しずつ距離を縮めていきます。緊張に伴うストッパーが少しずつ外れていきます。緊張の一線を越えると、次は相手に対して自分に関心を引くような行動が引き出されてきます。

こうした行動をみていると、犬が何か目的をもって「こうやったら相手がこうなるだろう」などとと予測して行動しているかのように見えますが、実際にはそれほどの策を講じた行動ではありません。非常の単純な社会的行動という枠組みの中で、群化行動と安定という基盤の上で引き出されている行動です。

ビデオをみていただけないためここで伝えるのは大変難しいですが、犬と犬の距離の縮め方にはいろんな形があり、特に社会的に緊張を伴いやすい犬は非常に時間をかけることがわかります。

逆に犬と犬の距離感を急いで縮めようとする状況や環境は、多くの犬には不利に働きます。犬同士が出会ってすぐに走り回り行動を始めたり、追いかけっこと見られるような追まわし行動は、犬同志が距離を十分に取れないことから発しています。

人の価値観からすると「犬と犬は出会ったらすぐにお友達」と誤解してしまうかもしれません。ですが、犬は大変社会性の高い動物であることを思い出してください。その社会性や社会的なシステムを維持している機能性は、人に近いものがあります。

走り回り行動をせずとも社会的な関係性がつくられていることを、犬語セミナーを通して学ぶ日となりました。
「犬が走っている=喜んでいる」「犬が動いている=楽しい」という思い込みを一度すてて客観的に犬をみると、また犬の新しい世界が見えてきます。


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犬に避暑地は必要か?

この季節、標高500メートルのグッドボーイハート七山から福岡の博多に戻ってくると、その違いにいつも驚きます。

気温が違うのは当然のことながら、辛いのがは、風がないことです。山から吹き降ろす風を感じることができれば、この暑さも乗り切れそうな気がするのですが、湿度が高く風を通す空間ではなくなってしまった都市環境では、室内に閉じこもりがちになりますね。

犬が人よりも暑さに弱いことを、飼い主のみなさんは承知されていると思います。
小型犬は大型犬に比べると暑さには強い方ですが、人のように夏を乗り切るということはできません。気温だけでなく湿度の問題や、暑さに対応する体のつくりが異なるからです。

人は夏になると海や山といったアウトドアを楽しむために出かけることも多くなります。犬と一緒に出かけるときには、人とは違う配慮をしてあげてください。たとえば、犬の夏の海遊びは、早朝以外はおすすめしません。海での熱中症の事故も多いです。興奮する遊びは短時間で終了させるなどの配慮は必要ですね。

山に出かけたときも、短時間のアウトドアキャンプではせっかくの自然環境の中で犬は自然にふれることができません。都市での限られた空間の生活をアウトドアに持ち込んだだけの形となります。涼しい場所で過ごせるメリットはありますが、せっかくの自然にふれる機会をもう少しグレードアップして、避暑地でのんびりというふうに過ごせないかなと思うのです。

暑さで閉じ込められる環境にグッタリしたり、イライラする様子の犬を見ていると、犬にも避暑地は必要なのではないかと真剣に考えてしまいます。避暑地というと豪華で高額な印象を受けられるかもしれませんが、夏休みに帰生する田舎のおばあちゃん家というイメージではどうでしょうか。豪華な別荘地は隣接して立ち並んでいるため、そこでも犬同志が衝突してうまく過ごせないという問題も起きてしまいます。

田舎のおばあちゃん家は隣の家とも離れていて、空間もたくさんあって、なぜかそういう自然環境には時間もたくさんあります。映画の「トトロ」のような風景ですね。こうした日本の里山は、人が住まなくなってきていることから空き家も増えています。こんなところでも住んでみようかなという方がいれば、住む人を応援しながら犬の避暑地として使わせてもらうというのも一案ではないでしょうか。
これはただの空想かもしれませんが、里山も復活して犬たちにも避暑地が獲得できる、そして人と犬が自然環境のなかで新しい関係作りをはじめるきっかけとなる、単なる空想だとしても素敵ではありませんか。

そういえば今の自分の仕事も空想から始まりました。
子供のころ犬と遊ぶことが大好きではじまった「いつか犬の訓練士になりたい」という空想です。
今は犬の訓練士を経て、犬を理解するためのいろんなことを伝える新たな仕事へと発展しました。
空想の中にはなかったけど、現実はもっとワクワクする展開です。

犬の避暑地と里山で過ごす人と犬。
きっと実現しますように。

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