「精神科養生のコツ」はやさしく面白い本
久しぶりにおすすめの本の紹介です。
先日からブログに投稿させていただいた「自然治癒力」を学ぶために愛読している本をご紹介します。
神田橋條治先生の「精神科養生のコツ」です。
書籍の表紙や題名はいかにも精神科医の先生方が手に取られるような重厚な感じです。
しかし中身は大変シンプルな内容です。
一部をブログ記事でも紹介しましたのでご覧ください。
<犬・自然のこと>犬の自然治癒力を考えるために自分の自然治癒力を考える
神田橋條治先生は九州大学医学部出身なので地域的に親しみを感じました。
一般の方を対象に書かれたものと思われるほど、やさしく分かりやすい文章です。
しかも、自然治癒力を大切にするための自分が試せる具体的な方法が掲載されています。
その内容には科学的な根拠のないものもありますが、試してみても副作用のないものばかりです。
やってみて気持ちが良ければ続ければよい、それが先生のお考えのように受け取りました。
私が自然治癒力を学ぶことになった理由
犬の自然治癒力については、動物病院や食の専門家などいろいろな犬のプロフェッショナルの先生方がそれぞれの立場で考察されたものがあります。
家庭犬インストラクターとしての自分が犬の自然治癒力について学ぶようになったきっかけは、その職業としてではなくむしろ一飼い主としての立場からでした。
福岡市の博多駅近くにドッグスクールを構え、休みなく犬のトレーニングやドッグデイケアなどの犬のしつけのためにできることを取り組みました。
その間、共に暮らしていた愛犬は私の仕事の手伝いに付き合わされて消耗していきました。
そのことに気づいたのは彼が最後のメッセージを表情にして訴えたときでした。
約束を果たさねばと思い、山の中にある家(現在の七山のグッドボーイハートです)を見つけてオポを移動させました。
そこで自然治癒力に任せて元気になるなどという妄想は抱いていません。
ただ、自分は飼い主としてオポという犬と約束した「山に暮らそう」を彼の命のあるうちに果たしたかっただけです。
そのうち自然の空気と土と臭いの中で、消耗した犬は元気になってきました。
ただ健康になっただけではなく、それまで都会で見ることのなかった行動をたくさん見ることができました。
このことが今のグッドボーイハートの犬のトレーニングの基盤を固めたものになりました。
犬の自然治癒力にこだわる理由
自然治癒力というのはツールとして使われてしまうことがあります。
ツールとして使った方が、取り入れやすいし説明しやすいからではないかと思います。
どんな食事を与えた方がいいとか、どんなサプリメントがいいとか、どんなマッサージがいいとか、これはすべてひとつの形です。
目に見えないものに取り組むのにツールはとても便利です。
ただ間違えないようにしたいのは、これらは犬をただ長生きさせるための手段ではないということです。
より良く生きる時間を増やすためのお手伝いくらいが良いでしょう。
長生きを目標にすると長生きしなければ合わなかった、良くなかったと後悔が残ります。
では犬が長生きするとは何歳のことを言うのでしょうか。
10歳と思う人、12歳と思う人、15歳と思う人。
でも犬自身はどう思っているのかわかりません。
動物の生きる時間は人の生きる時間と同じように、豊かでリラックスしていて心から喜べる時間であるようにそばにいる飼い主が手伝えればと思うのです。
犬に何かをさせるためのしつけやトレーニングが犬に負担をかけるように、犬を健康にさせるための方法はやはり犬に負担をかけます。
犬のことを考えるなら犬は今どう過ごしているのかを見てあげるのが一番です。
犬が美味しそうにゴハンを食べていればそれが一番です。
心から解放されて満たされた時間が続けば、そのうち犬は自然とのつながりという奥深いものに犬が入る時間を得られます。
それは一瞬かもしれないけれど、神田橋先生の言われるとおりにとても気持ちの良い感覚なのだと思います。
そしてそのときに飼い主として一緒にそばにいることができれば本当にラッキーです。
神田橋先生の不思議な本。
もし読まれる方がいたら感想を教えてください。
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