梅雨明けを待ち望んだトレッキングクラス開催
梅雨明けを楽しみにしていた犬ちゃんと飼い主さんたちが週末にトレッキングクラスに参加されました。
コロナ禍で福岡から佐賀までの移動も遠慮がちだったのですが、様々な工夫をしてもう動き出さないと子供も犬も心の病気になってしまいます。
今週は子供たちも虫かごを手に犬ちゃんといっしょに山歩きの練習をしました。
久しぶりの山に子供も犬も大興奮です。
なんどか山に訪れた犬は、七山を登り始めるころからキュンキュンと興奮して鼻ならしをすることもあります。
この興奮をじっくりと抑えつつ本来の行動へと変えていくところがプライベートクラスの面白さでもあります。
犬の社会化学習の本当の意味とは
プライベートトレッキングクラスの目的の一番は社会化を促すことです。
犬の社会化学習というと、人や他の犬、音、車、自転車、街並みなど、あらゆる刺激に慣れさせる練習だと思われます。
しかし山には犬に慣れさせたいような刺激はありません。
山歩きと社会化がつながっているのかと不思議に思われるでしょう。
犬の社会化とは学習の結果として犬が生活環境の中に安心を獲得していくということであることは間違いありません。
本来の犬の社会化とは、生活を通して自然と獲得されるはずのものであったのです。
ところが人と犬の関わりの変化の中で、犬の飼育環境が変化したことで一部地域の犬には人工的な社会化学習が必要となってしまったからです。
この人工的な社会化学習がかなり強引な手法で犬にも飼い主にも負担をかけています。
社会化学習の過程は犬のしつけ方やトレーニングの手法として犬に与えられるものになったときに少し強制的なものとなってしまったのです。
犬と人の利益の中間を探してしまうと、やはり人側に偏った形に収まります。
自分自身も多くのセミナーに参加して犬の社会化学習を学び、これまでも生徒さんにお伝えしてきました。
流行した社会化学習法である程度の社会化は促せたものの、犬に本来の社会化を促すにあたってはずいぶんとオポの力を借りてしまいました。
真の犬の社会化学習に挑戦するためのトレッキングクラス
私もいきなり今の視点に到達したわけではありません。
犬の社会化というのが犬の中でどのような発達や成長が進んでいるのかということを犬側にたった視点で見る力が自分にも不足していたため、教えられた手順を守っていた時期もありました。
自分の未熟さを反省しながら前進して学んだ結果、少しずつですが見えてきたものがあります。
社会化という学習を通して発達するということを犬の姿を通して学べたのは、この山という自然環境の中での犬の行動を観察するようになってからです。
プライベートトレッキングクラスではステップアップ形式で犬の行動に変化がみられるのがわかります。
それはあまりにもゆっくりで普通の人の観察眼では理解できないことかもしれません。
しかし結果として日常の生活の中に変化を起こすきっかけとなるのです。
でもそれには時間と空間とそして心から犬を愛する心が必要なことがわかりました。
それを持っている方々がグッドボーイハートに学びに来てくださっています。
そして犬たちの成長を見る機会をいただいていることに感謝する日々です。
トレッキングクラスでの成長は日々の生活の基盤に支えられていることは間違いありません。
犬との山歩きは日常のストレスの発散のためにあるのではないのです。
このこともよく誤解されてしまいます。
ゆっくりと進む社会化という学習が脳内に起きていることを、見えないのだけれど行動には見ることができます。
少しは見えるようになったことを飼い主さんにお伝えするのが私の仕事です。
また飼い主さんにも見えるように学んでいただくこともグッドボーイハートの学びです。
今週も犬と生徒さんたちの確実な成長を見せていただき、同時に飼い主さん自身にも犬の成長を感じていただく時間を持つことができました。
ありがとうございました。