グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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グッドボーイハートお勧めグッズ:犬用ベッド編

グッドボーイハートがお勧めする犬用品です。
今回は犬用のベッドです。

犬用ベッドの重要性については過去のブログでご紹介しました。
室内で生活する犬のための犬用ベッド

今日はグッドボーイハートがお勧めするブランドについてご紹介します。
最初にオコトワリしておきますが、このベッドを紹介しても、みなさんが購入しても、グッドボーイハートにはマージンは一切入りません。

そんなことはどうでもいいことなのです。
とにかく、犬が快適に過ごしてくれればいい、そんな気持ちでご紹介するベッドはこちらです。
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LL Bean( エルエルビーン )の犬用のベッドです。

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いろんな犬用ベッドがありますが、ベッドによって犬の反応はまちまちです。
ベッドを前脚で掘ってしまい穴があいてしまう。
ベッドを噛んで破壊してしまう。
ベッドに上がろうとしない。

犬用ベッドがうまく使えない理由は、いろいろあります。
置き場所や犬の成長の段階によるという理由は当然考えられます。

ところが、以外に落とし穴なのが、犬用ベッドの質なのです。

いろんなベッドでうまくいかなかったけど、LLビーンの犬用ベッドは使うという犬もいました。

犬用ベッドの形や質として大切なのは、以下のことです。
まず重量があることです。なぜ、重量が大切なのかというと、犬がベッドにあがったときに、軽いものだと動いてしまいます。
犬は不安定な場所を嫌いますので、ベッドで落ち着きたいのにベッドが不安定に動くことでストレスを感じ、ベッドを破壊してしまうのです。

それから、ベッドの表面の素材です。
犬は摩擦を嫌います。みなさんも静電気が走ったら嫌ですよね。
犬は毛皮をまとっていますので、化繊の布には敏感です。
フリース、ポリエステルといったフワフワした毛質は嫌います。

実はLLビーンにもボアのものがありますが、こちらはお勧めしていません。
購入するなら、キャンバス生地のものを選んでください。

次に、形です。
円形、四角型、カウチ型があります。

おすすめするのはカウチ型です。
人が使っているおなじものだと、ソファになります。
犬用ベッドはテリトリーを確保する道具でもあります。

超大型犬の場合には、カウチにおさまりきれないかもしれませんね。
サイズは結構おおきなものまでありますが、人用のソファくらいお値段になります。

LLビーンのベッドを比較的お勧めしやすいのは、
気に入らなかったらいつでも返品できるというサービスがついているからです。
少なくともこのブログを書いている段階ではこのサービスが有効です。

せっかく高いものを買っていただいたのに使わなかったらもったいないですからね。
でも、今のところみんな気に入って使ってくれているようです。

このLLビーンの犬用ベッドが今なら20%オフで買えるキャンペーンをやっています。
私が犬と暮らしていたら、すぐに購入します。
※なんどもいいますが、LLビーンと契約もしてませんし知人もいません!

今のところはボロボロに破壊されたLLビーンのベッドをまだ見ていません。
キャンバス地がつめたいイメージでしたら、天然のウールの毛布をひいてあげてくださいね。

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犬が落ち着ける場所はとても大切です。





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Posted in おすすめのアイテム, 犬のこと

犬語セミナー:外出のときに吠える犬

犬語セミナーを開催しました。

犬の日常の行動を撮影した動画をみながら、犬の行動を観察します。
観察した情報を、犬の行動の種類別に分類して、そしてそれをまた分析していきます。
犬の言葉を科学的に、また直感的に理解していくセミナーです。

今回、見ていただいた動画の中に「飼い主さんの外出するとき」という映像がありました。
飼い主の外出といえば、日常の風景です。
その飼い主の外出のときに、犬が外出する人に対して吠えるという行動をすることがあります。

実際ビデオでは、外出する飼い主に吠えている映像でした。
犬語セミナーを見ていた方は少し驚いていました。
なぜなら、自分たちの犬は外出のときに吠えたりしないからです。
「なぜ、吠えているんですか?」というのが率直な感想だったようです。

でも、これが日常の風景になっている犬の飼い主は以外と多いのではないかと思うのです。
もし自分の身近に犬を飼っている人がいたら、こう尋ねてみてください。
「家族の誰かが外出するときに、犬が吠えることってある?」

外出のときに犬が吠えることが日常となっている家庭では、
犬のその吠える理由は「なぜ」ではないのです。
その行動の理由には、すでに答えが出ているのです。
大変多くの飼い主は「犬が行かないでっていって吠えるんです。」といいます。

犬の行動は「なぜ?」と思っている間は、日常の風景にはならないのですが、
飼い主が正当な理由をつけた段階で、日常の風景になってしまいます。
「なぜ?」がなくなると、そのことについて考えることもなくなってしまいます。

この日常の風景をビデオの題材にして客観的に見てみると、
今までと見えていなかった犬の行動をいくつも拾い上げることができます。
そのことが、今まで見えていなかった見方をするきっかけになるのです。
そして、その過程が犬を今まで以上に理解することにつながっていきます。

外出のときに家族に対して吠える犬。
特に、ひとりの飼い主には吠えないのに他の飼い主に対して吠える場合には、
「その行動本当に、行かないで、なの?」と疑ってみる価値は十分にあります。

犬の新しい一面を知ってしまうことは、飼い主にとっては喜ばしいことではないかもしれません。

自分の家族の犬のことなら、どんなことでも知りたいと思えるまでには、相当の覚悟が必要でしょう。
とりあえず何かを知っても、どうしたらいいんだろうと不安にならないことです。

「を理解することは犬を愛すること」という真実は、見方をかえる勇気をくれます。


11月の犬語セミナーは次の日程を予定しています。
11月27日(日)12時~14時 グッドボーイハート七山

平日のクラス開催については未定です。
ご希望の方はグッドボーイハートまで直接ご連絡ください。

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オポと卵

オポと体験した実際にあった話です。

ある日、いつものようにグッドボーイハート七山の家の裏側にある山への道を歩いていました。

歩きはじめて、やっと一段目を登ったくらいのところで、オポが立ち止まります。
オポが立ち止まるときには、なにか用件があるときなので、何故立ち止まったのか様子を伺います。

見ると、オポが地面の方に少しだけ鼻先をおとして、周囲の臭いを嗅いでいます。
脚は止まったまま体は動かそうとしません。
少し嗅ぐと、地面の1点に鼻先を向けてじっと立ち尽くしています。
犬の真後ろから見ている私には、オポが何に顔を向けているのかが見えないのです。

こういう姿勢のときは「あるものを見つけた」というシグナルです。

その鼻先からまっすぐに線を引いた地面に落ちているものを見たとき、ビックリしました。
顔を近づけてよく見ましたがやはり、そう。
「オポくん、これは卵だよね。」というしかありません。

どうして、こんなところに卵が落ちているのだろうと考えることは、今は必要ありません。
この卵をどうしようかということを考える必要があります。

「オポくん、いいよ。」と私が声をかけます。
その声に応じるように、オポがその卵を調べ始めました。

遠巻きに臭いをとっていたものを、もっと鼻先を卵に近づけて臭いをとっています。
卵を殻のまま与えたことはないけど、卵を割っている風景は見たことがあるでしょう。
その卵からどのような臭いがしたのかは想像するしかありません。
オポがこの卵が「食べられるもの」と判断するという予測は固いものでした。
ただ、どの段階で「食べる」という行動に移るのかの検討がつきませんでした。

卵を殻のまま食べてしまうだろうか、口にくわえて割ってしまうのか。
この後のいろんな状況が、頭の中で繰り広げられます。

するとオポは片方の前脚の先の部分、つまり爪先の部分を卵の表面にあて始めました。
後ろ脚は立ったまま、片方の前脚は地面につき、人でいうと「片手で卵の表面をカチカチ」という感じです。
それはとてもソフトな当て方だったので、卵がつぶれてしまうことはなかったのです。

カチカチとさせていると、卵の表面の一部がほんの少し割れました。
表面の一部に少しだけ穴が開いたのです。
その穴の中を少し嗅いで、それから迷わず舌でペロペロと卵の中身をなめ始めたのです。

オポが舌でなめ始めると、卵はさらに割れて中身が見え、
オポはそれを一気に舌ですくい上げて食べてしまいました。
そして、卵の殻は食べなかったのです。
食べ終わると何事もなかったのように、普段の歩速でゆっくりと歩き始めました。

そんな山の中に卵が落ちていることだけでもビックリしたのに、
このオポの卵を調べて食べる一連の動作にも本当にビックリしました。
予想とは違っていたからです。
卵は今まででも与えたことがあったので、臭いを嗅いだらすぐにかぶりつくと思ってしまいました。

犬が偶然が見つけたものと人から与えられたものでは、食べることについてこうも違うものかいう驚きもありました。
人から与えてもらうということの重さを感じることもできました。

なぜ卵が落ちていたのか。それは今でも謎です。
人の入らないようなところだし、鶏が移動するような場所でもありません。
カラスがくわえて落としたのかと思ったのですが、卵は無傷でした。
そして卵の中身がひよこではないかとドキドキしたのですが、中身は生卵でした。
鶏以外の鳥の卵ではないかとも考えてみたけど、どうみてもあれは鶏の卵でした。

山では不思議なことがいっぱいおきたので、これも不思議なことのひとつとしてそれ以上、検証するのは止めにしました。


オポの卵を見つけたときの「反応=シグナル」について補足しておきます。

地面に落ちているもの全てに同じ反応をするわけではないのです。
たとえば、むかご、ブルーベリー、柿の実、うさぎの糞が落ちているときは、
このポーズをとらず、私に知らせることなくこれらを食していました。

この「落ちている方向に体を向けて、脚を大地にしっかりとつけ顔をそちらに向けて」
集中して私の反応を待つとき、そこに落ちているものは何かというと、
大抵は人の所有ではないかとオポが学習を通して学んだものであったようです。

落ちているもの内容によっては、危険かと思い私が拾ってしまったものもありました。
たとえば、公園の隅に捨てられている食べ残しの骨とかです。
見つけたときに、取られてはいけないと慌てて口に入れてしまうようなことはしなかったのです。
街中では危険性が高いものが多く、そのままオポに調べさせるわけにはいきませんでした。
犬が見つけたとしても、「それはダメなんだよ。」と通り過ぎることばかりでした。

山に移ってからは、大丈夫かな思うものは、こうしてオポが調べることを許可しました。
許可は調べるだけでなく、その後のこともオポに任せるという意味です。

あの山に落ちていた卵は、オポにとっては大好物のギフトだったでしょう。
私にとっては、犬の不思議を見せてくれるまた格別のギフトでした。

同じものが都心に落ちていてもオポに調べさせることはできませんでした。
山だからこそできるようになったことのひとつでもあるのです。

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Posted in 犬のこと, オポのこと

犬版「やんのか、こら…」、吠える理由とは

グッドボーイハート福岡は博多駅の近く、いわゆる都心にあります。
1日に1回はサイレンの音を聞くたびに、都心は事件が多いのだなと思います。
人間の数が多くスペースが限られていて、その場所をみんながとても急いで動いているとイメージしただけで、動物としてはトラブルやパニックや衝突を避けがたくなり、ストレスも多い環境になるのでしょう。

先日室内で打ち合わせをしているときに、あけていた窓の向こうから聞きなれないどなり声が聞こえてきました。「やんのか、こら…」そんな呼びかけでした。
ビックリしてカーテン越しに外をうかがうと、ひとりの男性に向き合った他の男性が、「なんや、おら」のようなコトバをくり返しているのです。動物観察の癖なのか、体の向きや体重のかかり方、視線の向け方と後退の合図や落ち着かせ行動などに目が向いてしまいます。

むきあった男性ふたりは、どちらも体を斜め向きにそして顔も斜めむきにしています。
視線だけが対象を見るため、いわゆる横にらみのような状態になります。
声をかけられた人の方は体重を片足にかけてじっとしていて、声をかけた方は体重を左右前後に(よっぱらっていたのでしょうが)、ふらふらとしています。想像ですが、おそらくきっかけは「目があった」ことではないでしょうか。

犬と犬が散歩中に出会ったときにも、この「やんのか、こら」的なつっかかりが生じることがあります。散歩中の犬と犬のトラブルもなた、互いの目があったことから生じやすいのです。

散歩中はリードをつけられており、行動制限がかかっています。
道の前から犬と飼い主が歩いて来た場合に、歩道上で2頭がすれちがうことになります。
飼い主さんの配慮があれば、どちらかが一時的に道の横に入ってとおりすぎるのを待つか、道路の反対側に渡ることで距離を取るという方法もあるでしょう。
これらは対処法なので、犬が一旦ターゲット(こちらに向かってくる犬)に集中してしまうと、吠えるて威嚇することになります。つまり犬と犬、互いに目が合いどちらかが「ガウガウ」といい、それに対して相手も「ガウガウ」と答えるというものです。どちらも興奮しているときには、リードで制御する飼い主さんを重しとしてリードに全体重をかけてしまうため、さきほどの人の例のように、体重は前後左右にウロウロとすることになるでしょう。こうなると、体制を整えるのは大変なことです。

こうなる前に避けなければいけない行動があったということです。それが、この問題を生じる危険性を低くする方法です。

人と人の衝突を見ていても、最初に視線を合わせなければ、そもそも「やんのか、こら」という風には発展しないであろうと思うのです。例えば、一方が酔っ払っていて自分をじーっと見つめながら近づいてきたとしても、すぐに不穏な空気を察して、顔を背ける通ればトラブルになることはないでしょう。でも、顔を背けることができないのです。

人の場合はともかくとして、犬が自律的にこの行動ができるようになるなら、トラブルが起きたりはしません。犬もトラブルを望んではいません。ただできないからやらないのです。

顔を背けることができない犬には、性質的にまた状態的にいろいろな段階であり、安定したテリトリーや関係性を構築されていないということは確かなことです。
ただ、それを築いていくためにはたくさんの時間と飼い主さんの努力が必要となるため、まずはトラブルを避ける術を身に付ける必要があります。

アイコンタクトという飼い主の顔を見ることを要求することで、他の犬を見ることを避ける方法があります。このトレーニングは対立分化強化という学習方法で、ふたつの行動はいっしょにできないという行動の法則を利用したものです。飼い主を見るように強化すれば、他の犬を見ることはできないということです。強化とは、ごほうびもしくは罰を足したりひいたりして、動物の行動の頻度を高めていくことをいう学習理論です。トレーニングの長所は犬に報酬を用いて飼い主のしてほしい行動を引き出すことができるため、練習によって成果はあがり、目的の達成までの時間も少ないということです。

欠点は自律的な行動ではないため、犬本来の社会性を育てる機会にはならないということです。犬に対する反応が少なくなり飼い主にとっての扱いやすいおりこうな犬になることと、犬に対して適切なコミュニケーションが取れ、自律的な社会性が育てられることは別だということを理解しておく必要があるでしょう。

どちらを選ぶのも飼い主さん次第ですし、時間がないから少しでも早くおとなしくなって欲しいと思う方、犬の社会的な発達にはあまり関心がないと思われる方なら、アイコンタクトトレーニングは効果の高いものであるし実績もあります。どちらにしても育てるのは飼い主さんなので、飼い主さんの価値観をはっきりさせて決めてください。

犬の自律した社会性を育てていくためには、どのようにしたらいいのか。
実際にはご家庭で飼い主さんと犬で共に取り組んでいただく関係改善のための練習があります。犬の性質や環境によってそのステップや方法は様々ですし、時間も必要とします。
では、その間この「やんのか、こら」問題をどのように取り扱うのかというと、あくまで「見せない」さらに「落ち着かせる」の二つを犬に伝える方法を練習することになります。
ここではリードをつけています。リードは犬にコミュニケーションをとるための道具です。リードは罰を与える道具としては使いません。興奮しているのにリードが張ってしまうと犬のテンションはますます上がってしまいます。理論的に考えればわかることです。
ところが、リードはテクニックではうまくいきません。このあたりがとても難しいけどおもしろいところなのです。

冒頭の「やんのか、こら」トラブルは、結局、声をかけられた方が通り過ぎていってしまい大事には至りませんでした。実際「やんのか、こら」といった方も、向こうに戦う意思がないなら自分もしないよ、という風にもとれる言葉です。

言葉には裏と表があってわかりにくいですが、行動のコミュニケーションは直球なのでわかりやすいものです。犬は素直にいろいろと伝えてくれる生き物です。

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色づいてきました。







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犬語セミナー開催しました

七山校でトレッキングクラスのあとに犬語セミナーを開催しました。

使用許可をいただいた教材用に提出していただいた動画と、犬と犬の対面のシーンのふたつの動画を使いました。

ひとつめの動画は「飼い主さんの外出」という日常の風景です。
日常とはいっても、散歩中に目にする犬の行動と違う行動を見ることができます。
室内飼育の犬にとって、活圏というテリトリーの中であること。
飼い主という、犬に最も深い関係の人間が影響すること。
この二つの条件により犬の行動はさまざまであることが、室内犬の行動の特徴でもあるのです。

犬の日常の室内行動は飼い主にとっては見慣れたものになっているため、犬の行動をコミュニケーションとして受け取る機会が減ってしまいます。これは、犬と室内で暮らしている方の多くに見られる傾向です。犬がテーブルの上に乗っていても気にならない、犬がじゅうたんをかじっていても気にならない、犬が吠えていても気にならない。犬がひざの上に乗ってきても気にならない…など。

人という動物にも馴化という学習過程があります。自分の環境を安定させるために、刺激に対して「はじめは気になる」状態であっても、次第に慣れるという学習を通して「気にしなくなる」状態へと変えていくのです。刺激の多い都会生活では、ストレスを回避する方法のひとつとしては有効だと思います。

ただ、対象が犬の行動となると、最初は気になっていた犬の行動が、次第に気にならなくなってしまうことで、犬が行動を通して伝えたいことを、飼い主に受け取ってもらう機会がなくなってしまったということです。これは、犬にも人にも、とても残念なことです。

日常生活をビデオで撮影して動画にしてみることで、客観的に日常をとらえることができます。気にならなくなっていた犬の行動も、動画としてみると「あれこんなことしてたの?」とビックリされることも以外とあるものです。

犬語セミナークラスでは、観察をとおして行動をあげ、それをいろいろと分析して分類しながら、犬のおかれている状況、その行動に影響をあたえている環境、そして、犬がどのような状態なのかについて、みなさんと対話しながら、考えていく時間を持ちました。

生徒さんたちはひとりひとりがそれぞれの見方というものをもっていて、いろんな角度から眺めることができます。そしてそれを互いに交換しあって、新しい気づきが生まれ、そしてこうじゃないかなというところへつながっていきます。知識やテクニックに頼らず、自ら考え気づいていくことこそ、犬との暮らしを変化させるきっかけとなるでしょう。皆さんの見方や考え方をとおして私も学ぶ機会を得られます。今回もたくさんの気づきをいただきました。

自分の犬の行動には関心があるけど、他の犬の行動には関心がないという方もいるでしょう。
たとえば、自分にはすごく関心があるけれど、他人には全く関心がないとしたら、そこに自分の成長の機会はあるでしょうか。知人や友人など身近な人から、会うことのない先人の言葉や思いまでが、他の人を通して自分について振り返ったり自分を正す機会にもなります。
実は犬に対する学びも、いろんな犬の行動をとおして犬という動物について理解する機会を得、それが自分と犬への関係の学びに戻ってくるというひとつの流れがあるのです。

終了後のお茶会では、今年の春にトレッキングクラスで見つけていた「サンシュユ」ではないかと確信に近づいていた植物が、実は「アオモジ」であったという事実を確認することになりました。
サンシュユでヨーグルトができるという実験までして結果を得ていたため、ではなぜアオモジでもヨーグルトのような発酵状態になったのだろうという疑問が生じたのですが、結局、アオモジの実の臭いからしてアオモジにも酸が入っているという結論に達しました。
知っている人からみれば、よく観察すれば間違えることはないと思われるでしょうが、これが素人の見方です。とにかく、勘違いや思い違い、思い込みというのは生じやすいものだということを実感しました。

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散歩中の拾い喰い:犬が本当に落ちているものを食べたいのだろうか

犬にリードをつけて散歩しているときに、地面に落ちているものを「拾い喰い(ひろいくい)」するような行動をすることがあります。

犬の「拾い喰い」を止めさせるためには、という情報がネットにたくさんあります。
犬の行動を考えるときには「犬の行動を止めさせる方法」の前に考えることがあります。

「犬の行動の表現する犬の状態について」です。
まず、犬の拾い喰いをよく観察してみてください。

地面に落ちているもの、ゴミのようなもの、枯葉、タバコのかす、小石、ビニールの一部など、
どんなものでも「みつけたもの」を見つけると口の中にいれようとします。

口の中でずっと噛んでいることもあれば、口にいれたり出したりすることもあるし、
噛んでいるうちに咀嚼されてしまったものを唾液と共に飲み込むこともあります。
といっても食べることを目的に口の中にいれているわけではありません。

犬のその行動が人の視点で見たときに「拾って食べている」ように感じられるため、
「拾い喰い」といわれるようになったのでしょう。

拾い喰いとは、地面に落ちている食べものを探す行為ではありません。
お腹が空いているから食べものを探しているわけではないのです。

では、何のための行動なのでしょうか。

口に入れたり出したりしている行動を見て、遊び行動だと思われるかもしれませんね。

行動は全て表現方法ですが、目的のわかりにくいものもあります。
それがストレス性行動という表現方法です。
ストレス状態であることを表現する方法です。

実は犬の拾い喰いは、ストレス性行動のひとつです。

拾い喰いパターンのストレス性行動が強いものになると、地面にはいつくばるようにして土や砂を口の中に入れ続けます。
実際に本当に食べていますが、無心に食べ続けていて声をかけても止まらず、
止めさせようとするとさらに執着を示すようになります。

ストレス性行動には様々なものがありますが、その中に執着行動というのがあります。
犬と同じように、人も執着行動というストレス性行動を表現します。
犬と人は社会性が高い動物だということ共通点があり、行動の共通点も多く見られます。

拾い喰いを、落ちているものに対して執着しているストレス性行動だと受け取れるのは、環境を変えたり、散歩の環境に適応性を見せ始めるとこの行動がなくなっていくからです。

外環境への適応力が育っていなければ、環境を変えても別のストレス性行動を示すだけですが、それこそが拾い喰いが食べ物を探す行動ではなく、ストレス性行動だと理由付けられることになります。

たとえば、もうすこしリードを長くして、リードで拘束しなくても歩行できるような遊歩道を選んで歩いたとします。

環境の変化により、行動が安定してくる場合もあります。

遊歩道という環境でも、外環境への適応力が育っていない場合には、今度はいろんなものに飛んだり跳ねたり、走り回ったりするような行動をすることもあります。

散歩中のストレス行動は、外環境への適応力だけではありません。

散歩という群れ行動が上手くいっているかどうかは、飼い主さんと犬がグループとして協力関係にあるかどうかということも影響します。


まとめるとこうなります。

散歩中の拾い喰いの多くは食べ物を探すことが目的の行動ではない。

そのため、食べ物を食べてはダメと叱るとますますストレスになる。

犬が適応しやすい場所を散歩コースとして選ぶこと。

犬が外環境に適応していけるように、ゆっくりと時間を使うこと。

犬が外環境に適応していけるように、拘束せずに移動できる場所を見つけること。(普段の散歩とは別に準備しなければいけないケースも多くあります。)

飼い主さんと犬が、信頼関係を築けるように、室内での接し方やルールの導入を見直すこと。

散歩中の飼い主の声かけは、犬へ飼い主の存在をアピールする方法になりますが、過剰になると欠点もあります。
散歩中に犬に対してずっと合図を送り続けることは、社会化の機会を奪い依存性を高めてしまうためです。
ストレスが強く、人の号令や合図に頼らなければならない状態や環境もあります。
犬の暮らす環境は厳しいものとなっているということでしょう。

犬を変えたいと思うなら、自分を変えるしかないのですが、環境改善には制限もあります。
それでも、まだまだ変えられることはあるはずです。
ひとつずつ、毎日発見。

人の変化が犬の変化につながります。

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里山の冬支度

この季節に山の中で聞こえてくるのが「ウイーン」という音、
七山に来てはじめて聞いたチェーンソーの音です。

秋になると大きくなった山の木を切ったり枝を払ったりして山を活用するとのこと。
人が活用するために植えられた針葉樹がそのままになると、倒れてしまいこともあります。

里山は、人が資源を活用して利用しながら、そして山を生かし続ける場所です。
昔は手作業でやっていたことがエンジン付きのものを使用するようになったりと、
道具の発達でその風景はずい分と代わってきたことは確かでしょう。

野生動物は隠れる場所を必要とします。
茂みや竹藪が里の家近くにあると、野生動物は藪に隠れて近づきやすくなります。
そのため、茂みや藪をきちんと刈り払っておくことが大切です。
そうすれば、身を隠す場所がないため里に近づくときも慎重になるからです。
これも「境界線」です。

犬は寝床や休憩場所として「隠れるスペース」を必要としています。
里山の茂みを刈ることが犬の行動へ影響を与えないだろうかとも考えるのですが、
テリトリーをパトロールする犬は、茂みの中を移動することを好まないようです。
少なくとも私が観察し、犬の行動に照らし合わせて考えた結果ではそうなります。

茂みといっても森のことではありません。
笹薮、竹藪、ススキも藪化しますが、こうした場所を移動のルートとしては選ばないようです。

たとえば、山中にあるイノシシが歩いたと思われる道を犬は歩きません。
けもの道の獣の臭いを追うことを目的とすれば、この道を追うのかもしれませんが、
イノシシと犬では脚の構造が全く違うため、巡回移動するのに得意な場所も違ってきます。

犬はイノシシを捕食することのできる動物のため、イノシシは犬を避けて移動します。
犬の苦手なルートを移動ルートにするという理由もなりたつかもしれません。

犬は嗅覚を頼りに情報を得ながら移動していきます。
そのため藪などの風を妨げる場所では、全体を把握することが難しくなります。
これも犬が藪を好まない理由だと考えています。

犬が藪に入るときには、何かを探していくときです。
藪の中に何か臭いがする、それを探すために藪に入る犬もいますが
探そうとする対象への興味や関心の高さによって、藪に入るかどうかも決まるのでしょう。

人と共に行動する歴史の長い犬は、人にとって移動可能なルートが優先されたという理由もあるでしょう。

家周辺の藪を刈ると犬の動きが変わっていたことは確かなことでした。
飼い主のそばから離れないような犬は、環境による変化を感じ取り行動を変えることは難しいものです。
これらの行動は、環境の中で自律して行動できる犬特有の行動なのかもしれません。

そんなことを考えながらも、今日はたくさん働きました。
お手伝いもしていただき、木々は整理されその中から小さな薪がたくさん生まれました。
次の次にくる冬のための薪なんです。自然の生活は本当にゆっくりですね。

添え木をして育てたという「しだれ桜」をいただきました。
いつころ花が咲くのかを尋ねると「3年くらいかな。」ということでした。
3年か…。いつか見ることができたら、感慨深いものだと思います。

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里山犬との出会い

チャリティ犬語セミナー後半で、里山犬(さとやまけん)と一方的に名づけた
里に住まう犬の話をさせていただきました。

以前、ラジオ番組「月下虫音」でもお話したことがあります。
ブログでも里山犬として紹介したり、別の名称でも登場したことがあるかもしれません。

里山とは、人の住む里と、野生動物のすむ山を分ける境界線の場所に位置します。
里山は、里に住む人が山に出入りして生活に必要なものを活用したり、
食べられる野草や薬の代わりになるような野草もここから採っていたのでしょう。

日本の国土は狭く山が多いため、かなり高地にまで里が広がっています。
グッドボーイハート七山校のある唐津市七山は、その地域がすべて山の一部のように
ひろがっている山村です。
唐津市に合併するまでは七山村といわれていた地域です。

その七山をずっと奥に進んでいったところにグッドボーイハート七山校があります。
元祖里山を位置する場所にあり、庭は山の一部としか思えない風景です。
この里山に犬と共に引越してきたときに出会ったのが、すぐ下の家の犬でした。

はじめて出会ったときはこちらの敷地の中にふらふらとしていたので、
てっきり迷子犬だと思いました。
手の平に食べ物を乗せて差し出しながらその犬に近づいていきました。
そうすると、こちらが近づいた分、後ずさりしていくのです。

私が「どうぞどうぞ」といってゆっくり進む感じ、
その犬が「いやいや」といって後ずさっていく、そんな風景です。
一定の距離を後ずさってしまうと、くるりと向きを変えて歩き去りました。
そのうち迷子犬だと思った犬が、すぐ下の家の犬であることを知ったのです。

小さめの中型のミックス犬で、とてもゆっくりと歩いていたのをみて、
老犬かと思って観察を続けたのですが、どうやら中年の犬であることも次第にわかりました。

いろんなことがなぞに包まれていて、それまでに出会ったどの犬とも違ったため
犬の観察にも身が入り、その行動のパターンが明らかになってきたのです。

毎日、犬だけでパトロールしていること
うちの門になるシャッターを難なくくぐって出入りしていること
周回のコースが数パターンあること
豪雨のときは、犬小屋に身を潜めていること
車が近くまできても全く動じないこと
猫の威嚇にも反応しないこと
お頭付きの魚を食べているときは形相が変わっていたこと
下道の道路で出会ったときは、少しゆっくりと歩いてすれ違うが
顔をあわせたりしないこと
声を出して近づくと近づいた分だけ離れていくこと

そして何より驚いたのは、
夜中に畑で吠えていること、でした。

山の方に向かってウォーウォーと吠えています。
藪にカサカサを音を立てるイノシシがざわざわしています。
畑にイノシシを近づけさせていません。
その行動の理由はわかりません。
はっきりとしているのは、犬のテリトリーでありまもる必要のあるスペースだということです。

人に命令もされないのに、飼い主が寝ている時間なのに、
夜中に響く声の力強さは、昼間のゆったりした動きとはかけ離れていました。

里山は野生動物と人の暮らしをわける境界線です。
その境界線をわかりやすく野生動物に伝えていたのがこうした犬の行動ではないか。
人の必要性と犬の必要性が重なったことで得られたこと。
人にとってはこんなに有難いことはないでしょうが、このことの利点は、
野生動物たちにとってこんなに分かりやすい境界線はないよね、と思うからです。

今は山に近い畑にはどこにでも見られるイノシシよけの網は、
イノシシが物理的に入れないようにした境界線です。
ですが野生動物にとってはわかりにくい境界線でもあります。
押したりくぐったりして通行できれば境界線は崩れる。
境界線の反対側に人がいても、お互いに驚くことがなくなってしまいます。
人間の作った柵は人に安心感を与えるため、動物を追いたてたりしないからです。
動物は追い立てられる体験をしないと、逃走はしなくなります。
人の里へ近づこうとして追い立てられる体験をくり返すことが野生動物の学習なのです。

接近しようとすると追い立てられるという恐怖を感じる行動をすることで、
人や犬の気配に敏感になります。
それでもなんどもやってきますので、それは面倒な作業であると思います。
本当に根比べですね。

里山の暮らしは「根比べ」の連続です。
暮らしのために根をはった方が勝ちである。
とても単純なルールなんですね。

里山犬との出会いは、犬への価値観を変えるひとつのきっかけになりました。
そして、人と犬の暮らしへの希望の光にもなったように思えます。

そんな里山犬は根比べできる忍耐強い人の暮らしを必要としています。
人の暮らしのそばに、犬の暮らしが寄り添うからです。

人の暮らし方が変わって、犬の生活も変わってきた。

なにがどんな風に変わったのか、少し考えてみる時間も学びのひとつです。



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犬のことを理解しよう!チャリティ犬語セミナー終了しました

本日、月下虫音の大田こぞうさんと企画した「チャリティ犬語セミナー」が終了しました。

足元の悪いなかご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

動画から犬の行動を細かくひろっていき、そしてそれを行動種別に分け、
犬の状態の情報を明確にしていくという、簡単そうだけど、実はとても地味で
細かいのだけど、でも奥が深い作業を、参加者のみなさんにやっていただきました。

そして、たくさんの情報をその短い動画の中から拾いあげることができていました。
どれだけ参加者が真剣にその動画を見てくださっていたのかが、伝わってきました。

数分の動画の中に、犬のいろいろな行動が出ていて、犬が行動を通して表現していること、
それは全て伝えたいものではないかもしれなけれど、表現されているということは、
受け取り手を必要としている行動であることは間違いありません。

犬がいかに社会的な動物かを知る機会になっていただけたかとも思いますし、
犬の行動の見方をいつもとは少し変えてみることで、見つけたものもあるのではないでしょうか。

動画を見たときに、こうしたらいいのにとか、どうしたらいいのかしらと考えてしまうのは、
犬の行動を問題として捉えるため、解決の手段を模索してしまうためです。

ここは一番最後のところなのです。
実際に動画を通して行動をひろいあげ、分類別することができたら、その次に必要なのは、
犬が必要としているのかは何かを考えることから始めてください。

たとえばですが、非常に距離があって自分を脅かすような存在ではないものに対して、
防衛行動として吠えたり、リードをひっぱって興奮するようなことがある犬に対して、
その犬が必要としているのは何でしょうか。

その必要性をセミナーで聞きたかったという方もいらっしゃったのかもしれません。

ただ、この部分に簡単に触れられないのは、成犬で過去に様々な学習経験をしてきた犬の場合には、
他の行動との関連性を含めて、必要性を定めていく必要があるからです。
ここは、冒頭で見た発達途中の数ヶ月の犬の必要性とは異なる部分も出てきます。

犬に号令によって視線を飼い主に向けさせたり、顔を背けさせたりするトレーニングは、
その必要性を見極めなくても行うことができます。
対処法としてはとても導入しやすく誰でも教えることができるため、他の行動に置き換えるトレーニングは
とても普及しています。吠える行動を早くとめさせるためには有効な手段でもあります。

その飼い主に注目させるトレーニングと、犬の成長と発達の過程での必要性は別です。

必要性がわかれば、「犬の必要性」をどのようにして与えていくのかということを考えます。
いろんなやり方があると思いますが、これにはやはり時間と空間が必要になります。
「間」というのはどんなときにも大切なものであるということです。


犬が行動を通して多くのことを伝達しているということを知っていただく機会になれたのであれば、
今回の犬語セミナーはとても貴重な機会でした。

セミナーの最後に大田こぞうさんがコメントされたように、
動物への理解は人への理解につながっていると、わたしもそのように思います。
動物にとっての必要性は、自分達にとっての必要性ではないかと思うことも多々あります。


自分の思いを受け取ってほしいという気持ちが優先してしまい、相手の思いや状態を受け取れないのであれば、
対等で信頼できる関係性は生まれません。

セミナーでお話できなかったこと、途中までになってしまったことなどをこれからブログにつづっていきます。

チャリティセミナーの資金は、福岡県、佐賀県、熊本県の各県の動物愛護センターへ
資金もしくは物資支援の形で寄付をいたします。
収支報告はブログにアップします。しばらくお待ちください。

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犬の行動を観察する動機:動物行動学を飼い主として利用する意味

動物の生態と行動について知るためには、まず動物について観察して分析することです。

動物の生態には、どんなものを食べているのかなども含まれます。
動物の糞の中に排出されている動物が食べたものを採取して分析すれば、
その動物が何を食べているのかという食性を知ることができます。
またそこから、その食を得られる場所がある程度特定されると、
動物が食を得るために行動している行動圏といわれる範囲が特定されてきます。

先日、天皇陛下がタヌキの食性についての研究論文を発表されたのも、長い期間にわたる観察の結果です。

動物の生態はこのように周囲の環境との関係によって成り立っています。
これらを包括的に捉えていく生態学は、エコロジーといわれます。

これに対して行動を学ぶ勉強の分野をエソロジーといいます。
あくまで学問の分類であり、二つの学びの分野の重なりは常にあります。

動物行動学で行動を知るために行う方法は、とにかく行動を観察することです。

動物行動に関しては、希少動物の行動研究に多くの予算がかけられています。
なかなか見ることのできない動物を観察することのほうが研究も希少ということかもしれませんし、
希少動物はいずれこの環境から絶滅してしまう恐れもあるため、
今のうちに情報を知りえておこうということかもしれません。

そういう意味でいえば「イヌ」はいつでも世界中の非常に多くの地域に生息する
非常に数の多い動物であることから、研究対象とはなりにくい存在です。
イヌは環境への順応性が高く、人と共に行動することが可能であったこととや
人から作業などの役割を持たせられたことで、人と同行する必要性も高まり、
人の移動の範囲の変化に伴って、広域に生息するようになったのです。

こうして、イヌは行動研究から遠ざけられてきました。
しかし、ローレンツ博士など生活の中にいる動物の行動にもその視点を失わなかった学者が
身近にいる動物に対しても研究対象の動物と同じように生活の中で観察をして得た内容が、
「人、イヌにあう」といった本となって出版されるようになりました。

こうした視点は、多くの人の子供のころには行われていたことだと思います。
たとえば、公園や神社で珍しい昆虫や動物を見つけて、それがどのように行動しているのかを知りたくて
長い時間眺めていたということはないでしょうか。

ところが、こうした他の生物を観察しようという意欲は、成長と共に失われていくことが多いようです。
理由はわかりませんが、ひとりで生存する力のない子供にとっては、生きているもの同士のつながりが
環境をつくっているという自然の感覚が生きているのかもしれません。

都市化が進み、子供のころに昆虫や動物たちに自然とふれあえる環境も失われてきました。
特にイヌは子供たちにとって親からあてがわれるオモチャのような存在となりつつあります。
子供たちにとってだけでなく、大人にとってのイヌも同じような存在に変化してしまう恐れもあります。
イヌは人に癒しを与えるために必要な道具になりつつある傾向もあることを否定できません。

イヌはもともと自然界に存在している動物で、長い時間をかけて人のそばに暮らすようになりました。
その間、子供たちの風景の中にいつもイヌは興味のある観察の対象として存在していたことでしょう。
その観察のし方は、フェアで自然な視点によるものではなかったかと想像します。

これを実現させるためには、観察者が観察の対象となるものを利用するという目的を持たないことが必要です。

人が犬をさまざまな理由で利用するという関係性を保持し続けたままの観察では、
観察対象の犬に「こうあって欲しい」という気持ちが優先してしまい、冷静に見る力を失います。
犬という動物に対する好意的な思い込みもその見る力を低下させてしまうでしょう。

見たものに感情が生じるのは単純な人の心理です。
その心理を抑えることは難しいものでありますが、見る力は次第に育ちます。

行動は種により異なることがあるため、行動学は比較行動学といわれることもあります。
ただ、人と犬は生活環境を同じくし、互いに強く影響を与え合っている存在です。
犬の行動を観察してその行動心理を探ることは、実は人の行動心理にもつながっていきます。

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