グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<クラス>お預かりクラスでお世話してみてわかる犬のこと

グッドボーイハートのお預かりクラスは一般的なドッグホテルとは少し違います。

いや実際にいっしょに時間を過ごしていただくとわかるのですが、たぶん大きく違います。

このお預かりクラスの期間中に犬をどのように管理するのか、どのように接するのかは犬によって違います。

訪問クラスで生徒さんにお願いしている接し方と同じようにとプリントには記載しています。

行動が安定して落ち着いている犬ちゃんたちは、接し方はみなさんにお勉強していただいたのと同じように、管理の仕方は家庭とは違いますので少しきちんとします。

管理方法の違いとしては普段は部屋の中でフリーで寝ている犬ちゃんも、お預かり中はみなクレートなどの個別のハウスで休ませるようになります。

お預かり中の一番の目的は「犬を安全にお預かりすること」です。

いつもと違う環境では犬が不安定になりますから、より厳しく管理することで安全にお預かりすることになります。

ただグッドボーイハートの犬たちをお預かりする次の目的は、犬のことをより知るためです。

家庭訪問トレーニングのときには、インストラクターである私が不在の状態の犬の様子を知ることができません。

飼い主さんの犬に対する接し方も、私がいるのといないのでは全く違うとはいかなくても多少は違いがあるはずです。

先生がいるときといないときでは差が出るのが当たり前のことなので、そのことは織り込み済ということで犬の行動を見ていきます。

そうなると、普段の犬の行動は飼い主側の報告に頼るしかありません。

こういうときはどうしてますか?の質問に対して飼い主が「犬はこうしています」とこたえます。

そんな質問の繰り返しで犬の普段の行動から犬の状態や気質、そして一番大切な飼い主との関係性を見ていきます。

この関係性の部分を曇らせてしまうのが、飼い主の犬の行動の読み間違いです。

怖がっているように見えるんです。

パニックを起こしています。

といったお答えをいただいたときも、そのレベルがどの程度の恐怖なのかどの程度のパニックなのかがあまり見えてきません。

実際にお預かり中に犬が落ち着かない状態になったときに、どの程度の騒ぎ方なのかをチェックしたり、それに対して対応の仕方を試してみて犬の行動の変化を引き出したりしてみます。

3日間ほど犬をお預かりしていると普段から飼い主がどのように接しているのか、飼い主とどのような関係なのか、環境がどの程度犬に影響を与えているのかがわかってきます。

たとえば、庭につなぐと狂ったように吠えるという犬も、実際にお預かりして庭に係留するとほとんど騒ぐことがないということもよくあります。

数日では環境に慣れていないという理由でもあるので数日試してみるのですがほとんど騒ぐことなく行動はどんどん安定してくることがあります。

周囲の環境が騒がしいとか静かとかそういった影響はかなりあります。

グッドボーイハートでの預かりの場合は、七山の環境と福岡の環境では多少の違いがでることがあります。

それでも、生徒さんがいうような落ち着かないという状態にはいたらないことも多いのです。

これは庭の環境だけでなく、普段から室内にいっしょにいるときの接し方や飼い主との関係性が部屋と庭に分かれたときの行動に影響を与えてしまうからです。

お預かり中の犬への接し方はグッドボーイハートルールで徹底していますので、3日間ほどの預かりでも預かり中の行動はびっくりするほど変化していきます。

もちろん犬の行動が変化する可能性があるかどうかを試しているわけですから、結果が出るのは当たり前のことでもあります。

でもこれは「犬のしつけの可能性があるのか」という質問への答えですから、変化があれば可能性がある、変化がほとんどなければ可能性は低いという答えにもなってしまいます。

犬の行動には当然のことながら脳の働きが作用しています。

脳の働きが壊れていると、残念ながら環境を変えても行動の変化は見られず「犬のしつけ」は通用しないということになります。

薬剤などで脳の機能性を抑え活発なホルモンなどが出ないようにして、寝ていることが多くなるようにするなどの対応をとる必要性が出てくるかもしれません。

ただ、わたしはこれはあまりお勧めしていません。

明らかに脳が損傷する脳梗塞などの状態に陥ると身体的な機能性にはっきりとした変化が見られます。

犬が日常生活を普通に送っていてその日常は人のものほど複雑ではないと考えると、もう少し違ったアプローチがあろうかと思います。

脳の活性化しすぎた活動を抑える一番の方法は、山歩きなどを行ったり、田舎環境で暮らすことです。

ところが都会に暮らす方はなかなかそれが実現できません。

生徒さんたちの中には週末毎に山通いしたり、田舎に連れていき、犬のパニック症を克服された方が何名もいらっしゃいます。

そうした実例があるからこそお勧めはするのですが、時間がない、車がない、などご家庭の事情も様々です。

できることが見えていてもそれができるかどうかはその飼い主の環境次第ですから、そこまで口出しもできません。

犬のためと思うとなかなかうまくいかないことなので、日ごろから人が自然に親しんで遊べる習慣があるようにと思っているわけです。

今年の冬も七山でたくさん遊びたいと思います。

犬たちがお泊りに来てくれています。

いっぱいの時間を空間を使って、犬としての時間を取り戻してほしいです。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<犬のこと>ガンを1分で発見する人間、犬はもっと前に飼い主の病気に気づいている

先日のテレビニュースでガンが1滴の血液でわかるようになる機械を東芝が開発したというものを見ました。

ガンといえば人が最もおそれる病気です。

その早期発見のために莫大な頭脳、資産が投入されている中でなんと「1分」は脅威です。

そのニュースを見ながら考えたのはやはり犬のこと。

犬も1分で飼い主がガンになっているかどうかをわかるはずなのにな~と思ったのです。

ネットなどで「ガンを発見する犬」について知ったことのある方もいるかもしれませんが、これは本当です。

仕組みとしてはいたって簡単なのです。

人が癌になると人の体内の細胞が変化していきます。

そのときにガン細胞独特の臭いを発するようになるので犬がその臭いに反応するというものです。

特別に訓練された犬はガン細胞の臭いに反応して合図を出すようにトレーニングされています。

ところがみなさんの身近にいる犬も飼い主の臭いの変化には気づいているのです。

それを伝える必要があるとして反応を示す犬とそうでない犬がいるというだけのことです。

自分も過去の自分の飼い犬の中で特別の反応をしたのを見たことがあります。

まだ母が生存していたときに、座っている母の後ろで当時いっしょに暮らしていた柴犬が独特の声を出していました。

オスワリをして「わわーん、ワオワオ、わんわん」といった強く吠えるわんわんではなく、話しかけているような音でずっと語り掛けてくるのです。

母の背中にむけてオスワリした状態で話している犬の姿が独特でした。

「コニーは何を言っているのかな」と母に問いかけました。

母は「最近はいつもこうやって何か言ってくるのだけど何をいっているのかわからないの」と答えていたのです。

その数ヶ月後に母は倒れそのまま病院へ、末期のガンでした。

あとで思えば柴犬のコニーは母の異変を嗅ぎとってなんらかの方法でそれを伝えようとしてたのでしょうが、当時はそんなことを思いつきもしなかったのでその行動の意味をくみ取ることさえできませんでした。

あのときに柴犬が教えてくれていたことをすぐには受け取れなかったものの、母と柴犬のコニーは特別な関係であったことを知るエピソードになりました。

人は最新の科学で自らの道を歩いていきますが、犬は最古の力をもってあくまで原始的に人のお役に立とうとします。

どちらがいいのかということでもなく、どちらも大切なことなのでしょう。

それにしても人の身近な自然の動物や植物などの自然のメッセージを受け取る力と距離感だけは絶対に失いたくないと思います。

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Posted in 日々のこと, 犬のこと

<人イヌに会う>動物と人との区別を知るために

アップさせたつもりだったブログ記事が更新されておらず遅くなりすみません。

コンラート・ローレンツ氏の「人イヌにあう」の本からイヌのことを学ぶカテゴリーの1回目です。

本を購入するかどうかを決めるときにわたしが見るところは、著者のまえがき、あとがき、そして訳者のあとがきです。

この三つの部分に目を通すと本の概略が把握できるからです。

今日は「人イヌにあう」訳者である小原先生のあとがきからその一部をご紹介してイヌのことを考えてみます。


引用ココから

著者は動物の行動をみつめ、動物をこれほどまで愛しながら、動物と人間との区別を明確に指摘する。

動物を知ることがどれほど人間を知ることに意味があるかが、はっきりと書かれている。

動物を深く知り、それと比較するとき、むしろ人間自身を明確に浮かび上がらせるというのは、やはり私の年来の主張でもあった。

~一部省く

家畜化されたためにイヌのほうが人間にたいする理解において類人猿より優れているという点や、イヌが人間の発音を聞き分ける能力をもっていると書いてある点など、きわめて興味深い。

他の専門的な学術論文からは得られない動物行動学や動物心理学上の示唆が、いたるところにみうけられる。


引用ココまで

上記の2行の引用文からこの本を読む価値のあることは十分に明らかなのです。

犬とのより良い暮らしに最も大切なことがここに書いてあります。

それは「まず動物を愛しながら動物と人を区別すること」なのです。

犬を愛するあまり、犬と人の境界がわからなくなっていることが犬にとっても人にとっても一番問題なのです。

犬に対し人のように接すると犬は必ずストレスをかかえるようになり問題となる行動を起こします。

犬を人と同じように愛することと、人と同属化してしまうことは別のことだという自覚が飼い主には必要です。


二つ目の読む価値は人間自身を知ることができるというところです。

犬という動物をより深く知ることが、人間を知ることになる。

もう少しはっきりというと、自分と暮らしている犬という動物を深く知ることが自分自身を知ることになるということです。

犬が興奮したり騒いだり落ち着きなく振舞っているのを見て、自分が同じような状態とはとても思えないため否定したくなる飼い主の気持ちはよくわかります。

それは同じような行動に至るということではなく、同じような状況にいたっているという意味で飼い主を知ることができるという意味なのです。

これについては受け入れるまでにかなり時間がかかりますから、今すぐに自分を納得させる必要はありません。

まずは犬と人の境界をはっきりさせて、相手を理解するという愛し方を推奨されているというと受け止めてください。

「人イヌにあう」があまり受け入れないときには、犬のことを人のように見たいという気持ちが優先しているからかもしれません。

いわゆる擬人化というものですが、犬の擬人化は犬のすばらしさを発見することを妨げるものでしかありません。

犬は犬としてすばらしいのです。

「人イヌにあう」をおすすめします。

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Posted in 人イヌにあう, 犬のこと

<犬のこと>野生動物と犬、どちらが社会化してますか?

先日お預かり犬ちゃんをお庭で過ごさせながら草刈りをしていたときのことです。

草刈りを手伝ってくれていたダンナくんがバイクのメンテナンスを始めました。

テラスでバイクのエンジンテストのために結構強く吹かす音が聞こえてきます。

お庭の犬ちゃんが気になってそーっと様子を見にいきましたが、日向ぼっこを止める感じもなく、ウロウロもなく、いつもと変わらぬ感じです。

そういえばそのバイク作業の近くに小鳥の声がちゅんちゅんとしているのですが、その小鳥たちもバイクの音に反応して逃げ出す感じはありません。

いつもと変わらぬ感じでその場にとどまっています。

こうした大きな音、バイクの音は特に振動が強いので周囲の環境に与える影響は大きいと感じてしまいます。

でも小鳥たちなどの野生動物が全く反応をしないのですから、警戒する必要のないものと認識されています。

特定のモノや音に驚いてしまう過敏な反応は、野生動物よりもむしろ家庭犬の方が強いと思います。

その理由は日常的に過ごしている環境の違いにあるのでしょう。

そもそも社会化というのは周囲の環境の変化の中に安心を獲得していく学習のことをいいます。

普段と変わらないから大丈夫、これは危険でないから大丈夫を脳が繰り返し学習していくわけです。

バイクの音といった特殊な音でも、これは大丈夫と野生動物が判断できるということですから、単に音として認識されているわけではないのでしょう。

自分たちの身が脅かされるようなものではないと動物が判断するときにそれが大丈夫の箱の入れられていきます。

ところが家庭犬の場合には、危険と反応する箱の中に入れられることが多いのです。

ひとつ危険の箱の中にはいるとそれに類似するものはすべて危険の箱の中に入ってしまいます。

だから世の中は危険であふれているということになります。

過剰におびえたり逃げたりパニックを起こしたりするようになります。

そもそもこの反応の多くは人との生活の中で作られていきます。

原因のひとつとなるのは軟禁されていることです。

行動の自由をなくすと動物は不安を抱えます。

庭などで自由行動ができない環境に成長する犬の多くは不安を抱えやすい状態になります。

二つ目の原因となるのは、人の気持ちの不安定さです。

人が不安を抱えていることの解消として犬を求め始めると犬は不安を抱えやすい状態になります。

共感性の高い動物なので、気持ちの弱い動物の下では弱い動物となってしまうのです。

時代と共に人間という動物、特に日本では人が年々弱くなっていますので、そうした意味でも犬は不安を抱えやすい状態になっているといえます。

野生動物の方が家庭犬よりも社会化しているというと、野生動物よりも家庭犬の方が人に近付いてくるではないかと反論されるかもしれません。

でも野生動物が人にとびついたり噛みついたりする確率よりも、家庭犬が人にとびついたり噛みついたりする確率の方が圧倒的に高いとなるとどうでしょうか?

人は本当に犬と仲良く暮らしていると言えるでしょうか。

逆からいうと犬は本当に人と安心して暮らしているのでしょうか?

犬は本当に複雑か環境に置かれた動物です。

ひとつでもひとりでも犬を理解していただくために、ローレンツの本おすすめします。

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Posted in 犬のこと, 自然のこと

<クラス>お預かり犬ちゃんが日向ぼっこする姿で考えた自然の力のこと

緊急のお預かりが入りました。

福岡でのお預かりでお約束したのですが、一泊の時間ができたので急いで七山に向かいました。

なんどもお預かりクラスに来てくれているので七山での過ごし方にも順応性が高まっています。

移動の直後にはキュンキュンと鼻をならしていた犬ちゃんも少し時間がたつとマイペースに自分のために空間と時間を使い始めました。

草の臭いを嗅いだり、テラスで横になって寝ていたり。

作業のために庭に出入りしても、少し目線を送って見送るだけで興奮することもありません。

太陽の光というのはものすごいエネルギーをもっているのだと感じるときです。

そういえば、こんなことがありました。

最近福岡で紅茶をいれるときに電気ポットのお湯を使いました。

ダンナくんが「いつもと違うよね」といいます。

私はコーヒーを飲んだのですが確かにいつもと違います。

香りが少ない、そして固い。

水を火で沸かすのと電気で沸かすのでは、水の質が違うのです。

火で沸かすとお湯がまろやかになり、電気で沸かすとお湯が痛いのです。

ダンナくんの子供のころには実家で薪を焚いてお風呂に入っていたこともあるらしく、薪で炊いたお湯はとろみがでるほどに柔らかいと話していたのを思い出しました。

動物の体もほとんどが水でできています。

その水を温めるのにエアコンがいいのか、日向ぼっこがいいのか結論ははっきりとしていますね。

犬たちはどの季節にも日向ぼっこをします。

太陽があるだけではだめで、安心して過ごせる場所が必要です。

お預かり犬ちゃんの日向ぼっこ姿に短い時間だったけど七山に連れてきてよかったとうれしくなりました。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<日々のこと>急に冷えた七山で暖炉の炎のあたたかさを感じるとき

毎年季節が巡ってくる不思議だけは変わりません。

今年もやっぱり寒波がやってきました。

お預かり犬ちゃんを連れて一泊だけだったけど急いで立ち寄った七山では、気温が数度と下がりました。

この寒い季節の楽しみをいえば薪ストーブです。

同じ暖をとる方法でも、電気ストーブ、石油ストーブ、石油ファンヒーターと文明の利器はいろいろとあります。

便利なのはもちろん文明の利器の勝利ですが、あたたかさの中でもっとも癒されるのは薪ストーブです。

薪ストーブの炎はずーっと見ていたくなるのです。

薪のぱちぱちという柔らかにはぜる音も耳に心地の良いものです。

長い時間を七山で過ごしていただけるときには生徒さんたちもいっしょに薪ストーブで暖をとっていただきます。

ずっと見ていたくなりますねとみなさんが言われます。

本当にそのとおりです。

これはきっと人間の原始的な記憶に働きかけるのではないかと思います。

ヒトという動物がこれほど文明を発達させてきた起源は「火を扱えるようになったこと」ではないかと思います。

すべてのエネルギーはここから始まっているのではないかと。

そしてヒトといっしょに火で体を温めていたのは犬ではないでしょうか。

だから、暖炉の前に犬といっしょに体を温める時間はすごく昔のことを思い出させてくれるのです。

七山にある薪ストーブですが、当初は暖炉だったものをよりあたたかく安全に使えるようにと薪ストーブに作り変えました。

リフォームしたのはオポが他界した後でした。

薪ストーブへのリフォームには費用も時間も気力も相当にかかりました。

でもなぜか山での暮らしをオポがいなくなったと同時に止めてしまっては、自分がどうなのかなと思ったのです。

ここでの暮らしをもっと続けていく、そんな決心で暖炉を薪ストーブにリフォームしました。

今日は動画に収めたものをアップさせていただきます。

途中で空気の量を絞って炎の動きが変わっていくのを見ていただこうと思いましたが、その際わたしのズボンのすれる音が入ってしまい生活感満載ですみません。

年と共に七山までが遠くなったシニア犬ちゃんたちにも七山の癒しが届きますようにと願いをこめてこちらに動画を掲載します。

もちろん七山にいらしたときにはぜひ暖炉で体を温めてください。

[youtube]https://youtu.be/22lGMTAtSg0[/youtube]



Posted in 日々のこと, 犬のこと, 自然のこと

<テレフォンわんわん人生相談>帰宅すると興奮して抱き着く飼い主と葛藤の日々

犬生には様々な喜びがあり、同時に悩みや苦しみもあります。
ひとに言えない、誰にも相談できない悩み、苦しみ。
そんな時少しでもお役に立てばというのがこのブログ<テレフォンわんわん人生相談>です。

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相談犬:もしもし、はじめまして。

ナレーター:もしもし、はじめまして。今日はどんなご相談ですか?

相談犬:実は飼い主のことなんですが、毎日のことで少し困っていることがありまして。
飼い主が帰宅したときにすごく抱きしめられるんです。

ナレーター:飼い主さんの帰宅のときにあなたを抱きしめるということでお悩みなんですね。
あなた今おいくつですか?
今の飼い主と一緒に暮らしてどのくらいになりますか?

相談犬:わたしは1歳です。
子犬のころから今の飼い主と暮らしています。
一年近くかと思います

ナレーター:ご家族は何名いますか?
飼い主の年齢はどのくらいですか?女性ですか、男性ですか?

相談犬:飼い主はひとりです。女性で30代です。

ナレーター:あなたの性別は?どのくらいのサイズですか?抱きしめられても平気なくらい?

相談犬:わたしはオスです。体重は5キロくらい、抱きしめられるというよりは抱き上げられる感じでさらに…少し言いづらいのですが。すごくキスされます。

ナレーター:なるほどですね。
飼い主がそうなるのはいつも帰宅のときですか?

相談犬:はい。飼い主は毎日仕事に出かけます。朝出かけていって夕方戻ってくるのですが、毎日夕方もしくは夜にもどってくるとすごく大きな声で私の名前を呼び抱き上げてキスします。かなり長い時間かと思います。

ナレーター:それであなたはそのことを困っているので相談したいということですね。

相談犬:はい。あまりにも拘束がきついのと、飼い主が興奮しているので私もつい興奮してしまいジャンプしてしまうようになり、そうするとますます飼い主はもっとわたしをきつく抱きしめるようになってしまって…。
悪循環なのですがどうやって解決したらいいのか、もうわからないのです。

ナレーター:わかりました。そのあたりを詳しく先生に聞いてみましょう。

先生:こんにちは。
飼い主さんはいつころからそんな風になったのですか?

相談犬:よろしくお願いします。
わたしも覚えていないのですが、気づいたらこんなことになっていました。
抱き上げられるときにも急な感じで、なぜそんなに興奮して抱きついてくるのかもはじめはわからなかったのですが、女性だからこんなものかなとはじめは思っていました。

先生:ところが最近になって耐えがたくなったということですか?

相談犬:そうですね。なんだか落ち着かないのだけど、伝え方がまずかったのかどんどん興奮が増しているような感じがして、最近では飼い主の外出のときから落ち着かない感じになってきたんです。

先生:飼い主の感情を受け取ってしまうのがあなた方犬の良いところでもあり難しいところでもありますからね。
飼い主の感情を受け取って受け流すというところまで、まだお若いから難しいでしょうね。

相談犬:飼い主の感情を受け取って受け流すですか?
今まで全くそんな風に対応できたことはありません。
飼い主の感情を倍にして返すのが精いっぱいです。
わたしは何か間違っているでしょうか?

先生:いえ、あなたは犬としてちゃんとやっていますよ。
あなたの言うとおり、飼い主の状態を映し出してちゃんと返してあげるのが犬のお役目だということは間違っていません。
あなたは誠実にやっているのにそれが飼い主側に伝わっていないということですね。

相談犬:はい「私のことが好きなのね」と言ってますますキスされます。
少し気持ちが落ち着かなくなっていくのがわかってきて、このままではまずいなと…。

先生:飼い主と同じように反応しても理解を得られないことの方が最近は多いみたいですね。
あなたは結局、飼い主にどうしてほしいのですか?

相談犬:落ち着いて欲しいんです。
わたしも元気に遊んだり、社会的に過ごしたりするのにまだ余裕もないので、飼い主にいろいろと教えてほしいことがあるのですが、飼い主から甘えられると自分が落ち着かなくなってしまうので。

先生:ここでははっきりと言っても大丈夫ですよ。
要するにあなたは落ち着きのある自信をもって接してくれるような安定した飼い主になってほしいと願っているということですね。

相談犬:はい、そうなんです。
でも自分にはまだそのことを伝えることもできず、何か良い方法があれば教えてください。

先生:落ち着かせ行動を繰り返しやってみるというのは試しましたか?

相談犬:それ、友達に聞いてやってみたのですが、先日耳をかいていたら動物病院に連れていかれてしまって、全く通じませんでした。

先生:犬の言葉は通用しない飼い主というパターンですね。難しいですね。
あなた少し念力はありますか?

相談犬:念力?使ったことはありませんが公園で犬の先輩がいるので教えてもらえるかもです。

先生:念力が使えるなら、テレビのスイッチをつけて「自分を落ち着かせる」番組や音楽を選んでみるといいですよ。
あまり効果があるとも言えませんが、何もしないよりもいいでしょう。

ああそうだ、それからあなたの公園友達の飼い主にわりとわかるかたいます?

相談犬:あまり見たことはありません。
落ち着いた飼い主たちはわたしたちとは違う道を歩いているみたいです。

先生:飼い主さん同士も似たものがよってきますからね。
でもあなたまだ飼い主のこと生理的には大丈夫ですよね。

相談犬:はい、悪気がないのはわかっていますし飼い主も成長すると思うのです。

先生:あなたえらいですね。その気持ちがあるならきっと転機が訪れますよ。
もしかしたらこの番組を聞いてくれているかもしれないし。
自分のことかなと気が付いてくれるといいですね。

相談犬:そうですね。ありがとうございます。

ナレーター:大変そうでお気の毒ですが、時間をかけて改善を試みてくださいね。

相談犬:ありがとうございます。
今日話せたので少しですが気が楽になりました。
あきらめずに取り組みます。

ナレーター:応援していますよ。
がんばってください。

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Posted in テレフォンわんわん人生相談, 犬のこと

<クラス>お預かりクラスで対面した大きい犬と小さい犬:お互いに犬であることがわかるのはなぜか。

犬という動物の不思議は、サイズや見かけ(形態)のバラエティーさに富んでいることです。

同じ種類の動物でありながら、ここまでいろんな姿形のものになってしまうのも珍しいでしょう。

体重が一キロもない犬から60キロを超える犬、被毛の短いものから長いもの、直毛のものからカールした毛のもの、脚の長いのから短いもの、耳が立っているものもあれば倒れているのもいます。

色は白、黒、茶が基本色ですが単色、まだら、ぶち、トライカラー、左右対称の犬など本当に様々です。

もちろんこのような犬たちは人が犬の繁殖に強く関与したことで遺伝子的に変異を遂げてきたわけですが、それにしてもね~と思います。

そしてそれ以上に不思議なのは、見かけが全く違う犬同士が出会ったときに相手が犬であるということをすぐに見分けてしまう能力です。

犬は嗅覚を主体として判別(区別)をする動物ですが、とはいえ全く視覚の情報に騙されないというのはおそるべきことです。

犬が以下に嗅覚情報を大切にしているのかということと、犬と区別する臭いがすべての犬に含まれているということなのです。

実際に犬は同族の犬の排泄物には強い関心を示しますが、人の尿の臭いにはほとんど関心を示しません。

特に屋外に人が排尿をしたとしてもほとんどといっていいほど関心を示しません。

こちらからすると犬も人も同じような尿の臭いしかしないように感じるのですが、その臭いの中にある「犬のもの」「犬ではないもの」の区別がはっきりと記させているわけです。

こんなことも分からないのに犬が受け取っているものと同じ情報を共有することなどできるわけがありません。

そもそも受容器官の性能に差がありすぎるわけですから、この部分では人は犬にかなうはずもないのです。

お預かり中に大きな犬くんに小さな犬くんを近距離で臭いをとれるような状態にすると、瞬時にお互いの情報を嗅ぎあうことで交換しあいコミュニケーションがはじまっていきます。

大きな犬が堂々として小さな犬がビクビクしているかというと、そんなことはありません。

小さなチワワくんでも大きな犬くんに怖がることなく自己アピールができるような性質を持っています。

お互いに犬であるということがサイズの違いによる怖さを克服するのでしょうか。

私が観察するかぎりにおいてですが、堂々としている犬は犬としての自覚をまだ十分に持っているのではないかと考えます。

そしてビクビクしている犬は犬としての自覚を失いかけているように思えるのです。

人間が人間として生きることも難しい時代に、犬が犬として生きることなど実現のしようがありません。

失われた自尊心を取り戻すための犬との山歩き。

七山でも紅葉のすばらしい季節です。

ぜひお出かけください。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<クラスのこと>クレートカバーは簡単に作れます。

室内犬の場合には犬の居場所として必須のハウストレーニングですが、最初に使用するのはクレートです。

ハードクレート、ソフトクレートとクレートもいろいろと出てきました。

室内犬の普及と共に、国内メーカーも犬用クレートを取り扱うようになり特にこの5年ほどはクレート回りの備品も充実してきています。

このクレート準備で必須になるのがクレート用のカバーです。

「クレートカバーはどこで購入したらいいのでしょうか?」と尋ねられますが、クレートカバーはまだあまり種類がありません。

国内メーカーのクレートにはクレートカバーもいっしょに売ってあるメーカーもあります。

リッチェルのクレートカバーはつい最近、新しい色もでてきて充実感が増しました。

ただあるのはクレートサイズのSサイズとMサイズのみです。

Lサイズ以上は需要がないのかカバーの販売がありません。

あとはネットでオーダーするものもあります。

以前はグッドボーイハートの生徒さんがオーダーで作ってくださっていたのですが、最近は他のお仕事が忙しくお願いできなくなりました。

最後の手段は自分で作るというものです。

ミシンさえあれば、そう難しいものではありません。

特にソフトれくーとの場合は形がシンプルなので直線的に仕上げられます。

問題はハードクレートの方です。

ひし形になっていますのでちゃんと作るのは難しいのです。

先日お預かりした犬ちゃんが素敵な記事のクレートカバーを作っていらしたので、来校された生徒さんたちの目にとまったようです。

しかも作りがとてもシンプルです、なのに安定している。

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素人なので想像なのですが、生地の厚みや柔らかさがとてもいい感じなのです。

生地のデザインが素敵なのでクレートカバー的な感じがありません。

デザイナーさんのものらしくお高かったらしいですが、ひとめぼれで生地を決めたといわれていました。

つくりはシンプルで直線裁ちです。

両脇はリボンでとめるようになっています。

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簡単そうですが失敗したくないのではじめはお安い生地で作りたいですね。

私などは裁縫が苦手なのでカーテンのいらないもので作ったりしていました。

生地のデザインでテンションが上がってしまうあたりが女子なのでしょうが、布地というのは本当に楽しいものです。

いつかカーテンを作り変えたい、いつかテーブルカバーを作りたい、いつか…と思いつつ、みなさんの作品を楽しませていただいきます。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<受講生のコトバ・ダンちゃん編>変わるのは犬ではなくわたしたち飼い主であるという学び

グッドボーイハートのトレーニングクラスを受講されている生徒さんからの感想のお言葉をいただきました。

今回はジャックラッセルテリアのダンちゃんです。

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今年の2月に生後4ヶ月のダンを迎えました。

ダンは私たち家族にとって初めての犬です。

私はもともと犬が苦手でしたので、本やインターネットで調べていろいろと準備してダンを迎えました。

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準備万端で迎えたつもりですが、最初からもう大変なことだらけです。

ダンのしていることに何をどうしていいかも分からないし、
そもそも、犬とどう接していいのかも何もわからないような状況でした。

実は犬を飼おうと思ったころからトレーニングスクールをあらかじめ探しておきました。

とりあえず自分たちでできるところまでして、無理そうだったらプロにお願いしようと話していたのです。

でもダンの状態を見て、スクールに相談するのは早いほうがいいんじゃないかということになりました。

結局、ダンを迎えて1ヶ月待たずしてグッドボーイハートへ連絡しました。

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先生との出会いは、私たち家族に大きな衝撃を与えてくれまいした。

同時にダンとの生活の変革の始まりでもありました。

犬のことを全く知らない私たちに、
「犬という動物は…」と話す先生の話は何もかもが新しくとても興味深いものでした。

レッスンの日がいつも待ち遠しくて仕方ありませんでした。

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ベランダのトイレがやっと安定しはじめた頃に始まったマンションの大規模改修工事にドキドキしたこともあります。

もともとお留守番の時間が長くてダンにストレスを与えがちな生活環境の中で
私たちがどう変わればダンと共に心地よく暮らせるか不安になったこともあります。

ただわかってきたのは「変わるのはダンではなく飼い主である私たち」だということです。

これが先生からの一番の教えです。

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ダンはお散歩もまだまだ下手です。

飛びつきもまだ決してゼロになっていません。

「私たちが変わればダンも変わるのだ」そう分かってはいますが、それが簡単ではなくむしろ何より難しいのです。

ダンを見ていると、私たちに向かってなにか必死にアピールをしていることが伝わってきます。

それを理解して受け止めたい、もっとダンに近付きたい、犬のことを知りたい、といつもそう思います。

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全然成長しない私たちに、きっと先生はヤキモキすることも多いでしょう。

でも、こんな頼りない飼い主のもとでも、ダンは確実に成長しているのです。

ほんの少しづつでも前に進んでいる、そう信じてこれからもがんばります。

ストレスだらけの生活の中でダンが少しでも自然を感じられるようにと環境について考えています。

先生の教えを常々振り返りながら、ダンとの毎日のお散歩を欠かさず、週末にはリフレッシュする時間を持っています。

ダンと一緒に私たちの暮らしも豊かになればと思います。

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今の一番の夢は、「リードを通じて一体感を感じるお散歩」です。

ダンとわたしたちの生活はまだまだ始まったばかりです。

これからもずっと、犬のことを勉強し続けて、たくさんの幸せと喜びを、家族とダンと一緒になって積み上げていきたいと思います。

私たちとダンの修行はまだまだ続きます…。

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最初にカウンセリングのお問合せをいただいたときのことを今でも覚えています。

ダンちゃんの飼い主さんはお電話でこんなことを言われました。

「わたしたちの生活は決して犬にとって理想的ではないと思います。

それなのにジャックラッセルテリアという活発な犬を迎えてしまったのです。

こんな自分たちでもトレーニングを受けることができるでしょうか。」

トレーニングクラスのお問合せのときには犬の方が悪いと判断して連絡してこられるのが普通です。

クラスを受講されるうちに飼い主さん側がいろいろと不足していることがあるのだということに気づかれていきます。

ダンちゃんの飼い主さんのように最初から犬にとってベストではない環境に迎えたのだという認識を持たれていることの方が少ないのです。

なので、お問合せいただいたことがとても印象的でした。

実際にカウンセリングやトレーニングクラスを受講されるときでも、細かくいろんなところに疑問を感じてくださりダンちゃんの行動をいつも細やかに観察して報告されました。

普段は留守番が長くダンちゃんに負担をかけている分、どのようなサポートをすればいいのだろうかという気持ちが思いっきり伝わってきます。

指導の立場にある私であっても、明らかに飼い主さんが拒否を示されることはご提案できません。

ダンちゃんの飼い主さんは最善のことをご提案すれば、その中でできることを考えてくださるようなご家族だったのでこちらも安心してたくさんのご提案をさせていただきました。

アウトドアがご家族の趣味でジャックラッセルテリアのダンちゃんをキャンプに連れていきたいという夢をさっそく実現されて、ご家族で幸せな時間を過ごされたことをご報告いただいたときには、心から嬉しかったです。

犬は山がお里の動物だから土の上で、太陽の下で、風にあたりながら、というのが健康なスタイルです。

ジャックラッセルテリアならどんなに汚れても平気ですね。

犬が犬として過ごせる時間を大切にしてくださることに感謝しています。

そうしていれば、犬たちは忘れていたものを取り戻しもっと自信に満ちた姿で生きていくと思っているからです。

自律したジャックラッセル「ダンちゃん」への道、これからも楽しみです。

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