ほとんどの犬が動物病院で毎年受けている“混合ワクチン接種”について考えることがあるでしょうか。
犬の混合ワクチン接種は飼い主にとっての義務ではありませんが、動物病院では犬にとって必要で有益だということで勧められる、もしくは接種をするのが当たり前だと考えられチエル医療行為です。
法律では飼い主が飼い犬にしなければいけないのは“狂犬病予防接種”だけなのです。
昭和25年に施行された狂犬病予防法では、狂犬病予防接種が義務付けられていますが、それは犬を守るための法律ではなく人を守るための公衆衛生上の法律なのです。
その反面、犬の混合ワクチン接種は犬を守るためのワクチンとして開発されたもので子犬の頃からどの犬も接種するのが当たり前だと思われているワクチン接種です。
混合ワクチン接種はその種類によって、2種、5種、6種、7種、8種、10種と種類により内容が異なります。
子犬を引き取ったときから「次の混合ワクチン接種の時期はこのあたりです。」と指定されてくるため犬には混合ワクチン接種をするのが当たり前だと思われているのですが中にはワクチン接種に疑問を抱く方もいるでしょう。
犬の混合ワクチン接種はあくまで飼い主が任意で行うもので義務ではありません。
混合ワクチン接種を犬に受けさせるのも受けさせないのも、決める権利は飼い主側にあります。
「犬の混合ワクチン接種って受ける必要があるのでしょうか?」というご質問を受けることもありますが、私は獣医師でないのでこの質問にイエスやノーで答えることができません。
ですが、考える機会を持つというのはとても大切なことです。
誰かが言ったから言われた通りにするとなると、自分で決めたことになりません。
何かが起きたときも「あの人が言ったからやったのだ」と起きたことを人のせいにしてしまいます。
だとしたら、愛犬にしていることを自信を持って「自分が決めたのだ。」と言えるようになろうではありませんか。
それで今回はウイルスとワクチンについて書かれた宮沢孝幸先生(出版時は京都大学教授で現在は獣医師兼研究者)の書籍「京大おどろきのウイルス学講義」をご紹介します。
ワクチン接種について考えるなら、ウイルスとは何ぞやということについて学ぶ必要があるということで、宮沢先生の本を選びました。
他にもたくさんのウイルス学の本があると思いますが、今回の新型コロナウイルス騒動で他者とは違う意見を述べられている宮沢先生のお話が自分にとっては最も納得のいくものであったことから宮沢先生の本を手に取りました。
内容についてはぜひ書籍を読んでいただきたいところです。
感想を述べさせていただくと専門家らしくやはり聞きなれないウイルスの名前や成分の名前などがたくさん出てくるため科学記号が苦手な私にとってはとても覚えきれるようなものではありませんでした。
しかし、なんとなく受け取ったのはウイルスというのは悪者でないこと、そしてウイルスなくして生きていくことはできないのだということ、また人の新興ウイルスや野生動物のウイルスから変異して生じてくるのだという自然の流れのようなものを理解することができました。
ワクチンとウイルスという項目もあり、このあたりは具体的でよく理解が進みます。
新型コロナウイルスとの付き合いの中でも、ウイルスとワクチン接種について考える機会をたくさんいただきました。インフルエンザウイルスもあるのが当たり前の社会になりました。
それでもまだ、ワクチン打つべきか打たざるべきか、という選択は法律ではなく私たちに委ねられているのです。
犬にワクチン接種をすべきかすべきでないのか、考えたこともない方もいらっしゃると思います。
考えると悩みが付きませんが、考えて間違えるのが人間です。考えたり悩まなくなったらヒトらしさがなくなります。
皆でいっしょに考えましょう。
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