グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

トップページ
お電話でのお問い合わせ
お問い合わせフォーム

お預かりクラス中に犬たちの対面をさせつつ犬の社会性をみる。

今回の数日のお預かりクラスでは同犬種を4頭お預かりしました。

みな柴犬たちでした。

ここ数年爆発的に流行っているようで、これまでに柴犬を飼ったことがない人が飼われることも多いようです。

他にも、小さいころに屋外飼育で飼ったことのある柴犬を室内飼いとして迎えた方もいます。

また柴犬のマンションで飼育も今や当たり前になりました。

ほんの数年前までは柴犬といえば庭で飼うものだったはずなのですが、犬の環境は激変しているようです。

その時代の変化の中で変わっていく柴犬たちをお預かりクラスで同時にお預かりすると、いろいろと比較も見えてきます。

今回は同じような月齢の若い犬たちもいたので、一対一の対面の時間を作りながら犬に対する社会性のテストのようなものをやってきました。

数日の時間があったので、サイクルを変えたり環境を変えたり、回数が増すごとにどのような反応になるのかを観察していくのはとても楽しいことです。

長い間犬の仕事をしてきた甲斐があったからか、よく見れるようなったことと、感覚的に得られるものが多くなってきたからです。

ただ、この内容を生徒さんにお返ししようと思うと、なかなか思うようになりません。

一番は対面させているときにはビデオ撮影ができないことです。

両手にリードを持っていることもあるし、対面を制御するために両手を開けていたいという思いもあります。

毎度のことですが、誰かがビデオを撮影してくれないかと毎回思うのです。

携帯で撮影したビデオがありますが、一番大切なシーンは撮影できておらず本当に悔しい限りです。

かすかに得ることができた犬の動画をレッスンのときに見ていただき説明しますがそれでも不十分。

やっぱり犬のコミュニケーションを伝えるには犬語セミナーしかないなと痛感しつつ、こから準備に入ります。


 

Posted in クラスのこと, 犬のこと

【愛玩犬】と【赤ちゃん】犬は全く別物だということをご存じでしょうか。

先日のブログ記事で平岩米吉先生が書籍「犬の生態(築地書籍出版」の中で「犬の用途と種類」について紹介されていることを書きました。

その「犬の用途と種類」の中に【愛玩犬】という種類があることもご紹介しました。

平岩先生の【愛玩犬】について記されたことをここに引用します。

愛玩犬(あいがんけん)

どんな犬でも家族の一員として飼われている以上、愛情の対象にならぬものはありません。しかし、一般には、他に重要な役目もなく、ただいつも飼い主のそばにいて、そのさびしさや退屈をまぎらわらす遊び相手となっているものと、特に愛玩犬と呼んでいます。

したがって、愛玩犬はほとんど小型で、優しいものか滑稽なものに限られ、プードル、ポメラニアン(肩の高さ10センチ)、ペキニーズ、(肩の高さ10センチ)、チワワ(体重一キロ)、狆といったようなものになります。

もっとも、なかには、ボルゾイのような大型のものでも本来の猟犬としての使命を失い、その美しい姿だけをあいされるようになったものもないではありません。

犬の生態 平岩米吉先生著書 より引用

犬が人のそばで役割を持っているとすれば、愛玩犬もまた役割を持っているということであり、その内容なここに書いてあるとおりです。

飼い主のさびしさや退屈をまぎらわすためにいるというのは、実際のところ事実であると思います。

犬がかわいいからそばに置いておきたいという人側の都合は、結果として人の気持ちを救ってくれる存在となっているのは、どなたも認められることですし、それは間違っているとは思いません。

むしろ、人の寂しさをまぎらわすために人のそばにいてくれる動物として犬に感謝すべきだと思います。

ただ、大きく間違っていると感じるのは、愛玩犬と赤ちゃん犬を混同していることです。

平岩先生のいう愛玩犬とは、犬としてきちんと成長した小さな犬や姿の美しい犬のことです。

ところが、今たくさん見られる犬たちは愛玩犬ではなく赤ちゃん犬です。

赤ちゃん犬とは、すぐに吠えたり、トイレを失敗するのでおむつをしていたり、散歩中におもらしをします。

赤ちゃん犬は飼い主がいなくなると騒いだり、留守中に家具をかじったり、布を噛んでひきちぎったりします。

赤ちゃん犬は、すぐにキュンキュンというし、飼い主に飛びついてきます。

赤ちゃん犬は、嫌なことがあるとすぐに唸るし、かみつくこともあります。

赤ちゃん犬は、他の犬たちと上手なコミュニケーションがとれず、走り回ったりするけれど普通に会話ができません。

とりあえず赤ちゃん犬は赤ちゃんなので、人のいうことはききません。

つまりはしつけができるような状態にありません。それが赤ちゃん犬です。

愛玩犬として育てるのであれば、きちんとした犬に育てなければなりません。

赤ちゃん犬として扱われている犬は、成長する機会を与えられることがなく、ひとつの犬格として尊重されていないのです。

飼い主としの責任は犬を愛しかわいがることですが、犬を育てることもまた飼い主としての役割です。

平岩先生が現代の小さな犬たちの行動を観られたら、どのように評価されるのかと思います。

愛玩犬でもいいのです。人を救うすばらしい役割だと思います。

立派な愛玩犬に育てていきましょう。

山岳犬・番犬を務めるきいろちゃん



 

Posted in 本の紹介, 犬のこと

犬が人と暮らす本来の役割って何だろう。

古い書籍を見直すと当たり前すぎることなのに新しい感銘を受けることがあります。

今回は平岩米吉先生の「犬の生態(築地書館発行)」の中に思うことがありました。

犬の訓練士になりたいと思った中学生か高校生の手にした本で、当時の私にとってのバイブルでした。

人はなぜ犬を飼うようになったのか?

犬の歴史について考えると「犬はなぜ人と暮らすようになったのか」という疑問がわきます。

犬側からは答えが難しいなら人側から考えます。

すると「なぜ人は犬を飼うようになったのか」という疑問に変わります。

犬があたかも自分の意志で人のそばにいるように考えがちですが、犬は馬と同じように人に飼われることになったイヌ科の動物なのです。

犬に飼われていない遺伝子学的に一番近い動物は野生のオオカミということになりますね。

人が犬を飼うようになった理由は、犬の習性を人の生活に利用する価値があったこと、そして、犬が人に馴れやすく人の言うことに従う動物であったことです。

では、人は犬の中にどのような価値を見出したのでしょうか。

犬にはどのような仕事があったのか?

犬の利用の価値は犬の従順さと高い適応性によって幅が広がり、犬は実に様々な仕事をして人を助けるようになりました。

人は犬を様々な用途で利用したのです。

犬の用途」とは犬がどのような仕事に割り当てられるのかを言います。

冒頭の書籍「犬の生態」の中には「犬の用途と種類」という章があります。

犬の用途の表には犬種ごとに用途別の名称割り当てで記載されいています。

猟犬

番犬

闘犬

そり犬

愛玩

牧羊犬

軍用犬

競争犬

救助犬

警察犬

水中作業

とこんな風にあります。

例えば柴犬の欄には「猟・番」

ゴールデンリトリバーの欄には「猟」とあるのです。

現代の犬たちはどんな役割を持っているのだろうか?

しかし、ゴールデンリトリバーを猟犬として飼っている方はほとんどいません。

さらに、柴犬を番犬として飼っている人もかなり少なくなりました。

では、現在では犬たちは何かの役割を果たしているでしょうか?

今や身近な犬は猟犬ではない、番犬ではない、この犬たちは家庭犬だと言いたいところです。

しかし平岩先生の「犬の用途の種類」には家庭犬という欄がありません。

一番近いもので「愛玩犬」という種別はあります。

でも家庭犬と愛玩犬は違いますね。

家庭犬とは実に曖昧な言葉ですが、人が飼う犬はすべて家庭犬です。

飼い犬という言葉が否定的にとらえられるようになったため、愛護の観点から飼い犬を家庭犬と言い換えるようになっただけなのです。

では、みなさんの家庭犬は愛玩犬ですか?

私と暮らしていた犬は番犬だった。

私も犬と暮らした経験があります。

小学生からお勝手の横に犬小屋があったシロ。

シロは立派な番犬でした。

中学生のころからいっしょに暮らした柴犬の名前はコニー(洋犬の名前ですみません)

コニーもまた番犬として、そして室内ではネズミを追う猟犬として活躍しました。

訓練士になってから迎えたラブラドルリトリバーのオポ。

オポは番犬として非常に力のある犬でした。

テリトリーの番犬、そして私自身のガードドッグでもあり、七山ではガイドドッグとして活躍していました。

どの犬たちもとても優れた番犬で、役割を果たしてくれたことに感謝しています。

そして同時に、彼らは私の家族の一員でもありました。

当然のことながら愛情を注いでも注ぎきれないほど大切な犬たちでした。

終わりに…犬の用途は犬の能力だと思う

犬をただかわいがるものだと思っている飼い主さんにはなじみのない「犬の用途」という言葉に抵抗を感じられる方もいるとは思います。

しかし、犬が人にとって役立ったという歴史があることが前提で今の犬たちはこうして私たちのそばにいるのです。

そしてその人にとっての用途は、犬にとっての役割であり、そこには働く犬たちの姿がありました。

ところが現在、人と暮らすほとんどの犬の用途は「愛玩」になっています。

ただかわいがるための存在、それが「愛玩」なのです。

能力の高い犬たちに役割がないことは彼らの生きがいにもつながりません。

犬の用途という言葉、私にとっては犬の能力と置き換えることができます。

犬は優れた、素晴らしい動物なのです。

彼らの人生の中で、その役割を発揮させてあげてください。

Posted in 犬のこと

子犬を外に出す時期は子犬の社会化形成に影響する。

先日ブログに受講生の声を寄せて下さった生徒さんと話しているときに重要な話題に触れられました。

その話題とは「感想文には入りきれなかったけれど、一番悩んだのは子犬のはるをいつ外に出すのかということでした…。」ということでした。

子犬をいつ外に出すのかという悩み

多くの方がそうであるように、子犬のワクチン接種が完璧に終了してしまうまで待つと、ワクチンプログラムにもよりますが、長い犬になると生後5ケ月まで屋外には出せないということになります。

ところが、室内で生活している子犬をいつから屋外で活動させるのかは、子犬の脳の発達つまり子犬の社会化に直結しています。

子犬の脳の発達のしくみや社会化のしくみについて考えるとき、子犬の脳を良い状態に整える刺激のない室内では、子犬の適切な社会化が実現しないことは考えればわかることです。

ワクチンが終わるまで外に出せないという考え方は10年前に比べるとずいぶんと弱くなってきました。

なぜなら子犬に対するワクチン接種が始まった当初は、3回のワクチン接種が終了して1週間が終わるまで絶対に外には出してはいけないという指導が起きた結果、犬の社会化形成が遅れてしまい吠えたりかみついたりする犬が増えてしまったからです。

この問題が表に出始めた結果が間違った「抱っこ散歩の推奨」につながってしまったというまた違う問題を発生させました。

しかし、一方でワクチンの回数が2回となった病院もあり、以前よりは少し早めに子犬が外に出るチャンスを得られましたが、それでも子犬の社会の機会としては遅すぎます。

感染症を恐れて子犬を室内に閉じ込めた結果、子犬の脳の発達や精神の発達になんの影響も及ぼさないというなら、好きなだけ室内に閉じ込めても問題ありません。

子犬を出す時期を問題にするのは、子犬の性格形成、脳形成において決定的な影響を与えることだからこそアドバイスする側の私としては引くに引けないところなのです。

ということで、はるちゃんの飼い主さんと「子犬を外に出す時期」について私が早く出すようにといい、飼い主さんが迷うという時期がありました。

結果としてはるちゃんの飼い主さんははるちゃんを自分の計画よりも相当早い時期に適切な場所で過ごさせ始めたのです。

結果として、はるちゃんの社会化形成は進み始めました。

飼い主さんは「この年齢まで屋外に出さなかったとしたらと今考えるとぞっとします。」と言われいました。

私が子犬の屋外活動を開始する時期についてなかなか譲らなかった理由がわかってくださったようです。

いつも子犬を見るたびに「この犬がこうしてこの環境の中で社会化を形成するのか」と考えるときに、やはり同じようにぞっとしてしまい尽くす手はないのかと悩むことしばしばだからです。

子犬のワクチン接種のこと

子犬のワクチン接種は狂犬病予防ワクチンのことではなく、感染性の高い犬の病気の複数をワクチンとした混合ワクチンのことです。

数の少ないものだと3種から多いものだと9種まであります。(数はもっと増えているかもしれません。)

この中で子犬期に感染しやすい病気はジステンパーやパルボウイルスでしょう。

病気を正しく恐れることはとても大切なことなのですが、私たちも今感染症と戦っている最中なので言えると思いますが、正しく恐れることとただ恐れることには大きな違いがあります。

他のワクチン接種と同様に、子犬にワクチン接種をしても感染する可能性はゼロにはなりません。

ストレスにより免疫力が低下すれば子犬は病気にかかりやすくなります。

ではストレスにさらさなければいいのでしょうか?

だとしたらガラスの入れ物の中にいれて子犬を飼育しなければいけませんね。

むしろ、ストレスにたいする耐久力を持たせることで子犬の免疫力を上げることができます。

ワクチン接種をして子犬を室内に閉じ込めて子犬を守ってしまっても、子犬の脳は発達を阻害され、子犬期に発達の機会を失った機能性の低い脳をもつ犬になってしまいます。

今子犬が目の前にいるなら

子犬についての質問を上げます。

子犬は日光に当たっているでしょうか?

子犬は風にふれているでしょうか?

子犬は土の上を歩いているでしょうか?

子犬は草の匂いを嗅いでいるでしょうか?

子犬は虫と遊んでいるでしょうか?

子犬は空から雨が降ってくることを知っているでしょうか?

子犬は刻刻と天気が変わっていくことを知っているでしょうか?

どれも子犬の社会化に必要な素材です。

「犬の社会化ってなに?」

もう一度考えて下さい。

小枝で遊ぶ子犬の小鉄ちゃん



 

Posted in 犬のこと

犬の3歳の扉を開けるとそこに待っているのは…。

お預かりクラスをたびたび利用してくれている犬ちゃんの飼い主さんから「3歳を迎えました。」とご連絡をいただきました。

子犬のころから成長を見守らせていただき、七山では我が家のように過ごしてくれているので、あの子犬だったあのコが3歳になったとなると感慨深いものがあります。

「三歳の扉」が犬にとってとても大切な扉であることは、グッドボーイハートの初期のころからずっと言っています。

犬が3歳の扉を自分でちゃんと開けたかどうか、それが犬の行動に如実に表れるからです。

犬の3歳というと人間では20代後半くらいでしょうか。

ともに社会の中でいっしょになって戦える年齢なのです。

もう一方的に守られる存在ではなく、自律した確固たる自分を持っているということです。

精神的には強くなり、興奮することも少なくなり、幼さよりもたくましさが感じられるようになります。

それが3歳の扉を見事に開けた犬の姿です。

誕生日のすぐあとにお預かりクラスを利用して七山に来てくれました。

子犬のころから成長を見てきたダンナくんも「なんか、今までと違うな。あまり興奮しないし、すごく落ち着いて見える。何か変わった?」

とその犬ちゃんの変化にすぐに気づきました。

「3歳になったんだって。3歳の扉を開けたんだよ。」と説明をしました。

3歳というのは3年です。

石の上にも3年ともいいますね。

そして3年は千日。

子犬のころから3年間、飼い主さんと続いた生活の数でもあるのです。

千日、毎日変わらぬ気持ちで向き合い続けた結果が3年がたち、ここにお互いの関係性が出来上がったと言えますね。

長いようであっという間だったと思います。

今までずっと楽しかったように、これからもずっと飼い主さんとの日々を充実させていくのでしょう。

七山では私たちのお供として、これからもよろしくね。

Posted in クラスのこと, 犬のこと

犬の生活環境を整えること:お庭やテラスの目隠しで犬の安心&安全を確保せよ!

犬のトレーニングクラスというと、犬にオスワリやオテを教えることから始まると勘違いされている方がまだまだ多いようです。

犬のトレーニングクラスの始まりは、犬がどのような年齢や状態であろうと変わりません。

犬を迎えたらまずしなければいけないのは、犬が安心して生活していけるように犬の生活環境を整えることです。

例えば子犬の場合には、安心して眠れる場所や排泄場所の確保、犬が安心できる接し方などを身に着けることがトレーニングの始まりです。

犬の環境整備では、犬が安心して活動できるように、ベランダやお庭周辺を整えることも必要です。

今日は、この中で飼い主さんが案外気づいていない犬を不安にさせる環境についてお話します。

それは、お庭やテラスと屋外との境界線の環境です。

庭やテラスから通行人が犬にむかって話しかたり手を出してなでたり、指を突っ込んできたりするようなことはないでしょうか。

通行人が犬に対してこのように接して来られるのは、テラスや庭の低い柵や通気を考えて設置された網の柵が多いようです。

犬がテラスに出ているときに、テラスの向こうから犬を見ていたり話しかけたりする人がいると、犬は大変不安定になります。

もちろん、見たり話しかける人は犬が好きな人なので悪気はないのですが、犬にとってはこの境界線越しに接する行為は、曖昧さにつながり不安を感じさせます。

犬は柵越しに話しかけられると、柵に向かって立ち上がったり、キャンキャンと吠えたり、鼻をならしたり、排泄をしたりするかもしれません。

これらの行動は、犬がその環境で不安を抱えているというシグナルです。

日常的によく来る来客で、室内でも会うことがあり、その人のことを犬が熟知している場合には穏やかな接触ができる場合もあります。

しかし、あまり知らない人や同じマンションの人やいつもそこを通る人で、人側は犬に愛着を持っていても、犬の方が同じであるとは限りません。

実際に、このような曖昧な柵という境界を越して接してくる人に対して、犬が噛みついたという例は少なくありません。

柵を越えて接した人に対する噛みつきの事故は100%人の方がルール違反で犬は悪くないのです。

でも人の方がかみつかれるまでは「今までは喜んで撫でられていた」と主張することで犬が豹変したと思われてしまいます。

犬はずっと同じ主張を繰り返していて結果として噛みつきに発展しただけなのです。

この問題は「境界線があいまいであったこと」。

ただそれだけのことです。

犬にとっての自分の敷地と外部の敷地とでは、直接触れることができない、直接見ることができないことではじめて「境界線がある」と認識されるのです。

中には明らかに外側の人が気づいていないのに、犬の側から外が見えることでわんわんと吠えてしまう場合もあります。

目隠しは境界線をはっきりと作り、犬に対して自分のテリトリーが安心かつ安全であるということを理解させる方法です。

写真は、黒柴ちゃんのご家庭のテラスに作っていただいた目隠しの境界線です。

この境界線があることで、柴犬ちゃんは鼻ならしや立ち上がりや飛びつく行為がなくなりました。

こうした工夫が、本当に犬の立場にたって考えることなのです。

ということは、犬のトレーニングクラスとは「犬の立場にたって考えることを学ぶこと」なのです。

Posted in クラスのこと, 犬のこと

犬のマナーパッドというおむつに違和感がなくなっているのは危険信号です。

犬のマナーパッド、つまり犬のおむつは犬が老犬や病気のときに犬が汚れないように犬の快適性を考えて利用するものだと考えていたのですが、世間ではどうやら違うようです。

つい最近、世界的にメジャーな某ショッピングサイトで犬アイテムを探していたときに、偶然見つけた動画に驚愕しました。

その驚愕した動画とは、犬の玩具(おもちゃ)の紹介動画でした。

トイプードルが人が投げる犬用おもちゃを走って取りに行き口にくわえては持ってくるという動画を繰り返し再生したものです。

そのプードルがなんとマナーバッドをはめているのです。

マナーパッドをはめたままボール遊びをしています。

きれいなスタジオのようなところで床が滑っているのも気になるのですが、マナーパッドが強烈すぎました。

数秒の短い動画なのでその間に犬がマーキングすることもなかなか難しいのではないかと思うのですが、写真スタジオで排泄されるのは困るということなのでしょう。

トイレのしつけができていない犬にボール遊びを教えるとは、驚きしかありません。

子供のおむつを外せないまま計算ドリルをさせているようなものです。

 

これだけマナーバッドが一般化してしまうということは、犬はもはやトイレのしつけはできない動物だとみなが思っているということでしょうか。

犬についての価値観がどんどん変化していくこの違和感をもし自分だけが持っているのだとしたら、と考えるのもまた怖いことです。

犬が完全に崩れてしまう前に、繰り返しですがいいます。

正常な犬におむつは必要ありません。

正常で健全な犬に排泄のトレーニングができないのであれば、やり方が間違っているか犬の生活環境にかなりストレスがかかっている可能性もあります。

犬にかかる最大のストレスとは、テリトリーに対する不安感と、人や他の動物(犬や猫との社会的な対立構造です。

気づいたら変えてあげましょう。

変えるのは犬ではなく環境の方です。

Posted in 犬のこと

犬がかかってはいけない一番怖い病気とは何なの?

毎日がウイルスとの戦いの日々となってしまった「マスクをする動物」である人間たちを犬がどう思っているのかと考えています。

先日、訪問レッスンのときに小学生から質問を受けました。

「犬がかかってはいけない一番怖い病気ってなんなの?」

という質問でした。

 

そうだね、一番怖い病気は狂犬病だね。

質問者はどうやら狂犬病のことを学校で聞いたことがあるらしく「噛みついてくるようになる病気があるんだって」と言っていました。

そうそう、その噛みついて狂ったようになる病気のことを狂犬病というです。

狂犬病になってしまうと100%死んでしまうという恐ろしい病気なのだということを説明しました。

同時に、狂犬病には予防するワクチンがありすべての飼い犬が接種することが法律で義務付けられています。

定期的なワクチン接種で狂犬病の感染を予防することが可能で、人を守る法律であると同時に犬を守るワクチンでもあります。

狂犬病は犬からすべての哺乳類に感染するため、ネコなどが感染していても決して不思議ではありません。

人に蔓延したすべての感染症は野生動物から始まっているということらしいのですが、犬は野生動物とは見られないため、クリーンだと思い込みすぎなのはあまりにも危険です。

もちろん犬は適切な管理で、人に感染する病気を予防し、衛生に保つことで共に生活をすることができます。

人間との生活も長く、人にも自然と犬がもつ細菌にたいする抗体もついてくるでしょう。

それでも赤ちゃんや小さな子供さんとの接触には十分に注意してほしいのです。

ただし、人の生活に犬を組み込むために必要以上のシャンプや被毛の刈り込み、消臭剤の利用、投薬のし過ぎやお洋服や靴下、マナーパッドなどなど、動物の尊厳を奪うようなものを使用することはやめましょう。

お互いに尊重と敬意を持つことができる距離とそれに必要な環境があることがまず優先事項なのです。

 

今回の質問を受けたことで感じたこと。

感染しないようにする行動を教育することが、子供に対して病気について考えを巡らせることになっているのだなということ。

自分の周囲にあるものに対して小さな疑問を抱くことはとても大切なことで、次は正しく理解することです。

正しく恐れるということが大切なのでしょうが、動きのわからないウイルスについては専門家の方々もそれぞれ意見が違います。

あとは最後には自分自身で考えるという姿勢は絶対に必要だと思います。

犬のしつけ方についても同じです。

いろんな方法や考え方があるけれど、最後は自分でも考えることを忘れないでください。


 

 

 

Posted in 犬のこと

映画「グレース・オブ・モナコ」の中に見る純犬種犬の行動と役割

映画を見るときにも映画の中に出てくる犬の行動がいちいち気になって仕方がないのは、もはや職業病だとは思います。

スクリーンの中の犬の姿があまりにも擬人的のときは嫌悪感がしてみるのを止めることもあります。

日本のテレビ番組で犬を見る気にならないのも同様の理由です。

しかし、中には映画の中で犬という動物について明確に記されているものもあります。

少し前に見た映画「グレース・オブ・モナコ」に出てくる犬もそうでした。

この映画はグレース・ケリー・モナコ王妃の自伝的ストーリーです。

ハリウッドの映画スターであったグレース・ケリーがヨーロッパのモナコ王の王妃となったことはまだ歴史に新しく覚えのある方も多いかと思います。

映画の舞台はモナコ王室で当時の貴族たちのきらびやかで豪華な生活を映画としてみることができます。

細かく再現することに意味のあったこの映画では、当時の貴族が飼う純犬種の姿もまた正確に再現されていると感じたのです。

最初に登場した犬はスパニエル系の大型犬2頭です。

グレース・ケリー王妃が貴族として作法を学ぶために通った貴族の家にその犬はいました。

最初にスクリーンに出てきたときの犬の姿は「フセの姿勢」。

2頭とも尾を振ることもなく顔を動かすこともなく、微動だにせず「フセてマテ」の待機状態で室内の暖炉の横当たりにいました。

犬の伏せている部屋で貴族の男爵がグレース王妃と会話をしています。

知らない人が見たらきっと「置物」だと勘違いされると思います。

場面が変わると城の庭部分を男爵と王妃が一緒に歩いています。

その横を先ほどの2頭の犬たちが駆け抜けていくのです。

庭では一定のルールを守れば活動を許されているということなのでしょう。

生き生きと走り抜けていく姿が非常に気持ちが良く「仕事終わった!さあ遊ぼう。」という雰囲気が出ています。

 

別のシーンに登場したのは、トイプードルです。

王室の子供が大人の会議中に地面に座ってトイプードルと遊んでいます。

トイプードルはまるで玩具、子供を傷つけないようにしつけをされている様子に見えます。

怯えもなく、小型犬特有の表情のなさはありますが、緩やかに動きを表現しています。

もちろんトイレシーツなどありませんし、マナーパッドなどしていません。

 

犬という動物を考えるときに、まずは犬という動物であると考えるのが始まり。

そしてその枝として純血種という犬について考えてみる必要があります。

純犬種犬は人が必要としたために作られた人為的繁殖による犬種です。

使役犬としてのはじまりはあったものの、現在の純犬種として系統立てたのは貴族の利用によってです。

貴族そのものが血統と純血にこだわる必要のある存在ですから当然のことです。

純犬種は系統事に役割と形が決められていました。

まさに貴族の階級制と同じようなものです。

純犬種はヨーロッパではひとつの文化であり伝統でもあるのです。

形と用途の両方が受け継がれているのかどうかは実際に見たことがないので不明ですが、その文化の中にいた犬の姿をこの映画では見ることができました。

この映画に出てくる犬の姿を日本人なら「かわいそう」というかもしれません。

しかし小さな室内に閉じ込められている犬を見てヨーロッパの犬を飼う方が目をそらしているとしたらどうでしょうか。

貴族のように純犬種を飼うことを進めているのではありません。

実際にはそんなにスペースもないですし、そんなことを言ったら犬は飼えません。

しかし犬のことを理解せずに犬を幸せにすることはできないというのは真実です。

犬は屋外の動物であり、犬の習性を崩さない、その上で犬を活用してきたという意味では純犬種という文化をもつヨーロッパの人々の中に学ぶこともあります。

しかし文化も永遠ではありません。

純犬種が生まれて200年近くがたとうとしています。

繰り返される人為的繁殖にどこかでひずみが生じるころです。

犬と暮らすなら犬のことをたくさん学んでください。

それは犬との暮らしを楽しくすることに必ずつながっています。


 

Posted in 本の紹介, 犬のこと

エルエルビーンのドッグベッドのサイズ選びで悩む方へ

グッドボーイハートではおすすめのベッドといえば、あの高価なエルエルビーンのベッドです。

あまりにも高値のために別ブランドのベッドで試した結果、結局エルエルビーンにたどり着いたという飼い主さんもいます。

「買う」と決めたけど難しいのはサイズ選びです。

どのサイズがおすすめですか?

と聞かれることもあるのですが、大きい方がいいのか、小さめがいいのか、犬にもよるしお部屋のサイズのこともあります。

また子犬のときだったら少し大きなものを買う必要がありますね。

参考にと、生徒さんたちからご提供いただいた犬用ベッドの写真をアップしておきます。

お部屋に応じて大小を使っている犬ちゃんもいます。

Mサイズリビング用



コーギーのメイちゃんは2台持ち。

リビングには大きなサイズを利用しています。

よくゴロゴロと転がっていて、大きいものにしてよかったと言われています。

寝室用にSサイズのベッド



寝室の冬用にはSサイズを利用しています。

丸くなって寝るのにちょうどよいらしいです。

Sサイズ 体重は6キロ



ジャックラッセルテリアのダンちゃんは、過去に準備したベッドをボロボロに噛みちぎり振り回した結果、エルエルビーンのベッドをついにかってもらいました。

ベッドの下のベッド台はお父さんの手作りですね。素敵!

「なんで、このベッドだけ噛まないの?」の質問に、エルエルビーンさんからの返答が欲しいですね。

Sサイズでダブル



2頭でお揃いの色のSサイズのベッドです。

刺繍はブランドでしてくれるのですが、モモちゃん、ネネちゃんはお母さんに刺繍をはってもらいました。

来客のときには各自のベッドで寝ています。

Mサイズ 子犬から成犬まで



子犬のときのはるちゃん。

大きくなっても使えるようにとMサイズを購入されましたが、大きく育ったので良かったです。

Sサイズの端っこにいます



ミニチュアダックスのモナカちゃん。

小さなベッドを振り回していたのでLLビーンを買ってもらいました。

このベッドも持ち運びにチャレンジしていましたが最近はよく寝ているようです。

Sサイズのベッドを愛用するサクちゃん



かなり年期がはいっているお気に入りのベッドに寝るサクちゃん。

購入してすぐに利用しなかったのですが、慣れてくるとこちらが気に入ったようです。自分仕様になっていて居心地がよさそうですね。

お留守番中はよくここにいるそうです。(カメラで確認)

Lサイズ ゴールデンリトリバー



クールちゃんは、最初は円形のベッドを利用していましたが、今そのベッドは寝室に移動になり、リビングにはLサイズのベッドで寝ています。

顔をこすりつけているらしいです。

Lサイズ ラブラドルリトリバー



黒ラブのメイちゃんはベッドの上で木をかじっていることが多いですね。

ベッドというとすごい速さで移動するのはさすがにラブですね。

 

サイズ感つかめたでしょうか。

小さな犬と大きな犬はあまり迷いがないでしょうが、中型犬が一番迷うところでしょう。

迷ったらひとつ上のサイズ選択がおすすめかもしれません。

お値段の高いベッドですが、子犬のころに買っておけばずっと使えるのですから、値段相応の価値はあるかと思います。

 

関連ブログ記事↓

<おすすめのアイテム>私が犬なら絶対におねだりするベッド:LLビーンの犬用ベッドがお買い得!

<おすすめのアイテム>犬用ベッドを考えるとき、しつこいようですが絶対におすすめするLLビーンの犬用ベッド

Posted in おすすめのアイテム, 犬のこと Tagged ,