グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<犬のしつけ方>案外多い脱走する犬:なぜ自分の家から逃げる必要があるのか。

マンション飼育の方にはあまり経験ないことかもしれませんが、
家庭犬が「脱走した」という話を聞いたことがあるでしょうか。

戸建てでは、門扉がたまたま開いていたために、飼い主の知らぬ間に、門扉や玄関の隙間から犬が「脱走する」ことがあります。

この「脱走」という言葉、いつ頃から使われるようになったのか微妙ですが、犬の家からの逃走行動を多くの人が「脱走した」といいます。

犬が脱走しなければいけない時点で、すでに犬は自宅敷地内に囚われの身だということです。

室内に幽閉されているのか、庭に係留されて拘束されているのか、いずれにしても犬たちはそこから脱走したわけです。

脱走経験のある犬のほとんどは、家庭犬として食べ物と住まいを与えられてた上で、
何不自由なくさらに家族として愛されて育てられている犬なのです。

これらの犬が、自宅を脱走しなければいけない理由はなんなのでしょうか?

この自宅からの脱走という逃走行動ですが、案外多いのです。

この行動によって迷子犬が増えてしまうため、犬の首輪には名札や鑑札をつけることが条例によって義務付けられています。

もし、あなたが戸建てに住んでいたとして、玄関の門扉が開いていてあなたがそれに気づかずにいたとしたらどうでしょう?

あなたの犬は自宅から脱走するのでしょうか?

もし、自分の犬はその門扉の隙間から逃走する可能性があると思うのなら、犬の日常の行動について観察してその理由を探していただきたいのです。

過去になんども自宅の庭や玄関から逃走した経験を持つ犬を飼っているなら、今すぐその犬がなぜ逃走するのかを考えてください。

犬はただふらりと遊びに行きたくて逃走しているのではありません。

犬の逃走行動には理由があるのです。

家庭犬として愛情を持って可愛がっているのだから、うちの犬が逃走するなんて考えられないという飼い主もいることでしょう。

希望と現実は別です。

犬たちが抱えている問題は、すぐ目の前にあってさまざまな行動によって示されています。

それは、飼い主が犬に対して解決しなければいけない問題が今目の前にありますよという、わかりやすくてありがたい犬からのメッセージなのです。

犬の安定性は人の愛情だけでは達成できません。

こんなに愛しているのに何故?といって泣き崩れても仕方ありません。

愛しているなら理解するしかないのです。

それが真の関係作っていく方法になります。

種が違うのですから、本当のところはその犬に成り代わってみないとわかりません。

でもそれは人と人も同じことです。

本当の気持ちは、その人になってみないとわかりません。

だから100%を分かりきるということはできないのです。

それでも、理解しようと努めることは相手に伝わると信じています。

犬も同じだというと「動物なのに?」と違和感を感じれるでしょうか。

それなら試しに真剣にやってみてください。

あなたの犬は脱走すると思いますか?

そうだとしたらそれはなぜでしょうか?

日常にあるちょっとした行動を、犬だからと済ませないこと。

犬のしつけ方はただそれだけのことです。

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<犬のこと>あなたの犬のクローンドッグが必要ですか?

美容室に行くと自分では購入する機会のないセレブな雑誌が置いてあります。

ご縁のないものとはいえ、好奇心の強さからか、もしくは知らないもの見たさなのか、つい目を通してしまいます。

それで見つけたのが「クローンわんこ」という記事でした。

国内の美術造型を行っている会社が、自分の犬にそっくりの犬を作ってくれるというのです。

いわゆる遺伝子学的なクローンではなく、クローンとおもわしきほど本物に近い人為的に製作された人形というです。

体型や毛質など、飼い主と細かく打ち合わせして作られるそのクローンわんこの代金に驚きました。

小型犬で300万円、大型犬になると450万円もするのだとか。

どのような飼い主がこうした人形を必要としているのかわかりませんが、ペットビジネスということで必要な人には必要ということなのでしょう。

趣味の世界として楽しまれている飼い主もたくさんいるのだなと、知らない世界を垣間見た感じです。


クローンといえば、少し前ですがNHKのBSドキュメンタリーでイギリスのBBCテレビが製作した番組で「クローンドッグ」を取り上げたものを見ました。こっちは本当の犬のクローンです。

韓国のク韓国企業「Sooam Biotech」社のクローン研究チームが、イギリスの愛犬家をターゲットにし、コンテストに入賞した犬のクローンドッグを無償で提供するというものでした。

コンテストとは、わが犬のクローンを希望する愛犬家たちが「なぜ、この犬のクローンが必要なのか」ということを、研究者たちに打ち明けて犬を体面させていくものでした。

同研究チームはすでに500頭以上のクローンドッグを作り出しています。その技術がどのような用途で必要とされているかはわかりませんが、犬を食用とする韓国であれば良い食材の提供としてクローンドッグを活用されるもかもしれません。

イギリスの愛犬家たちはもちろん全く別の視点です。

韓国で犬が食用にされることに嫌悪感を抱く発言を出しながらも、その技術を用いて自分の愛する犬のクローンドッグが欲しいという願望がむき出しにされます。

クローンドッグについては、倫理的にいかがなものかという反論も当然出てきます。

番組内でも「絶対に反対だ」という意見も少数でしたが紹介されていました。


クローンドッグは本当に必要なのでしょうか?

この犬のクローンが欲しいということと、この犬の血を残したいから繁殖させたいという気持ちとどのくらい違うのでしょうか?

この問題は、犬と暮らす飼い主のひとりひとりが真剣に考えるべき問題だと思います。

技術はまだまだこれから進化し続けるのです。

クローンドッグが当たり前の世界はすぐそこに来ています。

ほんの数千円とか数万円でクローンドッグが作れるとしたら、あなたはどうしますか?

犬という動物の未来は人に委ねられています。

犬を愛するとはどういうことなのか、真剣に自分自身に問うこともときには必要なことです。

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<犬のしつけ方>犬の執着行動:囚われた犬たちを解放するためにできることは?

物や人などの生き物に執着する行動を見られたことはあるでしょうか?

犬にはこの執着行動が多く見られ、そのほとんどが「遊び」や「好き」として片付けられています。

執着行動にはいろいろなパターンがありますが、比較的多いものをあげてみましょう。


まず、飼い主に対する執着行動というのがあります。

多くは分離不安行動として表現されています。
飼い主が犬から離れると鼻をならしたり奇声を発する、部屋の中をついて歩く、ひとりになると破壊行動や排尿、排便などの生理的反応を起こす、いわゆる「留守番ができない」状態になるなどもこの中に入ります。

他には、ボールなどの特定のオモチャに対する執着行動があります。
一人遊びのようにオモチャをずっと追い回す場合もありますし、人にオモチャを投げてもらい倒れるまでボールを拾いにいくような犬もいます。

ガムに対する執着行動もありますね。
一旦ガムを口にくわえるとなかなか放すことができず、唸ったり攻撃したりすることもあります。

食べ物に対する執着行動では、食べ物を常に探すような行動をします。

性的な執着行動では、特定のクッションなどのマウンティング行動が常習化してしまうことや、飼い主に対してマウンティングすることが頻繁に起きることもそのひとつです。

執着行動という言葉の意味合いをよく理解するために、類似語を調べてみました。

良い意味合いではくじけないとか、あきらめないという表現もありましたが、
犬の執着行動の場合は、ストレスが上昇している状態としていますので、その意味合いに該当しそうな言葉を上げてみます。

しつこい
頭がいっぱい
陰にこもる
溜め込む
深くうらむ
頑固な
偏執

不安がる
固執する
こだわる

どれも切羽詰った感じになります。

犬の執着行動もよく観察すると、楽しそうに遊んでいる行動には見えません。

犬は執着行動によって心身共に疲れてしまいます。

いつも活発すぎる犬がグッタリと寝ていると、疲れて寝てくれてよかったと思うかもしれません。

でも、動物は人と違って本来は疲れることなど必要ないのでは?という見方もあります。

執着する行動が、楽しみではなくストレスから生じていると判断するのは、
犬の表情が厳しく、体の使い方は硬くなっているからです。

犬がこれらの執着行動から解放されるために、何をしたらいいのでしょう。

ストレス行動は叱るなどの行為で一瞬とめることはできても、またすぐに始まってしまいます。

ストレス行動は根本治療が必要な行動なのです。


犬が固着した状態から抜け出し解放されるためにできることといえば、自然環境の中で過ごすことしかありません。

臭いや広さ、空気の透明感は、犬だけでなく人という動物にも開放感を与えてくれます。

実際、執着しているのは犬ではなく人の方ではないかと思うことも多々あります。

自然環境で過ごすことで本当に解放される必要があるのは、まず人かもしれないのです。

わたしたちヒトという動物と共にいることで起きるたくさんの犬のストレス行動を見ながら、人社会のストレス度の高さを考えてしまいます。

とはいえ、とりとめもなく考えても仕方のないこともあります。

犬のために何か行動を起こしてくださる飼い主さんであれば「いっしょに山歩きしましょう」とお誘いしています。

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<犬のしつけ方>犬と休日の過ごし方:お庭時間を満喫しよう!

今年も大型連休が近付いてきています。

犬といっしょに旅行の計画を立てていらっしゃるご家庭も多いかもしれません。

ところが、飼い主さんたちにお尋ねしてみると「連休中は人が多いので遠出はしません。」
という方が増えてきているようです。

最近では、食事も「家食」などといわれる、外食ではなく家でご飯をいただく傾向が高まっているようです。

同じ傾向で、休みのときには渋滞で疲れてたくさんの時間を消費してしまうのを止めようということでしょう。

渋滞を避けて近場に出かけたり、自宅のお庭でゆっくりと過ごすことについては、犬も大賛成ははずです。


なぜかというと、犬にとっては移動はやはり負担になります。

自分の脚で移動するよりもずっと速く移動するわけですから、室内でじっとしているとはいえ、動物の体に一定の付加がかかるのです。

それでも犬は外出したがります。

何よりも飼い主と共にいたいという気持ちが高いことと、外出によって普段過ごしているよりもより良い環境に過ごすことができる経験をしたことがあるからでしょう。

例えば、都心に住む犬なら自然環境に連れていかれることは移動のストレスを超えてでも、やはり心地よいことなのです。

山や海には上手に出かけていただきたいと思います。

そして、それとは全く違う日常的な空間として、身近な「庭」という自然環境を活用してはどうかと思うのです。


一時期、庭よりも室内を広くとってデザインされた間取りの家が多かったようですが、最近は庭のスペースを十分にとって日常的に活用するデザインに変化していることを感じています。

ご家庭に家庭訪問でトレーニングに伺うため、ご家庭の間取りをできるだけ活用する方法も提案しています。

この訪問トレーニングの中で、家の間取りや庭の取り方などがご家庭によって違うのだなと知ることになりました。

昭和初期くらいまでは、庭は家の中の自然と位置づけられていたようで、庭には山にある様々な木々が植えられていました。

この博多区でも、自分が育った古い家の庭は木々と豊かな土でおおわれ、虫や小鳥もたくさんいたのです。


この都市空間の庭は、そのうち硬い土となり、木々は勢いをなくし、人がゆっくりとは過ごしにくい家から見るだけの空間に
変わってしまったようです。

家庭訪問トレーニングで思うことは、庭には犬を出していないとか、庭はほとんど使っていないというご家庭がとても多いことです。

整備したり手を入れればとても豊かな庭になることが予想されるような空間なのに、あーもったいないなと思ってしまいます。

お庭を整備して、人も犬も心地よく過ごせるようになると、犬たちは庭に駆け出していきます。

庭でひなたぼっこでうっとりしていたり、探索行動する犬の姿を見ると、やはり犬は自然が近い生き物なのだなとうれしくなります。

ゴールデンウィークの間に、活用されていないお庭を犬といっしょに過ごせる空間へ生き返らせてみてはいかがでしょうか?

お庭のないマンション暮らしの方は、知人が使っていない庭の整備をしながら、犬もお邪魔させていただくというのも一案です。

お休みは楽しいものです。犬との限られた時間を充実させたいですね。


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<犬のしつけ方>人によくなつき頭がよく飼いやすい犬種って?

犬を飼っている人に、なぜその犬種を選んだのか尋ねることがあります。

犬種というのは、人為的繁殖によって分類づけられた純血種といわれる犬の種類です。

みなさんがよくご存知の犬種でしたら、柴犬、プードル、ゴールデンリトリバー、チワワ、など。
こうしたものを犬種というのです。

「なぜこの犬種を選んだのですか?」という質問に、多くの人は「一目ぼれ」といわれます。

雑誌やペットショップで犬の風貌を見て、愛くるしい、可愛らしいといった理由で犬種を選ぶのです。

次に多い理由が「この犬種は、人になつきやすく飼いやすいと書いてあったから」といわれることがあります。


今はほとんどの情報をインターネットに頼っている時代です。

テレビや雑誌で見た情報を基にして、もう一度インターネットで検索してみる方も多いでしょう。

実際にネットで「犬種 飼いやすい」と検索すると、なんと検索ランキングが莫大で出てきます。

それだけ検索される方が多いため、情報提供者も増えるというです。


ところが、これらのランキングも不思議なことがたくさんです。

まず、人懐こいとか人に馴れやすいというのは、犬種の性質ではなく家庭犬としては当たり前のことです。

逆に、人になつきにくいというと野犬などの人とのかかわりの薄い犬についていわれることです。

家庭犬は長い年月を掛けて人と暮らすことになった犬です。

その中でも純血種は人為的に繁殖を続けた結果、人になつきやすいというはあまりにも当たり前のことです。

人になつきやすい、それが家庭犬なのです。

ですから、人になつきやすく飼いやすいというランキングがあることが不思議なことです。


次に、頭がいいという犬種のランキングですが、このランキングにも疑問を感じます。

頭がいいというのはそもそもどのような犬の状態を指していっているのでしょうか?

犬は人への関心が高く、特に室内犬の場合は人に対して注目する時間がとても長くなります。

飼い主の行動を予測したり、自分のゴハンや散歩の合図を覚えたりするのは犬という動物としてこれも当たり前の能力です。

逆に、頭がいいといわれている犬種の中にこそ、テレビの動画に向って吠えたり、散歩中にポスターを見てビックリするなど
認知力の発達に問題を抱えている犬がたくさんいることは見落とされているようです。

頭がいいといわれることと、落ち着いてリラックスして過ごすということは同じものではありません。

犬の学習能力は一般的に人が思っているよりもずっと高いのですが、それが安定につながっているかどうかは、
犬の行動をよくみて判断して欲しいのです。


これらの理由から、自分の飼っている犬種がかならずしも「人懐こくて頭がいい」わけではないことをわかっていただけたでしょうか?

人と暮らすグループにいる家庭犬という犬たちは、みなそれぞれに人になつきやすくて飼いやすく、そして頭がいいのです。


純血種の場合には、実際の選択はそのサイズと見た目で決められているようです。

犬のかわいい顔は幼児性が高いもしくは、イヌ科動物としていびつな構造になっており、犬に負担のあることも多いのです。

犬を知れば知るほど、犬と暮らすことは大変だと思われるかもしれませんが、

愛する犬のことを何もしらないで無知なまま共に暮らすよりは、ずっと健全で前向きな関係性をつくることになります。

引き続きこのブログでは一般的な視点とは違った面から見る提案を続けていきます。

みなさんがどう考えるのか、どう思うのか、どうして行きたいのか、
いろいろと会ってお話できればうれしい限りです。

4月22日は七山で犬語セミナーを開催します。

グッドボーイハート生でなくても参加できるセミナーです。

ご希望の方はお問い合わせフォームよりご連絡ください。

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<犬のしつけ方>[動画]熊本地震で被災犬として保護され家庭犬となったアルクの知的玩具遊び

平成26年の熊本地震から2年が経ちました。

テレビやラジオで被災後の生活やご遺族の紹介もあり、災害はいつも辛さや怒り、やりきれなさが積もります。

福岡、佐賀方面でも強くゆれを感じることのできた身近な災害であったために関心も高まりました。

そのため臨時にでも何かお手伝いをしようと、熊本県で被災した犬猫のためのボランティア活動を
ほんの少しですがさせていただき、機会を通してたくさんの学びを得ることができました。

この学びの中で、ご縁をいただいたのが熊本県の保護施設から福岡での犬の譲渡会に参加し、
福岡で家庭犬として迎えられたアルクちゃんでした。

熊本県の県営の保護施設には、サイズの大きなミックス犬がたくさん収容されていました。

福岡の生活事情からすると少しサイズが大きく、都心部では引き取りが難しいと思われるような犬たちです。

アルクちゃんも福岡市のご家庭に迎えられたのですが、以前からグッドボーイハートとご縁のあった飼い主さんで、
都心といっても自然環境がまだ十分に残る庭もしっかりとある環境で適切に飼育され暮らしています。

普段の生活も落ち着き始め、いくつかの学習のテストをしてみようとアルクちゃんに与えたのが知的玩具です。

以下の動画に出てくる知的玩具はヨーロッパで作られたもので、つくりはとても単純です。

木製のフタようなものを開けると中にオヤツが入っているという仕組みになっています。

事前に特別な練習はなく与えて、アルクちゃんの反応を見ました。

短い動画ですがご覧ください。



最初に臭いを嗅いで、オヤツのある場所を特定させています。
探索行動といわれるもので、食べ物の在りかを認識している様子です。

木のカップのようなものを口で移動させています。
カップを移動させるには、口でくわえて上に持ち上げるという動作が必要です。
一定の認知力があれば犬でも簡単にできる行動です。

カップを取り去るとその下にはオヤツが乗っています。
ところが、カップを取り去ってもオヤツを食べずに次の動作に移っていきます。

オヤツを食べるためにやっていた行動のように思えるのですが、ここで覆されます。
オヤツを食べることよりも、探索して見つけるという行動に集中しているのです。

犬は食べることだけにしか関心がないと思われてしまうことがあります。

しかしそれは違うのです。

犬は食欲の塊ではありません。

犬の欲求はもっと違う構造になっており、犬の脳がどこに満足感を得られるのかも犬によって違います。

もし、アルクちゃんが食欲しかないような犬だったら、木のカップを持ち上げるような行動はすぐにはできません。

犬の認知力の発達は、ただ寝て食べるという単純な生活の中では培われてこないのです。


アルクちゃんの知的玩具遊びを見ながら、その成長と今後の可能性についても飼い主さんとお話しする機会が得られました。

犬に過剰な期待をするのは人側のエゴですが、犬が本来持っている可能性や能力を発揮する場を与えることは別のことです。



アルクちゃんの飼い主さんからいただいたコメントは過去のブログ記事にも掲載していますので、以下からご覧ください。

<受講生>怖がりの保護犬から信頼できる家族に出会ったアルクの九ヶ月

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<犬のしつけ方>犬は純血種である前に犬であることを忘れないで!

まだ4月中旬なのに、山やひと月先くらいの風景になってしまいました。

暖かな日差しを思いっきり受けて、草も葉も成長したい放題になって少しあわただしくなっています。

春という不安定な季節に体調を崩す人も犬も増えているようです。

休息から活動に入るこの時期ですから、自宅ではゆっくりと過ごし屋外ではきちんと活動するメリハリをつけていくことも、健康のために必要な時間になりそうです。

プライベートトレッキングクラスに来られる方が増え始めたので、自分も山活動時間が増えてきました。

犬との過ごし方はいろいろありますが、自分にとっては犬と共に山歩きすることが最高の時間です。

一定のルールを持ちながら広い空間と時間を使って、お互いに拘束されることなく自由でありながらかつつながっているという関係性を深めることができるような気がするからです。

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歩いている犬を見ると、結構大変なことになっていることがあります。

杉の枝や草の種が犬の毛にからまっていたりと、歩きにくそうにしています。

先日いっしょにトレッキングしたリンちゃんの脚にも、たくさんの種が絡まりついていました。

リンちゃんはシュナウザーという純血種で、色は真っ白です。

白色の毛が土色に変わり、脚の汚れが目立ちます。

毛はほとんどが飾り毛なので、種や杉の葉といった繊維にひっつきやすいものが絡まってなかなかとれなくなってしまいます。

同じように土も繊維の深くに絡まるため、泥状の汚れがふき取る程度ではきれいにはとれません。

犬は本来、山で生活するようにできています。
その骨格、筋肉、皮膚、被毛も、この山空間で安全かつ快適であるように歴史をかけて自然がつくってきた犬本来の体というのがあります。

ところが純血種の犬は違うのです。

純血種というのは100年ほど前にヨーロッパで始まった趣味の犬の世界から始まっています。

よく純血種=働く犬と思われていますが、そういうわけではありません。

使役のために繁殖された犬たちはサイズや性質を求められましたが、規定の体の大きさや耳や尾のタイプ、毛質の色や状態を純血種の規格として求めているのはドッグショーという趣味の世界です。

このドッグショーのために繁殖されている犬たちから、家庭犬としての純血種が広がってきました。

不思議なことですが、ドッグショーをよくご存じない人でも「チャンピオンの子」と書いて売り出されている子犬を見ると、なぜか特別にいいものだと思ってしまうようです。

ドッグショーの規格の中で人為的に繁殖をくり返される純血種犬の中には、山という環境で快適さを保つことができなくなった犬種もあります。

前述した飾り毛、毛の色、皮膚の弱さ、免疫力の低さ、体型、筋肉のつきにくい体など、不便を強いられることもたくさんあります。

こうした犬たちと山歩きをしたあとは、このあと脚を洗ったり毛から種を取り去るなどいろいろと大変なのです。

その大変さや犬が汚れるのがいやだという理由から、犬に山歩きをさせたくないと思われる飼い主もいるとは思います。

それでも、知っていただきたいのです。

山を探索しながらゆっくりと歩いていく犬の満足した表情や真の安定や落ち着きや欲求を満たすということについて、実際に犬を見て感じていただきたいのです。

犬が山を歩く姿を見れば、犬が人の繁殖によって変わってしまい、汚れや種などが絡まる毛質になったことを不便だと思う前に、もっと違った気持ちが生まれるのではないでしょうか。

真っ白なリンちゃんですが、お山では満足した表情で歩いています。

たくさん歩いても、まだまだ歩けるといった風でもあります。小さいのに頼もしいですね。

飼い主さんも、汚れても苦にされている様子はなく、「リン、楽しいね、良かったね」と声をかけています。

犬がどこでどのように過ごすのか、その権利を持っているのは飼い主なのです。

その小さな積み重ねが犬の一生になることを考えると、人の10分の一の時間しか持たない犬に対してできることはわずかなことしかありません。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<犬のしつけ方・動画>サクちゃんが“持って来て”でお手伝い

犬のしつけで必要な合図とは別に、犬と遊びを楽しんだり学習を促したりするために教える合図があります。

後者の方は、特に生活に必須ということではないのですが、一定の効果をもたらしてくれることがあります。

しつけ以外に取り入れる合図の中心は、室内でやる事がない犬に負担をかけない「作業」を教えることです。

特に犬が西洋犬で作業をしてきた歴史が長く、室内での時間が多いのに暇ですることもないとなると、犬は欲求不満になってしまうからです。

ヨーロッパでは多くの純血種が生まれましたが、その一部は人の仕事を手伝うために人為的に繁殖を重ねてきた使役犬といわれる犬たちです。

使役犬は猟犬や警察犬といったイメージが強いのですが、小型犬の中にも使役犬がいます。

身近な犬種としてはテリア種です。


テリア種は、小型獣の狩りや駆除のために西洋で長く活躍してきました。

防衛力が高く作業を教えるとよく活動する犬たちです。

反面、空間が乏しく暇になると吠えが強まったりなめたり噛んだりするストレス行動が多発してしまいます。

テリア種のサクちゃんも少し時間と能力をもてあましていました。

留守番時間も長いので、留守番の前にお父さんといっしょに練習してもらうと「持って来い(テイク)」の練習を始めました。

コツを得ると短時間で上達して毎日の朝の日課になっているようです。

こちらの動画でご紹介します。




さらに別の作業も付け加えました。
「持って来い」と「探して」の二つのミックスバージョンです。




次は飼い主の父から受け取ったものを母へと持っていきます。




最初のテイクが出来るようになると、応用編は比較的簡単にできるようになります。

いろんな犬たちがテイクを覚えていましたが、ご家庭ではそれぞれに家庭内作業犬として活躍していたようです。

お父さんの靴下の片付けから始まり、お父さんのパンツをお風呂まで運んでいた犬ちゃんもいました。


サクちゃんの場合には毎朝の遊びとされているようですが、毎朝お父さんの前に座って待っているらしく、飼い主さんもこの遊びを楽しんでステップアップさせていかれているのを感じます。

犬に特別な芸を教える必要もあまりないと思いますし、家庭犬は使役犬ではありません。

単純行動のくり返しになる常同行動につながるような芸をオヤツで強化してしまうなどの間違いにも陥らないようにしなければなりません。

ただ、コミュニケーションを深める道具のひとつとして、物事を教える、覚える、理解するというその過程が楽しく、お互いにとって良い時間としていただければと思うのです。



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<犬のしつけ方>子犬の社会化:子犬のシグナルを読み違えると社会性へ悪影響が出ること

犬のしつけ方やトレーニングについて学んでいる方なら、「犬の社会化」とか「犬の社会性」という言葉をどこかで耳にしたことがあるでしょう。

また、この「犬の社会化」という学習が、子犬期に、つまり生後4ヶ月くらいまでが重要であるという情報も広まっています。

社会化という言葉をわかりやすく簡単に言うなら、環境に適切に反応するという「環境への適応性」になります。

環境に適応した状態というのは、犬が日常的に生活する環境の中で、より多くの安心を獲得していく過程ともいえます。

例えば、散歩中に他の犬にあってもリラックスしてすれ違えるとか、外から聞こえる日常的な音に対して過剰な反応をしないとか、人に反応せずにすれ違えるといった行動は、犬が環境に対して適応性を高めている「社会化している」状態です。

これに反して、散歩中に他の犬を見て興奮して吠えたりリードをひっぱったりする、他人に対して近付いていこうとしたりとびついたりする、外からの物音に対して吠えたり飛び上がったり目を見開いたりする状態は、社会化していない状態といえます。

子犬のころの社会化学習について、インターネットなどに散乱する情報は偏りがあり明らかに間違っているものがあるので注意してください。

間違った情報はたくさんありすぎて書ききれませんが、これだけはとあげるなら以下のことは再考していただきたいと思います。

それは、たくさんの人や犬に会わせたり、いろんなところに子犬を連れて行くことが社会化だといわれていることです。

これは偏りがあり間違いやすい情報なのです。

子犬期に人や犬の多い公園や騒音の多い場所に連れ出したため、生後6ヶ月を過ぎることには吠えたりリードを引っ張ったりするような興奮しやすい犬になってしまったということはよくあることです。


インターネットで検索すれば簡単に情報が入手できるようになった時代だからこそ、間違った対応で子犬の社会化学習に失敗するケースが増えてしまっているようです。

子犬の社会化学習に必要なのは、子犬が適切にテリトリーを構成していくこと、子犬が飼い主という人と社会的な関係を深めていく事、そして子犬が散歩などの家庭周辺の環境に対して安心を獲得していく過程なのです。

ところが、子犬の社会化学習には難しい部分があります。
それは、子犬のシグナルが読み取りにくいということです。

犬は早くて生後6ヶ月前後、遅ければ2才くらいまでは「吠える」「咬みつく」といった闘争行動をすることがありません。子犬はストレスを抱えている場合に多くは逃げるという行動をとろうとしますが、逃げられなければただ興奮するもしくは硬直するとい行動をします。

子犬の興奮したり、硬直したりする行動は、一般的な飼い主からみると「喜んでいる」「大人しい」と受け取られがちなので、犬の反応としては問題がないとされてしまいます。

犬が興奮したり、硬直したりするのはストレスが上昇しているシグナルであり、社会化がうまくいっていませんよというお知らせにもなっています。

子犬のシグナルを読み違えるだけで、社会化は促進されるのではなく退行してしまっていることを気づかないまま、社会化学習が継続されてしまいます。

くり返し行われる刺激に対する興奮などの行動は、回数を重ねるごとに学習を深め、ついに子犬が生後1才を迎えるころには、吠えるという行動を多発するようになってしまうのです。

社会化学習のあり方と子犬のシグナルの読み取り方で、子犬の社会性が発達していくかどうかが決まってしまいます。

子犬はコミュニケーション力が低いため、その表現方法は成犬ほど洗練されていません。

子犬のシグナルを上手に読み取っていかなければ、適応力を育てる社会化学習も成功しないのです。

ただ、犬を刺激のあるところに連れて行きさえすれば社会化すると思わせるような情報が溢れているのですが、よくよく考えるとつじつまが合わないのですから、たくさんの情報を受身になりすぎず、よく自分自身で消化してみることをおすすめします。

子犬によって個性のあるシグナルの読み取り方など、すべての飼い主さんに身につけていただきたいことなのです。

子犬の社会化を成功に導きたいなら、子犬のシグナルを読む練習からはじめてください。

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<犬のしつけ方>喉を締め付けられたように奇声を上げる犬たち

多くの人は「犬が吠える動物」であると誤解されているようです。

確かに犬は吠える動物ですが、落ち着いて過ごしているときにはほとんど声を出すことはありません。

日常生活がゆるやかに過ぎていけば、一日を通して犬の“声”を聞かない日は珍しくありません。


犬が吠えると強調されてしまうのは、犬の太くて広がる吠える声のせいかもしれません。

都心では、ストレス生活のためにめったに吠えない犬たちが頻繁に声を上げるようになり、犬の吠え声が社会問題になっていることも事実です。


ストレスが上手に解放されている犬や、過剰にストレスを抱えていない犬はめったに吠えないということを前提にして、犬の吠える声についてもう少し深く探っていきます。


犬の吠える声の質ですが、最近になって変化の傾向が著しくなっているように感じるのです。

変化というのは、犬の吠えが耳障りな甲高いものであったり、濁った音になってきているからです。


特に濁った音による犬の吠える声は耳障りで不快に感じられるものです。

先日の犬語セミナーでも動画の中で濁った音を出している犬がいました。

いわゆる「ダミ声」といわれる音ですが、つまり喉が閉まっているのに無理に大きな音を出そうとしてこのように濁った音になるというのがその声の仕組みになります。

濁った上に大きな音ですから、一般的には耳障りに感じられてしまいます。

犬が出す音=吠える音にはそれぞれに意味があります。

意味とは、犬が出す音は犬の状態を表しているということです。


犬よりも音のコミュニケーションを使う人にあてはめて考えてみましょう。

みなさんも、状況や環境に応じて声の質を変化させているはずです。

甘える声、叱る声、買い物のときに使う声など声は使い方によってその質は様々です。

さらに、声には個性がありますので、声をもつ人の性質、安定度、状態を表現する道具にもなっています。


犬も同じように、基本的な犬の性質と現在の状態に応じて出せる声の音程が決まってきます。

その上で、犬の状態や目的に応じてその音の質が決まってきます。


濁って大きな音を出して吠える犬たちの状態といえば、筋肉の緊張が高いけど強く主張しなければいけない状態なのです。

筋肉の緊張が高いという段階で、すでに犬がストレスを上昇させていることがわかります。


濁音や大きな音で注意を引き寄せようとする犬たちのメッセージを受け取る人はいないのでしょうか。

ただ犬が吠えることをうるさいと片付けてしまわないことです。

この犬が根底から必要としている環境は何なのだろうかと考える時間は、犬と豊かに暮らしていくためにはなんとしても作らなければいけない時間だと思えるかどうかでしょう。

都心に響き渡る犬たちの悲痛な奇声を聞くたびに、辛くなってしまいます。

安心して過ごしている犬は穏やかで静かな動物であるということ。

穏やかな犬と過ごしている人は穏やかであるということ。

どちらも真実ではないでしょうか。


dav

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