グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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「自閉症のボクが飛び跳ねる理由」を読んで

犬のことを知りたくて犬以外の動物の行動に関する本を読むことが多いのですが、どうしても人や子供に関する本に手が出てしまいます。

犬という動物と、人という動物の共通点と相違点を探し出したいという関心があること。

犬の行動の中で精神的なバランスを崩したり脳の異常によって起きる行動の仕組みをもっと知りたいということ。

そんなことが人に関する本を読むきっかけになっています。

以前「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」という本を読んだことがあります。

自閉症と診断された男性が書いた本で、他の友達と違う行動をする理由などが行動別にいろいろと書いてあります。

もちろん内容は著者の東田さんを理解するご家族と一緒に書かれたもののようですが、彼らの中には彼らの世界があることを尊重したいという感想を抱いた本でした。

そして何より、東田さんを尊重できる理解者がいることで彼の世界には幸せがやってくるのだと感じたことです。

人間なのですからいつも幸せということではありません。

悲しかったり、苦しかったり、悩んだり、ワクワクしたり、ドキドキしたり、ハッピーになったりといろいろとあることを尊重されているということです。

 

実は犬の中にも、自閉症の人と同じような行動をする犬がいます。

犬が自閉症なのか?と驚かれるかもしれませんが、実際に室内から出られない、リードにつながれている、外敵に囲まれて行き場がないと感じている犬は閉じ込められた世界にいるのとなんら変わりはないと思います。

犬の中には犬としての自分の世界を生きることが難しくなり閉じこもりがちになる自閉的な行動をする犬もいるのです。

それ自体は大きな問題もないのですが、一番問題となるのはそうした自閉傾向のある犬に対する理解者がいないことなのです。

犬の一番の理解者といえば犬の飼い主であるべきです。

しかし、飼い主の方が犬のこうした傾向に気づくことができず、閉じこもろうとする世界の中にたくさんのものを詰め込んでしまうことがあります。

これがあったら幸せになれるよ、こんなこともあるのよ楽しいのよ、と外からどんどんと犬に押し付けていっても、犬は混乱を生じるだけなのです。

犬が閉じこもりたいと思うならその世界を尊重し、同時に少しでも世界を広げてもいいなと思えるような環境を整えて、一緒に楽しめるときにはその時間を楽しむ。

あくまで犬を尊重することが、どんな犬にも大切なことなのです。

 

実はこの書籍が映画化されていたことをつい最近知り、思いついてブログ記事にしました。


 

 

Posted in 本の紹介, 犬のこと

自分の家族を守るのは犬の大切な仕事だということを犬が思い出すとき。

生徒さんから連絡があった「犬のうれしい行動」?

 

先日ある生徒さんから「うれしいことがあった」とラインが入りました。

その飼い主さんの「うれしいこと」とは、犬の思わぬ行動でした。

自分の犬とよく一緒に遊びに来る知人の犬が自宅の庭でそれぞれに関心のある遊びをしていたらしいのです。

ところが、何かのきっかけで知人の犬の方が少し興奮し始めて動きが早くなり、一緒に庭で遊んでいた自宅にいた子供たちに急接近したそうです。

その時に、自分の犬が子供の前に立ちはだかり、知人の犬の前に前足を軽く下げるお辞儀のポーズの行動をとって相手の犬を退けたということでした。

自分の子供を犬が他の犬から守ってくれたと感じた彼女は、そのことに大感激したということでした。

 

犬は子供を守るのか?

犬が子供を守るような行動をしたのを見たことがあるでしょうか?

犬の行動の読み方には人の気持ちが入りやすく、何があっても「わたしたちのために」と思ってしまいがちです。

犬の行動の全てが人のことを思って…というわけではないので冷静に観察する必要があります。

しかし実際のところ、犬は子供を守ることはよく見られる行動です。

あのコンラート・ローレンツの「人、イヌにあう」の書籍の中にもローレンツ博士の子供を犬たちが守るような行動をすることが記されています。

犬にとっては子供は群れの中の大切な宝。

犬が子犬を守るように子供を守る行動をとることは、起こりうることであるし本来なら

あるべき姿なのです。

 

犬が子供を守らないこともあることを知ろう。

犬が子供を世話する動画は人にとっては安らぎをもたらすために、動画配信でもたくさん見られるようです。

それをみて自分の犬も子供が大好きだからと放置していると、犬によっては子供を排除しようしたり、攻撃したりするケースもたくさんあります。

でも、すべての犬が飼い主の子供を守るわけではありません。

多くの犬は子供にかみつく事故を起こしますし、簡単に犬と子供を一緒の場所においておくことはおすすめしません。

自分の犬に何ができて何ができないのかをしっかりと知っておくこともまた飼い主の責任です。

犬が読んだらどこからでも戻ってくるのか、他人に対して攻撃性を示さないのかなど、犬を理解していないことでトラブルは発生しています。

 

子供を守る犬はどのような犬か?

最初にご紹介した生徒さんが言うには「この犬は子供を守るような犬になるよって、先生がはじめに言われたことだったんです。」ということでした。

そんなことを言ったような気もするし、ただ間違いなくその犬ちゃんは、群れ意識が高くきちんとした関係を築いていくことができれば、弱い子供を守る行動をするようなタイプの犬だと感じていました。

だからこそ、表面的な付き合いではなく、真剣に向き合うことを飼い主さんにお願いしたことを覚えています。

犬が飼い主と問題なく暮らす、飼い主の側が楽しく暮らすことはそれほど難しいことではありません。

ただ犬が人という動物とひとつの群れとして結束して行動したり生活したりすることは、現代の日本という環境の中で、私たちの今の生活スタイルの中では非常に難しいといわざるをえません。

そんな状況の中で、この犬ちゃんがそうした行動を見せてくれたことを私も心からうれしくなりました。

犬は考えて行動しているのではないのです。

犬は子供を守る行動をした瞬間には、考えずに勝手に体が反応してしまっただけなのです。

これをしたらほめられるだろうなとか、ご褒美がもらえるだろうとか、逆にしなかったら叱られるかもしれないとか、罰を受けるかもしれないということを犬に考えさせること事態が、犬を苦しめてしまいます。

犬は瞬発的に反応しましたが、決して衝動的ではありません。

この素晴らしい犬という動物の一面をみたエピソード、飼い主の心には永遠に残るのだと思います。

目指した人だけがたどり着ける人と犬のつながりです。


 

 

Posted in 犬のこと

コロナと共に広がった犬の分離不安を性格や病気にせず犬の言葉を聞いてください。

認知されはじめた犬の分離不安

前回のYou Tube配信も含むSNSの普及によって認知されてきた言葉があります。

「犬の分離不安」です。

最近は「分離不安とはこのような状態で…」と話をすると

「あー、分離不安ですね。」と受け取りも早くなってきました。

犬の分離不安傾向やその行動についてご存じのない方のために簡単に説明します。

犬の分離不安とは、犬が一頭になるときや飼い主が犬から離れたときなどに落ち着きをなくしたり興奮したり怯えたりするような行動をする状態のことをいいます。

※犬の分離不安についてさらに詳しく知りたい方は、ブログ記事検索で「分離不安」と検索して他の記事もご覧ください。

 

犬の分離不安という性格はない

ところが、言葉は認知されはじめといっても「犬の分離不安」が正しく広がっているかというとそうではないようです。

どんなことも一度に広がるときは、言葉だけがひろがりその意味は曖昧に伝わってしまうということがよくありますので今はそのときなのかもしれません。

曖昧に伝わってしまったことの一つは、分離不安を犬の性格だと勘違いされていることです。

犬には「分離不安」という性格(性質)はありません。

分離不安は犬が飼育された環境によって作られた精神的な状態のことです。

もともとは児童心理学の言葉ですから「犬が不安を抱える」という言い方もどうかと思いますが、ここは伝わりやすさ前提で私もこの言葉を使っています。

分離不安という精神的な状態が犬の行動になって表れたときに「分離不安傾向の行動」となります。

 

犬の分離不安行動を作っているのは犬の飼育環境と飼い主である

これはあまりにもストレートな書き方かとも思いますが、伝わらなければ意味がないので直球で書きます。

犬の分離不安行動を作っているのは、犬の飼育環境や飼い主の犬に対する接し方そのものです。

どのような接し方が犬を分離不安に向けさせるのか、ブログ記事にもいろいろと書きましたので参考にしてください。

ここでは簡単にいうと「犬に触りたい」「犬を触ると気持ちが落ち着く」飼い主さんにはこの傾向がかなり高く、コロナ禍で分離不安犬は増大していることは確実だと思います。

分離不安は犬の性格ではなく、犬をとりまく飼い主を含む飼育環境にあると仮定するなら、犬の分離不安は環境を変化させれば解決するということになります。

これまでも実際に何頭もの分離不安行動の傾向がみられた犬について、改善が見られたケースがあります。

飼い主に飼育環境や接し方を改善してもらい、犬の分離不安行動が減少もしくは消滅した例。

飼い主側では難しかったが、預かりによって環境を変化させた結果、犬の分離不安行動が減少もしくは消滅した例。

これらのケースをいくつも見てきましたので、分離不安行動は環境改善でその多くは解決できるはずですが、そうならないこともあります。

なぜなら、環境の変化といっても飼い主がどの程度変化することができるのかという壁が一番大きいからです。

また、過去に飼い主から受けた精神的な状態が強く犬に根付いてしまった場合には、表面的な接し方の変化くらいでは犬の過去学習を消すことができません。

犬は学習する動物ですが、生命の危機に接するなどいわゆるトラウム的な学習については動物であるが故に書き換えることにはパワーが必要です。

 

犬の現代病となりつつある分離不安はこれからどうなる?

犬の分離不安は他の状態と同じく行動(症状)の度合い応じてその深刻さが図られます。

犬の行動の深刻さや犬の幼少期からの飼育環境の作り方などがそのレベルを決めています。

より強い分離不安は飼い主の環境だけで改善しようと思ってもうまくいないのですが、過去の例では預かりをすると非常に短時間に変化がみられることがあり、犬自身は正常な状態に自分を戻そうとしているのではないかと感じました。

この犬の分離不安ですが動物病院でも治療する病気のひとつとなっています。

分離不安対象の犬に治療薬も使われるようになってきています。

もちろん直接的な薬はありませんので、脳の症状を抑えるといった形での治療になります。

もはや犬の分離不安はトレーニングスクールよりも病院で治療という世の中になってきているのかもしれません。

こうなると「うちの犬は分離不安という病気で」というのがまかりとおる世の中になってきそうです。

飼い主が準備した環境の中で分離不安を作り、こんどはその分離不安に対して薬を与えるという実に微妙な感じになってきていて、何かがおかしいのではないかと思うのはまた私だけでしょうか。

犬に分離不安かもしれないと思える行動が見られたら、病気でもなく性格でもなく、まずは自分たちの環境に何か改善の可能性があるのだとより積極的にとらえて解決を試みましょう。

変えなければいけないのは「犬ではなく」

変える必要があるのは「飼い主の方」です。

これは飼い主に責任を求めるためにお伝えしているのではなく、

犬が飼い主に願っていることを聞いてほしいという私からの伝言です。

 

 

 

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犬のしつけ方のことでYou Tuber (ユーチューバー)と戦うことになるとは。

ブログの更新が遅れてすみません。

今年は本をよむ時間を作ることを自分のテーマとして課しており、植物の種という生命を育てる時間も増えてしまったので、頭の中で書いたブログが表に出る機会がありません。

少しずつ更新していきますので気長にお待ちください。

さて最近の話題ですが、カウンセリングの時にこの言葉を聞くことが普通になってきました。

「ユーチューブを見て勉強したんです。」

「ユーチューブでやっているとおりに教えてみましたがうまくいきません…。」

「ユーチューブの通りにやっているのに、こんな風になってしまって…。」

昔なら「“かしこい子犬の育て方”という本を読んでやってみましたがうまくいきません。」だったのが、情報の仕入れ先がYou Tubeになっただけなのですが本のころとは少し様子が違う感じなのです。

書籍は出すまでに時間もお金もかかります。

たとえば“子犬のしつけ方”という本を出版するならそれなりの資料が必要だったり、経験のある先生が執筆したり、編集局が膨大な情報をまとめたりして本をつくります。

いくつもの検問を経て本が出版されても、本を買おうという人の手にわたるのはごく一部です。

有料ですし書店に出向いて探さなければいけません。

だったらドッグスクールに通っても同じかと考えて、本を読む前にしつけ方の相談に来られた方もたくさんいます。

ところがYou Tubeは、「タダ=無料」だし、検索したらすぐに出てくるし、検索しなくても「これどうですか?」と向こうから情報を送ってくれます。

動画なので文章を読んで理解するよりも早くそのままの動きが伝わりますし、すぐに犬に試してみることができます。

動画は新しいものが次々と公開されます。

動画は深い理解がなくとも、見て入れば真似して簡単にできそうなこともあります。

むしろ、動画提供者としては、たくさんの方に動画を見てもらうためにだれでもが簡単にまねできそうなことを動画として配信されるでしょう。

サービスの基本姿勢としては当たり前のことですが、その内容がすべての犬に必要なことであるとは限りません。

必要どころか犬によっては、成長を阻害したり、社会性を後退させるなどの不利益を被ることもあります。

しかし、飼い主側にはその判断ができません。

 

むしろ単純なハードルをジャンプさせる芸のようなものをまねさせることの方が犬へのダメージは少ないのです。

犬の成長と発達にかかわる、ハウストレーニングやトイレトレーニング、日々の接し方や散歩のさせ方、自宅環境の整え方などを動画で一律に伝えようとしても難しいものがあります。

動画配信には対話がなく、飼い主さんの理解を深めることには限界があるからです。

私がなかなか動画配信サービスに踏み切れないのもここに意味があります。

SNSを活用できなければ時代遅れと捨てられそうですが、やはり私は飼い主さんと向き合って話し合いながらいっしょに犬を育てていきたいのです。

オンラインクラスであっても、飼い主さんと情報を交換しながらできるだけ身近に感じられるように取り組みたいのです。

もしかしたらYouTubeでも犬の真実を伝えている番組はあるかもしれません。

動画を見て学ぶなら、深く深く考えてそれが犬に与える影響まで考えた上で、実践するかどうかを決めて下さい。

犬は忘れやすい動物だと思われていますが、犬も傷つきますし再学習には時間がかかります。

You Tubeで犬のしつけ方を学んだけどうまくいかなかったとかいっていない気がするという飼い主さんは、今すぐに直接どこかに家庭犬スクールで話を聞いてみてください。

ドッグトレーナーも家庭犬インストラクターも急激に増えたのです。

まだまだみんな学びながら成長しているはずです。

飼い主さんのたくさんの疑問や質問が、私たちを成長させてくれます。

だからたくさんの質問をぶつけてください。

そのことで私を含めた犬のしつけのプロが成長していくことを期待してほしいのです。


 

 

 

Posted in クラスのこと, 犬のこと

グッドボーイハート流犬のダニ対策は自然の中で免疫力を高めること(ビワの葉エキス)

ダニ除けどうしたいいですか?

春になってこんなご相談が増えてきました。

「最近ダニがよくついてくる」と悩むもうひとつの理由は、この季節はフィラリア予防薬を投薬していない期間だからかもしれません。

フィラリア予防薬も進化して種類も増えているようで、現時点ではノミやダニなどの外部寄生虫の予防も兼ねるような薬になっています。

そのため、フィラリア予防薬を投薬する期間、福岡県や佐賀県ではおそらく4月から12月までの期間はノミやダニが犬につくことはありません。

ところがこの3月という時期はダニが出てきているのにフィラリア予防薬を投薬していないということで、犬の体にダニがついているのを発見されるようです。

 

ダニ対策として考えられる方法とは

実際のところできるのは二つの観点からとなります。

・西洋医学的防御

・東洋医学的防除

西洋医学的防御については、ダニ除けのための薬を投薬することです。

以前は体に塗ったりスプレーするものが主流でしたが、現在では飲み薬が多くなっています。

副作用の低い飲み薬が出てきたからでしょうが、また飲み薬の方が確実です。

人のマダニによる感染症による死亡例が報告されるようになってからは、犬につくマダニに対しても危険性を感じられるようになったこともダニ除け予防薬の常用の機会を拡大させたものと思います。

 

犬の免疫力でダニを防御できるのか?

一方で東洋医学的防御の方法については、やはりハーブやサプリメントなどで免疫力を上げて犬の防御機能を高めるという方法になります。

免疫力と一言にいっても、サプリメントだけで免疫力が高くなるわけではありません。

食事を手作りごはんにしたから大丈夫ということでもありません。

体全体と体を取り巻く環境をひとつとみる東洋医学的な考え方では、犬の個体の体質と共に犬の住む環境や犬が日々活動する内容、そして精神的な発達や強さにまで及んで考える必要があります。

犬は人よりも圧倒的にストレス下に置かれています。

いや人だってすごく強いストレスを抱えながら日々生活しています。

飼い主さんに犬のストレス行動について説明をすると「犬になんのストレスがあるのか」と問い返されることも珍しくはありません。

働きもしない、ごはんは食べられる、安全は保障されている、人になでてもらっているこの犬になんのストレスがあるのかと感じるのだとしたら、見方を少しだけ変えてあげてください。

完全管理されて人に毎日語り掛けられる水槽の魚は、野生の魚のように捕食されることものなく確かに長生きするかもしれません。

その水槽の魚が野生の魚よりも強い精神を持っているかどうかは不明ではないでしょうか。

そう考えると人に飼われる犬が抱える様々なストレスにより免疫力が十分でないということも考えられます。

犬の免疫力を高めるための手作りごはんやサプリメントだけでは限界もありますがしないよりはした方がマシであることは間違いありません。

 

自分は飼い主としてどうしていたのか?

よく「先生はダニ対策をどうしていたのですか?」と聞かれます。

私は愛犬のオポに対して何もしていませんでした。

フィラリア予防薬は飲ませていましたが当時はダニ除けは入っていなかったのでそれ以上はしていなかったのです。

オポの体にダニがよじ登ってきたのを目視したら手で取り去っていました。

翌日にオポが動いたときに血を吸ったダニが絨毯に落ちたら取り去っていました。

ところが山という環境になじんだオポにはダニが大量に寄生するということがなかったのです。

都会に住んでいたころだったらたくさんのダニを持ち帰ったこともありましたがそれも一度だけです。

山に行く回数が減ってそうなったのだと思っていました。

環境に対して珍しいものが入ってきたらダニという生物も反応してしまいます。

だから都会に住む犬たちはいきなり無理をせずに、西洋医学的なダニ対策をしながら日々の生活で免疫力を高めていってほしいと思います。

ただダニ除けの薬を外したすぐは、一度猛烈にやられることも覚悟してください。

ダニの洗礼のようなものですね、やっぱり受けたくありませんね。

日々の防御策としては木酢液を足元に噴霧するのも有効です。

自分の長靴には木酢液をスプレーしてから歩くようにしています。

私たち人間もダニにとっては捕食対象ですからしっかりぼ防御しましょう。

最近は木酢液のことを話してもみなさん知らないようで「なんですかそれ?」と言われます。

時代なんでしょうね。

木酢液は七山の鳴神の庄という産直物産を販売している店においてありますのでご利用下さい。

自然農園の方もよく利用されています。

 

最後になりますが大切なことをひとつ。

犬の免疫力を高めるために、食事やサプリメントだけでは有効ではないという話をしました。

免疫力とは体のことだけではないのです。

免疫力とは心のこともいうのです。

体を鍛えるだけではく、心(精神)も鍛えられていること。

これが免疫力を高めるということです。

我慢強い犬は強く生きてくれると思います。

我慢強いということは我慢を強いるということではありませんが、

犬は強い動物です。

犬の強さを引き出して尊重してあげましょう。

最後まで読んで下さりありがとうございました。


 

 

 

Posted in 犬のこと, 自然のこと

春の里山で犬とのトレッキングは「好機が来るまで待つ」こと

唐津市七山のグッドボーイハートの家周辺では、ブンブンと羽音が聞こえるようになりました。

梅の花や庭先のサクランボの花に、羽のある生物が集まってきています。

週末の日曜日は3件のトレッキングクラス…。

ということは自分は3回続けてトレッキングをするということです。

以前なら5回の往復は平気だと余裕を持っていましたが、加齢という自然現象の前に慎重かつ慎重にテンションを保ちつつ挑みました。

山歩きが馴れている犬、山を駆け上がっていく犬、初めてのトレッキングなど犬と飼い主さんが豊かな時を積み重ねるひとときを共有させていただきありがたいです。

山の春の天気は不安定で、晴れたかと思えば通り雨、かと思えばお天道様が顔を出すなど上手に付き合っていかなければいけません。

今日は雨だからと家に引きこもってしまったら何もできないのです。

「好機が来るまで辛抱強く待つ

実は犬が一番得意とすることです。

天気がよくなるまで辛抱強く待つ、良くならなかったらそれなりにその時間を楽しむこと。

これが山遊びのお約束だと思います。

愛犬のオポのOPPOはopportunityの意味を含めました。

「好機が来るまで待つ」

これもまた犬と楽しむコツかなと思います。

Posted in クラスのこと, 犬のこと

日頃からテンションの高すぎる犬、実は楽しいわけではないのです。

日本で見かける犬たちは他国と比較しても圧倒的に小型犬が多いです。

運転中に見かける犬たち、パグ、プードル、チワワ、ミニチュアダックス、マルチーズ、シーズー、フレンチブルドッグ、豆柴犬…など、流行を追いやすい日本人の飼う犬は小型犬種に偏っています。

これも都心の住宅事情によるものなのでしょうが、この犬の小型化は少し危険な方向に流れつつあります。

小さな犬→かわいい→抱っこするもの という一方的な愛護の価値観へとつながります。

 

人の一方的な価値観の変化にとどまるのであれば、それに異論を唱えるつもりはありません。

しかし、この犬の小型化+人の犬に対する価値観の変化が、犬の行動に影響を及ぼしているという事実が出てきました。

なので今日はあえて、このことが犬という動物にとって危険で不利益なものであるということを説明します。

 

もし、犬が日常的に以下のような行動をしているのであれば、これはとても危険なシグナルです。

走り回る、

飛び上がる、

尾をふっている、

おもちゃをおいかける、

落ちているものをすぐに口にする、

尾を追う、

穴掘り行動を繰り返す、

ごはんを飲むようにたべる…。

これらの行動は犬が興奮している=テンションの高くなっている行動例のいくつかです。

 

もちろん犬は興奮することがあります。

それは人が興奮することがあるのと同じように「場合によっては興奮することがある」という程度です。

ところが犬の興奮行動が日常化しているとなると、正常な状態とはいえません。

犬の脳内はかなりテンションの高い状態で、何かに執着行動や、同じ行動を繰り返す常同行動が頻発になっているのです。

 

もっと危険なことは、

犬がこのように興奮した状態であることを見た人が「犬が喜んでいる」と勘違いしていることです。

おもちゃが好き

人が好き

来客が好き

ガムが好き

ごはんが好き

…。

なんでも犬が興奮するもの犬が好きだと思い込んではいないでしょうか?

ドッグランが好き

犬が好き

走るのが好き

…。

なんでもこれで片付けではいないでしょうか。

これはとても危険なことです。

犬が発しているストレスシグナルを、犬が幸せだと勘違いしているのですから全く危険なことです。

適切に接し、適切な生活練習を重ねていけば、犬の状態によって期間は異なれど、犬は正常な行動を取り戻していきます。

つまり犬の脳内は落ち着きを取り戻し、リラックス感を思い出していきます。

 

犬は性格で興奮しているのではなく、人がつくった環境の中で興奮を続けてハイな状態になっているのです。

ハイな状態は動物にとっては「幸せ」というのかもしれません。

人であっても「ハイだな」と感じる人はたくさんいるし、本人は自分は幸せだと思っているかもしれません。

でもハイな状態は疲れます。

そしていつかどーんと落ちたり、パニックになったり、壊れていきます。

 

犬たちの悲鳴に気づいてあげてください。

あなたの犬はハイなだけではないでしょうか?

 

過去のブログ記事→犬のとびつき、走り回る行動の理由

Posted in 犬のこと

犬のゆったりとした時間は生活空間の広さでできる。

久しぶりに七山に到着すると、うぐいすの鳴き声で出迎えられました。

だんだんとせわしくなるうぐいすのあの聞きなれた鳴き方も、このころはまだ風情を感じられます。

春が来たのだと実感できる、そんなときです。

七山で過ごしていると一日がものすごく長く感じられます。

私だけでなく預かりクラスを利用していっしょに過ごしている犬も、きっとすごく長い一日を過ごしているではないかと思います。

 

クラスの最中に様々な犬の行動を説明するときに、「時間」と「空間」という素材が犬に与えている影響についてお話することがあります。

自分のテリトリーの中にしっかりとした余裕のある「空間」を持っている犬は、余裕をもって「時間の経過」を感じることができると感じています。

感じています、というあいまいな言い方になってしまうのは、科学的に説明するようなデータがなく、あくまで私個人が犬の行動を見ていて「そう感じる」というレベルだからです。

この曖昧な感覚を、先ほどYouTubeのニュース配信の中で科学者の武田邦彦先生が軽くコメントされたのでびっくりしてブログに記しておきます。

武田氏はこのようにコメントされました。

時間の流れは、空間が小さいほど早い。

空間が倍になると時間は1+4分の1になる。

数式としてあるということでした。

武田先生に後押してもらったようで(話題は全然違ったのですが)自分としてはうれしい限りでした。

 

しかし、ここで大きな間違いをしないように注意点を加えます。

広い場所を犬に与えることが余裕を得られるのだと単純に誤解しないでください。

ドッグランや広場や広い場所に犬を放たれることで、犬にリラックスや余裕が生まれるということではないのです。

犬に時間の流れの余裕を与える空間とは「生活空間というテリトリー」の広さです。

 

さらに「生活空間というテリトリー」は犬が安心して過ごすのことのできる場所になっている必要があります。

「空間」といっても場所さえあればいいということではないのです。

例えるなら、自分の寝室として30畳もの広さの部屋を与えられ、その中にベッドもなにもなく、この広い空間で時間の余裕を生み出して下さいといわれてもそれはできないのです。

安全と安心を自分に得ることのできないただ広いだけの寝室空間は、自分の中に「不安」を生み出します。

結果その「不安」はドキドキを生み出し、心臓の鼓動が早くなると同時にたくさんの時間を失ってしまいます。

有名な本「像の心臓、ネズミの心臓」につながりそうです。

 

だからこそ大切なのは、犬が毎日生きている暮らしの場をきちんと整えること、考えるならそこを真剣に考えることです。

そしてできることから少しずつ、始めなければなにも変わりません。

犬は忙しく生きたいとは思えない。

動物はゆっくりと生きる生き物で、本当なら犬の10年はもっとゆっくりしたものなのではないかと考えています。

私ひとりが考えても仕方のないことですが、そのうち私のとなりにいる人が考えて、そして次の人が考え、そして一頭の犬の生涯が変われば、それだけでとてもうれしいです。

Posted in 犬のこと

特別に教えます!犬と関係を作るために犬を叱る必要はありません。

今日のブログ記事を目にした方は本当にラッキーです。

すごく大切なことですので飼い主さんにクラス中に特別にお伝えするようなことですが、あまりにも多くなってきたので特別に教えます。

気が変わったら削除しますのでお早目にお目通しください。(笑)

犬との関係作りにおいて、犬をほめたり叱ったりする必要がたくさんあると思っているなら大きな勘違いです。

でも安心してください。その勘違いを私もやっていました。

もう数十年にわたって犬のしつけ方やトレーニングを指導してきました。

もっと前の使役犬の訓練士のときにはチョークチェーンも使っていました。

家庭犬のインストラクターになってからは、ごほうび(報酬)トレーニングもやりました。

これはどちらもオペラント条件付けという「強化」の法則にのっとったトレーニングの手法です。

でも今はどちらも犬のしつけやトレーニングの道具として必要としていません。

犬とコミュニケーションをとる過程で「ごほうび」や「罰」の道具を用いる必要性を感じないと同時に、この道具の多様は犬と人の関係性を表面的なものに抑えてしまうと思っているからです。

 

ところが、今でもまだこのドツボにはまってもがいている飼い主さんがたくさんいます。

ほめなければいけないと思っているから、叱らなければいけないとおも思っているのです。

もし、飼い主であるあなたが「犬のことを叱ってばっかりいる気がする。」と思っているなら、いろんなことが誤解されているようなのでここで一度整理しましょう。

いくつか代表的な間違いが三つありますのでここに項目別に説明します。

 

・犬に対する合図(コマンドともいわれる)オスワリ、フセ、マテなどは叱る言葉ではない。

犬に対して、オスワリをさせてください、フセをさせてください、というと、大きな声で「オスワリ!オスワリ!」や「フセ」と怒鳴るように言われることを耳にしますが、これはそもそも間違っています。

オスワリやフセなどの合図は、ひとつのシグナルであって叱るために使う言葉ではありません。

シグナルなのでできるだけフラットな音で「オスワリ」「フセ」と発することができればいいのです。

犬には音声シグナルの聞き分けが人ほどには高くないといわれますが、この三つくらいの聞き分けはいずれできるようになります。

もちろん犬の中には聴覚的に問題をかかえている犬もいるかもしれませんが、視覚的なシグナルで補えばこれも解決します。

特に犬に対して怒鳴るような大声でオスワリをいう風景を見るときには、犬がなんどかオスワリといっても座らない、フセといってもフセないときです。

脅しをかけないとオスワリやフセをしないような状態では、それは合図とはいえません。

「合図はいわれたらするもの」そう教えることの方がよほど大切なのです。

 

・犬がとびついてきたときにダメ!といって叱る必要はない

これを読んで驚きましたか?

「犬に飛びつかれないでください。」というルールはとても大切なルールなのでみなさんにお伝えしています。

しかし飛びついた後に叱っても効果はありません。

飛びつかれた段階ですでに「スキ」があるのですから、それを叱ったとしても悪いと犬が理解することもありません。

「犬が飛びついたときに叱るのでしょっちゅう叱っていて気分が落ち込みます。」と言われることもあります。

これも同じですが、とびつかれないようにすることに価値があるので、そもそも方向性が間違っています。

その飼い主さんの犬に私は飛びつかれることがありません。

だから私は叱ることもありません。

犬に対して「駄目よーダメダメ」と少し古いお笑い芸人の一発芸のような言葉を発しているとしたらもう一度「とびつきをさせない」ということの意味を考えましょう。

犬はやったことしか覚えていきません。

飛びついた後にダメだと叱ることで正しく伝えることはできないのです。

 

・犬がリードを引っ張ることを叱っても、人の後ろをついて歩くことは覚えません。

 

これもよく見る犬を散歩させる飼い主の行動のパターンです。

犬に引っ張られながら歩きつつリードを後ろに引いて「ダメ」を繰り返して叱ることもまた必要のないことです。

二つ目の犬のとびつき例の説明と同じになりますが、犬がリードを引っ張ることを叱っても犬は正しい散歩の仕方を身に着けることはできません。

犬がかわいそうだから叱ってはいけないと言っているのではなく、効果がないからやる必要がないということです。

犬に散歩のさせ方をちゃんと教えたいのなら、もっと違うところから教えていく必要があります。

その方法とは…。クラスの中でご説明していますね。

逆をいうと、犬がきちんと歩いているからと「イイ子、イイ子」とほめながら歩く必要もないのです。

あくまで自分の気持ちを満たすために「おりこう」とか「いいこだね」などのかけ言葉はもちろんかまいません。

やさしい音色の声は犬にも伝わるし、犬は飼い主が満足していて安定していることをすぐに受け取れるようになります。

でも、頭をなでてほめたり、上手上手を犬のために繰り返しているならその必要はないということです。

犬は自分がやるべきことを理解し、そしてただそれをやっているだけ、そしてそのことに犬自身も満足をしていれば、そんなイレギュラーな歩き方はしないのです。

もちろん都心は散歩コースの環境があまりにも乱れています。

これでは犬は落ち着きをなくしてしまうと思うようなコンクリートが続く場所ばかりです。

環境を選ぶこともまたトレーニングの要素のひとつですが、犬を叱ったりほめたりすることよりもずっと重要なのです。

 

今日は特別授業でした。

お役に立てれば幸いです。


 

 

 

Posted in 犬のこと

犬の育成は家庭にあり!自然農園という環境ですくすくと育つ犬くんのこと

グッドボーイハートが家庭訪問レッスンにこだわっている最大の理由をご存じでしょうか?

それはグッドボーイハートの犬のしつけ方・トレーニングのベースは犬が育つ家庭にありと考えているからです。

その家庭という環境の中のひとつ「犬の発育と成長に影響を与える外的要因としての環境」というのがあります。

簡単にいえばこんなことです。

・犬の排泄場所をどこに設置するか

・犬の寝場所をどこに設置するか

・犬の食事をどこでさせるか

・犬の日々の活動をどのようにどこでさせるのか

これらはすべて犬の成長と発達のために整えるべき要素です。

馬の言葉を拝借するなら「犬を家庭で育成するための場作り」といえます。

 

家庭訪問レッスンでは思わぬところを家庭犬のインストラクターである私に指摘されて困惑される飼い主さんもいます。

なぜ排泄場所が室内のトイレシーツではだめなのか?

なぜお庭を犬のために開放する必要があるのか?

犬にとっては動物としての自然な欲求なのですが、犬という動物を理解できなければこの仕組みはなかなかわからないようです。

特に洋犬の純血種を飼われる方の中には、室内完全飼育の意味を取り違えている場合も多々あります。

 

先日久しぶりに家庭訪問レッスンで伺ったご家庭の庭が、見事な自然農園として生まれ変わっていました。

子供さんたちが成長して庭を全く使っていなかったということですが、犬にとっての庭環境の必要性をご説明したところ、すぐに庭の復活に向けて活動を開始されました。

ところがその庭の生まれ変わりは、本当に見事だったのです。

到着したときには「家を間違えたかな?(失礼)」と思ったほどに外観も変化していました。

自然農園では土が生命を取り戻し、草が命を芽吹き、虫が生まれ、鳥がやってきます。

そして犬くんは雑草を食べ、小さな虫を追いかけ、野生動物の見張り番をするようになりました。

何よりも犬のしぐさや目つきや表情に「余裕」が感じられるようになりました。

余裕が生まれるとコミュニケーションを理解する力も発達します。

トレーニングクラスの環境整備といってもここまで自主的に勉強して取り組まれることはまれだとは思います。

でもそのセンスの中に人が犬と暮らしていく可能性を見出せるのです。

だから運転辛い、移動がきつい、でも家庭訪問レッスンをなかなか終了することができません。

 

そこで「野菜の種」をいただきました。

なかなか実行できかった私ですがこの春はとりあえず「種まき」から。

犬が育つ環境を育てる。これこそ犬のトレーニングクラスの学びです。

 


自然農園で成長するフレンチブルドッグくん

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