家庭訪問レッスンに伺ったときに、室内に貼り紙をされているのを見かけることがあります。
今回も素敵なレッスン用の貼り紙を作成されていた生徒さんがいたので撮影させていただきました。
トイプードルのモコちゃんの飼い主さんが作成したものです。
この張り紙には、モコちゃんの家庭訪問レッスンを続ける中でいくつかできた家庭内のルールをまとめてあります。
レッスンのたびに細かくメモを取られていたので、それを飼い主さんなりに箇条書きで書き出されたものですがとてもよくできています。
家庭訪問レッスンでは毎回、子犬の成長に合わせて接し方の注意や練習する課題が出ます。
ご家族の総意で始まったレッスンですが、子犬育ての中ではお互いに自分なりの解釈ややり方が出てしまうこともあります。
これが行き過ぎると、子犬の方はとても混乱して不安定な行動をするようになります。
家族によって違う接し方をすることが、子犬を不安定にし葛藤させることになるからです。
トイプードルは赤ちゃん気質を持つ個体が多く、それは可愛らしく感じられることもあるのですが、上手に接していかないと社会性の未発達状態が続くことになります。
結果として子犬の脳の成長にも大きな影響を与えます。
家族間で接し方が違いモコちゃんがストレスを感じ始めるようになったピーク時のレッスン後にこの張り紙を作成されたそうです。
私が貼り紙を確認したときには、モコちゃんの状態は以前と比べると驚くほど落ちついていました。
カウンセリングの時に「クラスを受講しても犬のしつけがうまくいかないことがありますか?」というご質問を受けることがあります。
犬のしつけが上手くいかなかったケースの中の多くをしめるのは「家族が協力関係になくしつけに無関心な方がいるとき、もしくは家族間に対立があるとき」です。
みなが犬のことを考えていたとしても、それぞれが自分なりの考えで接してしまえば家族間、つまり群れとしてのルールや規則はないことになります。
人側からすれば個々の人間には思うや考えはあるのでしょうが、犬からしてみればまとまったものがなければ群れは虚弱なものですからそんな環境で健やかに成長することはできません。
犬は1歳半くらいまではゆっくりと成長します。
また、人の成長と同じようにいいことばかりではありません。
しつけは終わっても犬との関係作りはずっと続きます。
家族内の規則やルールは犬の成長に合わせて緩やかに変化していきますが、犬と飼い主の関係性は変わることなる緩いものから強いものに変化していくはずです。
そのベースを支えている群れのルールはとても大切なものなのです。
モコちゃんはしっかりと自分で歩き始めています。
それを支える強い家族がモコちゃんをバックアップしています。