夏休みのお預かりクラスの間の楽しみといえば、庭で犬たちの行動を観察できることです。
特に2歳未満の若年の犬たちは、いろんな刺激に対して様々な反応を見せてくれるのでとても楽しいです。
もうすぐ2歳になるリンちゃんが庭で何かに反応しています。
臭いを嗅ごうとするけど近づけない。
体重を後ろに残しながらも鼻先を近づける、でも逃げようとする。
アリでもないクモでもないカエルでもない生き物を見つけたようです。
その様子はこちらの動画からぢどうぞ
リンちゃんが発見したのはムカデです。
家の中でよく見るムカデとは少し違いますね。
山ではたくさん見ることができます。
オポも山歩きのときにこのムカデが大量に発生していたときには、かなり反応していました。
ムカデは近付いてくるものをすべて攻撃しやすい性質を持ちます。
そのためなのか、もしくはこちらが近づくことで危険を知らせるのか、危険なフェロモン臭を出しているようです。
その臭いを感知して反応するのが犬。
リンちゃんがムカデに反応して近づいたり離れたりするのは、確認したいでも危険かもしれないと葛藤が生じるためです。
そのうちにムカデが逃げ去ってしまえばいいし、ムカデの方が危険を察知して身を潜めて丸くなることもあります。
ダンゴムシみたいに丸くなるのです。
そうすると犬も臭いを嗅ぎにいくのを止めてしまいます。
行動としてはとてもシンプルなものです。
同じ場に生後5ケ月のチワワちゃんもいましたが、こちらは無反応。
他の虫たちには反応するのに、この危険生物には目もくれません。
リンちゃんが反応していることすら気にならない様子で、子犬ワールド全開です。
年齢による役割分担といったところでしょうが、これも社会的な行動のひとつです。
環境に対して適切に反応し、自分をうまく防衛し、過剰に攻撃しない。
そのことで安全、安心をキープして生きるためのベースを整えていく。
こんなシンプルな行動を見ると少しうれしくなってしまいます。
犬なんだから当たり前だと思う反面、犬なのにもうこうした反応がでなくなってしまった犬がたくさんいるからです。
遺伝子的に、幼少期の環境で、接し方で、脳のストレスによってなど、理由は様々です。
シンプルな行動ができない犬は、他の刺激には過剰に反応してしまうのです。
興奮する、執着する、不安になる、など脳をとりこにする反応ばかりです。
夏休みのお預かりクラスつづきます。
これからまたゆっくりと観察していきます。
Author Archives: miyatake
<犬のこと・動画>危険な生物に反応する犬の感受性の高さ
<犬のこと>犬のリードを持ったら一体感を感じますか
犬と暮らす上で欠かせないのが毎日のお散歩ですよね。
念を押さなければいけないのは、最近は「散歩に行っていない」「散歩に行く時間がない」「散歩に行く必要がない」ついには「散歩に行くのはかわいそう」という傾向があるからです。
犬と暮らす上で一番楽しいのがお散歩なはずです。
都会では散歩コースが難しいのですから、いろいろと工夫も必要ではありますが、それでも犬とのお散歩は大切な時間です。
実は犬と山を歩くことも、犬と散歩に行くのと同じことです。
犬といっしょに歩くのであれば、散歩でも山歩きでもいっしょです。
違うといえば街中の散歩ではリードを短くもって歩かなければいけません。
なぜなら、街中は刺激も多く危険も多いため飼い主と犬はお互いに距離感を縮めたポジションをとる必要があるからです。
公園や遊歩道入ると少し距離をとりつつ、しかもリードをつけたままの散歩になります。
上記ふたつの風景のいずれにも共通して言えるのは、犬にはリードをつけてそのリードを飼い主が持っていること、そしてその距離には一定の法則があることです。
この法則こそ、お散歩がうまくいっている犬と飼い主の証です。
法則とは「リードは一定の距離感を保っているが、張りがなく、緩やかであって、お互いに相手の動きを感じることができる」という法則です。
まず、リードに張りがある状態、引っ張られているもしくは引っ張っている状態であればこの法則にはのっとっていません。
お互いの動きを図ることも難しく、関係性はまだ出来上がっていないのでこれからがんばりましょう。
誤解されている飼い主の中には、リードをたるませたまま歩こうとして犬の動くとおりに後ろからついて歩いたり走ったりする飼い主もいます。
リードが張ったら可哀そう、できるだけ犬の自由にしてあげたいということかもしれませんが、これでは散歩になっていません。
散歩というのは乗馬のようなものなのです。
犬と人が一体となって協力しながらひとつの群れとなって移動することを散歩といいます。
だから散歩に連れていくという言い回しも誤解を生みます。
むしろ犬といっしょに散歩に行くという気持ちで出かけてください。
散歩のキーワードとなる一体感ですが、散歩以外にもいろいろと体感されることがあると思います。
わたしだったらバイクかな。
バイクに乗る楽しみは、下手なわたしでも一体感を味わえるひとときがあるからです。
上手な人だったらずーっと一体となっているからもっと楽しいでしょうね。
自分としては少しでも一体感が高まるように、バイクからのフィードバックを受けながら自分の乗り方を変えてみています。
もちろん上級者のアドバイスもちゃんと聞きますよ。
聞いてもわからないときには、後ろに乗せてもらいます。
その方がずっと音や感覚を味わえるからです。
散歩の練習はまずは基本の形。
そしてできている人を見る、マネする。
あとは「犬との散歩は一体感を持つことだ」という気持ちを忘れないことです。
それが何であるかは体感するまではわからないのですが、少しでも体感するとその時間を増やしていきたいと思います。
そしてそれが絶好調になると、犬との山歩きは本当にすばらしいと気づくのです。
夏場は大変なお散歩ですが、させようと思わずに、いっしょにという気持ちで涼しい時間を探してください。
あと4日で立秋を迎えます。
秋はもうすぐそこかな。
<日々のこと>七山でイベントあるらしい
今日は犬のことではなく、七山のこと。
グッドボーイハート七山のある唐津市七山という田舎で、8月4日にイベントがあるというのです。
明日ではないですか。
こんな田舎なので人が来ることはほとんどなく、七山の良いところといえば何もないことです。
福岡でいうと糸島みたいにこじゃれたカフェやお店もないし、みんな七山をスルーして呼子にイカを食べに行きます。
あの二丈浜玉道路を通るたくさんの車は一体どこへ向かっているのかといつも不思議です。
その分、七山はとても静かで居心地が良いです。
とはいっても七山の人口も少なくなってきました。
ここ数キロメートルの範囲でもどんどん減っています。
住む人がいなくっていてさびれています。
住む人がいないと山や土地があれます。
だから七山大好きな人はぜひ別荘地でも買っていただきたいです。
そんなわけで今日はお知らせだけ。
イベントなくても、何もないですけど、犬にとっては良いところなのでぜひお越しください。
<クラス>お預かりクラスに子犬ちゃんと老犬くん
訪問レッスンと並行しながら、少しずつ七山でのお預かりクラスも増えていきます。
夏場は犬を連れていけるところもなかなかなく、犬ちゃんたちは七山でお泊り、飼い主さんたちは避暑地でリフレッシュ、もしくは猛勉強のためにセミナーなどに出席されています。
お預かりの犬ちゃんが老犬だったり子犬だったりすると大変気配りが必要になります。
老犬や子犬は環境の変化に敏感です。
老犬の場合には突然具合が悪くなったり、ご家庭でも7歳以上になると突然死ということも不思議ではありません。
びっくりされるかもしれませんが、7歳というと人間では50歳くらいです。
犬は持病などを把握しているわけでもないし、心臓や脳の病気で急に亡くなることもあります。
最善の注意を払っていてもお預かりする方としてはドキドキなので、本当に信頼関係を結べた飼い主さんの犬しかお預かりできません。
そのためグッドボーイハートのお預かりクラスをご利用できるのは、グッドボーイハートの生徒さんでかつ一定の条件を満たした方ということになります。
七山は下界に比べるとずっと涼しいのですが、その分老犬はよく寝ます。
あまりにも熟睡しているので「死んでいるのではないか」と不安になり、しょっちゅう顔を見てしまいます。
七山で休みを満喫しようとしている犬ちゃんの邪魔をしたくないので、環境を整えたら後は犬ちゃんにお任せするというのがグッドボーイハートの姿勢です。
七山では気温の変化は緩やかですが、一定の温度から変化しないエアコンの室内ではありませんから、その分体は鍛えられます。
こうしてブログを書いている私も、涼しいながらも汗をかきます。
福岡のマンションでは絶対にないことです。
気候に適応するからだが自律神経を発達させてくれます。
子犬ちゃんにはこうした環境がとても重要です。
子犬ちゃんはエアコンの部屋に閉じこもりきりにしないで、涼しい時間に屋外で過ごす時間を持ってもらいたいのです。
生後6ケ月くらいまでの思春期の気候に対する適応能力の発達は自律神経のバランス感覚を鍛えます。
このことがいずれストレスに強くなるベースになるので、社会化としてとても重要なことです。
子犬の社会化というと「たくさんの人に合わせる」「たくさんの刺激にさらす」「たくさんの犬に合わせる=ドッグラン」などと思っている方もいるようですが、社会化の本来の意味はこうしたものではありません。
環境に適応しながら環境に対して適切に反応する、結果社会的なコミュニケーションがとれるようになり、自分をうまく防御しながら社会を楽しむ術を身に着けるということです。
わかるようでわからないような。
一言では難しいですね。
子犬の社会化期には、庭で探索行動を楽しむなどの時間を作ってあげましょう。
草や土や虫は犬であれ人であれ、未熟なこどもが発達するのに欠かせない社会化のための素材なのです。
子犬ちゃんの七山のお庭探索を見ていると楽しくて仕方ありません。
同時に「子犬らしい行動が出ていてよかった」と安堵します。
福岡と七山の行き来、時間も労力もたくさん使うので「大変でしょう」と生徒さんたちからよく言われます。
確かに「大変」なのだけど、都会の犬たちがこの自然あふれる場と出会って成長するチャンスを得ていただくのがグッドボーイハートの使命です。
体力の続く限り行ったり来たりは続けます。
生徒さんたちにもいつもサポートしていただいて本当に感謝です。
みなさんの理解と協力がなければできないことばかりです。
頑張る気持ちは満載ですが自分もずいぶん走り続けてきた感じです。
人生のラストスパートということで、いっしょに学びたい方はお早目にご連絡ください。
<日々のこと>今年もシソジュースをいただきました
毎年この季節になると何人かの生徒さんからいただくシソジュース。
シソジュースの魅力は味だけではなくこの透明なピンク色です。
このピンクの色はなんだろう、幸せになる女子の色ですね。
恋する女性が身に着けそうな服や持ち物の色、ピンク。
花が動物を引き付ける色ですから色の効果は抜群です。
私は安全だから近付いて大丈夫よ、私はあなたを落ち着かせますよというメッセージに聞こえます。
それからすると犬の毛の色って地味色ですね。
基本的には茶色、黒、白であとは混ざっているだけです。
犬の毛色の目的はカモフラージュ。
山里という環境に溶け込み見つからないようにするための色です。
明らかに寄って来てくださいという色ではないのに、なぜか横暴に近づく人間たち。
色のメッセージもっとわかってよといいたくなってしまいます。
色が近づきにくいと知っているのか他人に近付いてほしい飼い主は自分の犬に洋服を着せます。
それもかなり可愛く動物らしく見えない服になります。
フリルとか、赤とか、ピンクとかですね。
可愛いを楽しむのもいいけれど、本来のメッセージがなくなっちゃうので適度に落ち着く色の服を選んであげてください。
あなたの犬にたくさんの人間が近づかなくても、あなたの犬は愛される権利をもっているしそれを実行していますから大丈夫です。
シソジュースですが、草刈り作業の後にいただくと体力を回復できます。
糖分とクエン酸で体が活性化するのかな。
福岡と比較すると圧倒的に涼しい七山ですが、なぜかシソジュースも福岡で飲むより七山で飲む方がおいしいのです。
<日々のこと>ヒグラシがなく夏の七山で「大丈夫」を知る犬
ヒグラシがなきはじめました。梅雨が明けたんですね。
ネットニュースで「九州地方の梅雨が明けました」などとわざわざ知らせてくれるのですが、ありがたいけど別にいいのになと思ってしまいます。
福岡では感じることのできなかったかすかな季節を巡る気配を感じられるようになったのは七山にいる時間が長くなってからです。
ある日の早朝一斉にヒグラシがはきはじめるときに梅雨が明けたと知るのです。
七山にきて初めての夏を迎えたときには、ヒグラシが一斉になくのを聞いてただただ当惑したものです。
昆虫が一斉に行動するって何事?異変、地変?と都会暮らしのバカさを爆発させていました。
昆虫が一斉に行動するひとつの理由は、一斉に孵化したときですね。
一体どうやったら365日のうちの1日しかないこの日を、しかもまだ一度も殻を破ってはいないのにわかるのだろうと今でも不思議でなりません。
外界の環境の変化を全身で受け取って行動をしているだけの昆虫ですが、脳がシンプルだからこそ行動もまたシンプルです。
犬も人に比較すると昆虫脳といわれる脳の辺縁系という部位が発達しています。
人よりも格段に環境を知る力があり、同時に環境に対して素直に反応してしまう動物です。
七山のお預かりクラスの目的のひとつは、犬の脳内に対して「大丈夫」を作り出していくことです。
過剰な環境や過剰な人の接し方、遺伝的な間違った情報の伝達によって犬の脳が「大変」を繰り返すようになってしまったら、この「大丈夫」のシグナルはなかなか出てこなくなってしまいます。
脳にたくさんの情報を詰め込みすぎると、本当に大切な「大丈夫」の情報がどこにいったかわからなくなってしまうのです。
このブログを書いている最中も今七山校のテラスで「大丈夫」を探している犬ちゃんがいます。
なかなか時間のかかる作業ですが私も犬も根気強く、ただそれしかありません。
ところが時間ってなかなかなくてですね。
みなさん忙しいです。超絶に忙しい。
なぜこんなに忙しいのかと思うほど忙しいのです。
シンプルに生きることはやはり永遠の課題になりそうですが、課題が永遠なわけありません。これはあくまで言い訳。
課題は乗り越えるためにあるのでしょうから永遠にはしないということです。
人がシンプルに生きると犬は幸せになる。多分そうなります。
<犬のこと>夏休みこども科学電話相談が始まりました
楽しみにしているラジオ番組「夏休みこども科学電話相談」が始まりました。
早速移動中に犬をテーマにした質問があり、思わずラジオのボリュームを上げました。
質問内容はこんなものでした。
夏休みの宿題でリコーダーの練習をしていると、飼っているシーズーがなくのだけど歌を歌っているのでしょうか。
先日「遠吠え」について書いたばかりだったので、先生がどのような答えをするのか楽しみに聞いていました。
質問に答えられた先生は旭山動物園にお勤めだった方でオオカミを例にあげながらの説明となりました。
そのシーズーはどのような口の形でないているのですか?という先生の質問に、相談者の小学生は口は閉じているような空いているようなと微妙な返事となりました。
遠吠えは独特の口の形と顔の上げ方をするので、行動の形からそれが遠吠えであることを確定されたかったのでしょう。
説明としては犬は大半がオオカミの血筋でできていてオオカミもよく仲間で遠吠えをすること。
そのシーズーもリコーダーの音がだれか犬の仲間が自分を呼んでいるのだと思い遠吠えをしているのだという風に説明されました。
思っているわけではないのでしょうが、小学生にはそのように説明することで理解されるでしょう。
遠吠えは思っていなくても出てしまう反応ですが、反応が出ること自体に注目したいということをこのブログでは提案しました。
そしてなんとその後に続く質問は「あくび」でした。
人があくびをしたら回りにいる人もつられてあくびをするのはなぜかという質問です。
この質問についてはまた別の先生がお答えになっていました。
あくびの仕組みについては科学的に十分に解明されていない、ただあくびをしたら回りの人があくびをするのは心の問題であると。
つまりあくびによって脳を開放させようとする行動が出たときに、それに共感するように回りの人もあくびをしてしまうのだということです。
小学校の低学年の生徒さんが質問したように記憶していますが、先生は「共感」ってわかりますか?と聞かれました。
小学生にはまだなじみのない言葉ですが、大人よりも子供の方がずっと共感性が高いのですから、言葉は知らなくともその行為は日常的に自分たちもやっていることだから理解はできます。
犬にもこのあくびの伝染という共感の作用があります。
そして遠吠えもひとつの共感行動にもなっているのです。
あくびのそれとは違いますが、同じような心が共感するという意味では同じ方向性です。
夏休みの間、このラジオ番組が楽しみです。
子どもたちの小さな疑問と鋭い視点と観察力、不思議に思う気持ち、どれも大切にしてほしいです。
<日々のこと>7月21日に迎えたグッドボーイハートの記念日
7月21日に知人から「設立記念日おめでとう!」のメッセージをいただきました。
自分で決めたことなのにうっかり忘れていたのですが、7月21日はグッドボーイハートの設立記念日になっています。
20年前のこの日、愛犬のオポがうちにやってきました。
このオポとの出会いによって、たくさんの変化が起こりました。
グッドボーイハートという学校を作ったこと
グッドボーイハートという学校を作ったのでたくさんの飼い主さんと犬たちと出会えたこと
オポといっしょに学びながら成長するチャンスをたくさんもらってきたこと
オポという犬を通してさらに学びが深まったこと
オポとの出会いによって七山との出会いを得られたこと
すべて感謝することばかりです。
すべてのはじまりは20年前の7月21日でした。
この日は本当に記念日なのです。
出会いはいろんなチャンスを広げてくれます。
人と人の出会い。そして人と犬の出会い。
みなさんもわが犬と出会ったことでたくさんの変化が生まれたと思います。
生活の変化、考え方の変化、価値観の変化、そして大きな自分というものの変化。
養老孟司さんが「自分が変わる」ことがすべてが変わることだといっていらしたのを思い出しました。
オポという犬の家族との出会いによって自分は大きく変化できました。
もちろん成長という変化です。
体は年齢と共に劣化しますし、心にも不安定さが付きまといます。
ただ魂は少しだけ成長したかなと思います。
ほんの少しですね。まだまだこれからです。
そのオポが亡くなった後も新しい出会いのチャンスをくれました。
オポだよというお知らせもいっぱいもらって、本当にわかりやすくてオポらしいです。
そして、さらにオポがくれた出会いのチャンスを新しい出会いの機会に広げるプランを今立てています。
実際には動き始めていますが、みなさんへのお知らせは少しあとになりそうです。
来月にはきっと、お知らせできるようにがんばります。
<お知らせ>夏休みの山間学校の受付始まっています
夏休みが始まりました。
犬は暑いのはやっぱり苦手です。
夏は冷所で少しでも休息させたいと「夏休みのお預かり」ご予約が入っています。
来週から8月末にかけて、いろいろと犬ちゃんたちが出たり入ったりするので七山にいる時間が長くなりそうです。
お仕事への出張をかねて前後もあわせてお預かりとか、夏休みの帰省をかけてやはり前後に少し余裕をもってのお預かりというのもあります。
犬を大切にしてくださるグッドボーイハートの生徒さんたちだからこそ、暑い夏に連れまわすのは犬にとっては難しいこともよくわかってくださっているのでしょう。
七山は夕方少し西日が強まるだけで、朝晩の冷えくあいは下界(すみません福岡のことです)とは比較になりません。
まさに七山は雲の上にあがる上界なのです。
お預かりクラスを始めたのは、私がオポと暮らしていたときに犬の預かり先に苦労したためです。
結局いつもスタッフやらに泊まりに来てもらって勉強会へ出席していました。
だからオポが他界したあとは、飼い主さんが安心して預けられる場としてグッドボーイハート七山校を使いたいという思いがありました。
その安心な預かり場のグッドボーイハートの預かりは、その後さらにバージョンアップした預かりクラスとなって現在も成長中です。
ここまで犬のことを学んできたのに、まだまだ犬の観察や変化に興味のある自分が不思議でならないのですが、これは個性なのでしょうか。
個性は変わることがなく使いようよっては不便なこともあるし、さらに人様に迷惑をかけるとなると問題です。
だから自分はこの面倒な凝り性の個性を仕事として犬のことに使い果たすようにしています。
生徒さん方にとっては細かい、しつこい、面倒くさいと感じられることもあるとは思いますが、ある程度はスルーしていただき活用していただければうれしく存じます。
夏休みの山間学校ですが、できるだけ一対一で向き合う時間を作りたいので重なりが少なくなるようにとは思っています。
ご予約をご希望の方、お早目にご連絡ください。
<犬のこと>犬がお腹を見せているのはあなたに心を許しているからではありません
犬と人の関係に行き違いが生じるのは、日々のコミュニケーションの行き違いが原因です。
小さな行き違いがなんども重なり、やがて大きな亀裂となって関係を悪化させていきます。
ところが人の方は一方的で犬に対しては常に上から目線なので、行違っていることにすら気づくこともできません。
行違うコミュニケーションのひとつがコレです。
犬がお腹を見せてくるから私に心を許しているんですという飼い主の言葉。
これはかなり大きく行違っており、すぐに修正をする必要があります。
犬がお腹を見せることが自分を信頼しているからだという飼い主側の言い分としてはこうでしょう。
動物がお腹を見せるという行為をするのは無防備なこと
↓
私に対して無防備でいてくれる
↓
だから私のことを信頼してくれるのだと
一見正しい解釈のように見えるのですが少し違います。
では人に置き換えてみてください。
犬が前脚を上げてお腹を見せるという行為は、人なら両手をあげて腹部を見せるという行為と同等です。
人がだれかに対して両手をあげるのは、どんな状況下でしょうか。
私は無防備です。だから私に何もしないでくださいという降参を意味する行為です。
犬も同じように腹部を見せるのは降参しているのだととらえる人もいます。
こちらはある程度正しいとも言えます。
コミュニケーションは点ではなく線になっています。
犬の場合もこれは同じなので「降参したと見せかけて」というのはありがちだからです。
真の降参、降伏でなくても、腹部を見せることで相手をいっしゅん収めたり遠ざけたりする効果を持ちます。
ところが、前者の飼い主のように「犬が腹部を見せているのは私を信頼しているから」と思っている人々には腹部を見せる行為で距離をとることはできません。
なぜならこの部類の人々は犬が腹部を見せるとすぐに犬のお腹を触ってしまうからです。
腹部をさすると犬が喜ぶという人もいます。
この場合の犬が腹を見せる行為というのは、先ほどの降参とは多少意味合いが違います。
犬が腹部をみせてさすってもらう刺激は、犬が子犬のころに母犬に陰部をなめられて排泄物を出すことを促されていた刺激と同等です。
腹部をさすってうっとりするのは大半は子犬もしくは脳が子犬化している犬たちですが、かれらは飼い主に腹部をさすられる行為を母犬がお腹(ほんらいなら陰部周辺)をなめる行為と同じだと感じます。
犬の脳が幼稚化していなければこの刺激にうっとりすることはないのですが、なかなか成長できない子犬もしくは成犬であっても、お母さん犬がお腹をなめていると受け取りそれを要求してきます。
人とのかかわりや人の接し方によって犬のコミュニケーションは変化しますので、そのうちに犬はお腹をなでることを飼い主に要求するようになり、永遠の子犬へと変化していきます。
子犬化している犬はかわいいのだからいいではないか、むしろ成長してほしくないというのが人の本音かもしれません。
その人にとってはそれでいいのかもしれませんが、成長できない犬の立場にたつとどうでしょうか。
あなたも永遠の赤ちゃんでいたいでしょうか。
一生人の手を借りて甘えることしかできず、少しのことで興奮したり緊張したり不安になったりして不安定な時間を過ごしたいでしょうか。
親だったら子供の成長が何よりも楽しく生きがいだと感じるのですから、犬の親としても気持ちを引き締めてほしいのです。
成長して発達すること。
これは動物としての権利と義務です。
ペットである犬にもこれが与えられますように。