グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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新クラス「ドッグホームセラピスト講座」ご案内

グッドボーイハートのドッグタッチクラスが新しく生まれ変わります。

従来のドッグタッチクラスから、ドッグホームセラピスト講座へとバージョンアップしました。

ホームページへの更新が追いつかないため、こちらのブログで紹介させていただきます。


ドッグタッチクラスは、ドッグホームセラピスト講座の基礎編として開講します。

ドッグホームセラピスト講座の主旨は、飼い主さんが犬のお世話をするにあたり
ごはんや散歩などのお世話から、さらに一歩先のドッグケアをご家庭で実現するために開講するものです。

ドッグケアはご家庭での犬に対する手当てです。
この手当ては、治療を目的としたものではありません。
対等なコミュニケーション、そして心身の触れあいを通したサポートを目的としています。


常日頃から、グッドボーイハートのクラスの中では特に、
犬との接し方、犬に対する触れ方に一定のルールを持って下さるようにお願いしています。

ルールは相手を尊重するという接し方です。
ドッグホームセラピストも同じように、犬を尊重するという姿勢を実現する講座です。

以下が講座の概要です。



●ドッグホームセラピスト講座 <ドッグタッチ基礎編>


犬のためにできることをしたい、犬のことをもっとわかりたいという気持ちは、
飼い主のなかに自然に生まれるものです。

でも、気持ちだけが先走り情報に左右されてしまうことで、犬との大切な時間を失ってしまうこともあります。

ドッグホームセラピスト講座は、日常の犬のケアを情報に左右されることなく、
飼い主おひとりおひとりが犬と対話しながら自宅でできる犬のためのケアを身につけることを目指しています。

ケアの方法ではなくお互いの関係に重点をおいたクラスです。

ドッグホームセラピスト講座 <ドッグ・タッチ基礎編>
ドッグ・タッチ基礎編は、犬が必要としているときに、
飼い主さんが「手当て」を行えるようになるためのクラスです。

人と犬が対等な関係を築き、本来の「ふれあう」という
相互のコミュニケーションをより充実したものにすることを目指しています。

犬の心身の健康のために、そっと手を添えることで、
犬の日々の心身の健康のお手伝いをすることができます。
日常的な「手当て」が動物の心を安らかにすることを知ってください。


対象 ご家庭でできるドッグホームケアに関心のある飼い主さんにおすすめするクラスです。
※咬みつきの問題がある場合は、別途カウンセリングクラスでご相談ください。

場所 家庭訪問 ※遠方の方に限り通学でのご利用可

時間 1回100分~120分 3回 

料金 料金:20,000 円(税別)※訪問エリアは出張交通費込み

クラスのお申込・お問い合わせ先 GoodBoyHeart TEL092-409-0479 MAIL:goodboyheart7@gmail.com
もしくはお問い合わせフォームよりご連絡ください。

・ご希望の受講生にはドッグホームセラピスト認定証を発行します。


ドッグホームサラピスト講座には、基本の手当て「ドッグ・タッチ基礎編」の後に
「老犬介護編」「ブラッシング・お手入れ編」など、
日常の犬のお世話を対話と癒しの時間に変化させる講座を準備中です。


みかんドッグタッチ

Posted in クラスのこと, お知らせ

山歩きが犬にもたらす不思議なもの:山歩きのクラスを開催しました

昨日からお預かりクラスを利用して、お泊まりにきてくれている犬くんがいます。

グッドボーイハートのお預かりクラスは、グッドボーイハートでクラスを受講されている生徒さんの犬だけが対象の特別クラスです。

さらに、その中でもクレートトレーニングが完了していること、トイレトレーニングを進行中もしくは完了していることが条件です。

今回、お泊まりに来てくれた犬くんは、熊本地震によって保護された犬くんです。
ご縁があって、グッドボーイハートで学ばれたことある方の家族として迎えられました。

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熊本県は保護施設が大変な状態になっており、保護された犬たちにもいろいろと難しい面もあります。
特に子犬期にたくさんの犬がワンワンと吠える施設で育っていますので、社会化にも時間がかかります。

保護されてから半年。

迎えた飼い主さんの熱意と愛によって、保護犬くんは立派に家庭犬として成長していきました。


そして、今日はその預かり犬くんをお山歩きをするグループクラスに合流させて
いっしょに行動する勉強もしました。
もちろん、飼い主さんたちも犬語セミナーなどでよくお話しされていて、事情も知っており
お互いに協力してやっていただけることを了解していただいています。

山歩きがまだ未熟な上に、いろんな刺激にも反応しやすく衝動性も高いので
山の中では十分に注意が必要です。

ですが、コントロールしすぎてがんじがらめにしてしまうと、学びの機会は得られません。
どこまで学ばせて、どこをコントロールしていくのか、さじ加減というものが社会化学習には必要です。

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社会化学習というと、なぜか街中を歩くことや人に会わせることと勘違いされていることがあります。
都市空間で生活する上では、車や道路、工事の音など、適応しなければいけない環境は確かにあります。
しかし、犬の脳形成は人と同じ手順で社会化の過程を行っても、成功しないばかりか社会化が厳しい状況に追い込まれてしまうこともあります。

典型的な例が、抱っこして散歩をするという社会化学習です。

抱っこして社会化できるのはヒト科の動物や、子どもが親に抱きついた状態で移動する動物だけです。
ヒトとか、チンパンジーとか、サルもそうですね。

こうした社会学習を身につけていない犬に、抱っこして散歩すること
抱っこしてベランダから外を見せること、犬用バギーに乗せて風景を見せること、
車に乗せて風景を見せることなど、すべて社会化学習には逆効果です。

社会化とは環境に対する接触を図りながら、脳に学習の機会を与えていくということです。

犬という動物が、外界の環境に対して接触を図る機会とは、嗅覚が一番大切なのだということを
忘れてはいけません。さらに、行動できることが前提で社会化学習が促進されるのだということも
覚えていてほしいことです。

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犬と山を歩くクラスをなぜするのですか?と尋ねられることがあります。

さて、なぜでしょうか?

たくさんの答えがあるのですが、ぜひその理由は自分で体感して知っていただきたいと思います。


犬の社会化期は生後4ヶ月までで第一段階を終えて、生後6ヶ月が次の段階。
そして生後1才までにほぼ9割型の脳形成が終了するようにできています。

といっても慌てて外に出すことも失敗します。
社会化学習が有効になる犬は、室内犬も室外犬も排泄行動が適切に行われるようになってからです。

えー。どうしてとまた思われることでしょう。

犬の行動とテリトリーは切り離して考えられない。

犬のテリトリーと排泄行動は切り離して考えられない。

そして犬の社会化と行動(活動)は切り離して考えられない。

これがその仕組みです。


どこからはじめたらいいのか。

まずは犬の行動を通して犬を理解することから始めてください。
そして犬の習性について学んでください。

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いつもクラス時には写真撮影はしないのですが(クラスに集中するためです)
お預かり犬くんが2頭いたので、参加された生徒さんにお願いして撮影してもらいました。
山歩きの途中で尾歩山の手入れをする私、横にはそれを待つ犬たちの風景です。
号令の「マテ」をかけているわけではありません。
オヤツも使っていません。
ちょっと待っててと声をかけているだけです。


山歩きの不思議について知りたい方は、初回カウンセリングを受講してみてください。

まずは自分の犬について知ること、すべてのスタートはここからです。




Posted in クラスのこと, 犬のこと

初めてのお泊り:お預かりクラスを犬と飼い主の成長の機会にしよう

秋の風の心地良い七山で、この週末もはじめてのお泊りに挑む小さな犬くんを迎えました。


飼い主さんにとっては、初めての犬のお泊りです。

ドキドキと心配なこともあるでしょう。

ゴハンはちゃんと食べるだろうか、排泄はできるかな、寂しがらないかしらなどなど、
小さな子供をはじめてお泊りに出すときと同じような不安な気持ちになるでしょう。

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犬をやむなくどこかに預けなければいけないときには、事前によく検討することが必要です。

・預かり先はどのようなところなのか

・どのような預かり方や管理の仕方をするのだろうか

・どのようなコミュニケーションをとるのだろうか

・預かる人はどんな人なんだろう

・うちの犬は他人に預かりをされることでどのくらいのストレスを感じるだろうか

この程度のことは、きちんと把握しておく必要があります。


グッドボーイハートのお泊り、つまり「犬のお預かりクラス」を利用できるのは、
グッドボーイハートで学ぶ生徒さんの犬だけです。

クラスを通して、上記の疑問をクリアにして欲しいということと、
クラスを通して、犬が他人に預けられてもできるだけストレスを低く保てるように、
自律性を育てることはグッドボーイハートの学びの基本です。

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知人や友人に預かりを頼む時には、犬のことをよく理解し、犬の管理能力があり
犬とコミュニケーションをとって安心できる環境を整えられる最善の方を見つけてください。
誰に預けてもいいということではないのです。

身近な知人や友人に、そのような人が見つからない場合には、
グッドボーイハートの預かりクラスをご利用ください。

グッドボーイハートでは犬の預かり頭数は原則として2頭までです。
犬同志の相性が悪い場合には、1頭しかお預かりできません。

また、レッスンの状況によってお預かりできる状態でない場合にはお断りいたします。

なぜなら、グッドボーイハートのお預かりクラスは犬舎のような収容管理をしていません。

クレートや柵のある庭やリードはきちんと使いますが、
家庭で過ごせるのと同じように、いえ、それ以上に深いコミュニケーションを目指しています。

犬には土や自然に触れる機会を提供しています。
犬には冒険の機会がありますが、その分危険も伴います。
犬の自制や協力体制はとても重要です。

さらに、人の都合によったルールは採用しません。

たとえば、犬の脚が汚れるのがいやだとか、庭で排泄させたくないという飼い主さんの犬はお預かりできません。

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グッドボーイハートでは、どの犬たちもご家庭で過ごしているときよりも安定感を持って過ごしています。

飼い主さんには、お預かり後のレッスンで知りえた犬のことをレッスン時に報告します。
どのような過ごし方が今の犬の状態に向いているのか
どのような接し方で落ち着きを取り戻せるのかなど、
預かり時に知りえたことを、犬と飼い主さんの成長に役立てていただきます。

初めての犬のお泊まりになると、いろいろと不安も
事前の準備を万端に整えて、いざお泊りをさせると決まったら腹を据えましょう。

なぜなら、飼い主の不安は犬の不安だからです。
離れていてもつながっている、それが飼い主と犬です。

でも、いつも犬のことを忘れないでください。
がんばれと応援してください。


犬のお預かりクラスについてはホームページでご案内しています。
他のレッスンクラスとのスケジュール調整があるため、月に数件しかお受けできません。

限られたクラス体験ですが、犬と飼い主さんにとってより良い成長の機会となれば幸いです。


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Posted in クラスのこと

<犬のしつけ方・動画>ベッドトレーニング:犬用ベッドは犬の室内生活に必須です

 犬のしつけやトレーニングをいつ頃から始めたらいいのかという質問に対する答えは、犬がどんな年齢であろうと「今」です。犬と暮らしていなくても、学ぶべきは「今」なのです。

 学ぶにはなによりも時間が必要です。今学んだことを理解できるようになるのにまず時間を必要とし、そしてそれを実際に身につけるようになるためにさらに多くの時間がかかります。さらに、それを人に伝えようと思ったら、その数倍の時間がかかります。

 テレビの洗脳なのか、世間の思い込みなのかわかりませんが、犬のしつけとトレーニングは生後6ヶ月を過ぎないと始められないと思っている方もいるようですが、とんでもありません。むしろ犬ができるだけ小さな年齢のときから、犬のトレーニングを開始してください。

 ここでいう犬のトレーニングとは、飼い主が犬のことを理解するための勉強のことであって、犬を訓練学校に預けるという意味ではありません。長期間の預かりトレーニングは一般の犬にはおすすめできません。

 子犬期にどんなトレーニングをすると思いますか。犬の日常生活に必要なしつけの多くは生後1才くらいまでに、ステップアップを重ねて教えていくことができます。

 今日はグッドボーイハートのパピートレーニングのカリキュラムのひとつでもあり、成犬のトレーニングにも必須項目のルールをひとつご紹介します。

「居場所を指定するトレーニングのベッド編」です。


● 居場所を指定する「ベッドへ」の意味と様子

 室内飼育の犬の場合には、犬だけのスペースを確保して生活環境の安定と安心を獲得させることは必須の犬を飼うための環境整備です。犬だけのスペースというのは、犬の立場からいうとそのスペースを他の誰かに侵されることのない安全地帯のことをいいます。また、個体のスペースを主張できるスペースでもあります。

 この物理的なパーソナルスペースは、人間も日常的に利用しています。自宅にあるダイニングの椅子、リビングのソファ、座敷の座布団、そしてベッドや布団といったものです。これらは、屋外の外敵から身を守るための場所というよりも、室内の限られた空間(テリトリー)を、家族(群れ)内の集団で上手に利用し、そのことで関係性を安定させるために役立ちます。

 では実際にどのような行動をするのかを動画で確認してみましょう。以下の動画は家庭訪問レッスンのときに撮影させていただきました。飼い主さんの「ベッド」という指示で自分たちのベッドに犬が移動するシーンです。

動画 「ベッド」の合図で自分の居場所に移動する子犬たち

 飼い主さんの「ベッド」という声の合図と手の指示で、それぞれの指定された犬用のベッドに犬がいきます。「ベッド」合図はしばらくそこで待機をするようにという時に使用しますので、ベッドの合図があったらフセの姿勢になれるように誘導していくと、ベッドでの行動がさらに安定してきます。

 動画に協力してもらったラブラドル・レトリバーの2頭の犬たちは、胴胎犬(兄弟犬)で、生後5ヶ月になります。トレーニングの際にオヤツは使用していません。報酬はもっと別のところに設定されています。


● 犬に「ベッドへ行って」のトレーニングがどのように役立つのか

 室内で犬の居場所を指定するトレーニングは生活の中で大変役立ちます。犬がどのスペースにいていいのかがわからないときに、ここに居なさいといわれることは、犬たちにとて居場所を獲得したという価値のある合図です。価値の高さは「居場所」という特別なスペースの存在が影響しています。

 人を例にして考えてみましょう。たとえば、家族の関係性によって、室内の家族が過ごす場所では細かく場所が指定されていることがあります。特にダイニングの椅子はそうです。

 食事をするときに利用するダイニングの椅子には、指定席というのがあります。みなさんのご家庭にもないでしょうか。自分はそこに座る権利があるというものです。食事をしようと思ったときに、兄弟間で席の取り合いになるのは、弟の席に兄が座ってしまうときです。お父さんはここ、お母さんはここという風にですね。いつもの自分の居場所に他の人が座っていると違和感を覚えるでしょう。時にはお父さんの椅子は格別立派ということもあります。昔は父親は上座に座るのが基本でした。居場所は家族間の序列を明確にするものでもあったのです。

 犬に話を戻します。犬はもともと屋外にテリトリーをもつ動物です。イヌ科動物が巣穴の近くで過ごすときには、かれらにはダイニングテーブルも椅子もありません。しかし、ある程度の配置がされています。あるのは巣穴とテリトリーの境界線だけです。巣穴には子犬たちが、巣穴の前には巣穴を守る犬たちが、そして境界線を外敵から守る犬は境界線を確認しながら配置されます。群れの中心的な存在のものは、少し高いところや全体を見渡せる中心地点にいます。

 そして一部の犬は、人といっしょに室内で暮らすようになりました。飼い主という人が管理する生活スペースです。寝る場所や隠れる場所としてクレート(もしくはケイジ)を与えられています。リビングで人とスペースを共有するときには、飼い主の居場所である椅子には上がらないように教えられるでしょう。

 最後に、リビングでくつろげる犬の居場所として犬用のベッドが必要なのです。犬用のベッドを室内に置いてある家庭はあります。犬は自分の好きなときにベッドの上で寝たり遊んだり、休憩したりしています。

ブランとマージベッド
 しかし、飼い主の指示で犬用のベッドに行ける犬はあまり多くありません。その理由の多くは、教える必要性の高さがわからないということ、日常的な犬との暮らしでのその合図の使い方が分からないとか、また、教え方がわからないというものでしょう。

 この合図の必要性の理由についてはたくさんあります。簡単に説明すれば、人と共有するスペースに自分の居場所を獲得すること、そしてその居場所は誰にも侵害されないものであるということ、そのことは、犬が自らの安全を確認できるということと、さらに群れの中での精神的な居場所の獲得にもつながっていきます。

 ひとつの状況を例にあげます。来客が来たときに来客に興奮したり警戒するシグナルを見落とされることがよくあります。吠えたりとびつくという犬の行動はわかりやすいですが、そうでないものもあるのです。

 来客時に落ち着かないシグナルとしては、部屋をウロウロとする、自分の体をなめたりかじったりする、おもちゃをもってウロウロする、床をなめる、来客に体をくっつけてくる、飼い主のうしろをついて歩くといったものも入ります。

 自分のテリトリーに、家族以外の動物が入ってきたのですから、落ち着かなくなるのは当然のことです。飼い主にとって日常であることが、犬にとっても同じようになることはなかなかありません。イヌ科の動物の生活では、他の社会的な対象となる動物が自分の生活圏に入ってくるのはとてもまれなことなのです。

 このときに犬にベッドにいくことを指示します。最初はクレートで練習をしますが、クレートとベッドは違いがあります。ベッドのテリトリーはもっとゆるいものです。クレートの中には人が手をいれられませんが、ベッドにいるときには簡単に犬に触ることができます。そのゆるい境界線の中に犬は居場所を獲得し、来客を多少の警戒心をもって観察していたり、環境全体の安定性についての情報を取得していきます。

 子犬のころはこうした観察や環境把握に時間がかかりますが、生後3ケ月もなると犬は自分の周囲の環境に対して強い関心を持つようになっています。少しずつ環境を把握させる練習もさせていく必要があるのです。もちろんそれは、たくさんの場所につれまわして、たくさんの人や犬に会わせることではありません。

 犬用ベッドに犬を行かせることは、犬を社会的に排除することではありません。むしろ犬用ベッドに行く練習をすることで、犬は安心を獲得し、自分の役割を理解し始めます。このベッドトレーニングは犬がインターホンに反応する前にできるようになることをおすすめします。

 少ない犬との時間でたくさん教えることがあるでしょうから、優先順位は決めていかなければいけませんが、少なくとも、犬にお手などを教えるよりはずっと重要なトレーニングです。


※関連する記事はこちらからどうぞ

・室内の犬用ベッド(ドッグベッド)のミラクル:犬の落ち着きを引き出す空間作り

・犬のクレートトレーニング:ハウスの合図でクレートに入る動画

・犬の「落ち着きない行動」:なぜ落ち着かない?

・クレートトレーニング


・グッドボーイハートお勧めグッズ:犬用ベッド編

・室内で生活する犬のための犬用ベッド

Posted in 音声・動画, クラスのこと, 犬のこと

お盆の犬のお預かりクラス:犬たちの夏のお昼寝は体調管理のために

 お盆に入り七山校周辺はますます涼しくなってきました。福岡佐賀方面では雨も降りました。一雨ごとに涼しくなれば、犬たちが活発になるあの秋がやってきますので、雨もまんざら悪くはありません。
 このお盆の間に帰省する飼い主さんたちから離れて、七山の季節を楽しみにやってきた犬たちが数頭います。その犬たちの姿を見ながら、あることを考えました。

● お昼寝してますか?

 まだ秋が深まるまでの間、どんな犬にも、そして多分人にも大切な時間といえば、お昼寝です。日中休みなく働いていらっしゃる方々には申し訳ないのですが、みなさんはお昼寝されるでしょうか?

 お盆のある日、数頭の犬たちがお預かりでいっしょになることがありました。2頭は数年来のおつきあいで気のおける仲間、そのうちの1頭と子犬の方もなんどか顔を合わせて距離を保てる関係ということで、テラスや室内に犬たちをセパレートして過ごしましたがとても静かに過ごしていました。

 交代で散歩や相手をしたり、草刈をいっしょに過ごしたり、それぞれにお昼のオヤツを食べたりしてまったりと過ごしていたのですが、昼過ぎの13時くらいになるとなんとなくわたしを含める全員が活動停止モードに入りました。

 それぞれの場所でそれぞれに始めたお昼寝です。昼寝のポーズも時間を経て少しずつ変わってきます。立ち上がって部屋の中を歩いても犬たちの方は起きませんが、少し気配が大きくなると起きてしまうので睡眠の深さはそれほど深くないようです。犬たちのうちの一頭はおちびさんだったので、寝言を言っていました。

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● 犬の昼寝の機能とはなんだろう

 犬という動物をいろいろと観察していると、もしくは日々観察する飼い主さんに話しを聴いてみると、犬とひなたぼっこが切り離せないように、犬と昼寝という関係もかなり深いつながりがあるようです。確かに動物の活動時間は、陽が上っている間、陽が沈んでいく間の朝夕です。夏場は太陽が高いところにある時間が長いため、その時間は活動を停止しています。

 動物は自分の内側の作用、つまり欲求に対して純粋に反応しています。人に飼われる犬ですから、飼われていることがストレスになるのですからストレスによる欲求の変化や行動の変化というのはある程度あります。その犬にかかるストレスを少し横に置いて考えると、犬の活動性は太陽や気圧によって左右される犬の中にある自律神経による調整によって行われているように感じるのです。

 たとえば、太陽が出ているときは自律神経の交感神経が活発になります。交感神経は活動の神経なので、太陽がのぼっていれば活動が高くなるように思えます。しかし実際には熱帯低気圧が迫ってくるこの季節は気圧が下がるため副交感神経が活発となります。副交感神経は休息の神経なので活動が低下します。そのため、犬たちも低気圧の多い夏の季節、特に気圧の下がる日中には昼寝が多くなるという仕組みのようです。

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● 睡眠の質を高めるためによいお昼寝をしよう

 人は行動を情報操作によって左右され考えて決めてしまうことがほとんどです。たとえば、テレビでこれが老化防止に効果があると紹介された食品がその日のうちにはスーパーに山積みされています。つまり売れるからです。

 睡眠についても同じような傾向があります。昼寝は短い方がいいとか長い方がいいとかいろいろと情報がたくさんありますね。情報によって正否を決めてからでないと行動できなくなってしまった人と違って、犬の方は自然体です(ストレスの低い犬のことです)。

 自然体の犬は昼寝の時間を決めていません。好きなときに寝て好きなときに起きています。言葉を変えると体の要求に応じて寝ますし、体の要求に応じて起きています。ただ、犬が自然に寝たり起きたりしたいと思っても、周囲の環境が不安定だと動物は寝ることはできません。

 犬の周りでは常に人間が活動しているわけですし、その人間が環境の安全の確保した状態で、部屋に閉じ込められているとかつながれているとか柵の中に入れられているのです。環境を飼い主などの管理人に委託しているといえばいいでしょうか。

 ところが人はなかなか日中にゆっくりとすることがありません。行動は止まっていても脳内は常に活動しているのが人という動物です。妄想も含めて人の脳はなかなか止まることができません。一番できることは、自分も昼寝をしてしまうことですが、今度は人が昼寝をすると犬よりも熟睡しすぎてしまうため管理人として不十分となり、犬の方が起きてしまうことがありますね。人もいっしょにお昼寝はおすすめしますが、犬の気配ですぐに起き上がる程度のちょっと横になって浅く眠ったり起きたりするという術を身につけるといいでしょう。

 実はわたしは大変長い間このタヌキ寝入り状態で過ごしてきました。犬を管理する施設で働いていたので夜でもいつも犬の気配で犬舎を確認しに行ったからです。若いからできたことですがとても疲れる仕事でした。当時は人手がなく毎日のことでした。しかしこの術は今とても役に立っています。犬たちの昼寝のときにタヌキ寝入りでうまく休息をとることができます。夜も短期間ですからこの状態で寝ています。ちょっとした犬の気配でも起き上がることができます。

 夏の昼寝は犬の疲れを回復させてくれます。お留守番中には犬は十分に休めていません。たいていの犬は緊張して過ごしています。前脚や後脚をずっとなめている犬もいます。体をかき続けている犬もいます。雨の日や太陽の高い日にお出かけの予定がないなら、お昼は犬のお昼寝につきあってあげてください。今年も犬の夏が終わっていきます。あと少し体をゆっくりと休めて、活動期を迎えましょう。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

どの季節を生きているのか:犬との暮らし時間の差を越えるために

先日あるご家庭で「一番暑い夏は越えましたね。もう秋ですからね。」というと
「少し季節が早いのですか?」と尋ねられました。

お尋ねの理由はわかります。福岡では、また夏まっさかりというほどの暑さなのに、
もう秋ですからねというのは不思議ですね。

理由は、週の半分くらいを七山に戻って過ごしているからです。

実はわたしも七山に来たばかりのとき、山の手入れについて土地の方とお話しているときに
季節の違いを知りました。
自分が夏だと思っていた8月の中旬は、山の人にとっては秋の始まりなのです。

単なる価値観の違いではなく、肌を通して季節の違いを感じます。


8月7日に立秋を過ぎて、七山ではすっかり秋の風を感じられるようになりました。

まだ蝉の声が一日中響いてはいますが、ツクツクボウシの声が聞こえるようになりました。
この声を聴くと秋が近付いているというお知らせを受け取ったような気持ちになります。

棚田の稲穂は頭をしっかりと下げています。

栗や柿の実は枝がたわむほどになり、いくつかは青いまま落ち始めています。
雑草は夏枯れを終わり、まだまだ最後のひと葉を広げようとします。

山の斜面にオオスズメバチが巣を作ってしまい、山歩きのコースの変更を迫られました。
これが最近の一番の山の悩みです。
ハチは10月にかけて巣を大きくしていきますので、ハチの数が増えるのはこれからです。
これも季節の流れです。

この季節の移り変わりは、街中のファッション店の季節の先取りと同じ速さですが、
肌を通して伝わってくる感覚は全然違います。

この季節感を全身で味わえるようになって、やっと私も8月のこの季節に秋が始まったと
思えるようになるのに何年もかかりました。

犬たちが季節を情緒的に受け取っているのかどうかはわかりません。
ただ、犬たちが太陽や風の移り変わりを毎日感じていることは確かです。

過去にも未来にも執着しない犬という動物ですから、冬のことをうらやむこともありません。
早く涼しい秋になればいいなと思うこともありません。
ただ、今日の一日を体で感じることが彼らのできる最大のことであり、そして最も有意義なことです。

こうして外気にあたって季節を感じることが動物の幸せであると思えるようになったことは、
七山という土地で過ごす時間をいただいたことで体が学んだ大切なことです。

考えると自分にとっては約50回(ここは曖昧に)の夏を越したということ。
犬たちは多くて10数回の夏を越すだけです。
犬の寿命を考えると、犬によっては6回、7回、8回の夏だけだとしても不思議ではありません。

しかし、これはやはり回数ではないと思うのです。

どんな夏をどういう風に過ごして越したのか、やっぱり毎日の生きる質を思います。

人と比べるとほんのわずかな回数しかない犬たちのそれぞれの季節が、
自然とともにあり、季節を体感できるものであるための環境作りは決して簡単ではありません。

でも、どんなことも思わないと変わりません。

まず、犬にとって大切なことは何かを思い、考え、そしてそれを実現しようと願い、行動する。
できなくても今日できることをひとつやってみる、そのくり返しです。

犬の生きる時間の短さを思うと、なかなか人の成長は追いつかないのですが、
気づいて変化しようとする飼い主と共にいるだけで、犬は気持ちが楽になるのではないでしょうか。

活発なハチを横目に、秋はやっぱりお山のシーズンです。
体験トレッキングクラスも行っていますのでお気軽にご連絡ください。

クウーちゃん山登り

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犬の光線療法:太陽の暖かさでトラブルを助けてもらうこと

 ちょっとした失敗もすぐには口に出せないものですが、わたしは比較的すぐに口に出すようにしています。その方があとに残らないし、自分でも納得できるからです。実は先週、そんなことがありました。


● 草刈作業で腰痛になったこと

 庭と山の間部分になる斜面が少しずつ藪になってきていて、その藪を撤去しなければいけない時期になりました。もっと早く対応すべきだったのですが、忙しさと疲れでついつい後回しになったのですが、ついにこの数日で片をつけようと思ってうちにあったものでは重たく鋼が回るのであまり得意でない草刈機をもってほんの少し作業をしました。おかげで一部だけきれいに草刈りができたのですが、その夜から異変が起こりました。

 体が思い、熱っぽい、むくみがひどい。苦手な草刈機を使用したあとなのでこのくらいは仕方のないことと思いつつ、オイルマッサージなど少しして一晩越えると翌日の朝は起き上がれません。それでもゆっくりと起き上がって仕事に出かけ、次の日の草刈はさすがにやめて静かにしていました。それでもさらに2日後、草刈をした4日後にヒーリングをさせていただいた後に自分の体にも大きな異変が起こりました。腰部に激痛が走り吐き気を催すほどでしたので、これほどの強い痛みは10年に1回くらいかなと思えるほどの痛みでした。


 ● ヒーリングが治癒を高めることで痛みが強くなること

 タッチヒーリングは自分にもすることができます。むしろ自分に一番すべき行為です。自分のことばかりということではありません。癒しというのは不思議なもので、自分から波及するようにつながってひろがっていくのです。豊かな自然環境はそのものが癒しの場になりますが、場として存在するだけでなく、ひとつひとつの生物、土、生き物、風、水、太陽がつながりあってひとつの癒しの場というのをつくりあげています。自分もそのひとつであるだけです。だから自分に癒しを受けられないような状態では、他者への癒しは広がりません。自分が一番というのではなく、自分の全体のひとつとして捉えるということです。

 ドッグヒーリングのクラスを腰痛がある程度おさまっていると思ってさせていただいたことから、自分への治癒効果が高まってしまいました。それで激痛が強くなったのでその最中は立ち上がれないほどでしたがほんの数時間です。痛みは治癒のシグナルであるという気持ちがあるので、痛みが出たから大丈夫という安心感もありました。それでも、日々の仕事がありますから、痛みをゆっくりと経過させていくために、ヒーリング中にも使用する光線を自分に当てることにしました。

にこちゃんの光線
 ● 光線療法とは

光線療法といわれる道具をグッドボーイハートでは使用してます。コウケントーという名前の道具で、通販で気軽に購入できる道具です。人の整体院などでもよく使用されているようです。グッドボーイハートは治療院ではありませんので、健康のための補助道具としてタッチヒーリングの始めにご希望があれば使っていただいています。この光線にあたって自分の腰痛をやんわりとさせることにしました。

 光線のしくみについてはここで説明するよりも株式会社コウケントーのホームページをご覧いただいた方がいいでしょう。実際にその光に当たってみるとその感じ方もさまざまのようで不思議です。敏感体質であるわたしの場合は、手足の先がビリビリとするような感じです。しかし心地いいです。即効性のあるような薬ではありませんが、実際にいろんな治療に使われています。よく温灸と同じと思われますがまず熱の伝導の仕方が違います。温灸は伝道という方式で一箇所からひろがる、光線は放射という形で伝わります。熱の伝導率は光線の方が高いということになります。それぞれということでしょうが、古くからある日本製の機械で気軽に使えるとうことでお薦めします。

 実は犬たちも結構おとなしくというよりも、みずからこの光線に当たろうとすることもあります。毛の色や皮膚の色の変化、生活環境の変化で太陽の光が少し足りないということもあるのかもしれません。コウケントーを発売する会社の別団体として光線療法を使用した論文のような新聞を送っていただくことがあるのですが、犬や猫やうさぎも光線にあたっている写真がときどき紹介されています。

 手当てや光線療法で復活をはかるわたしですが、今回の腰痛での撃沈は精神的にも応えました。腰痛だけだと思っていたら、その後足の筋肉にも筋肉痛がでたのです。中年になったというお知らせなのでしょうが、今後は鎌をよく磨いで手作業で復活するしかありません。七山ではもう日差しが弱くなり草がすごい勢いで伸びてきています。草との境界線争いはまだ続きます。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

犬語セミナーに学ぶ犬の世界:犬はただかまってほしいのではない、本当の犬の欲求とは何か?

 週末はグッドボーイハート福岡校で犬語セミナーを開催しました。飼い主さんだけを対象とした犬のコミュニケーション=行動学を学ぶセミナーです。暑さの中たくさんの方にお越しいただきありがとうございました。セミナーの追加補足を含めて、犬のコミュニケーションについてお話します。


● 犬の要求行動にはどんな行動があるのか?

 犬はいろんな意味で、人がいないと成り立たない生活を送っています。どんなに精神的に自律していると感じられる犬でも、必要なものが必要な時期に与えられないとそれを要求する行動をします。

 犬にとって人といることで一番大切な理由はゴハン(食べること)です。昭和初期に犬たちがまだ係留されることもなく家の付近をうろうろとして過ごしていたときもゴハンの時間になるとちゃんとそれぞれの家に戻っていったものです。
 
 中には係留される犬も夜中になると首輪抜けに成功して放し飼いを謳歌していた犬もいたのでしょうが、こうした犬たちも朝方のゴハンの時間になるとそれぞれの庭に戻って再び係留されるのでした。この時代の犬のゴハンは、朝方もしくは夜遅い時間でした。残飯の処理をかねていますから人の一日の食事が終わった後だったからです。今の子ども達は見ることのない遠い昔の風景です。

 話を元に戻します。今は係留されているか庭の囲いの中、室内の中に軟禁状態で管理されている犬たちにとっては、自由な犬たちよりも強くゴハンを待っています。ゴハンのときにはそれぞれの要求行動を見ることもできます。

 ゴハンを要求する行動にはこんなものがあります。ジャンプしたりワンワン吠えたりして興奮する行動をする。鼻を鳴らしたり人について回る行動をする。人にとびつく。飼い主をじっとみている。飼い主に手をかける。

 さらに興奮するとこんな行動に発展します。吠えるからギャーというような奇声に変わる。クルクルと回る。部屋の中を行ったり来たりする。ハウスに入れられるとハウスの入り口をガリガリと手でかくなどの行動です。

 要求行動はストップが入らないとそのまま興奮行動へと変化していく傾向が強いのです。なぜなら要求が通らない状態が続いてしまうわけですから、ストレス値がほんの少しの時間に上昇してしまいます。そのため要求行動がとびつく吠えるなどの興奮行動に発展するとエスカレート式に行動が強くなり、その結果ゴハンにありつけるとなると、犬は意図せずこの行動を毎日学習してしまいます。

 これに対して、ゴハンの前にじっとオスワリしたりフセをしてゴハンの時間まで待つとか、ハウスに入って静かにゴハンを待っている犬たちがいます。ゴハンが来るまでのほんの少しの間、犬は自らの要求と興奮を抑えてその時がくるのを待ちます。いわゆる自制状態になります。自制の結果、ゴハンにありつけます。自制しているときには、飼い主を観察することもできます。そのため「だれが自分にゴハンを与えているのか」を理解することもできます。

 興奮している犬はただゴハンの方しか見ていません。そのため誰にゴハンをもらっているのかというのもあまり理解していません。いつも興奮することでゴハンをもらえ、要求を通す状態を強くしてしまいます。ゴハンの与え方というよりは、犬がゴハンをもらうという行動に対して「犬のしつけ」として厳しく指導するのは、犬にきちんとした理解力をつけさせ関係性を築くことが犬の安定につながっているためです。


● 要求行動を受け入れて甘えさせても犬には安定はない

 ゴハンを与える以外にも、犬が人に要求する行動はたくさん見られます。特に室内飼いの犬では一日中こうした行動が見られます。飼い主に手をかける、鼻を鳴らす、とびつく、口をなめる、膝の上に乗ってくる、お腹を見せるなどの行動は、飼い主さんに対する要求行動です。よくみなさんが言われる言葉では「かまってほしい」という行動であるともいえますし、甘え行動ともいわれます。

 「かまってほしい」というのは、犬がひとりでは何もすることがないという室内での退屈な犬の生活を表していると同時に、別の意味では飼い主に構ってもらわないと落ち着かないという依存的な関係が強くなっているという不安定さのメッセージでもあります。犬のかまって行動はそのうち飼い主の膝の上にじっとしていることで安定をみたように勘違いしてしまいますが、実はこれは真の安定ではありません。

 飼い主の膝を居場所とする犬は、飼い主が動いたり他の人と接触することを阻止しようとします。飼い主の後ろをついて回る、とびついて要求をくり返す、鼻をならす、家族や来客に吠える、帰宅すると興奮する、そしてストレスはさらに上昇し、ついに誰かに咬み付くという結果になるでしょう。

 要求行動が高まり、適当に相手をしてごまかそうとしても犬の興奮がおさまらなくなることがあります。犬が飼い主に対して甘咬みする、髪の毛にかみつく、洋服にかみついてくるという行動をエスカレートしているときには要注意です。ここまで関係が悪化してしまうと強く叱っても犬は吠えたり飼い主に威嚇したりして全くいうことを聞かなくなります。


● 犬の要求行動や興奮行動を叱ったら吠え返してくる犬、なんでなの?

 飼い主が「ダメ」と叱ったら吠えたり威嚇してくるのはなぜでしょうか?ずばり、自分と親の関係や、会社の上司と部下である自分の関係に当てはめてみてください。自分が間違えたり横柄な態度を示したり暴言を吐いたりしたとして、そのときに受けた注意を受け入れられるか、受け入れられなくとも一旦下がって少しくさくさしてでも、自分を抑えることができるのは、相手に対する敬意かなんらかの関係性が生まれているからです。そうでなく、相手が全く普段から自分の指導も相手もせずに自分のことだけに時間を使っているのに対し、犬の方も飼い主と同じように好き勝手に振舞うことを叱られれば吠え返す気持ちもわかります。

 では、どうすればいいのでしょうか?というのがみなさんの知りたいところだと思います。客観的に考えればとても単純なことなのです。犬は飼い主とのより良い行動を望んでいるだけです。なぜならそれが自分の安定につながっているからです。犬は社会性の高い動物です。同居する家族である人とやらなければいけないのは社会的な関係を結ぶことです。それは、放し飼いにされていて、どの家でゴハンをもらっても良かった時代とは違います。犬は飼い主に行動を制限されているため飼い主なしでは行動できない動物になってしまったのです。犬が飼い主と社会的な関係を築いていくことが、犬にとっても社会とのつながりの扉になっているはずです。

 具体的にはどうしたらいいのかというと、まず犬と過ごす時間を増やすことが一番です。散歩、遊び、室内でのルールを教える、外飼いの場合にもフセマテやオイデができるようになるのは、飼い主との関係の上で成り立っています。散歩、遊び、ルールを教えることの中には、最初は飼い主が主導的な立場であることをわかるようにしてください。教えるという行為自体が主導権を握っていますから自然にそうなっていくはずです。ただ、リードをもって犬に好き勝手に振舞わせた散歩では、あまり意味がないどころか、せっかくの犬との時間が関係性を難しくする時間になってしまうということです。


● 犬との暮らしで飼い主に欠く事のできない大切な二つの学び

 そしてその犬との関係作りに欠かせないことがあります。それは犬という動物を犬として理解する必要があるという飼い主側の必要性です。犬として理解する方法のひとつに、犬の行動やコミュニケーションに対する理解を身につけるという学びがあります。次に、犬の社会性について理解を深める必要があります。たったこの二つのことに対する理解だけなはずなのに、なかなか理解が進まないことがあります。理由は、最初に思い込みがあるからです。「犬は人のことが好き」だと思い込んでいる方は、まずそれを捨ててみましょう。そして、「犬から信頼される飼い主を目指す」と言い換えてみてはどうでしょうか。

 犬の行動やコミュニケーションについては、犬の行動を撮影したビデオを見て学ぶのが一番です。肉眼だと見落としていることがたくさんあるからです。今回の犬語セミナーでは七山校でお預かりクラスを利用していただいたときに撮影したビデオも使用しました。家庭とは異なる環境で、来客と対面して遊んでもらうビデオなどですが、普段の自宅での来客に対する行動とは全く違う風景に参加した飼い主さんも驚かれていました。犬に安定した基盤である環境を与えると、犬はさほど興奮することなく人と接したりコミュニケーションをとることができるようになります。

 忙しい中に癒しを求めて衝動的に犬を飼ってしまうと、犬を飼ったら癒されるはずだったのにという不満がたまってしまいそれが犬にもわかってしまいます。ただ犬を見たりなでるだけの道具として使うことは、犬を傷つけるだけでなくそれをした人も傷つくことになります。なぜなら、そこには犬の幸せな空気は流れず、人はそのときは気づかなくともきっといつかそのことに気づいて苦しい思いをされるからです。

 だから、犬の行動に何か問題を感じるなら、まだ大丈夫です。まだ犬は飼い主とのより良い関係を求めていますし、これから時間をかけてその関係を良いものに変えていくことができます。犬は犬なのです。犬の権利などを主張するつもりはありません。ただ、犬との暮らしを関係を通して楽しんでください。それはドッグランやドッグカフェにはありません。あなたの生活の中にあり、そしてそれをひとつひとつ変えていくだけのことです。どこまで変化していけるのか、どこまでも楽しんでください。



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犬も夏休みが欲しい:避暑地代わりに利用していただく山間での預かりクラス

 グッドボーイハートでは預かりクラス(犬のお泊りクラス・ドッグホテルなどともいわれます)を提供しています。一般的にはドッグホテルという言い方になりますが、グッドボーイハートはドッグスクールですから、どんなときにも学びをという姿勢を貫きとおします。犬のお預かり時にもいっしょに成長しましょうという姿勢を持って犬のお世話をさせていただきます。

 ● 本当に涼しい七山の夏

 今こうしてパソコンに向かっている昼前の時間、博多にいれば窓を完全に閉ざしてエアコンを26度に設定しなければいられないような季節ですが、ここ七山ではエアコンも扇風機も必要ありません。室内の温度は25度、外ではセミがミンミンとせわしなく鳴いている夏の風景ですが、室内と日よけを張ったテラスには少し冷たい風が通り抜けていきます。

 訪れる人の大半はその涼しさにビックリされます。なにしろ標高が500メートルな上に、山の陰に位置するように家が建っていますので、冬は大変寒いのですが代わりに夏は本当に涼しいのです。昔の住所は唐津市池原山影となっていましたので、まさしくそのとおりです。

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● エアコンでは不健康になる動物の体

 自分も博多の中心部で育ってきました。小学生の頃には母親がすでにアスファルトになっていた家の前の小さな道に打ち水をしていたことを懐かしく思い出します。そのうち水でわずかな涼しさが戻ってきたことを懐かしく思い出します。しかし40年前と比べると、明らかに都心部の気温は動物が耐え難いほどになっています。

 この暑さの中、大半の犬を飼うご家庭ではエアコンは欠かせません。留守番のときにもエアコンを犬のためにつけてくださる家庭が増えたことを少しホッとしています。最近ではスマートフォンでエアコン温度の管理もできるようですから、長時間の留守番になる犬のためにはそうした配慮はしていただきたいのです。

 こうしてエアコンという文明の力に頼るからといって動物が健康的に過ごせるわけではありません。身体的感性の落ちている人でも、敏感な方はエアコンをつけていると体がだるいとか頭が痛い、気持ちがぐったりするヤル気になれないなど、身体的不調だけでなく精神的な不調を感じられることもあるでしょう。単純に外気温と室内気温の差が出れば出るほど体の機能調整が不安定となります。外には全く出していない犬であっても、太陽の位置は特別な機能を通して感知しているはずです。さらにエアコンでは体の表面温度は下がったように思えても体の機能を働かせることがなくなるため、犬は不具合を生じます。

 これに反することになりますが、動物の飼育管理にあたって完全管理は動物を長生きさせるという事実はある程度立証されることでしょう。これは人についても同じことです。病院などの完全管理されている場所の方が、自宅で療養する人よりお様々な管理によって長く生きるとは思います。ただ、その生きるという姿が、活き活きと生きているのではなく、ただ生かされているということであれば、それはもやは生きているとはいえません。エアコンという設備によって暑さを乗り越えている犬たちの瞳から輝きが失われてしまわないように、この季節にぜひお願いしたいことがあります。それは、犬にも夏休みを与えて欲しいということです。

● 犬も夏休みをとろう、生かされることよりも生きることを選ぶために。

 実はわたしもとても敏感体質なもので、エアコンがあまり得意でないため、限界を感じると多少の時間でもこの季節は七山に戻るようにしています。身体的な不調だけでなく、精神的にも不安定になるのを自己調整するために自分にとって必要なことだと感じているからです。

 そして、この時期はできるだけ犬たちを数日でも七山の健やかな気候の中で過ごしていただけるようにと、七山滞在時間を増やしています。夏休みのお預かりクラスのご希望があれば、そちらを優先してスケジュールを組立てたりもしています。それは、その時間が犬たちが生きるためにとても大切な時間だと感じるからです。仕事上、犬の表情や犬の瞳や毛質の状態を見れば、犬がどのように暮らしているのかがわかってしまいます。その中には仕事で培った勘というのもありますが、刑事ドラマの勘のようなものでしょうが実は案外信頼できる情報です。シャンプーやカットをきれいにしてもらいよい香りがして、整備された食事によって体型を保つ大変可愛がられているのだろうなと思えるその犬たちの中に、動物の生の強さを感じられないこともあります。逆にまだ室内でストレス行動を繰り広げている犬を見ると、その中に怒りや憤りを感じることができるため、まだ生きる力があるのだと安心してしまいます。

 そうはいってもこうした問題を起こす犬たちにも限界があります。そのうちに抵抗する力はなくなり、大人しくなったかと思えばただ生きることをやめ、生かされることを選択したかのような姿に変化してしまいます。飼い主さんはこの内面的な光の変化に気づくことはあまりありません。だからこそ、輝きを失う前に犬が生きているということがどういうことなのかを知り、そこにいっしょに寄り添っていただきたいと思うのです。

 小学生の低学年までは東京で育ったため、夏休みには遠縁の親戚の家に母と共に出かけたことを思い出します。マンション暮らしでマンションの砂場が遊び場だった自分にとって、山の中で蝉をとったり川でザリガニをとったりした思い出は今でも鮮明に映像として記憶に残っています。もっとたくさんの思い出があったはずなのに、わずかに残されている映像がこうした自然の映像であることはとても不思議なことです。

 ということで、犬の夏休みを山林学校で過ごさせたいと真剣に考える飼い主さんはぜひご連絡ください。山には危険もいっぱいあります。ケガとも無縁ではありません。ブヨにさされて赤いぽつぽつができるかもしれません。それでも、それが生きているということではないでしょうか。

グッドボーイハートの犬の預かりクラスの詳細はこちらでご覧ください。

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犬語セミナーに学ぶ:他の犬に吠えるのは社会経験不足だからなの?

 週末は七山校で犬語セミナーを開催しました。犬の行動観察を通して犬の状態を知るために考える機会をつくるために、毎月開催しているセミナーです。犬の行動を動画をくり返し見ることで確認していきます。また参加者のみなさんからいろんな意見を聞くことができるので、毎月の開催をとても楽しみにしています。


● 犬を理解してより良い関係を作るためにセミナーを活用しよう!

 今回のセミナーに使用したビデオは、ここ数ヶ月の間に、トレーニングクラスのときに犬と犬が対面する機会を作ったときにに撮影したものばかりでした。特にはじめてセミナーにご参加の飼い主さん方には、ご自分の犬をビデオを通して客観的に見ていただく貴重な機会となりました。普段はなにげなく見過ごしてしまう犬の行動は、客観的に見ることができるようになると、かなり見方が変化していきます。
 
 自分の犬の行動を他の参加者の方がどのように見ているのかを知るだけでも、「なるほどね。」というような驚きがあります。よく他人のことはよくわかるけど自分のことはわからないということがあります。それと同じようなことですが、自分の犬には思い込んでいる部分が多いものです。ですから、一番犬のことを理解したいと思っている飼い主が最も見落としが多くなってしまうことはよくあることなので落ち込む必要もありません。

 犬と犬の対面のビデオは、犬と人の対面のビデオよりも犬のコミュニケーションをより鮮明に見ることができます。人に対するコミュニケーションは、これまでの人の接し方によって身につけた学習によるコミュニケーションで構成されています。人は犬のように受け取ることもできないばかりか、表現することもできません。犬はもちろん種の異なる人に対して、四つ足で歩いてコミュニケーションをとることを求めているわけではありません。犬は自分の表現したことを人がどのように受け取るのかで、その後のコミュニケーションを決めていきます。

 たとえば、犬が人にとびつく行動をしたとします。そのときに人が犬を撫でたり褒めたりすれば、犬は飼い主が「とびつきという行動」を歓迎している、もしくは受け入れていると学習します。そしてまた次も同じように人にとびつくようになります。すごく単純な学習ですね。他にも、飼い主が食事をしているときに「ワンワン」とオスワリして要求して吠えた犬に対して、お皿からハムを一個とって与えれば、犬は次の食事のときにもまた同じ事をするでしょう。これも確かにコミュニケーションのひとつではありますが、犬と犬のコミュニケーションはこうはいきません。犬が犬に要求を通せるのは母乳を吸っているときだけです。その後は成犬と子犬も社会的関係となります。子犬のままでは通用しません。


カレンお外


● 犬のコミュニケーションは犬と犬を会わせる経験で身に付くものなのか?

 犬の社会性を育てるしつけ法について尋ねられることがあります。その中に、「犬をたくさんの犬に会われば犬とコミュニケーションがとれるようになると聞いたのですが本当でしょうか?」という質問があります。単にたくさんの犬に会わせるという経験が犬に対する社会性やコミュニケーションを育てることはありません。種は違っても社会性という言葉の意味では人の社会性との相違もあります。自分に置き換えればわかることですが、たくさんの人に会ったから社会性が発達するということはありません。むしろ、囲いやリードをつけている制限された環境の中でたくさんの犬に会わせることは、逆に犬の社会性を低下させる危険性の方が高くなります。犬の行動の見方や、しつけやトレーニングの方法は様々ですから異なる意見もあることは承知の上ですが、むしろその危険性の方を指摘したいのは次のような理由からです。

 犬と犬のコミュニケーションを行動として見たときに、その行動が犬のどのような状態や情動を表現しているのかということをもう一度慎重に考える必要があります。今回の犬語セミナーにもいくつもそのような犬の行動がありました。犬が犬に対してワンワンと吠えていたとして、それが相手の犬に対するどのような表現方法なのかを知ることは簡単ではありません。声の質や高さや犬の動きやその変化などを細かく観察し、周囲の関係性も含めて分析することでひとつずつ理解を進めます。初心者の方であれば、ただ遊びたいと思っているとか、ただあっちへ行けといっていると考えてしまう犬の行動にも、実は大変複雑な欲求と葛藤を見ることができます。というのも、犬がその年齢にいたるまでに発達が必要であった社会的行動や表現方法を身につけていないからです。

 コミュニケーション力を身につけていない理由について考えるとき、その落とし穴に「経験不足」という理由があります。特に社会経験についてよく使われる言葉です。他の犬に対するコミュニケーション力や社会表現が発達しなかったのは、今まで犬に会ってこなかった社会経験不足からだと思ってしまいます。会わせなかったから上手くいかないのだ、だからたくさん会わせたらいいのだという単純な発想が、上記の「たくさんの犬に会わせれば社会性が発達する」という誤解につながりました。

 他の犬とのコミュニケーションや社会性がうまくいかない犬には、ある面での社会経験不足がありますが、実はそれだけではありません。というのは、犬たちはそれぞれに、現在に至るまでにたくさんの社会経験をしてきたからです。親犬から生まれ、親犬に育てられ、兄弟犬と過ごすといったことから始まり、その接した犬たちがどのような状態であったかということまで、そしてその飼育環境、親犬の人に対する社会性や犬に対する社会性までが子犬の社会性の発達に影響しています。

 また、子犬のときに接した人々はその犬をどのような環境でどのように接しながら育てたのかということは、いうまでもなく犬の社会性の構築に強く影響しています。犬を不安定な環境にさらしたり、長時間の留守番をさせたり、抱っこして甘やかしたりすることは、犬の社会性の構築とその表現に影響を与えているのです。ですから、犬にあわせなかった経験不足として片付けてしまうことは止めましょう。飼い主として自分が犬に与えた影響をまず現実的に受け取れなければ、これからの犬の成長を支えることもできないからです。

● 犬といっしょに過ごさせる犬のデイケアクラスは社会性を高めるのか?

 犬と犬をいっしょに過ごさせる犬のデイケアクラス(日帰りのお預かりクラス)を提供する犬の学校もとても増えました。グッドボーイハートでは2003年から2007年まで博多駅南校を運営していたときに、犬のデイケアクラスを提供していました。犬と犬をいっしょに過ごさせる環境や機会がなかなか整わず、多忙な飼い主さんのお仕事の合間でできることがあればと思い始めたのです。博多のビルの一室でしたので環境が十分とはいえない状態でしたが、毎日のお預かり中に犬と犬が共に過ごす時間を管理しながら提供して、犬の社会性の発達の機会を探っていきました。

 このデイケアクラスを行う中でいくつかの重要なことを学びました。ひとつは、他の犬に対するコミュニケーションや態度は家庭内でつくられているということです。犬と会わせる回数や頭数では決まりません。他の犬に対する社会的態度がとても難しい犬は、ご家庭内での環境管理や飼い主さんとの関係改善を行わない限り、社会性を発達させることはできません。これはデイケアクラスを始める以前からわかっていたことです。そのためグッドボーイハートでは個人レッスンを受講されない方はデイケアクラスのご利用ができないシステムになっていました。しかし、実際に飼い主さん不在の状態で犬をお預かりしてその社会性を観察すると、この事実がさらに確信へとつながっていたことは間違いありません。

 ふたつめの学びは、犬と犬を一対一で会わせたとしても、それは一対一の問題ではないということです。つまり、犬の社会性は個性だけで単独で出来上がっているものではないという事実があります。これは西洋式になんでも切り離して細分化する考えになじみがあるとわかりにくい見方ですが、つながりの社会を基盤にする日本人には受け入れやすい捉え方です。その1頭の犬はまずどこかの家庭という群れに所属しているか、もしくは所属せずに所有されているかのどちらかです。厳しい表現になりますが、犬を家族の一員という言葉でごまかしても、実際には犬を飼い主の物として大切に所有する価値観が存在することも否定しません。しかし、この所有は所属とは別の関係であることを冷静に理解することも必要なことです。善悪ではなく、真実とは何かをきちんと知ることが次の変化を生み出すことになるからです。

 こうしたことを考えると、犬同志のコミュニケーションと社会的関係の発達は、基盤となる家族と家庭の影響を最も強く受けています。ただデイケアクラスで預かっただけではなんともできないということになります。当時グッドボーイハートには彼らの世話を引き受けてくれる犬がいました。その存在の大きさは、様々な状況で思い知ることになりました。しかしこれでは1頭の犬に負担がかかりすぎます。犬たちが集う場所であったグッドボーイハートのデイケアの場の均衡に影響したその犬が不調をきたしたことでデイケアの場は大きく変動しました。たくさんの学びの場となったデイケアクラスでしたが、社会性の発達という目的を他の方向に向ける必要性を感じて終了し、現在にいたります。

 犬と犬がいっしょに過ごす経験をしたとしても、その環境やどのような犬とどのように過ごしたのか、それに対して人がどのように影響したのかを含めて判断しなければ、社会性を高める場になるとはいえません。そうであっても、犬と犬が同じスペースの中で過ごす時間を持てば、犬の緊張や興奮はかなり高いものになります。一日預けておけば、帰宅したらぐっすりと寝てくれることが、ときには多忙な飼い主にとってはごほうびになってしまうことがあります。疲れて寝てくれてよかったというものですね。ところが犬の社会性がきちんと発達しているのかどうかを理解する機会は失われてしまうこともあります。

 もう一度、自分の犬の社会性の発達について考え理解する時間をきちんと持ちましょう。そして、その社会性の発達に影響を与えているすべてのことや社会的な対象について書き出していきましょう。犬を飼うのは大変だという感想をいただくこともありますが、種のことなる動物を理解して共に暮らすことがそんなに簡単はわけはありません。その難しさを解いていくことは、ときにウーンとなることもありますが、結局は犬と人の関係を築いていく過程にすぎないのです。それはとても楽しくすばらしく、そして感動的なことです。

ブランとマージテラス




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