冬の暖かさ対策でいろいろと悩まれている中に湯たんぽをどのように使うかという案もあります。
大型犬ではあまり使用することのない湯たんぽですが、小型犬の場合には結構使えます。
実は冷え性の自分も湯たんぽ愛用していました。
過去形になっているのはなかなか快適に利用することができずに、途中から使わなくなってしまったからです。
大手のホームセンターにあるよくあるオレンジ色の樹脂製の湯たんぽを使っていました。
しかしこの湯たんぽ、まず硬いので足の置き場がない、そして案外冷えるのが早く朝になると逆に冷たくなってしまい遠くへ蹴り飛ばしてしまって、湯たんぽの意味がないではないかという状態でした。
犬用の湯たんぽも良いものはないかと探していたところ、家庭訪問先で発見しました。
そちらのご家庭の小型犬ちゃんたちが使っていたのはドイツ製の湯たんぽです。
ブランド名はfashy(ファシー)といいます。
触ると柔らかく気持ちが良いという印象です。
最初から高温の湯をいれずに使うタイプらしいのですが、保温力が大変高いようで翌朝でもぬるいくらいでとどまってくれるらしいのです。
使っている飼い主さんも、すごくいいのでおススメしますとおっしゃいました。
早速帰宅して注文することにしました。
ドイツ製ということでどんなに高いのだろうかと思ったのですが、1個900円くらいのお値段で購入できることがわかりました。
早速注文したのですが、まだ届いていません。
使用した後にブログを書こうと思いましたが、みなさんが少しでも早く入手されるようにとすでに使用されている方のおすすめ品ということで、ここに紹介させていただきます。
ちなみに使用している犬ちゃんたちは、犬用ベッドの上やクレートの中にいれてもらって使っていました。
湯たんぽがあるとそちらに好んでいくということでした。
ですがこの湯たんぽ、素材は柔らかいものです。
クレートの中にいれているものをかじってしまうような犬ちゃんにはおすすめできません。
せっかくの良いお品ですから、かじり癖を改善してぜひいつか使って欲しいものです。
自分でもまた使ってみて、またコメントしたいと思います。
Author Archives: miyatake
<おすすめのアイテム>犬たちをやさしく暖かくしてくれるドイツ製の湯たんぽ
<犬のこと>落語「いぬ」から学ぶ犬のこと
このブログを読まれている方はほとんどご存知かと思うのですが、私は比較的フラットな感じであまり騒いだりはしゃいだりすることがありません。
中学、高校と女子校にいましたが、中性的な立場でキャーキャーと騒ぐ女子達の中にいても、どちらかというと落ち着かせる機能を働かせる方でした。
その私でも、面白いと思ったりすることはもちろんあります。
その面白さはばかばかしいということよりも、へーなるほど面白いなと納得するようなことがほとんどです。
今年一番最初に面白かったことは、年末から続けてみてしまった桂枝雀師匠の落語の中にありました。
動画を検索して見たのでお題のなかに「いぬ」というのを見つけてしまいました。
どうやら干支にちなんだお題として毎年紹介されたいたもののようで、この年は戌年だったのでしょう。
その「いぬ」というお題の落語の中に登場する犬たちのはなしがほとんど最もな話なのです。
要約すると、ある人が突然犬の話がわかるようになり、夜酒を飲んで帰る途中に犬の集会に出くわして話を聴くというところからはじまります。
犬たちは人に飼われている犬で、鎖や首輪を自分達で外して夜こうして集会をしているとのことでした。
犬はいうにはこんなことでした。
もともとは自由に過ごしていたのだけど、人が鎖や首輪という道具をつくって犬を飼うということになった。
それなら人も利用のし甲斐もあるので、犬の方で飼われて利用してやろうということでこうやってみたということらしいです。
ところが人は案外犬が期待していたのとは違ったらしく落胆することも多いとのこと。
以前は残飯でいいごはんだったのに、ドッグフードなどというものをつくってしまいどうにかしてほしいという嘆願。
さらには、人があまりに横着なために人とは縁を切ろうと考える過激な意見も若い犬の中には出ているということ。
それで、どうか大自然の法則にのっとった形ですすめてもらえないだろうかという風に人に訴える長老の犬。
台本を書かれたのがどなたかわかりませんが、犬という動物のことをよくわかっているなと感嘆したのです。
犬のことをたくさん勉強して犬の専門家などになってしまう人たちの方が、こうした発想には至らなくなります。
それは、犬の専門家の多くが人の都合にたって考えることも共に学んでしまうからでしょう。
私達が幸せになるためには犬をどうしたらいいのか。
どのように手をかけず犬にいうことを聞かせ大人しくして、人のペットにすることができるのか、そんなことばかりを学んでしまうようではこの落語は笑えないどころかツボにもはいってきません。
興味のある方、ぜひ一度「いぬ」という落語を聴いてください。
もう時代が流れすぎてしまい、小さいころに野良犬がそばにいた記憶を持つ人々も化石に近付きつつあります。
きっと私もその生き証人のひとりなので、私達が生きている間に考え方の立ち居地だけでも改めていけないかと思います。
<犬のこと>犬の寒さ対策の悩みをどう解決するか?過保護になりすぎず安心に過ごすためには
年を明けていよいよ厳しい冬が到来してきた感じです。
急な気温の変化に犬の体調不良に不安な気持ちになることもあるかもしれません。
この時期、私達でも発熱、下痢嘔吐、くしゃみ咳といった風邪症状も出やすい時期なので、犬にも同じようなことが起きても不思議ではありません。
しかし、犬は本来屋外に住んでいる動物ですし、普段から靴下を履く生活はしていません。
洋服も一張羅を羽織って一年中同じもので過ごしていますので、どのように寒さを越えさせればいいのか悩むところです。
これまた動物なので人と同じ原理になりますが、まずは個体差というのがあるのを認めることにしましょう。
個体差の中にはもって生まれた被毛の暑さ、犬の大きさというサイズ、脂肪の厚みがいわゆる洋服の部分に相当するものです。
分厚い脂肪をもっていて二重になる毛というコートをもっていれば犬は体温保持ができるので寒さ対策は特に必要ありません。
具体的には、屋外で飼育されていた雑種犬や柴犬、秋田犬などの日本犬の方はこちらのグループに入ります。
またサイズの大きな犬、ラブラドールリトリバー、ゴールデンリトリバー、ボーダーコリーなどもこちらに入ります。
中型犬や大型犬の北地方から来た犬たちは屋外での作業のために必要な寒さ対策ができています。
寒さ対策に悩まなければいけないのは小型犬たちです。
小型犬の多くが室内飼育が長くなり、被毛が薄く寒さを十分に保持できません。
中では流行のプードルは比較的脂肪がつきやすく持ち上げると案外体重があるのと被毛のくるくるのなかに空気層ができやすいため冬でも結構元気に動いているのをみます。
洋服がなくともあまり震えている犬を見かけません。
同じようにミニチュアダックスも脂肪がしっかりとついており、洋服とはあまり縁のない犬種です。
チワワ、イタリアングレーハウンド、ミニチュアピンシャーなどは、しっかりとした防寒洋服を着せてあげる必要があるでしょう。
これらの犬たちは、室内温度によっては室内でも服が必要になることがあります。
しかし、いつも服を着ることは犬の皮膚の感覚を麻痺させてしまいのちのコミュニケーションにも影響が出やすいものです。
できれば室内を暖かく保ってあげることで室内では服を着なくてもいいような環境にしてあげてほしいものです。
小型犬は床から20センチくらいの場所にいるのですから、床面の暖かさが大切です。
犬用のベッド、犬用ベッドの前には遠赤外線のストーブなどを設置していただき、好きなときに温まるという風にしてあげると犬の方で調整もできます。
ただ最近の犬の中には自律神経のバランスが不調な犬も増えています。
自律神経とは様々な体の具合を調整する神経機能ですが、これが失調していると体温調節もままならなくなってしまいます。
暖かく保持するのも難しければ、体温を下げる機能もできないのです。
自律神経のシステムは人と同じで、調整できるようにバランスをとるためにできることもいろいろあります。
どんなに暖かくして洋服を着せて暖をとらせようとしても、大元の体温調節機能のダイヤルが崩れているならどうしようもないのです。
自律神経のバランスを発達させるためにできることはなんだろうか。
結局はここを考えることが大切な根の部分になります。
自律神経は自律の神経、自律を促していくことは自律神経の発達をささえる根本治療です。
<お知らせ>2019年1月の犬語セミナー開催のお知らせ
今年最初の犬語セミナー開催のお知らせです。
犬語セミナーは動画を見ながら犬のコミュニケーション、犬の習性などの犬の行動学について学ぶ少人数制のセミナーです。
ゼミタイプのセミナーなので、自ら考え学ぶことで犬に一歩近づけます。
・ 開催詳細
日時 平成31年(2019年)1月27日 日曜日
12時~14時
※ 終了後にプチお茶会ありますのでお時間のある方はご参加ください。
場所 グッドボーイハート七山
参加費 お一人 2500円
スカイプ利用のご参加も可能です。スカイプ通信講座でご参加の方も事前にお申込が必要です。
お申込 メールもしくはお電話でお申込ください。
はじめての方はグッドボーイハートのホームページのお問い合わせフォームよりご連絡ください。
犬語セミナーは今年から不定期開催とさせていただきます。
機会のあるときにふるってご参加ください。
<クラス>トレッキングクラスと抱負を語り合う新年会
お正月も2日から七山初トレッキングクラスに小さな犬ちゃんと飼い主さんが訪れてくれました。
犬ちゃんも若いけれど、飼い主さん歴も若い。
お互いに行き違い、読み違い、すれ違いといろいろとあるものですね。
犬はただ歩いているだけではない。
犬は環境を把握しながら歩いていくことが大切なことです。
興奮したり走り出したり、動くものばかりに気をとられていると、自分の安全を見失ってしまいます。
相手はどんな奴なのか?
相手が自分に対して攻撃性があるのか?
相手は自分に何を伝えようとしているのか?
犬と犬だけでなく、人と犬もお互いに知っていると思わずに知らないものとして関わっていく必要があります。
急ぎすぎずゆっくりと距離を縮めていったほうが長続きするし、興奮してはしゃぎまわらない方がうまくいきます。
今日は久しぶりに尾歩山の奥地、知恵の木のあるところまでトレッキングにいってきました。
はじめての若い犬ちゃんたちも飼い主さんもがんばりました。
新年会では12歳を迎える先輩飼い主さんたちから、若い犬ちゃんの飼い主さんたちへグッドなアドバイスもあり、みなさんで新年の抱負を語りあって希望を十分に持ちました。
どちらにしても、理解するには時間がかかるということです。
早く早くという気持ちもあるけれど、時間はたくさんあるのだと言い聞かせて、猪突猛進ならぬゆっくり前進を今年の抱負にして歩みを続けます。
お預かりの犬ちゃんたちも無事にみんな帰宅しました。
グッドボーイハートも新年のクラスから新しい年のスタートを元気にきりました。
明けましておめでとうございます
新年明けましておめでとうございます。
今年もみなさまにとって良いお年となりますようにお祈り申し上げます。
七山ではとても寒い元旦を迎えました。
寒さのせいか、預かりの犬ちゃんたちもいつもより外遊びも短く出たり入ったりをくり返しています。
「出たり入ったり」といえば、年末に聞いた桂枝雀師匠による「いたりきたり」というお題の落語を思い出しました。
「いたりきたり」と名づけられたペットを飼うという話なのですが、どうやら野生動物をケイジにいれて飼っている様子の話だったので興味深くなり食い入って話しを聞きました。
結局その動物がなんであるのかわからなかったのですが、動物から学ぶことはどの時代でも多いのだなと面白可笑しく拝見させていただきました。
今日も明日も預かり犬ちゃんがやってきます。
明日からはトレッキングクラスも開始します。
飼い主さんのお休みのときに犬と共にできること、元気にいっぱい楽しんでください。
<日々のこと>今年最後のクラスが終了して思うこと
七山に通学レッスンに来られた生徒さんと犬ちゃんを先ほどお見送りして今年もお仕事を終えたといいたいところですが、預かり犬ちゃんたちがワイワイとしていますので、いっしょに年越しとなります。
グッドボーイハートという学校を通して、たくさんの人と暮らす犬と関わりを持たせていただき今年で19年目を迎え、来年は20年を迎えることになります。
家庭犬より以前の犬の仕事の期間も含めるともっともっと長い時間、犬という動物に深く関わることで犬について学ぶチャンスを人一倍いただいています。
家庭犬のしつけとは、犬が人のもとで安心して暮らせるように環境と関係を整えて築き上げていくことです。
一方、人犬との関係を深める中で生まれる種を越えた特別の関係を得られ、動物から学びつつ楽しみを分けてもらえます。
犬と人が暮らすというのはどこにでもあることなのだけど、自分にとっては特別のことのように思えてなりません。
犬についてこうだと思ったことがそうでなかったのではないかと思うことも度々で、今でも反省をくり返すばかりです。
学んでも学んでも学び足りないと感じることばかりで、どのように環境を整えていけばいいのか、どのように伝えていけばいいのかなどいつも悩みつつ壁にぶつかりつつ悔しい思いもしながら犬と、そして人と向き合ってきました。
この今の段階で私が犬について思うことは、犬という動物は本質的にはやはり、ゆったりとした穏やかな動物であるということです。
犬好きの方の中には、犬が走り回ったりはしゃいだり擦り寄ったり鼻を鳴らしたりすることを楽しい性格だと思う場合もあるかもしれません。
子犬が走ったりはしゃいだりして楽しんでいるのは、子犬らしくかわいいと感じることはできます。
ただ、成犬になった大人の犬たちがすぐに興奮してしまったりテンションが上がったり、他人や他の犬の存在に攻撃したりもしくは興奮してとびついたり走り回ったり擦り寄ったりする行動を見ると、その犬はまだ十分に落ち着くことができない状態にあるのだと判断します。
おそらく最近では多くの人が、落ち着いて穏やかに過ごしている犬を見かけることがほとんどなくなってしまったのでしょう。
昭和のはじめくらいにリードをつけずにウロウロと散策しながら人と距離をとりながら待ったりと過ごしていた犬たちをもう見かけることもありません。
常に狭いスペースの中に拘束され、不自由さとストレスと戦いながら、不安や緊張で落ちつかなくなったり興奮したりパニックしたりする姿を喜ぶ飼い主と共にすごく高いテンションで過ごしている犬が増えています。
平成の平の字のようにフラットでゆるぎない気持ちと心と関係性は、犬の中にも人との関係の中にもなかなか見出すことはできませんでした。
でも、それでもなお諦めません。
犬という動物が本当に求めているもの、犬という動物のすばらしい安定と穏やかさをほんの少しでも取り戻せるように、そしてそれを飼い主さんと共に感じ喜びとしたい、これが今年の最後に思ったことです。
結局、七山では雪景色は見られませんでしたが、冬はまだまだこれからです。
良いお年をお迎えください。
<クラス>年末年始のトレッキングクラスとお預かりクラスでにぎわっています。
年末年始の天気予報が良好なようで安心しました。
皆さんにご心配いただいている寒波も通り過ぎたようで、七山でも冬の始まりのやや暖かな日々を過ごすことができています。
年末年始のお預かりクラスと、この時期のお休みを利用して参加されるトレッキングクラスのために七山にこもっています。
いち早く七山に到着したお預かりの犬ちゃんも、寒さの中でもとても元気です。
むしろ、寒いと犬は少しテンション高めになるようですね。
少し年齢を重ねた犬ちゃんたちも、元気に山歩きしました。
「普段の散歩はあまり歩みが進まないけれどこの山ではとても元気だから」という飼い主さんの言われるとおり、しっかりした足取りで山を歩きます。
リハビリ中の犬ちゃんも、ビックリするくらい山を上がっていくので飼い主さんも大慌てです。
大丈夫かなと様子をみながらも、犬を信頼する気持ちが一番大切です。
後ろ脚のリハビリ中なのに、しっかりと脚を上に上げて歩いている姿を見ると、やっぱり山は犬にとっては特別な場所なのだと感じます。
明日からもたくさんの犬と飼い主さんが尾歩山を歩き収めしてくださるので、きっと尾歩山も喜んでいることでしょう。
かなり以前にお供えいただいたお花なのに、枯れないのが本当に不思議です。
急に時間ができたからやっぱり山にいきたいなと思われた方も、ダメもとかもしれませんがお問い合わせは歓迎いたしますので、お気軽にご連絡ください。
<犬のこと>週末は寒波が来るらしい、どのくらい暖かくしてあげたらいいかわからない
クリスマスを終えていよいよ冬到来というところでしょうか。
今週終盤には寒波が来るらしいということで、冬の警戒モードもますます高まります。
犬たちの中には急な気温の変化に対して下痢などの反応を示すこともあるようです。
本来は屋外で過ごすのが中心の動物でしたが、室内飼育が増えて活動量が減ってしまい、また室内の快適空間に慣れすぎていることから、犬もずい分弱くなったものだなと思います。
犬なんだからもう少しがんばって欲しいという気持ちと、ここまで過保護に育てられているのだからがんばれという方が酷だろうという二つの気持ちが行き来してしまうときです。
犬も人と同じように過保護にしすぎるとやはり弱くなってしまうものです。
昔の話をしても仕方ありませんが、もう少し気温も低く家も隙間だらけだったのにろくな暖房設備もない昭和の時代に、あんなにがんばって過ごしたのに、暖かい生活に慣れてしまうとついつい自分自身も過保護にしてしまいます。
犬たちに対して無理をしてほしいとは思いませんが、過保護を控え適切に寒さを楽しめる程度にはしていたいなと思います。
つまり、少し寒くての散歩には出て欲しいのです。
ところが散歩といってもリラックスして楽しめる散歩でなければ、寒さを乗り切ることもできません。
だからこそまずは、散歩がリラックスしてできるような社会性を身につけつつ、寒さを心地良いと感じられる強さを身につけてほしいのです。
犬のしつけや社会性の発達、寒暖に対する耐久性などは全く無関係のことと思われがちですが、自分との戦いのひとつでもありますから、やはり自分に強い動物がいろいろな面でがまんも効くのです。
つまりは心が強ければ体も強いということになります。
お恥ずかしい話ですが、実は最近風邪を引いてしまいました。
本当に軽い鼻かぜなのですが、めったに風邪を引くことはなくなっていたので多少ショックでした。
自分を甘やかしたつもりはないけれど、年齢には逆らえない部分もあるということでしょうか。
犬も若いうちに鍛え、年齢にあわせて順応性をもちながら環境を整えてあげてほしいです。
次回は暖かくする作戦について書くことにします。
ちなみに私の風邪はショック療法で改善させました。
この寒い時期にバイクにのってかなり寒さを味わってからお風呂で温める逆療法です。
結構応えましたが、体の甘えを許さないよというメッセージは効いたようです。
<自然のこと>ジェーン・グドール博士の映像を見て思ったこと
ジェーン・グドール博士という動物行動学者をご存知の方も多いと思います。
私が最も尊敬する動物行動学者で、欲張っていえばジェーングドールのようになりたいとまで思ってしまい、かつジェーングドールには絶対になれないと思う方なのです。このブログでの何ども取り上げました。
ジェーングドール博士はチンパンジーの研究者の第一人者ですが、とにかく彼女の美しさといえばチンパンジーと共に過ごしている姿です。
先日ナショナルジェオグラフィックの番組でジェーングドール博士の番組が紹介されましたので、初恋の人に会う気持ちでドキドキしてその映像を見ました。
過去の貴重な映像が満載で、若かりし頃のジェーングドール博士のエネルギーと情熱と愛に満ち溢れた番組でした。
同時に考えさせられるシーンもいくつかありました。
その一つ目は、ジェーングドール博士がチンパンジーに接触を図る過程の中でその関係性に混乱を生じさせることが起きたことです。
彼女のような人でも動物との関係の中で予測できなかったことがあったのだと、大変驚きました。
この事件について過去の文献でも見逃してしまったのか、私が今まで関心がなく読み過ごしてしまったのかもしれません。
その事件とは、チンパンジーが人のテントの中のバナナを持ち去ることをきっかけに、逆に餌付けをしてチンパンジーを人のテリトリーに引き寄せようとしたことです。
今では、野生動物の人による餌付けが混乱を招き動物の執着と攻撃性を高める結果になることは、動物について学ぶ者なら周知のことです。
ですが、当時はジェーングドールのような好奇心旺盛な人々が野生動物に接触をはかる挑戦の過程の中で、こうしたトラブルを引き起こすこともあったのでしょう。
バナナや他の食べ物を人のテントスペースに取りに来るチンパンジーの数は増え続け、やがて人のものはなんでも奪うようになり、チンパンジーが争奪を通して人に対しても同種に対しても攻撃性を高めていく映像が紹介されており、大変わかりやすくまたそのことで戸惑うジェーングドールの姿も印象的でした。
この問題に対しては、結局管理された餌場を設けることで、特に信頼関係を結んだ限られたチンパンジーに、限られた餌だけを得る権利を与えることで解決されたようです。
また、野生動物が人との接触を図る過程の中で起きる悲惨な事件が起きています。感染症という問題です。
海を渡ってくる人という動物が持ち込んだポリオにチンパンジーたちが感染してしまい、麻痺などの症状を起こしていくのです。
ポリオの感染はジェーングドール博士のグループからではなく、別の研究者たちのグループからチンパンジーに広がってきたもののようですが、人が持ち込んだことでチンパンジーの生存を脅かしたことは確かなことです。
つい最近ですが、アフリカの先住民族が絶滅したのではないかという番組を見ました。彼らの多くも侵入者の持ち込んだ菌による感染症でした。握手などの簡単な触れあいによって死に至らしめてしまうという最悪の出来事です。
チンパンジーは遺伝子学的にもヒトに最も近い霊長類なので、病気の感染については当然考えられることなのですが、やはりこちらも当時は知識や情報が十分になかったということなのでしょう。
目の前でポリオに侵され麻痺が生じ朽ち果てていく友人のチンパンジーに対して、ジェーングドール博士は銃殺という安楽死を選択します。
インタビューでは「自然死という選択はなかったのか」という質問に対して、「目の前で苦しんでいる友達をただ見ていることはできない。」という答えがジェーングドール博士が出した答えでした。
この事件をきっかけにして、チンパンジーに触るという接触の行為が禁じられたとのことです。
動物は生きている世界が違う、だから大切にしたいなら一定の境界線を保つという基本的なルールが見直されたことになる二つの大きな事件です。
犬はヒトが触ることができる動物です。
犬は野生動物ではなく家畜化の過程をとりながら長い時間をかけて変化してきた動物です。
だからこそヒトとテリトリーを共にすることができ触れ合えることができる特別な存在なのです。
ですがその犬にも人と一定の距離を保つ必要があるという境界線があります。
その境界線を作る必要のあるのは犬ではなくむしろ人の方です。
犬がなんらかの攻撃性、咬みつき、過剰な吠え、自分をなめたり尾を追う自虐行動、とびつき行動などをしている場合には、境界線のルールが守られていませんというメッセージとして受け取ってください。
ジェーン・グドール博士の番組はそのうちDVD化されるかもしれません。
ぜひ見ていただきたいです。