グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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以外と知られていない多頭飼育のストレス行動

犬の小型化が進んだ結果増えたのが、小型犬の多頭飼育です。
小さな犬を2頭いっしょに散歩させている姿をよく見かけるようになりました。

多頭飼育の目的は飼い主さんによって様々です。

なんとなくというもの。犬を飼われている方で多頭飼育の方にはよくあります。
特に理由はありません、ということですが、ショップで見かけてしまってというケースも多いようです。

家族で取り合いになったりモノ化しすぎてしまうと、「だれそれの犬」という分類になります。
この犬はお母さんのもので、この犬はお父さんのものとか娘のものとかいうこともあります。

多頭飼育で一番多い理由は、1頭ではかわいそうだから、というものでしょうか。

確かに犬は犬とのコミュニケーションを楽しむことができます。
ただ、逆に犬との関係性を作ることが難しく、犬と過ごすことや多頭での暮らしが
犬にとって負担になっていることも多々あるのも事実です。

この意味では、非社会的動物である猫の方が、社会的関係を築く必要がなく
室内を分離して住み分けることがうまくいけば、多頭飼育でも問題はおきにくいのかもしれません。

犬は社会的な動物です。人とも社会的な関係を築きます。
犬という同種であれば、一層社会的な関係を築くのか否やということになります。

多頭飼育で関係性がうまくいっていないお知らせは、犬のいろいろな行動によって表現されます。

わかりやすいのは排泄行動です。
いままでうまくいっていたトイレ場での排泄ができなくなり失敗が多くなる。
新しく迎えた犬がなかなかトイレが上手にできない。
食糞をする。などです。

散歩中の行動にも変化があわられることがあります。
多頭になったことで2頭での散歩をするようになるかもしれません。
先住犬が散歩に行きたがらない、歩きたがらないという行動もそのひとつです。

犬と犬が直接的に関わっている行動はもっとも分かりやすいものです。
興奮して2頭が走り回る。プロレスをするように歯をあてあって興奮している。
どちらもくり返し腹部をみせあって興奮する。
など、犬と犬の直接的なコミュニケーションにはいろいろなパターンがありますが
興奮が激しいと感じられたり、歯を相手に当てる行動が多くなるようでしたら注意が必要です。

よく先住犬をたてればいいというような対処法の紹介があります。
先住犬に先にゴハンを与えるとか、オヤツを先に与えるとかですね。
序列を教えるためにこのようにすればいいというアドバイスなのかもしれませんが、
犬は本質がわかるためこのようなことで関係性がごまかされることあはりません。

多頭飼育でよく読み違える、2頭の興奮を遊び行動だと思ってしまうこと。
ケンカ行動にまで発展すれば飼い主も気づきやすいのでしょうが、
興奮行動は喜びと受け取られやすいため、気づきも遅くなってしまいます。
子犬化している犬たちは実際の攻撃をせずに、興奮行動をすることで回避し続けることにもなりかねません。
同じテリトリーの中にいる動物を攻撃することは、自分のテリトリーを奪われる行為にもつながるからです。
来客が入ってくるときと出るときには吠えるのに、室内に居座ると吠えなくなるのも同じ状況です。

今まで問題がないと思っていた行動を、問題があるかもと思ってみることには勇気がいります。

たとえば病気ではないと思っていたことが、もしかしたら病気かもと思ってしまうと
不安になってしまい、どうしたらいいのか思い悩みますよね。
病気の場合には病院にいけばいいというのが解決への道になるので、気持ちも楽になります。
ところが、犬の行動療法は、動物病院ほど一般的ではありません。
知ってしまったり、気づきの兆候があってどきどきしてしまうかもしれません。

それでも、犬の行動から得られる気づきを大切にされることをお勧めします。
気づいて知ることは、犬と犬の関係ばかりでなく、犬と人の関わりをも大きく変えてしまいます。
それは、新しい関係作りへの一歩といえます。
気づいたときは扉が開いたとき、勇気を出して一歩を踏み出してください。

 

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犬の無駄吠えに対処する前に考えること

グッドボーイハートのある博多区の中心部とその周辺は集合マンションがほとんどです。
博多区の事務所で作業しているときに、昼夜を問わず気になるのは、犬の無駄吠えです。

「犬は無駄に吠えることなどない」といいたいところですが、
これは明らかに無駄に吠えていると思われる声が聞こえてきます。

犬の行動から犬の状態を理解する場合には、犬の吠えるという行動もその中に入ります。
声は遠くまで情報を飛ばすことができます。
吠えている犬の姿を見ることはできない環境でも、犬の吠える行動から得られることがあります。

犬が吠えることについては、他の行動と同じように、なぜ吠えているのかということよりも先に、
どのように吠えているのかに注意を払ってみましょう。

吠える声の質というものがあります。
声の質とは、声の高さ、長さ、他の特徴です。1回の吠える声の長さですね。
ワンなのか、ワォーーーーーンなのかでも、違いがあります。

そして吠える声の回数です。
ワンなのか、
ワン、ワン、ワンなのか
ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、なのか。

それから全体の吠え続けている声の長さです。
数十秒吠えている、数分吠えている、数時間吠えている、など。

数時間など吠えることがあるはずないと思うこともありましたが、
実際に何時間も吠えている声を聞いたり、吠えている姿を目視したこともありました。

犬の行動は、吠えることを含めてコミュニケーションの手段です。
犬の行動を理解できない人に対して吠えるという行動は、人の関心を引きやすいものです。
そのせいか、犬は人との暮らしで吠えるという方法を活用してきました。
オオカミは吠えず、犬は吠えるというのも、人が動物の生活に関与して与えた影響のひとつでしょう。

その活用の仕方によっては、人に利益を与えることもあるし、
人に不利益と受け取られるものもあります。

ただ、吠えることはコミュニケーションとして受け取られていないことも多々あります。
連続して数十分以上にわたり単調に吠え続けることはコミュニケーションではありません。

では、こうした行動は何かというと、同じ行動をくり返す常同行動というストレス性行動です。
ストレス性行動にはストレスの段階に応じてさまざまな行動があります。
中でも常同行動は、ストレス値の高い状態で表現されてくる行動です。
吠えるという行動が受け取り手のない、くり返し行動として変化したのかもしれません。

常同行動には音を伴わないものも多くあります。
ただ、吠えることがくり返される場合には、吠え声は周囲に届いています。

「犬の様子がおかしいですよ」というお知らせでもあるので、飼い主が気づかれるか
周囲の方が気づいてあげることで、改善を望むこともできます。
犬の吠えは飼い主に注意を促すと「苦情」と捉えられてしまい、ご近所付き合いが難しいという一面もあります。

犬たちのことも、人と人の日頃の関係によって影響を受けてしまうものだと思います。
犬という動物への理解が進むことが、人と人の暮らしをもっと豊かなものにするものだと信じています。

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動物愛護管理センターを訪問

福岡市東部動物愛護管理センターを訪問しました。

移動になっている熊本県センターの犬猫のことと、
しばらく施設に伺っていなかったため、動物の施設管理や
譲渡のシステムなどについての現状を知るという目的でした。

以前、他の動物管理施設でお世話になった方が現場にいらしたため、
忙しい中、丁寧に案内していただき説明を受けることができました。

収容された動物は、健康チェックや性質チェックのための必要期間を経た後、
譲渡対象となる犬猫には不妊手術が行われます。
ほぼ100%不妊手術を行っているとのことで、幼少でも可能とのことでした。

健康や性質の状態を経過観察するためには、それぞれに個別に管理する必要があり、
スペースも管理をする人も必要となります。
福岡県と同様に福岡市の施設も、動物を単期間管理して処分する施設だったものを、
長期間収容管理して経過観察とケアを与え再び家庭犬猫として譲渡する施設へと変わったため、
施設の利用については、今ある空間で工夫しながらなされている様子が伺えます。

盲導犬育成施設に勤務していた自分自身の経験から、
施設の構造が、犬の収容管理し観察とケアを与えることについて、
仕事を効率よくまた動物の状態への影響についてもも身に沁みて知っています。

そのため、こうした工夫しながら努力されている職員のみなさんの労力と共に、
動物たちの負担を感じえることもできます。
現在ではボランティアが施設の清掃などの手伝いをしてくださるとのことで
外部からの現場を尊重する協調した力が、この活動の希望のひとつであることも感じました。

収容されている犬は、ミックス犬が多く、子犬はいません。
現在、どの動物愛護センターも同じような状況になっています。
子犬を飼いたいという気持ちは、過去ブログ記事「人になつくきにくい犬」でご紹介したとおりです。
子犬はすぐに貰い手がつくため、施設にとどまるのは成犬ばかりです。

犬は1歳前後になるとエネルギーの上昇とともに興奮行動も多くなります
吠える、とびつく、リードを引っ張るなどです。
攻撃的行動も見られるようになります。

動物は同種間で、こうした社会的行動が見られるのです。
犬の場合は犬に対してです。
犬に吠える、犬をみると近づいていく、犬にとびつく、歯をあてるなどです。

人は同種ではありませんが、テリトリーを共有する同種に近い存在として
社会的行動が向けられる対象となります。

成犬との関係性やコミュニケーションが改善されないと
これらの行動は問題行動として犬との生活を苦しめるものになります。
苦しいのは飼い主だけではありません。
犬も関係を築けない人という動物との暮らしを苦痛に感じます。

子犬を迎えたからといってこの問題が生じないわけではありません。
むしろ、子犬の方がずっとこうした問題を生じる可能性があります。

動物保護施設から成犬を迎えることを喜びとするためには、
犬と関わるために必要な時間と空間の確保をまずしてください。
あとはゆっくりと観察して知るという理解という過程を経ること。
そして、学ぶことも大切なことです。

いよいよ次の日曜日はチャリティ犬語セミナーです。
みなさんとの学びのための準備のため、少しだけ走ります。

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※福岡市東部動物愛護管理センターで譲渡されている犬猫の情報は
こちらでご覧いただけます。
わんにゃんよかネット


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どうすれば犬は落ち着くのか、の迷路

犬の落ち着きについてのブログ記事の続きです。

犬の落ち着きのない行動について飼い主さんがまず思うことは、
「どうすれば落ち着くのか」ということでしょう。

どのようにすれば犬が落ち着けるようになるのかということについては、
犬の生活環境、飼い主の接し方など、飼育環境によって異なるというのが答えです。

居場所やテリトリーの作り方など、環境が犬の落ち着きに関与していることは
言うまでもありません。

さらに「犬の落ち着かせ」については、社会性が影響しているということを、
11日のラジオ出演のときにお話しして、ブログ記事でも紹介しました。

社会性が影響しているというのを、自分たちに置き換えて考えてみましょう。
それは「誰といると落ち着きを取り戻すのか。」ということです。
ラジオでは大田こぞうさんが、
「私は先生といると落ち着いてきます。」とその例をあげてくれました。

「落ち着き」という行動が、周囲に関係性のある存在との影響によって起こることを
誰もが体験したことがあると思います。
誰とどのようにして過ごすのかという「人と犬の関係性」が表出されます。

だからこそ、犬の落ち着きについては注意を払いたいのです。

人と犬がそのような社会的関係を作っていくには多くの時間と空間が必要です。
人の犬への本質的な理解や価値観の影響も強く現れます。

そうなると人によって犬を落ち着かせることが(実際には犬は自分で落ち着くのですが)
なかなかできないため、問題を回避するために対処法を用いる必要が出てきます。

犬のしつけ方や犬のトレーニングのテクニックを用いて犬の行動を抑える、
つまり落ち着いているような状態に見せることはその対処法です。

たとえば、他の行動に置き換えるというトレーニングもこうした手法のひとつです。
犬の落ち着かない行動による問題行動を抑えるには効果的です。

犬にオスワリ、フセ、私をミテ、マテといった合図に従わせることも、
落ち着かない行動を一旦止めることができます。
犬が飼い主の要求にこたえることが日常化してくると、常に飼い主の望むように行動し始めます。
オスワリやフセをして飼い主さんをじっと見ている犬を見かけます。
吠えたり、とびついたり、ウロウロすることもありません。
しつけ練習をされた犬なのだろうなと思います。

ただ、これらの行動は犬の自律的な行動ではないということの区別は必要です。

動物病院や、狭い道で他の犬と遭遇してしまったときや、移動の際など、
犬にとって日常ではない状況や他者との接近では、人による行動管理が必要とされることもあります。

人の生活は刺激に溢れているため、その生活に犬が少し入り込むだけで、
どのように行動したらいいのか犬には判断がつかないこともあります。

こうした状況で犬に合図を出して行動させることは、とても役立ちます。
都市環境では犬の行動管理が必須になるので、犬の自律性は育ちにくいのです。

自律して落ち着ける犬と、人の合図に従って行動する犬は異なるということです。

犬が自然に落ち着きを取り戻す環境や関係性を築くには時間を必要とします。
犬の成長は1~2年くらいで、人と比べればわずかな時間です。
それでも、その間を親犬のように始終いっしょに過ごすということは実現されにくいようです。
仕事や子育てで忙しい飼い主や、都市部の限られた環境の中では限界が生じます。

できるかどうかは別として、大切なことなのでお伝えします。

犬の落ち着かせは「犬の本性」の一部です。
犬が備えている貴重な社会的機能を、動物として継続して引き継いでいくには、
その機能を今生きているこの犬生で活用することです。

犬の自律した落ち着かせ行動や、落ち着かせによる社会的な能力を発揮できるような成長の機会を、犬を育てる方がつくっていただければと思います。

 

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犬の「落ち着きない行動」:なぜ落ち着かない?

11日のラブFMの月下虫音出演前に、当日テーマだった「犬の落ち着き」について、
大田こぞうさんといろいろと話していました。

昨日のブログに書いたように、落ち着いている行動は読みにくく
落ち着かない行動の方が列挙しやすいというような話になりました。

犬の落ち着かない行動は、飼い主の落ち着かせたい行動でもあります。
犬の行動を改善したいときに、飼い主さんの疑問は二つあるでしょう。

「なぜ落ち着かないのか」

「どうすれば落ち着くのか」

なぜ落ち着かないのかを考えることも、ひとつの犬を知る機会にはなります。

見方を少し変えてみると見えてくるものがあります。

どのような時に、どのような状況のときに落ち着かないのか、ということです。

この二つは似ているようで、少し違います。

なぜ落ち着かないのか?と尋ねられたら、こんな答えも出てくるかもしれません。
犬が機嫌が悪いから、
人のことが好きだから、
遊びたいから、
嫌いだから…。

上記の表現では、犬の状態するには曖昧な答えです。

どのような時に、どのような状況で落ち着かないのかという答えには、
具体的な周囲の状況についての観察が必要になります。

犬の行動を冷静に(落ち着いて)観察することは、
犬を知るとても良い手がかりになるものです。

落ち着きのない行動の中でも非常に多いのは、
何かに「執着」する行動です。
犬の場合には「もの」か「人」の場合が多いですね。

食べ物に執着する行動
ボールなどに執着する行動
飼い主に執着する行動
自分の居場所、クレートやベッドに執着する行動

この3番目の飼い主への執着行動はかなり多く見られます。
飼い主をずっと見ている、飼い主の後ろをついて歩く、飼い主に接触するなど。

執着行動は、執着しているものがなくなると落ち着きをなくします。
飼い主が自分から離れると落ち着きをなくす、分離不安といわれる状態も
一種の執着行動からくることがあります。

ボールやオモチャに執着する行動は、楽しそうに遊んでいるようにも見えるため
判断が難しいのですが、執着行動が出ているときには、社会的に他の不安定な
行動が見られます。

行動のひとつひとつは丁寧にあげるのですが、全体を評価するときは
統括的に見るという視点をもってあげてください。

評価というのは専門的なコトバです。
行動の良し悪しのことではありません。
行動の種類のことをいいます。

犬語セミナーではそんな勉強も少しだけしていただけるかなと思っています。

二つ目のどうすれば落ち着くのかについては、この続きでお話します。

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犬の「落ち着き」行動とはどのような行動なのか

昨晩、ラブFMの「月下虫音」で、大田こぞうさんと犬のこと
いろいろとお話してきました。

昨晩のテーマは「落ち着き」だったのですが、
リスナーさんからの質問についての話も含めて、
少し話しが打ち合わせの内容とは違っていました。
いつも打ち合わせのときとは違う内容になるので、
打ち合わせは止めようねと話しているのですが、やっぱり打ち合わせるのです。

とにかく犬の「落ち着き」をテーマにして、いろいろなことを考えられるということです。

犬の「落ち着かない行動」は飼い主さんの目に止まりやすく、気になる行動のようです。
落ち着かない行動が具体的にどのような行動かは、理解しやすいでしょう。

吠える
ウロウロする
甘噛みする
とびつく
リードを引っ張る
穴を掘る

他にも、犬の落ち着かない行動はいろいろとありますね。

逆に「落ち着いている行動」となるとどうでしょうか。

ゆったりしているとき?
リラックスしているとき?

少し伝わりにくいですね。

落ち着いている状態、落ち着いている行動は人にも見られます。

人を例にして、落ち着きを考えてみましょう。
落ち着いている行動とは、冷静、平穏、沈着など精神面を表現する言葉となります。
つまり、落ち着いている人という表現となり、落ち着きがその人の性格を現します。

落ち着いているとは、体を動かす「行動」が見られにくいため、
行動心理をとらえて始めて見えてくる世界なのです。

犬にも行動心理はあります。
動物の心理は行動で全てを理解することはできません。
ただ、その手がかりとなるものは行動の中にあります。

落ち着きについての犬の情報は、まず落ち着かせようとする行動が
出現している機会を捉えることから始めてみてください。

人は自分を落ち着かせるための行動をとります。
ラジオでも少しこの話しをしましたが、たとえばコーヒーを飲んだり
深呼吸をしたり、背伸びをしたり、まばたきをしたりするかもしれませんね。

犬も自分を落ち着かせるための行動をとります。
人と全く同じ行動もあります。
背伸びとか、まばたきとか、あくび、目をそらすとかですね。

自分を落ち着かせる犬の行動は、社会的な対象に影響します。
自分を落ち着かせながら他者を落ち着かせることもできるのです。
でも、いつもではありません。
犬が落ち着かせ行動をとっても、周りにいる人や犬は落ち着かないということもあります。

落ち着かせ行動の波及は、社会性の成熟度です。

大田こぞうさんと少しだけした打ち合わせの中で、
ラジオでは出なかったキーワードについては、明日ご紹介します!

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人になつきにくい犬との接し方

昨日のブログ「人になつきにくい犬」で、「なつきやすい」犬が人に選ばれやすい理由をお話しました。

では、人になつきにくい犬を迎えた場合はどのように対応したらいいのかについてのヒントとなるようなことを説明します。

犬との接し方は、犬を飼っている環境や飼い主さんの行動のパターン、そして犬本来の性質によってそれぞれに異なります。

ここでは、人になつきにくい犬に対して接する上でのポイントのようなものをあげますので参考にしてください。

まず、基本姿勢です。
犬に対して「かわいそうに」という思いと
なつかせようとする行動をできるだけ抑えてください。

具体的な行動でいうと、下手にでるような声かけや、
ねこなで声を出して話しかけるようなこと、
顔を下に下げて見上げるような行動です。

これは多くの方がやりがちなことです。
犬を甘えさせる行動です。
犬が人になつくということと、犬が人に甘えるということを分けて考えましょう。

不思議かもしれませんが、人になつきにくいと思われる犬も人に依存します。
特定の人を利用するようになるのです。
人の膝の上にのったり、人の臭いのするものを占有したり壊したりします。

なつくいにくかった犬が、自分の膝の上に乗ってくるようになると
やっとなついてくれたとうれしく思うかもしれませんが、それは違います。

その犬は、他のの家族や他人に対して攻撃的になったりおびえる行動を前よりもとるようになる可能性があります。
依存は人の力を借りた行動です。
他者への依存で自分の社会的行動は未熟な(低下した)ものになります。

自分を依存させれてくれる人だけに対して、依存するのですが、
不安定な社会性はやがてその依存先となる人にも攻撃的になるという結果がまっています。

人になつきにくい犬にはそれなりの時間と距離が必要です。
こちらから早く近づこうとすると逆に離れていく、
もしくは、思ったより近づきすぎてしまい逆効果になることもあります。
特に食べものをつかってなつかせようとした場合には本来のなつくとは異なる状態となることがあります。

なつかない犬に必要なことは、まずは安定したテリトリーです。
これはどの犬に対しても同じことですが、ここでも安定したテリトリーは行動を変えます。

安定したテリトリーはグループでそのテリトリーを守る行動をします。
どんなになつかない犬でも、人が出したものを食べるという状態であれば
そのグループに所属できる可能性があるということです。

極度になつかないタイプの犬は、人が見ているところでは食べ物を食べません。
このような状態の犬は人が触ろうとすると、咬み付きや牙を当てるなどの
攻撃的行動をみせるようになっているため、一般の方が飼うことはお勧めしません。

安定したテリトリーをつくるのは、飼い主が考える物理的なことです。
犬を置く場所、犬のために準備するクレートや犬舎、犬に与えるスペースなど
犬の性質に応じて広げながら、テリトリーを安定させていってください。

飼い主さんの関係性は、同じテリトリーの中に住むという動物として始まります。
まずはココからスタートします。

犬は社会性が高い動物だということを思い出してください。
犬には群れに所属するという力があります。

犬がなつくというのは、人に従いなつくということです。
おびえて人になつかない犬が、人と生き生きと暮らす姿は実現の可能性大です。

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七山校の柿、1本しかない甘柿でなかなか育たず、
育ってもすぐに鳥に食べられてしまいます。
毎日通ってくる鳥たちに食べられても悔しさはありません。




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人になつきにくい犬

犬を飼われるとき、特に保護施設や知人から成犬を譲りうけるときに、
比較的選ばれやすいのは「人になつきやすい犬」です。

犬は動物ですから、人に対して攻撃的な行動がなくて危険性の低い、
人と仲良くなれる可能性のある犬を選びたいというのは、飼う方の一般的な心理でしょう。
人が犬を飼うというのは、犬と交流して過ごすということなので当然の選択ともいえます。

「なつく」という意味は、慣れ親しむこと、近づき親しむこと、従い親しむこと、です。

犬を飼うなら子犬を迎えたいというのも、子犬がかわいらしく愛着を抱きやすいという理由と同じくらい、
子犬は「人になつきやすい」という理由があります。
子犬とは乳歯が生えている生後5ヶ月齢くらいを言います。
犬が環境に順応する学習が進む社会化期は、生後4ヶ月齢ほどまで続きます。
まさに、子犬が人になつく可能性を十分に持つ状態なのです。


ペットショップに長くおかれたり、人と隔離されるような環境におかれて過ごすと、
「人になつきにくい」状態となります。
そのなつきにくい状態がわかりやすく表現されるのは、犬が1歳前後になってからです。
警戒吠えをするようになったり、咬みつきによる攻撃行動が出現する年齢になるからです。

それでも犬は警戒心が高くテリトリーがはっきりとできていない状態では、すぐに攻撃するわけではありません。
硬直といってフリーズした状態になったり、ブルブルと震えたりして動けない状態になる犬も多くいます。

人にウォンウォンと吠え立てて飛びついてくる犬や咬みつきをする犬を飼うことはできないと思う人も、
震えている犬を見れば、かわいそうにという気持ちが先立って犬を迎えることもあるかもしれません。

こうした犬が「人になつかない」というわけではありません。
「人になつきにくい」状態だということを理解した上で、犬を迎えてほしいのです。

なつきにくい犬は、少なくとも飼い主を含む社会的に接触のある数名の人にはなつくようになり、
社会生活を営む上で遭遇する可能性あるものに対しても順応する力をつける必要があります。
それは、犬が生きていく上で安心して生きることを満足できるようにするための基盤になるからです。

なつきにくい犬を迎えたけど、なかなかなつかず、攻撃的な犬になっていくことで不安を感じている方がいたら
犬に対する接し方が、その犬にあっていない可能性があります。

続きはまた明日。


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むかご










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犬スペース周りはいつもきれいに

散歩が終わったあとに、犬の足を拭かれる方は一般的なようです。
犬の脚が汚れるのから、室内が汚れるからという理由の二つがあるようです。

確かに都市環境のアスファルトの上は常に黒く汚れているため、
その汚れが犬の脚についているものは取り去ってあげたいと思います。

ところが、室内の犬の空間でよく汚れているなと思う場所があります。
犬のクレートの中や、犬のケイジの中やその周辺です。

特にケイジ周りにはホコリがたまっていたり、オヤツにカビが生えたものが出てきたり
便の一部がくっついていたりと、その汚れ方も年期が入っていることがあります。

犬は土足で外を歩き、土の上に寝転ぶことを好む動物です。
だからといって、不衛生な場所に不快感を覚えないということではありません。

土や緑が豊富な自然環境には、糞便を処理する虫たちもたくさんいて
野生動物たちがウロウロとする山の中でも、糞便の臭いがきつい場所というのは
ほとんど見当たりません。

周囲がアスファルトで固められた空間の庭では、腐葉土が少なく糞便の分解が進みません。
こうした庭空間で犬を飼うと、臭いが臭くなったり便や食べ残しがかびたりと、
室内と同じような悪環境となりやすくなります。

室内であれ、庭であれ、犬が過ごすスペースは常に掃除をして、糞便の臭いがなく
ホコリがないように清掃を心がけてほしいのです。

犬の体は毎週のようにシャンプーに出すため、いつもシャンプー臭がするのに
犬の過ごすケイジは汚れていてホコリが舞ってしまうのはどうしてでしょうか。

犬はダッコしたときに臭いが気になるけど、ケイジには近づかないので
臭いや汚れに気づくのが遅れてしまうのではないかと思うのです。

犬の立場にたって物事を見られるようになると、ケイジや犬用マットの臭いや汚れに
すぐに気づくようになります。

これは、犬を育てる上での基本なのです。
犬がこのケイジやマットの上で過ごしていることをどのように感じているかなと
相手の立場にたって考えることは、犬を理解する上での単純だけど大切な一歩です。

犬のトレーニングというと、犬が命令に従うようにすると勘違いされることがあります。
でも、それは少し違います。

犬が必要な人の合図に反応して行動できるようにする練習はいくつかありますが、
本質的に目指しているのは、犬と人がより良い関係を築いていくことです。
合図に反応する練習はその極一部にしか過ぎません。

クレートの周りやケイジの周りは見落としがちです。
外飼いの場合には犬舎の周りに抜け毛など落ちていませんか?

もしかしたらうちもそうかも…と思ったら、早速お掃除してみましょう。
犬は何もいわなくても、今日は心地よく眠れると感じているはずです。


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犬の管理施設について考える

福岡県動物愛護センターの施設見学にいきました。

10月23日のチャリティ犬語セミナーの収益金を地域の公的な動物保護施設へ
寄付させていただくことになっています。
寄付先として、福岡県、熊本県、佐賀県の施設を予定しています。
熊本県は地震後の混乱が続いており支援が必要な状態であることを確認しています。
福岡県、佐賀県についてはここしばらくの間、現場を訪れていなかったため、
現状を自分の目で見て感じ、みなさんにお伝えするべきことを知るための現場訪問です。

動物愛護センターにはさまざまな業務があります。
施設に入ってくる犬猫の保管
新しい飼い主へ紹介する譲渡対象動物なのかどうかの選別
譲渡対象動物となった動物たちの保管
保管に伴う健康管理と治療
保管に伴う飼養管理
必要な社会化教育
犬猫の譲渡を希望する飼い主への講習会
そして譲渡にまつわる業務
譲渡不対象となった動物の処分など。
他にも現在犬猫を飼育している飼い主への適正飼育教育などがあります。

この中でも特に注目してしまうのは、日々の飼養管理です。
施設に保管されている犬と猫の飼育場所は家庭とは異なります。
いわゆる犬舎、猫舎と呼ばれる場所になります。

動物愛護センターだけでなく、盲導犬育成施設を例とする特定の訓練施設でも
同じように犬舎に犬たちが一定期間収容されます。

集合犬舎での生活は、犬にとっては大変ストレスのかかるものです。
家庭環境と異なりストレスがかかっていることが前提で使用されている犬舎は
その構造と、収容期間を一定に定めるためのルール作りが必要だと思います。

犬のストレスを軽減するための構造やデザインに、どの程度の資金がかけられるのか、
建築のためにどの程度の資金が必要になるのかと考えるとそれは、莫大な資金です。
また資金があっったとしても、犬舎の建築はたくさんの動物を収容しようとする動きにもなります。
そうなると、今度はその犬を管理する人や、管理する能力というまたソフトの部分も必要になります。
ひとつのことを進めるためには、いくつものクリアしなければいけない問題があることを痛感します。

海外の動物のシェルターとよばれる施設が、ドキュメンタリーなどで紹介されることがあります。
個別の犬舎と運動場により、排泄を促しやすくなり、清掃も行き届き温度管理も十分です。
それぞれの犬が適切に譲渡されるようにその性質が十分に出るように接する空間などもあります。
それらの施設は学ぶところの多いものですが、これだけの施設を維持するための人員と資材を考えると
その維持費が継続して得られることには、価値観の違いなのか他に理由があるのか、
そこにいたる道はとても長いもののように思います。

資金がなければ、また人手やシステムが整っていない限りは、
今ある道具のものの中でできることをするしかありません。
工夫と協力と、少しずつでも変化していく個々の力が何よりの底力です。
今日の施設見学では、その底力を感じることができ、とても力をいただきました。

どの仕事も同じですが、動物飼育にも専門知識と経験が必要です。
だれでもできるということでもなく、努力されている方々の力で変化し継続していきます。

まず、自分の足元の中でできることをひとつでも、考えて行動して実現する。

10月のチャリティ犬語セミナーの開催の準備も一歩ずつ進んでいます。

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2000年のGBH七山の山
今とは違う景色です。変わってきたということですね。

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