毎日あまり変わりばえのしないような日々を送っている中で、ふと風景の中に心をほっとさせてくれるものが見つかることがあります。
福岡の自宅の庭でも、七山のあちこちでも梅の花が咲き始めました。
そして先日、七山のオポのお墓のしだれ梅が花を咲かせました。
昨年はあまり元気でなくもしかしたら育っていないのかと心配していたのですが、一年を通して様子を見守っていたところ、今年は元気に咲いてくれました。
育たないなと思っていても急に開花する時間差のこの成長は、犬の成長と同じです。
梅の花が咲いた日が自分のちょっとした記念日だったので、偶然とはいえ少しだけうれしい気持ちになりました。
この季節、小さな犬ちゃんたちと寒い2月でもトレッキングクラスを楽しんでいます。
犬が小さいと風邪をひくのではないかと心配されることがありますが、そんなことはありません。
柴犬のような毛の深い犬でも外に出していると風邪を引かないかと聞かれることがあり、こちらがびっくりすることがあります。
柴犬のような毛質の犬であれば外飼いでも全く問題なく対応できますし、チワワのような小さな犬でも山歩きでも元気に活動します。
もし犬がそんな外活動もできなくなっているのであれば、体の機能が低下しているということです。
体の機能が発達せずにバランスを崩している結果として風邪を引いてしまうことがあるということなのでしょう。
犬はそもそも外で活動し室内は休憩する場でしかありません。
自宅の中で遊ぶことを考えるくらいなら、冬のこの時期でもお庭や公園や山にいっしょに出かけて行って外で活動する時間を作ってあげましょう。
北風にあたって冬を過ごした犬は活気があり、精神的にも強くなります。
飼い主さんたちはみなさん優しい気持ちはたくさんお持ちです。
寒いのにかわいそうではないか、震えているのにかわいそうではないか、と犬が少しでもストレスを表現するとそれを見守ることができないようです。
ちょっと寒いけどいっしょにがんばろう、ちょっと怖いかもしれないけれどきっと乗り越えられるよとそばで黙って見守れるようになるためには、犬を信じそして自分を信じることからです。
自分自身も何かひとつでも乗り越えつつちょっとだけでも前進しているときには、きっとそんな気持ちになれると思います。
犬は飼い主とともに歩むのです。
犬だけ成長ということはありません。
犬はどこまでも飼い主の鏡なのです。
Author Archives: miyatake
<日々のこと>しだれ梅が咲きました
<クラス・動画>家庭訪問クラスでお散歩の練習:首輪とリードで街中を歩くこと
家庭訪問トレーニングクラスのカリキュラムの中には、日常生活で犬のお世話や社会活動に必要なことが入っています。
どこから始めるか、何から学ぶかは犬の状態や環境、飼い主さんの希望などで多少手順は異なりますが、散歩のやり方や練習は必ずやってます。
今回ご紹介する動画は、一度お散歩練習風景として紹介させていただいた黒柴犬のカレーニンちゃんの練習風景です。
この日、カレーニンちゃんと公園で他の練習をした最後に、犬の状態を見てハーネスを外す提案をさせていただきました。
散歩練習の最初は、ほとんどの犬にハーネスの利用をお願いしています。
もちろん理由あっての提案ですが、ハーネスを散歩のときにずっと使ってほしいということでもありません。
犬の状態や環境など、必要に応じてハーネスの使用から首輪とリードだけで散歩する方法に切り替えるご提案もします。
逆にずっとハーネスをつけたまま散歩することをお勧めしている場合もあります。
散歩の道具としてハーネスを利用した方がよい犬や環境があるためです。
うちはハーネスを使っているという飼い主さんはご安心ください。
黒柴犬のカレーニンちゃんの場合には、リードの合図を送る道具をハーネスからリードに切り替えるご提案をしたということです。
※クリックすると動画が再生します。
●首輪とリードで歩く練習をはじめたカレーニンちゃん
生後6ケ月なのでまだまだ不安定な年齢です。
状態によってはまた散歩の道具を変える必要があるかもしませんが、環境に応じていくつかの道具を使いこなすのも飼い主さんとしての力量です。
また、この日新しい道具の提案もさせていただきましたので、近々バージョンアップしそうです。
以前こちらのブログでご紹介した散歩をはじめたばかりのカレーニンちゃんの動画はこちらでご覧になれます。
過去ブログ記事:<クラス>子犬のはじめてのお散歩トレーニング
<日々のこと>やまごちの猟師さんに竹の伐採を習う:七山の尾歩山の冬のお手入れ継続中
険しい裏山を背にしているグッドボーイハート七山校では欠かせない山の手入れです。
山の手入れの季節は秋から冬にかけて。
植物たちが根を伸ばすことにエネルギーを注いでいる間に、土の上に出ている部分を切ってしまい、成長を止めたり遅らせたりします。
山の手入れの中でも特にやっかいでなかなか手が付けられないでいたのが「竹」です。
孟宗竹というすごく太くてスクスクと大きくなる竹で、タケノコの親たちですね。
竹は径がすごい勢いで広がるため、きちんと伐採しておかないと山はあっという間に占領されてしまいます。
せっかく尾歩山で育てている広葉樹も、竹の勢いが強いと養分をとられてしまい枯れてしまうのです。
その竹の手入れのために助っ人を迎えることができました。
グッドボーイハートハートでいつもみなさんに買っていただている鹿肉ジャーキー「やまごち」を作っている猟師さんに七山に来ていただきました。
竹の手入れの仕方がわからないと相談したところ、快く引き受けてくださり、やっていただきながら私でもできるようにと細かく指導していただけたのです。
竹の小枝の払い方から倒す方向やその方向を決める手順、倒すためのロープのかけ方や結び方など、ただ竹を払うといっても学ぶことはたくさんあります。
効率よくできるだけ力を使わないように、そして何よりも安全確保が大切です。
竹払いの作業には生徒さんたちのお力添えもあり、竹でうっそうとしていた山の境界線の一部がみるみるうちにきれいになり、風通しがよくなりました。
風が通ると自分はとても心地よいうえに山が喜ぶような気持ちになります。
なれない作業で緊張して疲れたけれど、やっぱり手入れしてよかったと思えるのです。
山慣れしている老犬がそばで風にあたりながら私たちの作業を見守ってくれました。
落ち着いている犬はそばにいてくれるだけで心強くなります。
何もない七山の尾歩山ですが、活き活きと育ってほしいという気持ちは犬に対するのと同じです。
犬はどう思っているのだろうと思うのと同じように、山はどう思っているのだろうと考えるようになったのはいつからかもう記憶にありません。
山とともに過ごしている猟師さんのお話や動きや知恵は、本当にありがたいものでした。
やマゴチさんで鹿のアキレスジャーキーを新発売されたということで早速購入してみました。
一袋はみなさんにお配りしようと思っています。ご希望の方には一本ずつお分けしますので、お声かけください。数に限りがありますのでなくなりましたらすみません。
山の手入れ、本当に楽しいですよ。とみなさんをお誘いしていっしょにやっていただく魂胆です。
もちろん犬たちもいっしょです。
山をはぐくみそして山から育てられる、とても良い時間を過ごせました。
<犬のこと>いつの間にか不自由さを強いられている犬たちの行動の異変に気づいてあげたい
家庭訪問クラスで様々なご家庭の環境における犬の行動を見る機会を得ています。
家庭訪問スタイルのトレーニングクラスを通して、様々な環境と犬の行動を観察できる機会を得ることは、犬のしつけやトレーニングを行う際に最も大事なことです。
犬のしつけやトレーニングは、犬の行動の原因がどこから起きているのかということを考える必要があるからです。
こうした作業を毎日やっているわけですから、犬の行動の何がナチュラルで何が不自然であるのか、またその不自然な犬の行動がどのような環境によって影響を受けているのかを知ることができるようになりました。
この犬の不自然な行動の中に、不自由さを強いられている犬の行動もたくさん含まれています。
「犬の不自由な行動」とは、犬が不安定な状態で行動をしているという状態です。
たとえば、床を歩く際に通常の歩行ではなく、4つ脚の動きを不規則にしながら背中を曲げながら歩いている犬。
床にオスワリをする際に、数歩下がって体をねじらせるようにして座る犬。
上記のふたつの不自由な行動は、つるつるを滑るフローリングの床の上で犬が不自由さを強いられて行動をしている状態です。
室内にカーペットなどの滑らない場所があると、その上に乗ったときの犬の行動がフローリングの上で行動するときの犬の行動を明らかに違っているので、それが床面の影響によって起きていることがわかります。
オスワリやフセをしようとしても滑る床面では不安定になるため、壁際やなにかの家具のそばで座ったり伏せたりしている犬たちもいます。
壁際での行動は滑る床面以外にも原因が考えられますが、床面が理由になっていることもあります。
飼い主さんについて歩く、飼い主さんにとびつきながら歩くことが日常化している犬たちは、飼い主さんを見上げたりとびつきながら移動をくり返すために、こちらもとても不自然な歩行=移動をしています。
飛びあがるうさぎのように移動する犬たちを見ていると、普通に歩くということが全く身に付いていないのだと感じます。
行動というのは恐ろしいもので、日常的に習慣化してしまうとそれはひとつの癖になってしまうからです。
人でいうところの姿勢と同じようなもので、歩く際にも自分の癖が出てしまうものです。
犬の不自由な行動は、不安定なリードの持ち方でも起きることがあります。
国内で犬の散歩を見ていると、非常に多くの人が片手を前に突き出して歩いています。
この姿勢でリードを持たれている犬は、行動に不自由さを感じ、リードから逃れようとますます引っ張りが強くなっていきます。
不自由な行動は、数頭の犬たちが生活するいわゆる多頭飼育環境でも起こりがちです。
特定の犬がテリトリーを主張しつづけ他の犬との関係性が成熟していなければ、犬の行動はとても不自然なものになっていきます。
こうして、飼い主の思わぬところで犬が行動の不自由さを与えられているということに、飼い主当人はあまり気づかないものです。
毎日同じ犬の行動を見ているわけですし、それが普通で正常だと思っているため疑う余地はないからです。
不自由さを言葉にして伝えることができない犬たちのために、客観的に誰か犬の専門家に行動評価をお願いするというのは環境改善のためにとても良い試みだと思えます。
以外と気づかれていない犬の不自由な行動を身近な犬で見つけたら、やんわりと少しずつ知る機会を得ていただけるような、そんな飼い主さんの学びの環境がSNSを通して広がるのも良いですね。
私はなかなか不器用でそこまでのツールを作成するに至りませんが、器用な方はぜひトライしていただきたいものです。
<犬のこと>お預かり中の犬ちゃんと山のお手入れする楽しみ:安定した犬だからこその行動のパターンとは
犬ちゃんのお預かりクラスのときに私が楽しみにしているのは、その犬ちゃんといつもはできない時間を過ごすことです。
犬ちゃんが普段はあまりできないけれどすることといえば、ドロ遊び、庭遊び、山歩きです。
庭が山になっているグッドボーイハート七山の学校ですから、山のにおいを嗅ぎながら山歩きもせずに返してしまうことはあまりにも酷です。
といっても初回のお預かりではなかなか安全に山を歩くほと落ち着きを得ることができないので、数回の預かりを通してやっと山歩きへとたどりつくといった感じです。
お預かりした犬ちゃんの状態によっては、もっとテリトリーに対して積極的になれるような山の活動をいれていきます。
それが犬をお供にしての作業「山の手入れ」です。
山の手入れとは、山が健全に育つようにこの冬の時期、3月くらいまでの時期に無駄に生えている木々を刈り込んだり、倒木が藪を生まないように処理をしたりするものです。
足場は道もなく段差もはげしくロッククライミングのようにつかみかかって登るような場所もありかなりアクロバティックです。
そのような場で作業をするのですから、とても犬のことをしっかりと見ていることはできません。
むしろ犬の方が人の動きをよく把握して自分の身を守りつつも周囲のテリトリーを守ろうとする行動が引き出されてこなければ大変危険です。
なので、この山の手入れに連れて行ける犬は本当に限られています。
作業中に邪魔をされることは犬にとっても危険ですが、作業をする私にとってもとても危険なことです。
ではなぜそんな場所に犬を連れて行くのかということ、犬がこのことを通して引き出される行動には特別の意味があるからです。
特別な役割を任されているそんな力が犬の中に湧き上がってきます。
オヤツをもらうためでもない、人から命令されたわけでもないのに、なぜかその仕事をやろうとする犬。
これが最高に犬として楽しい時間のようで、その表情、行動も活き活きとしています。
犬が小さい場合には段差や足場の厳しいところでは、抱き上げたり手を出してサポートすることもあります。
それでも必死でその困難を乗り越えて人と共に活動している犬の姿は本当に美しいものです。
自分自身も体力が落ちてきており、自分の年齢を感じる作業になってもいますが、私もこの山の手入れが大すきです。
夏場の草刈は太陽と汗と虫との闘いなので過酷すぎますが、この季節の山の手入れは気持ちがよく、体が温まり、終わると暖炉にあたってコーヒーを飲めるというごほうびもあります。
こんな山の手入れにつきあってくれる犬ちゃんがもっと増えればいいなと、勝手に期待を膨らませています。
山の手入れのお供までいかなくても、山歩き、庭でのテリトリーの番、テラスの番犬など、それぞれにグッドボーイハートには犬の仕事がたくさんあります。
グッドボーイハートのお預かりのときには、泥まみれ、草がいっぱいついた状態でお返しすることは了解していただいていますので、犬ちゃんには楽しんでもらったらと思っています。
お預かりの犬ちゃんはトレーニングのために預かっているわけではありませんが、犬の性質や行動の特徴を観察して新しい発見をすることは、個人的にどうしても止められなくて突っ込んでしまいます。
お預かりクラスのときには睡眠不足で辛いですが、この楽しみがある限り続けていきたいです。
<犬のしつけ方>すべての動物の持つルール「境界線のルール」を犬はどのように活用しているのか?
犬との関係や接し方を説明しようと思うと「境界線」という言葉をどうしても使う必要があります。
境界線を英語で言い換えるとborderという単語になりますが、日本人には聞きなれず分かりにくいですね。
ボーダーコリーのボーダーですが、まさにボーダーコリーの特徴的な行動を示しています。
ボーダーコリーでいうボーダーとは、羊に接近して追い込みを図る際、羊を追い込むのだけれど羊に対して攻撃性を出さないようにするぎりぎりのボーダーを維持し続けるという行動をいいます。
そのボーダー(一線)を越えてしまうと、ボーダーコリーという犬は羊に飛びかかって殺してしまうからです。
ボーダーというのはこちらから接近してはいけない領域という風にとれますが、ここで伝えたい境界線とは自分のまもるべき境界線という意味です。
むしろ、人間という単語の中にある「間」という字の方がわかりやすいかもしれません。
人と人の間にある空間、時間を大切にすることで、人と人はより良い関係を作っていくことができる、それが間という境界線です。
すべての動物は自分自信を防衛する機能や情緒を持っていますので、どのようなときにもその境界線が侵されないようにしています。
ただ自分の境界線を自分で守ることができない幼い動物たちだけが、大人の境界線の中に常に入っておりその中で守られています。
スーパーで買い物をしているときに、突然小さな男の子にしがみつかれたことがありました。
しばらくするとその子供のお母さんが「すみませーん、間違えたのね」といって走り寄ってきて来られました。
お母さんを見ると、その子は私から離れ本当のお母さんに抱きつきました。
買い物に夢中になっているお母さんとつないでいた手が外れてしまい、誰かのテリトリーの中に入る必要があったのでしょう。
直感的に母親に似ている人を探すので性別、年齢、臭いが似ている私がターゲットになったということです。
犬も同じように子犬のころには自分で自分の身を守ることができません。
そのため子犬が何か危険を察知するつまりいつもと違う環境になれば、すぐに成犬の近くに戻るかもしくは巣穴に戻るという行動をとって自分の身を守るのです。
自分の身を守ることができない子犬という年齢は乳歯の生えている頃、生後6ヶ月くらいまでです。
生後6ヶ月になると永久歯が生え変わり同時に防衛を意味する吠え「警戒吠え」をするようになることで、防御の力を身につけていきます。
ところが犬の場合でも大変異質な行動になってしまうのは、庭のないマンションなどで飼育されている犬たちです。
庭のある戸建ての家に暮らしている犬であっても、庭へのアクセスが犬の思い通りにならないとか、人もほとんど庭をつかっていないただ眺めるだけの庭になっている家では、条件は上記のマンション犬と同じです。
マンション暮らしの犬はほとんどが巣穴で生活しているような感覚になってしまうため、なかなか自分のスペースを獲得して境界線をつくっていくことができません。
境界線はあくまで外があることが前提の境界線なので、ずっと室内で生活をしている動物にとってはその意味を理解することも難しいのです。
しかも、その巣穴の中には常に自分を管理する人という動物がいます。人の臭いの強い室内からほとんど出たことがなければ境界線を作ることができないのも当たり前といえます。
人の臭いから出ることを恐れ、いつも人の臭いのあるところに執着します。
ソファの上、人の膝の上、人の洋服の上、人のすぐ近くにいる犬たち。
こうした犬たちは、飼い主という人の臭いに執着をもった動物です。
同時に、自分という個体の境界線を持つことができず、いつも不安と恐怖に怯えています。
このことが複雑な犬の分離不安行動につながっていき、生涯を渡って犬を苦しめることすらあります。
私自身は生涯を通して最も観察できる機会のある家庭犬、つまり自分と共に暮らした犬は3頭だけです。
最初の1頭目は完全な外飼い、2頭目の犬は家をメインとして庭をテリトリーとしても使っていた犬。
どちらも昭和の和やかな時代の犬たちです。
玄関戸口の鍵は常に開いており、こんにちは~といって人が上がりこんでくることができるようなそんなゆるい境界線の時代でした。
物理的にはゆるいのですが、玄関の鍵を開けたままにできるのは人の心の中に「お互いの境界線」というものがしっかりとあるおかげなのです。一線を越えてはいけない、そんな境界線です。
3頭目のオポは、生後7才までをマンション暮らした後に引越ししました。
オポの新しいテリトリーは家と庭+山を自由に行き来できる環境です。
環境が変化したあとのオポの行動の激変ぶりについては、いうまでもありません。
犬はそもそも自由がほとんどありません。
犬を自由にさせたくてドッグランでリードを外すことは意味がないばかりか犬にとっても過酷な行為です。
ドッグランはもともとドッグパークというアメリカに取り入れられている犬のリードを外してもいい公園を日本風にアレンジしたものです。
アメリカと日本では、ドッグパークの広さや仕様そのものが明らかに違いますが、そもそも大きく違いがあるのはそのドッグパークに来ている犬たちの家はとても広くて庭もあって室内トイレなどをしていないということです。
日本の都市環境の狭く限られた空間の中で、はたして犬たちがうまくそれぞれの境界線を守ることができることができるよう成長していけるのかどうかを考えると少し気落ちしてしまいます。
犬の持っている機能や能力、そして安定した情緒をできる限り引き出したいというのがグッドボーイハートの願いでもあるからです。
諦めるなでも焦るなを念頭に、今日もできることをひとつでも考えていきます。
飼い主であるみなさんも、自分が犬に対してできることをひとつ考えてそして提案してください。
それは、犬を無力化させるためのものではなく、あくまで犬が解放され自由に向うものであることを願います。
<オポのこと>節分の日に思い出す笑えるオポのこと
今日、福岡市の中心部にある櫛田神社の前を車で通行しました。
神社の前を通行するすごい人の数に、今日は何の日だったのかと考えていて「節分の日」であることに気づきました。
大切な年の区切りの日なのでお参りに行きたい気持ちはあるけれど、車を走らせなければいけない用件もあるので、車の中から拝顔する気持ちでその場を通り過ぎました。
節分といえば思い出すことはオポのことです。
オポというのは数年前まで私といっしょに暮らしていた犬のことです。
節分の日の豆まきは、オポが来てから豆まきが恒例になってしまいました。
豆まきをしたらオポがどんな反応をするのかを見たいという本当に安易な気持ちで初めたのです。
巻いた豆は床に落ちたままになります、その豆を当然オポが食べることになります。
オポはラブラドルリトリバーという犬種だったのですが、ミックスのような容貌であまりラブラドルリトリバーらしくない犬でした。
ただその食欲だけは、ラブラドルリトリバーの最大の欠点を受けついたようで出されたものはすべて食べるというものでした。
豆まきをはじめると巻いたあとをオポが通行するだけで、まるで掃除機で吸い取るように落ちている豆がなくなっていきます。
食べているというよりはむしろ吸っているという表現の方が適切なようです。
たまたまですが、午後に伺った家庭訪問先の犬ちゃんがオポと同じ黒のラブラドルリトリバーでした。
しかもその犬は2頭目の犬で今年がはじめての豆まきの日です。
先代の犬ちゃんも黒のラブラドルリトリバーだったので、豆まきの日はこんなですよねとお話しすると、笑いながらその通りだったとおっしゃっていました。
寂しいことに先代の犬ちゃんは12月に他界したばかりです。
でもこうして旅立った犬のことを季節毎に思い出しながら笑ったり楽しい気持ちになれるのはうれしいことです。
はじめて豆まきを迎える犬ちゃんは、一体どんな反応をしたのでしょうか。
人がいきなり食べ物を撒き散らす行動をするなど、犬からみれば気が違ったと思うだけのことでしょう。
その不思議な人の行動をなんの疑問も抱かずに、ただひたすら落ちている豆を吸い上げるように食べていたオポの姿を懐かしく思い出しました。
<犬のこと>クンクンの鼻鳴らしが1才を超えても続くようであれば分離不安傾向が始まっているかもしれません
前回のブログで、犬のクンクンという鼻鳴らし行動の起源と子犬期の終結についてお話しました。
このクンクンという鼻鳴らし行動ですが、子犬の頃に飼い主が反応を示し続けることによって、非常に長引いて犬に身に付いてしまいます。
子犬に見られる独特の不安を示す鼻鳴らし行動が、子犬が生後6ヶ月を過ぎても、生後10ヶ月を過ぎても、1才を過ぎても、また3才になっても続いてしまうことがあります。
成犬になってしつこく鼻を鳴らす行動をする犬の特徴としては、鼻鳴らし以外にも子犬のころにしか見られない行動がたくさん見られます。
たとえば、お乳を吸う授乳行動です。
授乳行動はオモチャやタオルを抑えてすうような行動でわかりやすいのですが、特に口で吸い付いているものを両前脚で交互に押さえるようにすると、確実に授乳行動だと特定されます。
子犬は両前脚で母犬のお乳を抱え込み交互に押すことでお乳を搾り出す行動をするからです。
タオルやオモチャなどに起こりやすいこの授乳行動ですが、飼い主の洋服や耳たぶ、皮膚などに直接している姿を見ることもあります。
他に子犬に特徴的な行動とは、お腹をさすってほしいというアピールをすることです。
お腹を見せる行動は服従行動と捉えられやすいのですが、一瞬お腹を見せてすぐに立ち上がるのであれば無抵抗を示すシグナルですが、飼い主の前や飼い主の足元に滑り込むようにしてお腹を見せて撫でてもらうことを求める行動は、子犬が母犬に排泄を促してもらう行動のひとつです。
こうした子犬期にしかみられない行動を鼻鳴らしをする成犬たちはずっと続けています。
鼻鳴らしを止める機会を失ってしまい、子犬としての精神状態が続いてしまうので行動にも子犬行動が残ったままになるのです。
はっきりというと脳が発達しきっていない状態で、大変危険な状態です。
ところが、飼い主側は犬に子犬であり続けることを求めています。
いつまでも無力で自分を必要とし、甘えて膝の上に乗ってきたりべったりとする犬を可愛いと思ってしまうようです。
動物は、人も同じように幼いものはかわいいと思われるのは当然のことです。
ですが人が成長しているのに中身が幼稚園児のままであることはかわいいのでしょうか。
犬は体は大人として成長していくのに、中身は幼稚園児であることを求められていまうのです。
子犬として鼻を鳴らす成犬となった犬の不安定さはいうまでもありません。
これらの犬たちはいわゆる分離不安と呼ばれる不安定な情緒を持つようになり、日々ストレスを抱えながら生活をしています。
成長しない動物が無力であり、発達の機会を失った犬が不安を抱えるのは当たり前のことですが、犬はそんなもの、成長した犬がどのように落ち着いているのかを知らない人にとっては、これが常識になるのかもしれません。
私は犬が大好きです。むしろ犬のすばらしい能力を尊敬しています。
だから犬が下等で頭の悪い動物として扱われたり、赤ちゃんのように扱われることを好みません。
もっと落ち着いた大人の犬になるチャンスをみな平等に持っているのに、なぜこんなに不安な表情で怯えながら人に依存しながら生きていかなければならないのかと胸が痛くなることもしばしばです。
犬が本当にかわいいと思えるのは、成長して自立した動物である個々の犬たちが尊敬に値する存在であると同時に、とても愛おしく感じられるときなのです。
すべての犬が成長する能力を持っています。あとはその機会をだれがどのように提供するかどうかではないでしょうか。
<犬のこと>子犬の鼻鳴らし(クンクン)は母犬を呼ぶ行動にはタイムリミットがある
犬がクンクンと鼻を鳴らすのを聞いたことがあるでしょうか。
犬は年齢や状況に応じて、様々な音の鼻鳴らしを行うことがありますが、その多くは人に向けて行われていることが多いようです。
子犬がクンクンと鼻を鳴らす行為をするのはよく知られています。
子犬の鼻鳴らしは不安を抱えたときに起きる行動ですが、子犬が不安を抱えるといえば母犬もしくはそれに相当する犬が自分の近くに見当たらないときです。
わかりやすくいうと子犬が移動しすぎてしまい母犬を見失ってしまったときといえるでしょう。
今日、街中を運転していると小さいけど自力で歩いている女の子とお母さんが歩道を歩いていました。
お母さんの方は細いわき道に曲がったのに、女の子の方は大通りをまっすぐに歩いてしまいほんの数歩進んだだけでお母さんを見失ってしまいました。
お母さんは角越しに女の子を見守り、自分に気づくのを黙って待っているようでした。
女の子は左右に首を降り、やっとお母さんを見つけるとそちらに歩いていきました。
子犬も母犬と常に離れないようにしているのに、いつの間にか母犬と離れてしまい巣穴に戻ることもできなくなってしまうと、クンクンと鼻を鳴らして母犬を呼びます。
母犬は子犬に気づいて迎えに行き、たいていは子犬の首根っこをくわえてクロネコヤマトの猫の絵のようにして巣穴に子犬を移動させます。
ただ、母犬がこうした行為をするのには一定の制限が設けられています。
母犬が子犬が1ヶ月半を迎えるころには、子犬の鼻鳴らしには反応しなくなっていきます。
そのころの子犬は自力で歩くことができ、自分で母犬のところに戻る年齢になっています。
子犬たちは複数おり活動の範囲も広がっていますので、子犬がそこここで鼻を鳴らし始めたらお母さん犬は大変です。
子犬は自ら自分のいける範囲で動くことを求められています。
好奇心旺盛だけど母犬から離れすぎてしまうような子犬は、群れから置き去りにされて淘汰されてしまいます。
かわいそうだと思うでしょうが、これが犬という動物が犬というグループで生きる原理なのです。
ところが人の方は、自宅に迎えた生後2ヶ月の子犬がくんくんと鼻を鳴らし始めると抱っこしてあやしはじめます。
子犬が不安でさびしがっているのだから、これをなんとかなだめようとするわけです。
この行為から危険な分離不安状態が始まってしまいます。
子犬は母犬から離れているのですから不安で鼻鳴らしをするのは仕方ありません。
ですが最初の鼻鳴らしで抱っこしたり撫でたりすると、子犬が依存の強い情緒不安定な性質を持つ危険性の方が高いのですから、冷静に対応する必要があります。
クンクンと鼻をならしても母犬は戻ってこないことを学ぶと、子犬は鼻を鳴らすのを止めてしまいます。
犬が3才、4才、5才、7才、はたまた10才になっても鼻鳴らしを続けているようでしたら、犬の脳の安定機能が充分に働かない状態になっています。
日本は海外に比較して圧倒的に小型犬が多く、なぜか多くの人が小型犬を抱っこしています。
この異様な光景は、純血種の比較的多い欧米でもなかなか目にすることはありません。
そしてその小型犬のクンクンと鼻をならしている姿は、精神的には成長する機会を大きく失ってきたことを知らせています。
鼻を鳴らす行為をかわいいと思われる方も多いようですが、鼻鳴らしは落ち着かないというメッセージなので決してかわいいものではありません。
鼻鳴らしとの戦いは大変長く続きますが、どんな年齢の犬にも成長のチャンスはあります。
始終鼻をならして人のそばをうろつかなくていいように、どうか成長のチャンスを掴んで育ててあげてください。
<お知らせ>トレッキングクラス&数秘で読み解く犬と飼い主セミナー開催します
プチセミナーのお知らせです。
グッドボーイハートでは、私が様々な形で出会った人との出会いを通して、生きることを真剣に考える機会をつくるセミナーに発展させています。
過去にも、風水を通して犬との暮らしをステップアップさせる風水セミナー、整体の先生を招いて体調を整えながら犬との暮らしを改善する整体セミナーなどを開催してきました。
今回は、グッドボーイハートで犬の飼い主さんとして学ばれている飼い主さんとの出会いからセミナーを開催していただくことになりました。
そのセミナーとは、数という不思議な法則を通して自分に知る、犬との出会いやこれからの生活について考える機会を得るセミナーです。
題して
「数秘で読み解く犬と飼い主の関係と学び」セミナー
あなたがいるだけでそこはパワースポットになる。
それは人も犬も同じことです。
むしろ、犬のいる場が変わってしまう不思議を毎日体験されている飼い主のおひとりとして、犬との出会い、犬との学び、そして犬とのこれからの生活を知るきっかけを作ってください。
生年月日や手相には自分自身を知るための多くのメッセージがあります。気づいていなかった自分の個性、今まで歩んできた人生の謎や思い込みなどです。
なりたい自分に近づいて行くように、輝いて生きることが出来るように教えてくれています。
今回のセミナーでは、数秘占い、手相、オラクルカードから人生の予定表、個性をリーディングします。
メッセージを読み解き、活かしパワーに変えていきましょう。
日程 2月17日 日曜日 12時~13時
参加費 おひとり1,000円(税込)
講師 徳川美砂子先生 ヒーリングカウンセラーhako
講師プロフィール
福岡県在住
短大卒業後銀行、カルチャースクールに勤め結婚、出産子育てをしながら、主人の会社の経理事務をする。傍でアロマテラピーインストラクター、ハーバルセラピスト、フラワーエッセンスなどの資格を取得し、ジュージヤカルチャースクールなどで講師となる。
4年前に乳がんを経験し、自己治療のためヒーリングやレイキをマスターし、数秘と出会う。
現在は数秘占いを主に活動している。
フレンチブルドッグももちゃんの飼い主さんとしてグッドボーイハートで勉強中。
人生にはいろんな出会いがあります。
良い出会いも歓迎しない出会いも。
人との出会い、犬との出会い、それを自分がどのように受け取るのかで生きる時間は大きく変わっていくのだと思うのです。
せっかく出会ったのだから、この出会いをより良いものにしたい。
犬もきっとそう思い真剣に人に対峙してくれているはずです。
そんな犬たちと向き合うきっかけとして、セミナーを楽しんでください。
たくさん笑ってたくさん何かを持ち帰っていただければ。
●2月17日(日)午前中にはトレッキングクラスを開催します。
トレッキングクラス 10時開始
ご参加の方はグッドボーイハートまで直接お申込ください。
プチセミナーのため参加人数は制限させていただきます。
みなさんのご参加をお待ちしています。