グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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リンゴのはなし・完結編

1月のこのブログでリンゴとオポと鳥についてのお話をのせた。
鳥が食べつくして終わったと思ったリンゴのはなしには続編があった

雪解けまじかの2月の出来事。
春の兆しにオポもなにやら忙しそう。
庭のあちこちで芽吹く草のにおいをとってご満悦である。

優秀な鼻は雪の中になにか大切なものをみつけたらしい。
鼻を地面に押し付けて真剣な面持ちである。
そして、ついに行動を開始した。
雪を前脚で細かく掘り起こし始める。

雪の中から出てきたものはリンゴの一部だった。
木の上に置いたリンゴを鳥たちが食べ
食べつくしてしまったのだと思っていたけど
つついているときに小さくなったリンゴが地面に落ちたようだ。

リンゴの上に雪が降り積もりリンゴの居場所を知る動物はいなくなった。
そして大雪が解け始めて、地を歩く動物に運が回ってきた。
暖かくなる日々の変化でリンゴは少し茶色になって発酵を始めていた。
犬にはちょうどたべごろである。

こうしてリンゴはそれぞれのおなかにおさまっていった。
犬ナティボも勝利の声をあげた。

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明後日、3月3日から犬・ナティボコースがついに始まる。
クラスを通してまた犬ナティボの新しい発見があるかもしれない。

Posted in 日々のこと, オポのこと

ナティボなこと

今年はリンゴをたくさんいただいた。
寒冷地でタフな食べ物は貴重な食材。このリンゴたちは私とオポのエネルギーの糧だね。

いただいたリンゴをテラスの椅子の上に乗せておいた。
戸口を出入りするたびにオポのセンサーが反応する。
椅子の上のリンゴをみたまま静止してなかなか戻ってこない。
このセンサーは私につながっている。
「ああ、見つけたのね。でもこれは今食べられないよ。」

こうしたことはなかなか伝わりにくい。
特にテラスというテリトリーは微妙なのだ。
室内でもなく、屋外でもない、お互いに判断が下しにくい場所でもある。

それでリンゴを置く場所を変えてみた。
私の頭よりも高い棚の上。
この位置であればオポのナティボも納得する。

理解しがたいことを説得するよりも 犬の本能に働きかけた方が早い。
オポは棚の上から漂うリンゴの臭いをキャッチはしたが
それを口にできない葛藤は生まれなかったようだ。
あとは熟して落ちてくるのを待つだけだ。
これで万事めでたくおさまったかのように思えた。

ところがある日…忘れていたことに気づかされた。

それは、鳥ナティボ(本来の鳥)である。
静まり返った冬の日々にひたり、動物たちの存在を忘れていた。
鳥に獲付けなどするつもりはなかったが、鳥ナティボの勝利を祝って、さくらんぼの木につつかれたリンゴを移動させた。
突然現れた実に、この辺の鳥たちは忙しくなった。
モズから、カラス、そしてトンビまでが集まってきた。そしてリンゴは1日でなくなった。

動物たちには分かち合う力がある。
食べる順番もちゃんと決まっている。
捕食する動物だけが得をしているのではない。
必要以上に採らなければちゃんと自分の分は回ってくる。
必要以上に採ると自分の分もなくなってしまう。
ルールを決めた動物はいない
調和を学んでいるだけだから。

だからナティボはすばらしい。

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Posted in 日々のこと, 自然のこと

雪の日

外は小雪が舞い始めた。
寒波到来のニュースにドキドキしながら気温が下がるのを肌身で感じる。

こんな冬のある日の出来事。
路面が真っ白の日に、どうしても下に降りなければいけない要件があった。
チェーンとスコップを車に乗せて滑る路面を確認しながら山を下る道で道路脇の大雪の中に前輪を乗り上げた軽自動車と遭遇した。
道の脇のガードレールはちょうどその切れ目にあたっていて車がバランスを崩せば危険な状態である。
土地の人でもスリップすることあるんだな、と車を降りた瞬間に足をすべらせた。
結構凍ってるんだ。

「大丈夫ですか?スコップありますけど使われますか?」と声をかけてみる。
「おお!いつもつんどうとやけど…」とスコップを受け取られた。

私の脳は「チェーン装着」と判断。
「チェーンつけてますので使っていて下さい。」の言葉に
「あ?チェーンやらいらんよ。この先は雪はなか。おいは遊びおったと。」
・・・遊んでた?この凍結した路面の上で?

その方はこの会話の間に数回スコップで雪をかくとアクセルを思いっきりふかして180度スピンして車の方向を反対に向けそして行ってしまった。

それはまるで、山道で遊ぶたぬきを見つけて車の中から見ていたら、こちらの姿に気づいてあわてて逃げて行ったのを見たときと同じ感覚だった。

なんという余裕。
何時にどこまでいかなければいけないということもなく、今ここにあるもので十分に楽しむことができる。私なら「失敗」ととらえそうなことも「遊び」に変わる。

余裕というのはあるところにしかない。
そのスペースを空けるのは自分しかない。

このあと、何時にある場所へ行かなければならなかった私は車を走らせた。
少しだけ余裕のある自分を取り戻して。

積雪

Posted in 日々のこと

珍しいお客様

変わらぬ雪の続くある日、グッドボーイハートへ珍客があった。

近所の子供たちが庭で雪遊びをしていたときにそばで親子で遊んでいたようだ。
そんなこととは知らず、オポを庭に出してしまった。
目があって猫が走り出すとオポも追いかけ、親の方はすぐに退散。
子供の方は逃げ遅れて薪台の下にかくれていた。

この親子の来客は近くの家猫である。
いつも子供たちが外で遊んでいるときにはそばにいるのを見かける。
子供たちを守っているかのようにみえる。

近くの「彼」の家族なので犬&猫のツーショットでもみることができる。
この日もGBHへきていた子供たちの声にひかれて庭にやってきたようだった。
黒くて大きいのがいることを知らなかったのかな。

私が都会で知っている猫たちは人を見ると、逃げるかニャーニャーいって近づいてきていた。
この猫たちは逃げもしないし、とにかくニャーニャーいわない。
人に要求することもそんなにないのかもしれない。

こうして猫が自由に行動しているのをみると、なぜか安心感を覚える。
自分の自由が重なっているような。
都市では家の中から出られない猫が増えているらしい。
「家の中で自由…」は“自由”とはいわない。

動物の暮らしは人の暮らしによって大きく変わる。
人は暮らしを選択できるが、人に飼われる動物はなかなか選択しがたい。

春になったらまた庭で狩りのお手本をみせてくれるだろう。
黒くて大きいのが来たってなんてことないもんね。

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Posted in 日々のこと, 自然のこと

となりの犬:微妙な境界線で微妙な関係を保つ犬たち

グッドボーイハート七山校、つまり「オポ邸」の入口を護るのはオポと私の共同作業。
私よりもオポの方がセンサーが格段にいいことは言うまでもない。

お客様や宅配便、そして近所の動物たちのどんな来訪をも気づかぬことはない。
ところがただ一つの動物だけがゲートのフリーパスをオポから渡されているようだ。

彼の足あとである。
ゲートの下をくぐって入ってきてゲート沿いに反対側まで歩きふたたびゲートの下からくぐって出て行った様子である。

普段は犬が臭いで見ているものを、雪の日にはその足跡を目でみることができる。
雪の日は人間の私にとって彼の来訪回数がわかりやすく雪の日の楽しみにもなっている。

私たちが山に行っている間に来訪されたようでオポが柵越しに様子をうかがっている。

「彼」というのはオポの住処に最も近いところにテリトリーをもつ犬のことだ。
オポよりも若い昔流行ったスピッツ犬の風貌を思わせるような伝統的ミックス犬である。

オポの姿が見えれば柵越しにあいさつに来ることもあるし
オポが庭にいないときに柵の中に入ってきてもオポはなにも言わない。
もっとびっくりするようなことだってあった。

オポと彼には線をひくような境界線がない。
彼が来たときにゲートを開けても、オポは彼を追ったりはしない。
ゲートから少し入ったところまでは来るが山に上がろうとするのを見たことはない。
この犬達の間に結ばれているものは、都会では見ることができなかった。

人間にはさほど関心がないようで私が立っていても近づいてくることもない。
その彼が、今日はめずらしく私に関心を示してくれた。

雪のため車を下の道に止めておいたからだろうか
車を止めていたのは彼のテリトリーだった。
車で作業をする私のそばを離れず
私が車から降りると近くまで来て臭いとりをして私を確認する。そして自分の家へと帰っていった。

彼の見回り(嗅ぎまわりかな?)は1日数回。
雨の日も雪の日も、つないである紐が外されている限り欠かすことはない。

オポと彼の不思議な関係は
オポと私の中での未知なるものであり、犬の不思議な世界を教えてくれた。

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Posted in 日々のこと, 犬のこと

納めの日

古い資料の整理をした。
11年前に作ったプリントが出てきた。

11年前…。専門学校の講師の仕事を受けたときだ。
オポとはまだ出会っていないころ。随分昔のことのよう。

学校の授業の内容の組み立てとして作ったそのプリントは
「何のためにトレーニングをするのか」という題目で始まっていた。
その中にこんな言葉が走り書きされていた。

共感、信頼関係、安心感、理解、自立、社会性、協調性、自信

いろんなことをやってきたように感じていたけど
目指していたものは何も変わっていなかった。
出会ったものは、道で得た喜びや気づきに過ぎなかった。
これを目指して来たから今があるのだと
与えていただいた全てのものに対し改めて感謝の気持ちが生まれる。

オポとここに移ってきたときに植えていただいた柿の木。
今年やっと私の背丈を追い抜いてくれた。
そして、はじめてかわいい花のようなものをつけた。

遠回りをした私につきあってオポがここにたどり着いたとき
随分と年老いて疲れきっていた。
植えたばかりの小さな柿の木をみながら
この柿の実が落ちるころにオポがそれを食べることを信じようと誓った。

木は育ち、オポの命は輝きを増した。
そして、私は探していた犬との関わりを通して気づきをいただいている。

生きて輝いていることだけがすばらしいのだから
生きがいというほどのものはいらないのかもしれない。
このことは私にとって生きがいというより日々の喜びでしかない。
ほんの一瞬の喜びを共に感じる仲間たちと過ごした今年の納めの日。
それにふさわしい静かな山。

今年をきちんと納めて、
オポのいう「現実と現実を超えたものを結んでいるものについての学び」を
変わらずみなさんとご一緒いたしましょう。

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Posted in 日々のこと, オポのこと

毎日の散歩

朝、窓の外を見ると…
これは非日常ではない。これは現実だ。

玄関の前に、一晩かけて屋根から落ちてつもった雪。
家の周囲がこの雪の小山に囲まれている。
室内の気温は1度。
脚まで埋もれる雪にオポの足取りもいつもと違う。

そんな今日も、いつもと変わらず山へと歩く。
私はセーター、防水ジャケット、帽子、手袋、厚手のソックスと…防寒準備を怠らない。

オポはいつもと変わらない。
生涯をかけて1着の極上マイ毛皮とカギのついたゴム靴がある。
アンダーコートの薄い毛質なので防寒力はそれほどないと思える。
見に付けているのは山と暮らして得たもの。
「ないものは補えばいい」は、オポが教えてくれた。

雪の日は一面が白く道が見えない。
オポの足あとに自分の足を重ねて歩く。
犬は迷わない。天下一品の鼻があるからね。
尾根の脇の若木たちはその葉に雪をのせて頭を深く垂れている。

同じように私も頭を深く垂れたまま前進。
昨晩の雪は長く降り続いたみたい。
動物たちの歩いた跡も見つからない。

山の中でオポの耳をさわってみた。
あたたかい。

木をかじっている。この季節にしか得られないハーブ。
いろんな命が君と共にいるんだね。

雪解けの水を吸って、木々たちは一層輝いている。
この雪を迎えるための毎日の厳しい寒さが
動物の体に準備を促してくれる。

私も家につくころには汗びっしょり。
もう、そんなに防寒しなくてもよくなったのかな。
皮下脂肪っていうのが増えたってことね。
見かけより機能だよね、オポ。

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Posted in 日々のこと, オポのこと

雪化粧

この冬初めての真っ白なおしろい。

やはり油断は禁物だった。
唐津の平地では雨になるこの天の水はこの地では雪に変わってしまう。

トレッキング予定日だったこの日、昨日から「雪…大丈夫ですか?」の連絡が入ってくる。
大丈夫かどうかは私にもわからないんだけど、危険と感じたらみなさんは近寄るべからずです。

結局コース変更をして車を乗り換え、雪舞う中でのトレッキングとなった。
犬は大興奮。
厳しい冬を越えた遠い昔の記憶を思い出しているのかな。

さて、家に帰る準備は男仕事。
力まかせにチェーン装着をしなければならない。
応援を受けて今年最初のチェーン装着は気合はあるけど手間取った。
まだまだ腕力が足りないらしい。

これ以上腕力がついたら大変なことになりそう。
必要なものは与えられるってこんなこともそうなのかな。

雪道では車の運転も方向を失いそう。
寒い部屋の中に待つオポの元へと戻る道で、雪をも溶かす勇気をいただく。
どんなときにも、家族がいるって心強いね。

こんな日に家の中ではそうすることもない。
片付け、掃除をして小豆を煮ようかな。

こんな季節もそう長くはないので、どうぞお越し下さいませ。
チェーンの装着くらいはお手伝いできるかも。
それと腕力の付け方説明書もつけときます。

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Posted in 日々のこと, 自然のこと

仲間のお仕事

雪の精がやってきた。緑もしばらく見られなくなりそう。
夏の間歩いていなかったわんこ山のある場所にふしぎなものをみつけた。

なんだかお面みたい。
知人の虫博士に聞いたところ“ドロバチ”という蜂の巣ではないかということでした。
蜂の母さんが幼虫と餌の昆虫をこの泥の家にいれておくと
幼虫が育ってから自分からこの家に穴をあけて出て行くんだって。

だから3つの穴は幼虫が育つときに旅立った戸口ということ。
でも、もうこの家にはもどって来ない。だから今は空き巣状態。

昆虫たちの季節にこの周辺は通ることを許されていなかった。
巣があるから近づかないでっていうことだったのかな。
誰にも教わらなくても生きていくために必要なことはちゃんと知っているんだね。
ひとりで旅立つことを怖いとは思わないのね。

山の中で冷たい北風に鼻先をあげ
背中をまっすぐにのばして座り
しっかりと眼を開いて微動だにしないオポ。

同じく背筋を伸ばし、寒くないふりをしながら
「やっぱり首巻はもっとあったかいのにしとけばよかった」
と思う私。


なかなか追いつけないけど毎日の素敵な時間。
昆虫たちに負けてはいられない。
来年の夏の陣を乗り切るためにはこの冬どう過ごしたかが勝負。
オポ先生。お手柔らかに!

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Posted in 日々のこと, 自然のこと

さがしもの

ブログの更新が進まずすみません。
みなさんとできるだけ会ってお話しするようになると
あれもこれも…もうお話したよなと、ついついさぼってしまいました。

秋のつめたくて心地よい風。
忍耐の夏を越し私たちもようやく山へと復活しました。
昨日はたくさんのお手伝いのみなさんが集まり今年最後の「草刈大会」
副題は「妄想から瞑想へ!」

そうなんです。
草刈は実は瞑想タイムに変身するんです。
好評なので定例化してしまい毎月開催されている草刈大会ですが
最初のお誘いのときにはたいていみなさん 「えーと…私はいいです。」
と、警戒信号を出されるのですが、いざ鎌を持たせると突如変身。
結構たのしいでしょう?

草刈大会の後はもちよりのお昼ご飯をいただきました。
秋のごちそう
自前のしいたけは大きくなりすぎちゃいましたね。
この季節のオポの好物といえば「むかご」
自分で探してとって食べています。
トレッキングコースにはたくさんあっていつもオポをそこまで連れていっていました。


実は、思わぬところにあることを知りました。
メッセージを届けてくれたのはすずめたち。
ここ数日、早朝に1時間ほど雀たちがうちに立ちよるようになり
朝の集会の様子をよく観察すると ン?何かを食べている?灯台もと暗しでした。

探しているものって結構身近にあるんです。
遠くまでいかなくてもいいのかも。
必要なものは全て与えられているから。

さあ、山へ。今日も素敵な時間が訪れます。

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Posted in 日々のこと, 自然のこと, オポのこと