グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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自然療法セミナーが終了しました

熊本被災ペット支援のためのチャリティーセミナーが終了しました。

犬や猫のための自然療法について、福岡自然療法研究会会員の獣医師の先生方より
貴重なお話を聴かせていただく機会を得られました。

自然療法の一般的概論から、自然療法の病院での治療経過など、講演の内容は
初心者にもわかりやすく、関心を引かれるものであったと思います。

聴講されているみなさんも、いろんな気持ちや思いを持ちながら、
熱心にメモをとって学ばれていました。

セミナーの様子はこちらのブログ記事をご覧ください。
自然療法セミナー開催の様子

会場となった福岡動物海洋ECO専門学校は、許可申請を得て会場利用ご協力という形で
支援していただきました。ありがとうございます。

当日会場で配布した「熊本県動物管理センターについて」のチラシは、グッドボーイハートでも
お渡ししています。熊本で起こっていることはわたし達の身近でも起きていることです。
人と暮らす動物のことをいっしょに考える機会をいただければうれしい限りです。

熊本被災ペット支援ネットワークでは、10月10日にリースのセミナーや
手作りリースやハンドメイド品のチャリティバザーの開催を行います。
以下のブログ記事でご確認ください。

http://kumanimal.blog.fc2.com/blog-entry-117.html

バザーの方はご参加自由です。お近くの方はぜひ起こしください。

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Posted in 犬のこと, ボランティア

犬の逃走問題は単なる元気が良いでは済まされない

福岡県で大型犬のボルゾイ6頭が逃走するというニュースが放送されていました。
幸い大きなトラブルもなく、すべての逃走犬が保護されたという報告を聞きました。
安堵すると同時に、犬の逃走問題について考える機会を得ます。

犬の逃走問題は、犬の迷子問題でもあります。

動物を飼育する人にとって、犬を逃走させない、迷子にさせないことは
様々な責任の中でも、重要なものです。

犬が逃走中に起こり得る社会的問題は、みなさんも容易に想像できるかもしれません。
実際に、人や他の犬に怪我を負わせる、家屋や物資を破損するといった具体的な事例もあります。
実質的な損傷がなくても、今回のように「怖い思いをした」とか、
学校の授業が中止になるという対応を迫られることもあります。

逃走犬の状態にしても、自分の住処に帰ることができずに消耗したり
ストレスの多い経験をすることも多いことでしょう。

逃走犬が小さな犬であっても、犬を避けた車が事故に巻き込まれたり
糞尿を撒き散らすといった小さなトラブルも起こるかもしれません。

犬の逃走問題を回避するための、いろいろな物理的対応については
行政の指導や自分たちで工夫することでいくらでもできることがあります。
具体的には、柵の強化や作り方、名札の着用などがその代表的なものです。
これらの管理は犬を飼育する義務として取り組んでいただきたいことです。

社会的な責任というのはあまりにも当然なことですが、他にも理由があります。

たとえば、柵が不安定なテリトリーは犬自身がストレスを感じる状況です。
柵をくぐって外に出られるとか、柵に飛びついたらグラグラするとか。

犬は人が管理するテリトリーの中に生活しています。
庭でのマーキング行動で、犬としてもテリトリーを守っています。
それは、主に他の犬や動物に対して行われているものです。
飼い主との関係ができていればということが前提ではありますが…。

犬は、人が管理するテリトリーの中で生活しています。
人が決めた庭や駐車場や家周辺の境界線は、人に対して
「ここまでがわたしの家です。」とわかりやすくするものです。

その中で、犬に与えるスペースは全てであることもあるし、
その一部である場合もあるでしょう。
どちらにしても、それもまた人が決めた境界線です。

犬はわかりにくいことが苦手です。
特に認知力の低い犬に対しては、境界線はきっちりと作ってあげてください。

また、犬が境界線を誤って越えてしまっても、犬が自力で帰ってくることができるようにすることもできます。
これは「教える」というよりは「育つ」ということでしょうか。
この方法については、またいつかお話します。

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Posted in 犬のこと

愛犬との別れ

ブログの休みが度々になり、すみません。
書くのも習慣なら、休むのも習慣になってしまいます。

昨日、昨年なくなったオポのお墓参りに寄っていただいたり、
今日もオポのことをたくさん尋ねられたりと、
オポが亡くなってからも、ご縁を感じることばかりです。

思春期をともに過ごした懐かしい友人と、数十年ぶりに再会しました。
オポに会ったこともないのに、オポのことばかり尋ねられました。
私の人生にとって大切な存在であったことを、
直感的に気づかれたからでしょうか。

「よく乗り越えたね。」と言葉をかけていただきました。

愛犬との死別を終えて間もない方に面するとき、
別れを乗り越えられたかどうかは、その方の哀しみの重さのため
気がかりであると同時に、ふれにくい部分でもあります。

だからこそ、こうした言葉かけをいただきける事を有難いと思います。

自分には乗り越えたのかどうかという自覚はあまり無いからです。
悔いがないといえるほど完璧ではないけど、
それより「会えて良かった。ありがとう。」と、思えるのです。

多くの方が、愛犬との様々な死別を通して哀しみを抱えられるでしょう。
飼い主として納得のいかないこともあるかも知れません。

でも、一番大切な共に過ごした時間とその感覚は失われません。

大切な知人や友人はそのことを教えてくれます。


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Posted in 犬のこと, オポのこと

犬語セミナー開催:子犬と成犬の対面ビデオ

今月は3回もグッドボーイハートのゼミナールクラス「犬語セミナー」が開催されます。その2回がおわりました。

同じビデオを見ていただているのに、参加者が違うとこうも見方が違い、
またこんなに関心の寄せられる部分も違うのかと、改めて思います。

いくつかのビデオを見ていただきましたが、珍しいビデオでは
生後3ヶ月の子犬と成犬の対面のビデオです。

生後3ヶ月の子犬をおとなの犬に対面させる機会はなかなかありません。

というと、グッドボーイハートで少し前までにトレーニング受講された方なら
え?と思われたでしょうね。
私の相棒だったオポという名の犬は、子犬を所属させる犬だったからです。
なので、グッドボーイハートでは多くの子犬がオポに会いました。
ところが、このタイプの犬はほとんどいないということです。
理由は大変深い話なので、ここでは省かせていただきます。

先週のブログ記事、コミュニケーション欲求が満たされない問題について
どうしても気になるのは、子犬を成犬にあわせたいいかどうかということです。

家庭に迎えられた子犬には、犬とかかわる機会が与えられません。

ところが、対面させた成犬が所属を許さない犬であるとすると、このような行動をとるでしょう。(一例です)

子犬を無視しつづける。
子犬に乱暴なコミュニケーションや攻撃をする。
威嚇して子犬を寄せ付けない。
自己防衛を続け、子犬を寄せ付けない。


子犬はコミュニケーションを拒否され、大変なストレスを感じることになります。
自分のコミュニケーションが通じないということです。

管理者との関係性を築きテリトリーで自分のスペースや安定性を得始めている子犬なら、成犬に近づかずに様子を伺うこともできます。
相手の変化を待ったり、子犬自ら落ち着かせ行動を取ることもあります。
ですが、これも大変例の少ない行動です。
子犬の性質だけでなく、犬のことをよく理解し子犬期に安定行動を得られるようになるには、必要な要素がたくさんあります。

成犬に受け入れをされない子犬のコミュニケーションは、
どんどん乱暴なものになっていきます。
相手に歯を当てたり、とびついたりするような成犬になってしまうかもしれません。
近づきすぎて攻撃され過剰に防衛するようになるかもしれません。
子犬の安定度をよくみてから慎重に行う必要があります。

他の子犬に会わせればいいかというと、これもうまくいかないことが多いのです。
子犬が同腹の犬を兄弟犬として過ごせるのは、親犬が存在するということとが前提です。
親犬としての存在のないところで子犬だけを放置すると、子犬は激しいじゃれ遊びを中断できず、大変興奮したコミュニケーションをとるようになります。

子犬同士は攻撃性がなく、どちらもコミュニケーション欲求が高いため、
ケンカ別れにはならず関わり続けるため、乱暴なコミュニケーションを身に付けてしまいやすいという欠点があるのです。

その興奮したコミュニケーションを「遊んでいる」と受け取ってしまい放置してしまうからです。

子犬のころに犬同志を会わせて関係作りを進めたいのであれば、できるだけ慎重に行うことをおすすめします。
犬の行動分析をすればするほど、子犬の遊び行動ほど難しいものはありません。
子犬に攻撃性がまだ出現しておらず、コミュニケーションが未熟であることがそのわかりにくさなのかもしれません。

子犬の安定度は、飼い主さんとの社会生活の中で育てられています。
子犬の社会化の発達を他の犬に頼り始めているとしたら、
すでに飼い主さんの基盤が緩んでいるのかもしれません。

9月の犬語セミナーはあと1回。30日の12時~七山校で開催します。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

コミュニケーション欲求が満たされない

ブログ「犬のコミュニケーション欲求」で、犬にはいろいろな欲求があることを
お伝えしました。

その中でも、基本的欲求にあたる「社会的欲求」はとても重要です。
犬の中に芽生える欲求は、犬がイヌという動物としての成長と発達のために
必要なのでおきていることです。

子犬期の社会的欲求はコミュニケーション欲求という形であわられます。
子犬が犬としてコトバを覚えていく時期ですね。

子犬が親犬にしつこくついて歩いたり、ちょっかいを出したり、
子犬同士でじゃれあうように遊んだりするのは、この欲求を満たすものです。

コミュニケーションは、社会的な応答があって成り立つものです。
一方が投げかけて、相手が応える。
その過程の中に、コミュニケーション=対話が含まれています。

たとえば、自然界のオオカミをイメージしてください。
最近は動物のビデオもたくさん見られるようになりましたので、
オオカミが群れで行動している姿や、子育てをしている姿を
ネットの動画配信で見ることもできるでしょう。

親オオカミたちにはテリトリーを守るためのいろいろな役割があります。
ただ、子犬たちはその守られたテリトリーの中で、たくさんの時間を
親や兄弟と関わることで過ごしている様子を見ることができます。

コミュニケーションを発達させることは種として大切であることは、
わたしたち「ヒト」に置き換えてもわかりますね。

このコミュニケーション欲求が満たされないと、家庭では様々な問題行動が起こります。

よく見られるのは、「じゃれ咬み」という咬みつき行動です。
「じゃれ咬み」という、攻撃ではない咬みつきは、子犬同士がよく行っています。
歯を強く当ててしまうと相手が「キャイン」と声を上げて遊びが終わってしまいます。
そのため、子犬はやさしく歯をあてることをすぐに学習します。

親犬から離されている子犬は、犬の行動をよく理解できない状態で迎えた場合には
このじゃれ咬み行動は、激しくなっていきます。
子犬だけの環境では相手がいないために、人に対してもこのコミュニケーションを
とろうとします。

強く噛んではいけないことを伝えていきますが、なかなか収まらないことがあります。

オオカミの例に挙げたとおり、子オオカミは、親が安定したテリトリーを持つことで
安心してコミュニケーション学習を重ねます。
子犬は人社会に移動したばかりで、テリトリーが安定しません。
他にも、環境に応じてテリトリーが不安定になりがちです。

飼い主さんが留守がちである、犬と関わる時間がない、子犬だけで過ごす時間が長いなど。

他にも、子犬の社会化が進んでいないことも、じゃれ咬み行動を激しくしています。
じゃれ咬みは、子犬が他者に強く接触するコミュニケーション方法なので、
その強さは、子犬の成長がうまくいっていませんよ、というお知らせでもあるのです。

コミュニケーション欲求が満たされていない他の行動として、
家具をかじるという行動もあります。
トレーニングクラスで家庭を訪問するため、かじられた家具や壁をたくさん見ました。
じゅうたんや床を破壊してしまうこともあるようです。

口が十分に満たされたいため、なんでもかじって欲求を発散しようとするのです。
ところがそれでも解決はしません。

体の動く部分に反応するため、自分の尾を追うストレス行動になることもあります。

口をつかう「なめる行動」をするようになることもあります。
床をなめている、飼い主をなめる、犬が自分をなめる、とかです。

犬だから犬にあわせなければいけないと思われるかもしれませんが、
犬を犬に会わせてコミュニケーションを発達させる機会を与えるのは
実はとても難しいことなのです。
理由はまた次回お話します。

飼い主さんは犬ではありませんが、犬を理解しようという気持ちさえあれば
犬とのコミュニケーションの時間を充実させることはできます。
ただし、環境と時間と理解が必要です。
この3つを、忘れないでください。

環境と時間をつくることが、とても難しいようですね。

コミュニケーションは対等性が一番。
子犬であっても「こうなってほしい。」「こうしてほしい。」「こうしたい。」
という飼い主さんの気持ちが優先してしまうと、うまくいきません。

犬のことをひとつずつ理解しながら、犬の成長と発達を楽しんでください。


10月に開催の「チャリティ犬語セミナー」が定員になりました。
たくさんのお申込みをいただいて本当に驚いています。
お申込みをいただいたみなさん。ありがとうございます。

今回4名までをキャンセル待ちでお受けすることになりました。
グッドボーイハートまで、お問い合わせください。


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Posted in 犬のこと

犬のコミュニケーション欲求は本当に満たされているのか

犬にも動物が成長し生存していくために必要な「欲求」があります。

食べ物を食べたい、水を飲みたいというのも、その欲求のひとつです。

犬には様々な欲求があり、その段階も様々です。
人間心理学では、欲求を段階分けにして提唱した、心理学者マズローの
三角形の欲求の階層図がよく知られています。

犬も同じような欲求を持ちますが、その重要性は犬の成長や発達の段階、
犬の経験学習を含む性質によって、かなり異なっています。

人の欲求についても階層制を否定する専門家もいるようです。

人も犬も環境が複雑になることで欲求にも変化が生じる、ということかもしれません。


特に基本的な欲求の段階については、犬のいろいろな情報を得ることができます。

犬の基本的欲求とは、犬が個体として(犬自身として)犬という種として生存し、
それが維持され存続するために必要な欲求です。

食べ物や水を得るという生理的欲求は、基本的欲求に含まれます。
そして生理的欲求と同じくらい大切な社会的欲求も、基本的欲求のひとつになります。

イヌは社会性が高い動物であるということをこのブログでくり返しお伝えしてきました。
どのクラスのときも、イヌがいかに社会性の高い動物であるかということをくり返しお話しています。

私たちヒトも、同じように社会性を備える動物です。
イヌとヒト。どちらも社会性の高い動物であるため、その関係も特別なものになりえます。

イヌという種は、社会性を高く備えていることで、種としての存続が可能なのです。
これまでに多くの犬に関わってきましたが、すべての犬において社会的欲求の高さを感じる行動を見ることができます。

特に社会的欲求が高まるのは、生後3ヶ月~2才位までの少年期にあたる時期です。

生後2ヶ月までの子犬が、親犬に依存的に世話をして食べるものを与えられる年齢から
群れのグループの中にはいって役割をみつけ群れとして行動しはじめる年齢です。
犬にとって大切なことは、社会的コミュニケーションを身に付けるということ。
その過程を通じて、人という群れの一員となることです。

だからこそ、社会的欲求は、犬という動物の中では高い位置にあります。。

ところが、社会性を身に付けることができずに成長してしまった成犬の欲求は、
他の方向に偏ります。
起こりやすいのは食べる欲求に偏ることです。

「食べること」に欲求が偏ると、こんな行動が見られることがあります。
食べ物のにおいをかぐと行動が不安定になりウロウロしはじめる、
テーブルの上に食べ物を置いておくと勝手に取って食べてしまう、
食べ物がでる気配を感じると興奮して多動になったり飛び跳ねたりする
などです。

欲求が偏ると執着という行動で現れます。
犬はよく食べますが、食への執着は元気で食欲旺盛というのとは、異なる行動です。

他にも社会的な欲求が抑えられていることがあります。
特別なケースは、精神的病理状態に置かれており欲求行動が不安定になっている場合です。

また社会的な経験をする機会や環境た整わずに過ごしていたことで、
人は食べ物と寝る場所を与えてくれるだけとコミュニケーションを求めなくなることもあるでしょう。

もし現在、社会的なコミュニケーション欲求が高いと感じるなら、それはチャンスです。

コミュニケーション欲求が高いと、人にとっての問題行動が多発することもあります。

問題行動の症例は、また次回ご紹介します。


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犬を店につながないで:犬にできることとできないことを知る

スーパーやコンビ二の前に、犬がつながれている風景を見るとドキドキします。

犬に関わる仕事をしているので、犬の事件がいろいろと耳に入ってきます。
店の前につないでいた犬を取られるという事件が、案外多いのです。

店の前につないでいたけど、上手に待てるんですよ。
という話しを聞くと、慌てて止めるようになりました。

自分が盲導犬育成のための訓練をしていたときは、
あらゆる状況や場所で待てるようになる必要があるため
コンコースや駅の待合室などで「マテ」の練習をかなり取り入れていました。

ただ、それも犬だけにして誰もいなくなるという状況にはなりません。
盲導犬使用者しか入れないようなところに一時的に移動したときに
他の方が見ている状態で待つことができるように、という内容のものです。

店の前につないでワンワンと吠えている犬の場合には、
犬を連れて行こうと考える人も少ないかもしれません。
犬を抱いて立ち去ろうとしても、吠えられては大変です。
逆に、店の前でおとなしく待っている犬については、
連れ去ってしまうことがあるのです。

許しがたい犯罪であるとは思いますが、探し出すことは困難です。

犬を黙って連れて行くなどと、そんなひどいことをする人がいるわけないと
思うかもしれませんが、実際に起きていることだということを認める必要はあります。

他にも犬を連れ去られてしまったケースのいくつかをこちらに上げます。
これを参考に、犬の連れ去りを受けないように対応をお願いします。

1 エアコンをかけておくためにエンジンをかけてドアを開けたままにしたため
車ごと持ち去られた。
※犬はクレートに入っていたようで、車を目的とした犯罪です。
でも犬は帰ってきませんでした。

2 犬と散歩中に、携帯電話を扱っていたら、自転車で走ってきたひとが
犬を抱き上げそのまま逃走した。
※小型犬のケースです。

3 犬と散歩中に、車で横づけされて「かわいいですね。抱かせてください!」
と話しかけられ、抱かせたらそのまま車で逃走した。

抱き上げられて逃走されるケースが多く、犬の連れ去りの多くは小型犬です。
小型犬はほとんどが純血種かそのミックスです。
犬を連れ去る人の目的が何なのかはよくわかりません。

犬をものだと思い、バッグを取るのと同じような感覚で盗むのかもしれません。

心無い人がいることに気持ちは沈みますが、犬を守れるのは飼い主さんだけです。

店の前につないでおいて、犬が何かにビックリして首輪が抜けて逃走したとか
犬がビックリしてつながれていたものを引きずって逃走したというケースもあります。

犬と散歩中に立ち寄れるようなところであれば、家のすぐ近くですね。
犬を一度家に連れて帰り、再び買い物に行くことは、飼い主さんの犬への配慮です。

ちょっとした気持ちの緩みで後悔することのないように、その気持ちは犬に伝わります。

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マーキングの場所でわかる<つづき>

昨日のブログで「テラスマーキング」についてお話しました。

一般のご家庭ではあまりないシチュエーションかと思いますが、
お友達の犬が自宅へ遊びに来て「テラスで排尿」ということはあるかもしれません。

自宅のテラスでも「うちの犬はテラスの支柱でマーキングする」
「うちは、テラスで排尿する」という行動が起こることもあります。

そのテラスですが、テラスは屋外か室内か、微妙な場所にあります。
まず、このことを犬がどのように理解しているかが行動の鍵を握ります。

一般的に、テラスは人のスペースです。
人のスペースというのは、人がものをおいたり管理したり
食事をしたり、休憩したりする場所のことをいいます。

屋外のテラスを人のスペースと認識することができるかどうかは、
犬の経験学習のレベルによってことなります。
屋外飼育だからテラスを人のスペースだとわからないというわけではありません。
人のスペースと犬のスペースをわかるかどうかは、人との関わりによるものです。

犬がテラスを人のスペースだと認識するのは、テラスに人の「もの」があり、
人がそこでくつろいだり、滞在するようなイスやテーブルがあるためです。
それらの「もの」人が管理していることを、観察によって知ることができます。

テラスにマーキングをする犬は、そこが人のスペースだと知らずに
やっているように思えますが、多くはその逆です。
テラスにマーキングをする犬は人のスペースだということがわかっていて
マーキングを行っています。

テラスにマーキングする状態の犬は、同じ理由で車のタイヤにもマーキングします。
数日前のブログに書きましたが、人が設けた境界線のシャッターのようなものにも
マーキングをする傾向が見られます。

室内飼育の犬で、室内ではマーキングをしないという犬も、自分のテリトリーを
離れた場所では、人のテリトリーに執着する行動をするのです。

テラスでのマーキング(排尿)をしない犬には一定の行動のパターンがあります。
人との関係性に一定の距離感があり、それを保ち続けることを維持しようとしているようです。

人に一定の距離感があるといえば、野生動物です。
これらの動物たちも、今のところテラスにマーキングをしません。
少なくともうちではマーキングをされたことはありません。
私は野生動物にえさは与えません。声をかけたりなどのアプローチはしません。
餌付けをすれば、マーキングが始まるかもしれません。

猫には一度マーキングをされたことがあります。
テラス横がキッチンとなっていて、テラスで冷していた肉を狙われたことも
ありました。えさを与えたことはありません。
マーキングは人に対してではなく、猫間のもののようでした。
野猫ではなく、近くの民家で飼われている猫だったと思います。

マーキング行動の場所などで、犬の状態や行動の特徴がつかめてきます。

マーキングはしないよ、という犬の場合でも、テラスでお膝へダッコということでは
やはり同じことです。

マーキングをしている状態では、行動の安定を得るのには遠回りです。
よい関係作り、安定して過ごせることのために、
できることはたくさんあります。

とりあえず、犬の行動のメッセージを受け取ることを大切に、です。

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マーキングの場所でわかる

台風のため、3連休のテントクラスも途中で解散となりました。
一泊目もテント泊がうまくいきませんでした。
犬と飼い主さんの行動が、家に隣接したテラスを中心に動くというものになりました。

どのような場所でも、犬と飼い主さんが行動をしている限り、
その行動の範囲や行動の種類について、観察して考察をするが仕事です。
私自身が近くで影響を与えると、犬も飼い主も行動が変わってしまいます。
できるだけ日常の行動を見たいので、遠巻きに観察をしています。

テラスには、各飼い主が犬のために持参したクレートが置いてあります。
そのクレートは、犬にとっては移動式のハウスです。

本来生活するテリトリーから離れて滞在する場合には、マイクレートがあると安定します。
(※テリトリー(なわばり)にはいろいろな概念がありますが、
ここでいうテリトリーとは、生活圏の意味のテリトリーです。)

クレートで落ち着いていられるようになったら、そのクレートと飼い主の位置を中心に
犬が移動できる範囲が決められていきます。

クレートという自室のテリトリーを離れて歩き続ける場合には、
それほど難しい問題は起こりません。
犬の行動が不安定なるのは、クレート周辺の行動なのです。

なぜ、クレート周辺の行動が不安定になるのでしょうか。


クレートの周辺には、クレート周辺テリトリーというものができます。
室内にクレートをおけば、室内がそのテリトリーです。
テラスにクレートをおいて滞在すれば、テラスがそのテリトリーです。

クレート周辺のテリトリーはとても不安定になるのは、
そのスペースが他の犬との共有のスペースであり、
自分の砦となるクレートの周辺を、他の犬もウロウロとすることになるからです。

テラス周辺を犬がウロウロとしているときには、目が離せません。
遠巻きに観察したいのだけど、管理者としてやってほしくない行動があるからです。

マーキングです。

テラスと庭の境や、テラスの支柱や、テラスにおいてあるテーブルの脚に
マーキングをされることがあります。
リードをつけていてもマーキングをされることがあります。
1頭がマーキングをすると、ルールが破られたかのように他の犬もそれに
続くことがあります。

テラスは洗い流しができないことと、以前はオポのテリトリーでもあったため
テラスマーキングには私も敏感になっています。
遠巻きに観察している場合ではなく、止めに入る必要があります。

マーキングはオスの脚上げ排尿が多いですが、メスもマーキングします。
脚を上げなくてもマーキング行動は起きるのです。

ところが、テラスマーキングは私が犬たちを見ているときや
私がリードを持っているときには、マーキングは起こりにくいのです。
マーキング行動に気づきにくいということもありますが、
犬が不安定な動きを始めると、リードを短くしたり、声をかけるなどの
習慣が身に付いているからかもしれません。

マーキングにはマーキングをしやすいという性質もありますが
環境の変化と関係性に関しての不安定さが見られるというお知らせでもあります。

マーキングをさせないようにするための対処法はいろいろとありますが、
テラスでマーキングをしなくてもいいような、人との関係性をつくっていくことは
もっと大切なことです。

何故「人との関係性」なのか?と思われた方は、
明日のブログもご覧ください。

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草を食べない犬たち

昨日のブログで「草を食べる犬」のことを書きました。
犬が草を食べるのは故事にもあるほどの日常の風景だったのでしょう。

ところが、最近では草を食べない犬もいるのです。

草を食べない犬もいることを知ったのは、
生徒さんの犬たちと山歩きをしたときのことです。
草を食べている犬たちをみ飼い主さんがこういいました。
「みんな草を食べるんですか?うちの犬は草を食べません。」

最初に聞いたときは、少し驚きました。
個人レッスンのときに、「草を食べのですが大丈夫ですか?」
という質問はよくありましたが、逆の
「草を食べないのですが大丈夫ですか?」
という質問を受けたことがなく、みんな食べるものだと思っていました。

草が食事というわけでもないので、必要ないから食べないのだろうとは思ったのですが
草を食べない犬たちには共通点がみられました。

外であまり、もしくは全く水を飲まず、帰宅してから飲む。

他には、飼い主さんから離れられない傾向が強い犬が多いようでした。


今は草を食べない状態だから、これが草を食べるようになれば
何かが変わったといえるのではないかと思い、観察を続けました。

結果、水を飲まない犬は水を飲めるようになりました。
水を飲まないのではなく、水を飲めなかったのですね。

そして、草を食べない犬の中には、草を食べるようになった犬もいます。
犬の体型や被毛の状態とあわせてみていくと、健康的になるに従い
草を食べるようになった傾向があります。

体調を崩したことで草を食べるようになったのではないようです。

犬が自分に必要なものを、人から与えられるのではなく自分で得る力。
これは犬の習性の中のひとつです。
犬が得ようとする必要なものも、環境の中になければ選択することはできません。
その環境は慣れ親しんだ場所でなければいけません。

昨日ブログに書いたように、「これを食べなさい」という草の与え方では
選択力は育てられないということです。

自然に近い環境を自宅や仲良しの知人の庭先などに準備してあげれば、
犬はいつか必要なものを選択する力が育って、その中の草を食べるのかもしれません。

必要な環境を提供する。
そして犬がそれを自ら利用する。

雑草の生えている庭でも利用価値はあるということです。

でも草刈はしてくださいね。
草を刈り込んでいない土は硬くなり、そのうち硬くて長い草ばかりになります。
犬が好むのはイネ科の雑草です。
イネ科の雑草は水分の多いやわらかい土の上に伸びるのです。
庭の端の部分を掘り返してそうした場所をつくるのもよいかもしれません。

庭の手入れをしていたら、イモリが数匹も出てきました。
イモリは漢字で井守と書くようです。井戸を守ってるということなのでしょうか。
土が軟らかくなるといろんな生き物が戻ってくるかもしれませんね。

ぜひチャレンジしてください。

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Posted in 犬のこと, 自然のこと