マンション飼育の方にはあまり経験ないことかもしれませんが、
家庭犬が「脱走した」という話を聞いたことがあるでしょうか。
戸建てでは、門扉がたまたま開いていたために、飼い主の知らぬ間に、門扉や玄関の隙間から犬が「脱走する」ことがあります。
この「脱走」という言葉、いつ頃から使われるようになったのか微妙ですが、犬の家からの逃走行動を多くの人が「脱走した」といいます。
犬が脱走しなければいけない時点で、すでに犬は自宅敷地内に囚われの身だということです。
室内に幽閉されているのか、庭に係留されて拘束されているのか、いずれにしても犬たちはそこから脱走したわけです。
脱走経験のある犬のほとんどは、家庭犬として食べ物と住まいを与えられてた上で、
何不自由なくさらに家族として愛されて育てられている犬なのです。
これらの犬が、自宅を脱走しなければいけない理由はなんなのでしょうか?
この自宅からの脱走という逃走行動ですが、案外多いのです。
この行動によって迷子犬が増えてしまうため、犬の首輪には名札や鑑札をつけることが条例によって義務付けられています。
もし、あなたが戸建てに住んでいたとして、玄関の門扉が開いていてあなたがそれに気づかずにいたとしたらどうでしょう?
あなたの犬は自宅から脱走するのでしょうか?
もし、自分の犬はその門扉の隙間から逃走する可能性があると思うのなら、犬の日常の行動について観察してその理由を探していただきたいのです。
過去になんども自宅の庭や玄関から逃走した経験を持つ犬を飼っているなら、今すぐその犬がなぜ逃走するのかを考えてください。
犬はただふらりと遊びに行きたくて逃走しているのではありません。
犬の逃走行動には理由があるのです。
家庭犬として愛情を持って可愛がっているのだから、うちの犬が逃走するなんて考えられないという飼い主もいることでしょう。
希望と現実は別です。
犬たちが抱えている問題は、すぐ目の前にあってさまざまな行動によって示されています。
それは、飼い主が犬に対して解決しなければいけない問題が今目の前にありますよという、わかりやすくてありがたい犬からのメッセージなのです。
犬の安定性は人の愛情だけでは達成できません。
こんなに愛しているのに何故?といって泣き崩れても仕方ありません。
愛しているなら理解するしかないのです。
それが真の関係作っていく方法になります。
種が違うのですから、本当のところはその犬に成り代わってみないとわかりません。
でもそれは人と人も同じことです。
本当の気持ちは、その人になってみないとわかりません。
だから100%を分かりきるということはできないのです。
それでも、理解しようと努めることは相手に伝わると信じています。
犬も同じだというと「動物なのに?」と違和感を感じれるでしょうか。
それなら試しに真剣にやってみてください。
あなたの犬は脱走すると思いますか?
そうだとしたらそれはなぜでしょうか?
日常にあるちょっとした行動を、犬だからと済ませないこと。
犬のしつけ方はただそれだけのことです。