グッドボーイハートのクラスを受講してくださった生徒さんから感想文をいただきました。
今回は、パピートレーニングを受講してくださったトイプードルの子犬の空ちゃんの飼い主さんからです。
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子供たちが大きくなり、なんとなく寂しさを感じていたときに、癒しを求めて子犬を飼いたいと思うようになりました。
犬は可愛いと思えるけど怖いからと、ほとんど犬と接したことがなかった私ですが、子犬からしつけをして育てれば大丈夫だと、安易に考えてしまいました。
ブリーダーから犬を迎える日が近づくにつれ不安が募り、専門家に犬のしつけ方を教えてもらおうとネット検索して出会ったのがグッドボーイハートでした。
空を迎える前にカウンセリングクラスを受けて、犬との生活は生半可な気持ちでは無理と不安でいっぱいになりました。
この時点で、もうすでに後には引けない状況でしたので、ともかく先生を頼りにがんばるしかないと覚悟のスタートでした。
迎えたばかりの子犬の空は、自宅に来てから3日間クレートに閉じこもり、やっと出てきたと思えばすぐに部屋中を吠えて走り回り、やたら攻撃的に甘噛みを始めました。
来た当初の大人しく弱弱しかった空の豹変振りにクッションを盾に応戦し、こんな怖い子を飼ってしまってこの先の不幸しか頭に浮かびませんでした。
先生は一貫して、抱っこはやめてくださいとおっしゃり、当初は意味もわからず家族に抱っこ禁止令を言い渡し、ひたすら犬にストレスをかけない環境作りのために、部屋を模様替えする日々でした。
「えーー」と「きゃーー」ばかり言っていたこのときを思い返して今思うことは、空への直接のしつけというより、空が気持ちよく過ごすことができるように環境を整えることが、空の行動を落ち着かせることにつながったということです。
気がつくといつの間にか、甘噛みやとびつきが少なくなり、空の興奮が長く続くことがなくなっていました。
そして、空の変化に比例して、子犬にビビッて過剰に反応していたわたしでしたが、リラックスして空と接することができるようになっていました。
男ばかりのわが家でアイドルの空です。
かわいらしさに負けてついつい甘くなったり、甘えてくる空を受け入れてしまいがちな毎日で、三歩進んで二歩下がる感じです。
適度な距離をもって、犬と楽しく暮らしていけるようにこれからもがんばりたいと思います。
そして、野山に出かけ自然にふれあう機会を空と共に楽しみ、犬の短い一生を幸せにすごしてもらえるといいなと思っています。
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子犬を迎える前にカウンセリングを受講して下さる方はまだまだ少ないのですが、犬を飼ったことがないとか犬を飼うことに自信がないという方の方が学ぶ姿勢が高まることもあります。
空ちゃんの飼い主さんも小さな子犬の空の甘噛みやとびつきに、はじめはかなり怖がっていらっしゃいました。
野生動物が同じようなことをすれば当然怖いと思うはずなのに、なぜか犬だと馬鹿にしてしまいこともありますから、怖がりすぎるのも困りますが人とは全く違う動物なのだと受け入れる事の方が上手くいくこともあるのです。
子犬の中には抱かれたがらない犬らしい気質を持つ犬もいますが、小型犬の多くは飼い主の膝や手の中が逃げ場になり、成長を阻害したり不安を上昇させてしまうことがあるので、子犬時期の接し方はとても大切なのです。
空ちゃんに対して決めたルールをきちんと守られ、何よりも空ちゃんが落ち着ける環境を整えるために全力で協力をされる姿勢には頭の下がる思いでした。
最初にレッスンに伺ったときに大きな屋根のないサークルを準備されていて「すみません、このサークル使えないんですけどいいでしょうか?」と申し訳ないという気持ちも含めて申し上げたところ、「えーーー、買ったばっかりなんです。」といわれながらも、リサイクルに出してきっちりと処分して下さったことなど懐かしく思い出しています。
新しい環境を導入すれば、子犬の空が負担なく受け入れていくように練習や対応も必要となります。
環境整備は今ある環境を変化させなければいけないということですから、なかなか進まないというのが現状なのに、その中では革新的なほどの工夫をされていました。
犬を飼ったことで生活が変わっていくのがこわいですねと笑いながらおっしゃっていましたが、それは決して犬のためだけでもないことばかりです。
犬にとって本当に必要な時間は、自分たちにとっても必要な時間であることの方が多いからです。
空ちゃんとこれからも、毎日を重ねながら共に成長していただければ、そして時々私もごいっしょできればうれしい限りです。
Author Archives: miyatake
<受講生のコトバ>わが家のアイドル、空ちゃんのパピートレーニング格闘の日々
<クラス・動画>子犬のはじめてのお散歩トレーニング
家庭訪問のパピートレーニングクラスで、3ヶ月の子犬ちゃんがお散歩の練習をはじめました。
子犬が散歩に出るというのは、大きな社会化という成長のための一歩を踏み出すことにもなります。
子犬が外界という世界に対しどのような反応を示すのか、それに対してどのように対応していけばいいのかなど、飼い主さんにとっても新しい課題が増えてきます。
犬を散歩させることで最も難しいことは、リードという犬という動物にとっても大変不自然な道具を理解させなければいけないことです。
リードという道具は犬の安全を確保するために着用するものですが、犬の方から見ると拘束されてしまい逃げることができなくなるというストレス状態に追い込まれてしまうものでもあります。
子犬にリードを着けることの意味は、飼い主が手をつないでいるように犬と歩いているということです。
リードは子犬を守るための道具でもあり、また子犬にどちらの方向に進もうとしているのか、停止しようとしているのか、待つ必要があるのか、など状況による様々な行動を伝えるための大切な道具なのですが、子犬がこれを理解するようになるにはしばらく時間がかかります。
それよりも、リードを使っている人(飼い主)の方が、リードの使い方を十分に理解できていません。
特に様々な危険と遭遇する可能性のある混雑した道でリードを使う場合には、リード使いにはかなり熟練を求められます。
リードは犬を落ち着かせるために使う道具であって、リードをひっぱって犬を不安定するような道具ではなく、馬でいえば手綱だと思っていただけるとわかりやすいかもしれません。
子犬はリードを付けられているストレスを抱えながら、臭いの強い都心の環境をすり抜けて安全地帯である緑の多い公園へと向います。
子犬にどのような手順を踏めば社会化をできるだけ緩やかに促進させることができるのか、子犬の性質やそれぞれの異なる地域の環境から算出していくだけでも、かなり時間のかかる作業です。
次の動画は、お散歩練習をはじめたばかりの3ヶ月の柴犬ちゃんの動画です。
生後3ヶ月のカレーニンちゃんのお散歩風景の動画
こうした散歩にかかわる環境整備を飼い主さんといっしょにやっていくためには、やはり家庭訪問トレーニングが一番です。
実際に見ることができない環境の場合には、ビデオで見せていただいてり飼い主さんからの詳細な報告で環境を把握できるように努めています。
さらに、子犬の散歩デビューの前準備と室内での子犬との過ごし方が子犬の散歩行動に影響を及ぼしていますので、つまりは何かひとつだけを練習してもうまくはいかないということです。
逆をいえば、一貫して接することを覚えると犬のしつけ方や関係性の作り方はある意味シンプルであるともいえます。
子犬たちのこれからの成長が楽しみです。
<クラス>今年最後の犬語セミナーを開催しました。
今年も毎月がんばってまいりました犬語セミナーですが、2018年は11月の開催が最後となりました。
生徒さんにお手伝いいただいて、いつもはご覧いただけないような内容のビデオもご覧いただきました。
犬の問題行動のご依頼は多いものの、犬たちが日常的にどのような問題行動を起こしているのか、実際に見ることはほとんどないと思います。
今はユーチューブといった動画配信のツールがありますので、今までは見ることのできなかったような映像も簡単に見ることができます。
ただ、それらの行動のどこが問題なのか、何がその行動に影響を与えているのかを探ることは難しいばかりでなく、行動の意味すらも取り違いされてしまうことがあります。
情報が過多であると共に情報が雑であることの悪い影響の結果です。
ひとつの間違った見方が情報のツールにのると、その情報は発信した方がとめようと思っても止め処もなく広がってしまいます。
悪意があるものではなくとも受け取り方によって誤解されてしまうということも多々あります。
犬語セミナーは、溢れる情報の受け取り方にしっかりとした自分のフィルターを持つことを学ぶことも目的としています。
選別や判断をするための手順は自分が見ていることを発言する、そして他の方の意見も聞く、さらに広い視点で見ることでそれが正確に見ているのかどうかを知っていくということです。
今回犬語セミナーのときに少しだけご紹介した犬の問題行動のビデオは、ユーチューブでも配信されているようなものです。
その行動の原因がどこにあるのかも、飼い主さんの登場で明らかになっています。
自分の犬との関係にも大いに当てはまるこの接し方とは、つまり「間違った愛情表現」です。
犬に対する間違った愛情表現とは、抱きしめる、撫で回す、いつも触っている、抱き上げるといった行為です。
これらは犬を興奮させる行動にはなりますが、決して落ち着かせる行動ではありません。
むしろ、犬を興奮させるばかりでなく、犬を不安にさせてしまいます。
結果として、犬は落ち着くなく動き回ったり、吠えたり、とびついたり、噛みついたりするようになるのです。
人の幼児を可愛がるように犬を可愛がることはできないのです。
犬には犬として犬を尊重すべき接し方があり、そのことが犬を落ち着かせる一番の方法です。
犬語セミナーは来月1月に開催を予定しています。
次回のお知らせはブログで行います。
<受講生のコトバ・こてつちゃん編>6歳からのトレーニングに挑むこてつちゃんと飼い主さん、6歳でも遅くありません!
グッドボーイハートのトレーニングクラスを受講してくださった生徒さんに、クラス受講後に感想をいただきましたのでご紹介します。
今回は、6歳の柴犬の男子、こてつちゃんの飼い主さんからいただきました。
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生まれて6ヶ月で初めて我が家に来た柴犬のこてつは、来たときにも怯えて不安そうにしていたのを今でも覚えています。
小さな音にもびっくりすることがあり、こてつは臆病な性格なのかなと思っていました。
外の大きな物音や雷などを怖がるような仕草を見せることもありました。
それでも、3年前に今の家に引っ越してくるまでは、特別に危惧するような行動は見られませんでした。
ところが、引越しの後から夜になると変わった行動をするようになったのです。こてつは6歳になっていました。
夜になると突然息が荒くなり、うろうろと室内を歩き回りながら失禁したり、酷い時には壁と洗濯機のわずか10センチくらししかない狭い隙間に入ろうとしたりするのです。
何が原因かわからないまま、様子をみながら過ごしていました。
そのうちに、夜になるとおきるこてつの症状は一ヶ月に1、2回だったのが週に1、2回と酷くなってきました。
日ごとに激しくなるこてつの行動に、こちらも不安を抱えるようになりました。
そんな時にグッドボーイハートを知り、家庭訪問のトレーニングを受ける事にしました。
こてつにとって何が不安なのか、どうすればこてつが毎日を穏やかに過ごせるのかなど、色々な事を教えていただきました。
こてつの練習を重ねながら訓練を続けました。
続けていくうちに、こてつの夜になると起きていた発作の様な症状はだんだんと少なくなってきて、その程度も軽くなってきました。
トレーニングが終了することには、散歩中にぐいぐいと引っ張っていたこてつが私の横について歩く様になりました。
あんなに大変だった散歩が変わったことと、雨の日には全く外を歩けなかったのですが、いっしょに散歩に出られるようになりました。
基本的な室内での“待て”や“伏せ”は出来る様になったのですが、こてつは頑固な性格です。
わたしたちが“おいで”と言っても自分が来たくない時にはがんとして来ない時もあります。
まだまだ私自身が飼い主として学ばなければならないと感じています。
毎日刺激のない狭い家の中で過ごしているこてつの事を考えると、これからはもっと自然の中にたくさん連れて行きたいと思っています。
こてつとの過ごし方を学び、考える機会を与えていただき本当に有難うございました。
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6歳のこてつちゃんは、夜になると室内をうろうろとする徘徊と呼ばれる行動や、あちこちで排泄をしてしまう失禁の症状をみせていました。
はじめは雷がなったり雨が降ったときだけだったのが、次第に毎日夜になるとおきるようになってトレーニングのご相談を受けました。
こうした行動では、一体犬の中に何が起きているのか分からず不安になられることと思います。
こうした不安行動が犬のしつけ方やトレーニングを学ぶ学校で対応できるということもあまり知られていないため、放置されている犬たちも多いようです。
また、こてつちゃんのような症例は比較的、中年層で起こりやすいものです。
犬が6歳や7歳といった年齢で問題行動が起きてしまうと、トレーニングは無理と判断されてしまうこともあるようです。
こてつちゃんの飼い主さんはもうお分かりだと思いますが、トレーニングを受ける必要があるのはこてつちゃんではなくて飼い主さんの方です。
飼い主さんが今のこてつちゃんに必要な環境を整えることで、こてつちゃんの行動を変化させることができます。
もちろん、がまん強く根気強く続けていく必要がありますが、犬の行動は落ちついてきて飼い主との関係性はより良いものになるのですから、トレーニングやしつけが苦痛になるということはありません。
こてつちゃんは七山に山歩きにも来てくれました。
たくさん心配していた飼い主さんでしたが、こてつちゃんの勇姿を見て「これからいろんなところへ連れて行きます!」と言ってくださったこと、また実際に毎週のように田舎に連れ出していただいていることもとてもうれしくなりました。
犬の不思議な行動でお悩みの方も、ぜひ一度カウンセリングを受けてみてください。
犬の専門家でないとわからない犬の行動と習性を知ると、今以上に犬のことが愛おしくなり犬との過ごし方も変わっていくでしょう。
こてつちゃん、これからも飼い主さんといっしょに成長して、犬生を楽しんでくださいね。
<クラス>連休中は熟練たちのテントクラス開催しました。
11月の連休は最高のお出かけ日和でした。
みなさんも犬たちといっしょに山歩き、海歩きへと出かけられたことでしょう。
グッドボーイハート七山の尾歩山では、10年以上テントクラスにご参加いただいている熟練メンバーでのクラス開催となりました。
テントクラスというとどのようなスタイルで寝ているのかと想像できない方も多いようですが、とても単純でテントを張って犬といっしょに寝泊りするというクラスです。
最初はなかなか落ち着かずにいる犬たちも、くり返しの経験で自信をつけていき頼もしくなっていきます。
アウトドアが好きな飼い主さんも、アウトドアとは縁のなかった飼い主さんも、どちらも犬との新しい体験を楽しみながら関係をつくっていただいています。
犬との限られた時間をどこでどのように過ごすのか、みなさんそれぞれでしょう。
人の楽しみばかりに重点を置いてしまうと、人の外出やイベントに犬を付き合わせることになって結果として犬に負担を強いてしまいます。
何もない山で過ごしてテントという単純な道具で寝ることは、人にとっては少し物足りない上に原始的で快適さとは無縁の時間にもなります。
ただ、その何もない中に犬との関係に気付いたり変化したりするものがあるのかなと思います。
実際に、テントクラスに参加してくださっている生徒さんと犬くんたちはそれぞれに悩んだり苦しんだりしながら、成長や変化を楽しみつつ静かに老いをすすめていく犬の姿を見守っていらしゃいます。
これからいくど山で夜を過ごしていただけるかわかりませんが、そのひとときがかけがえのない時間になれば、そしてそれが犬にとってもそうであればと願うところです。
若い犬たちは山に出現した見慣れぬテントという物体に、警戒したり驚いたりしていました。
いつか君達もテントに人といっしょに寝ることがあるんだろうか、そうなると楽しいねとささやいていました。
<おすすめのアイテム>レザーリードの手入れに欠かせないオイル“ラナパー”をおすすめします。
立て続けにリードの修理をすることになりました。どちらも生徒さんの分です。
ひとつは金具の取り替えですがこちらはナイロン製のリードで比較的簡単です。
別の相談はレザーリードに関するご相談でした。
リードが切れたので買い換えたいのだけど同じものが売っていないということだったのです。
確認すると見事にレザーリードが切れています。
レザーリードは何十年も使うことのできるものでリードの中では耐久性の高いものですが、手入れを怠ると破損も激しくなります。
その手入れとは、油で吹き上げることです。
バッグやシューズなどの本革のレザー製品と同じように、犬のレザーリードも油をしみこませておかないと革が乾燥してしまいきれてしまうのです。
数ヶ月に1回はレザーリードを油で拭くことをおすすめします。
どんなオイルを使えばいいのかと迷われたら、この商品を使ってみてください。
ラナパーという商品ですがわりとどこにでも置いてあるようなお品です。
バッグや靴の手入れだけでなく、天然木の家具の手入れにも使えるので万能でとても役立ちます。
嫌なにおいもなく素手でぬることができます。
購入時にスポンジがついていますのでスポンジで吹き上げたあと余分なオイルを布で拭きとるだけです。
乾燥したレザーリードはどんどんオイルを吸い込んでいきますので、しばらく塗っていなかった場合にはくり返し重ねて塗りこんでいただくといいでしょう。
オイルで吹き上げたリードはとても柔らかくしなりがあり、これでもう切れることはありません。
切れた部分もレザーリードは補修が可能です。
今回はお直しをお手伝いさせていただきました。
訓練士時代は訓練所で使用しているリードが60本くらいありましたので、それを毎日手入れするのも仕事のひとつでした。
久しぶりにリードを縫い合わせる作業をしたため多少不器用でしたが、懐かしい時間になりました。
リードはレザーがおススメですが、小型犬には多少重たさがあるので3キロ未満の犬ちゃんには細めのリードをご利用ください。
リードは人と犬が意思疎通を行う大切な道具です。
生涯を通して使えるリードとめぐり合ったら、大切に手入れして長く使われると犬とのコミュニケーションも深みを増します。
<犬のしつけ方>犬の穴掘りにはどんな意味があるの?
グッドボーイハート七山で預かりクラスをしているときのことです。
預かり犬ちゃんたちに連続で庭に穴堀りをされて悲鳴を上げたことになりました。
特にビックリした方は、大型犬が少し目を離している間に巨大な穴を掘っていたことです。
ほんの数分だけだったのですが、長さ1メートル、そして水道管が露出していました。
水道管を破損されかっただけでも有難い話ではありますが、土が柔らかいので特大サイズになったのでしょう。
あとは小さいちゃんたちの軍団なので、掘った穴のサイズも幅、深さともに10センチ程度のものです。
それでも歩いているときに足がはまってしまうこともあるので、歩くときには注意する必要があります。
しかも、数頭預かりをしているときには同じ穴をいっしょに掘っている姿をよくみかけます。
土を掘る動作をすると犬がよってきていっしょに掘ろうとするので、穴掘りは共同作業のひとつとして身に付いているからでしょう。
では、そもそもなぜ犬は穴を掘るのかということです。
犬という動物の習性を考えればある程度のパターンでは推測ができます。
最も大切な穴掘り作業は、巣穴を作る際の穴掘りです。
犬によってもサイズは様々ですが、自分の体のサイズくらいの穴は掘ることができます。
出産時につくるのがメインにはなりますが、その他隠れる場所を必要としているときや冬の寒さや夏の暑さから逃れる方法としても巣穴は快適な空間のようです。
穴掘りの活用法の二つ目は、食べ物を隠しておく場所として使うことです。
巣穴があればその中に隠すという方法もあるでしょうが、巣穴なしで活動をしている場所では穴を掘って食べ物をいれそしてまたその上に土をかぶせていきます。
鼻で土をかぶせるような動作はタオルケットや毛布でもよくみまれます。
室内ではこのような方法でジャーキーは犬用のガムを隠していることがあります。
犬の穴掘りの目的としては上記の二つがメインになります。
その必要がない場合に穴掘りをすることもあります。
子犬の時代にはこうした作業の練習をくり返しますので、無駄な穴堀りをよくします。
野生のイヌ科動物の子犬も穴掘りの練習のような動作をすることがあります。
こうして身に付いた穴掘りが実践で役立つということでしょう。
家庭犬の場合には、もともとすることのない子犬時代がずっと継続するために、することがなくて穴掘りをして時間をつぶしていることもあります。
ただ、家庭犬の場合には隠れる場所を必要として床を掘ったり、ソファを掘ったりする行動をすることもありますので、そのような犬がストレスで生じている行動については注視してあげてほしいのです。
穴掘りをしていると飼い主の注目をあびたり、とめようとよってくることから飼い主を呼び戻す行動となることもあります。
この辺になると、飼い主の行動のパターンに基づく学習行動になりますので、犬本来のものとは少し離れてきます。
そして最後に、この穴掘り行動がずっと継続してくり返し行われる場合には、ストレス行動となっていることもあります。
穴掘り行動は同じ動作をくり返す行動です。
こうした同じ動作をくり返す行動を常同行動といいますが、その文字のとおおり同じ行動をくり返すという意味です。
穴掘り行動は常同行動として変化してしまう可能性のある行動なのです。
行動は単発ではなくその状況や前後の流れなどから意味を汲み取っていきましょう。
犬は遊び行動をしているのか、それともメッセージなのかストレス行動なのか。
じっくり観察すればその行動の意味がわかります。
行動の意味を理解できたら、次に飼い主としてやるべきことが決まってきます。
<犬のしつけ方>できるのか?犬のしつけ方に関するメディアリテラシー
犬を飼った飼い主のほとんどが何か1冊は「犬のしつけ方の本」を持っているようです。
犬の吠えるや咬みつくなどの困った問題のご相談に関する最初のクラス、カウンセリングクラスのときに、飼い主さんが持ち出して来て「この本に書いてあったのでやってみたんですけど…」という流れになりがちなのです。
愛犬のしつけ方、ほめてしつける犬のしつけ、全犬種対応しつけマニュアル、犬のトレーニングとしつけなど、こんな感じの書籍名で数え切れないほどの本が出版されているだけでなく、インターネットで検索すれば読みきれない情報を手に入れることが可能です。
その莫大な情報の中から、今目の前にいる自分の犬についてどのようなしつけの方法があっているのか、具体的に何をしてよくて何をしてはいけないのかを判断していくことははっきり申し上げて難しいことなのです。
本の中に書いてあるある方法が、たまたま自分の犬にあって効果があることもあるでしょうし、実際には効果があったように思えることでも別の問題に転化してしまっただけになっていることもあります。
人に聞いたこと、ネットで調べたこと、本に書いてあることを鵜呑みにすることは、結果が得られないだけでなく犬の不信感を増してしまうという悪影響が出ることもあるのです。
熱心が裏目に出てしまい、ある方法を試したけど効果がなかったので次は別の方法を試してみるなどとこの手あの手を使ってしまうと、犬はあなたのことを理解できなくなるばかりでなく飼い主の行動の予測が不可能になるためにパニックを起こすという最悪の状態を引き起こすことになります。
動物はある程度単純な学習を重ねることでその行動が成り立っているともいえます。
難しいとされる犬のコミュニケーションも、一定の環境内で犬と犬がコミュニケーションを交わしているのを見ると、単純化されたわかりやすいものなのです。
犬は犬としてのコミュニケーションや習性を持ち、そして相手の行動を予測して反応を示そうとする学習が働きます。
こうした予測行動が不可能となったときに、犬を含む動物はパニック行動を起こすようになります。その中に激しい攻撃性行動も含まれることがあります。
情報を整理して自分にとって必要なものは何か、どれが正しい情報なのかを判断するメディアリテラシーを、犬のしつけ方に関して一般の方が行っていくのはあまりにも過酷な作業になります。
トレーニングに支払う代金がもったいないからとここに多くの時間を使ってしまうと、結局は時間だけを浪費することになるだけでなく、犬はどんどん年をとっていきます。
犬のしつけ本を差し出され「ここに書いてあることって正しいですか?」という質問を受けたときに、この部分はある程度信用のおける内容ですがこの部分は抜粋になっていて不明確な情報です、などといった質疑応答をするだけでもますます混乱するばかりでしょう。
こうしてブログで情報提供をしている自分でも、以前に書いた文章を読んだときに説明が曖昧だと思う部分や、もう少し違った捉え方ができると感じることがたくさんあるのです。
ブログを読んでいただけることには本当に感謝しています。そしてできたらリアルタイムで、今現在知りえることをみなさんとお話ししたいのです。あなたの犬について、あなたの犬の行動について、そして犬という生き物について、今起きていることをいっしょに考えたいのです。
そしてまたメディアで取り上げられる犬の番組を見て、自分にとっての真実とは何かを探して下さい。
私もきっと今でも、自分にとっての犬の真実を探し続けているのです。だからメディアの情報を鵜呑みにはしません。
批判的になりたいのではなく、むしろ厳しく受け取ることで自分を引き締めたいと思います。
<犬のしつけ方>犬に食べさせてはいけないのはどんな食べ物ですか?
ブログのネタの多くはトレーニングやヒーリングのクラスのときに飼い主からいただく質問で成り立っています。
ひとりの飼い主さんが疑問と感じられることは、多くの飼い主さんが疑問に感じておられること。
できるだけ日常の疑問にお答えすることで、グッドボーイハートのブログがちょっとだけ犬との暮らしに役立てば幸いです。
今回のある飼い主さんの質問は犬の食事に関することでした。
「先生、犬に食べさせてはいけないのはどんな食べ物ですか?」
多くの飼い主が知っている犬に食べさせてはいけないものはこんなものでしょうか。
たとえば玉ねぎ、これはとても有名ですが犬の中には玉ねぎを食べたことで血液が破壊されてしまう急性の状態に陥る場合があり、非常に危険だとして玉ねぎを与えないようにといわれています。
犬の方も生の玉ねぎを差し出されて食べることはほとんどないくらい好みではないようです。
ですが玉ねぎ中毒は玉ねぎのエキスもダメということで、味噌汁に入っている玉ねぎすら危険だとされています。
ところが、昭和の犬たちは玉ねぎをよく食べていました。
私達世代(昭和ということで)では、犬には残飯を与えることは普通のことでしたので、犬が玉ねぎ入りの食事を食べていたことを知っている方も多いでしょう。
ちなみに、うちの柴犬やスピッツミックス犬も玉ねぎエキスたっぷりのすき焼きの残りやハンバーグのかけらは大好物でした。
そんな事実もあるのですがといっても生徒さんには勧められないので玉ねぎ、ネギ類は犬が好まないので与えないで下さいとお願いしています。
他にも、子供が好まないものを犬は食べられません。
香辛料とか消化の悪いものや咀嚼が大変必要な硬いオカキや大豆製品などです。
大豆などはそのまま便の中にでてきてしまいます。種子と同じ扱いになっているようです。
人もあまり得意ではないがなんとか食べられるという油に火を通したもの、たとえば天ぷらも反応が高いです。
これは油が酸化したものを受け付けないということですが、本来なら人間も受け付けません。
ちなみに私は有名なてんぷら店のてんぷらを食べた場合でも、消化不良によって震えが止まらなくなったこともあります。
犬レベルで酸化した油に弱いタイプなので、犬の状態がよくわかります。
天ぷらを食べた犬の中にも強く反応した犬がいます。
人間のサイズからすると1個の天ぷらがずい分と油を含んでいますので、犬の消化器官は追いつかないこともありますので危険です。
あえて危険をおかす必要もありませんから、揚げ物の天ぷらと、天ぷらかまぼこなども避けた方が無難です。
果物の中にも食べられないものがあるのですが、こちらは個体差が激しいです。
犬によって好んで食べるとか、食べない、食べても嘔吐すると分かれています。
たとえば、みかん、いちご、りんご、バナナ、柿。キュウイなどありますが、ほかにもあるでしょう。
くだものは人でも好き嫌いが激しいのではないでしょうか。
くだものは酵素が強いためものによっては十分に発酵(つまり腐敗)していなければ犬が消化しきれない場合もあります。
チャレンジして食べた犬も嘔吐したものは次に与えたときに警戒をするようになります。
犬の自然な条件付け学習反応です。
一度胃が拒否してしまうとなかなか受け付けない、これで自分の身を守っているわけです。
しかし本来なら、学習せずとも食べられるものと食べられないものを区別できるのが犬なはずです。
動物にとっての基本的かつ重大な情報なのですが、親犬に教えられなくとも食べられるものと食べられないものを知っています。
そのため、犬は山の中できのこ類を口にすることはありません。
本当にまれに、きのこ類を食べようとする犬がいますが、遺伝的な情報がかなり混乱を生じている結果なのでしょう。もちろん純血種犬です。
ここで、ある生徒犬くんに実際に起きたエピソードをご紹介しましょう。
その犬くんは海外で生産されている大手のよくみかけるしかも高価なドライフードを食べていました。
数年前に血液検査で数値が不安定となり、療法食としてのドライフードをすすめられたのがきっかけだったようです。
ところがトレーニングクラスを開始されるようになってから食事に関心を持たれるようになり、身近で手に入る食材を使って犬にゴハンを手作りでつくって与えるようにされました。
まず最初に変化したのは体型です。
ぽっちゃりボッテリしていた犬くんのウエストが細くなって肉もしまってうらやましい限りでした。
さらにビックリするお話しを聞くことができました。
その犬くんは今まで食べていたオヤツを吐き出すようになり、全く食べられなくなったとのことでした。
いずれもペットショップで普通に販売されている犬用のオヤツでいくつかの添加物が入っているような記述のあるものでした。
それほど安くはないもので日持ちのするものを選ばれていたのでしょうが、そうしたオヤツを犬くんの体が受け付けなくなったのです。
オヤツも野菜や芋やくだものに変えられて、ヤクトさんのジャーキーも使っていただきました。
もちろん犬くんは喜んで食べてくれていました。
それよりももっとうれしいのは、犬の選択にあわせて飼い主さんが食べ物を変えられ、そして犬くんの感性がよみがえってきたことです。
本当に食べられるものを食べ、食べられないものは食べないというのが犬のルールですが、犬は自分では食べ物を得られないので、ついつい欲張って食べてしまいます。
本当は本人の口に合わないものを食べてしまうこともありますが、そういうときには体や行動などにメッセージとして現れてくるものです。
冒頭の質問に対する答えは、食べられると食べられないを人が決めるのではなく犬の体がその感性を取り戻すこと、です。
オポは生の大根とカブが大好きでした。
食の消化力は人も様々、犬も様々。
みなさんのうちの犬ちゃんたちの体が喜ぶ食を見つけてください。
<クラス>犬とのトレッキングクラスで新しい生物発見!
プライベートトレッキングクラスのときに預かりクラスの犬くんを同行させてもらいいっしょに山歩きしました。
預かりの犬をトレッキングクラスに同行させていただけるのはとてもうれしいことです。
プライベートクラス参加の犬くんにとっても心地良く勉強できる時間になってくれるでしょう。
どちらもオスの犬くんでどちらも消極的で多少の緊張感を感じます。
その緊張感ですが、山歩きを始めると次第に解けていくのがわかります。
犬のことよりももっと広い環境を受け取ることにセンサーが向っていき、緊張していた相手も今や共に行動する仲間として認識されていきます。
歩きながら落ち着きを取り戻してずい分山の奥へと進んだところ、小さな生き物を見かけました。
数秒じっとしていたのでしっかりと見たのですが、はじめはネズミだと思い込みました。
こんな山の中にネズミがいるなんて珍しいね、と話ながら登ったのですが、どうも合点がいかずに調べてみました。
たくさんの画像をみたところどうやらそのネズミだと勘違いした生き物は「ジネズミ」だったようです。
ジネズミは九州の山手にも生育するモグラの一種とのことでした。
もうこの山に登って12年になろうとするのに、12年目にしてはじめて見た生物です。
めったに姿を現すことがないということで、偶然とはいえある意味深いメッセージです。
メッセージとしては「知ったと思い込むな、まだまだ知らない事がたくさんあるよ」というところでしょうか。
ワクワクするような気もするし、まだ宿題が残っているのかとため息をつく気持ちにもなるし、結構複雑です。
ジネズミを見たあと犬たちに「臭いしないの?」と問いかけたのですが、犬の反応は低かったです。
危険でもないし食べるものでもない、犬にとってジネズミはそんな存在なのでしょう。
ちなみにジネズミは準絶滅危惧動物とのことでした。
人も犬も数限りない種類の中のひとつでしかないのに、こうして縁あって近付けたのはこれも偶然とは言えない気がしています。
だからこそ学ぶ、犬から人のことも学びます。