子犬同士が対面したときによくみられる横跳び。
前かがみになって左右に飛ぶ行動は「遊びを誘う」の意味から「プレイボウ」という名前もついています。
この姿勢からは左右とびだけでなく、前後にもとぶことができるので、常に移動する姿勢をとりたいときにプレイボウの姿勢になるのです。
子犬と子犬はこのプレイボウの恰好をしながらお互いに横に飛びあっています。
遊び行動ではありますが、対立に発展する可能性もある行動です。
ここでいう遊び行動とは、犬にとって無意味な行動をさす「あそび」ではなく、将来必要なことを習得するための「あそび」を指します。
同時に将来のためだけでなく、横跳びをしている時点でも重要なメッセージを発しています。
メッセージとは、ここまではわたしの陣地、だからこっちには入れません、というものです。
横跳びで境界線を引きながら前後とびでジャブをうつ犬たち。
格闘技ではステップを踏むということでしょうが、小さな自分のポジションをキープしているという意味では目的は同じです。
少し大きめのジャブをおみまいしたいときには、前脚を相手にかけてとびつきの状態になったり、体当たりをします。
犬同士は軽くかわしますが、人間はほとんどこのジャブのおみまいを受け続けています。
先日このブログで犬のとびつきはジャブですと説明したところ、ある飼い主さんから「うちの犬のジャブを受け続けています!」とメッセージをいただきました。
横跳びはステップの始まりなので、戦闘モードの始まりでもあります。
ところが、今まであまり犬とコミュニケーションをとろうとしなかった犬が、他の犬の前でステップを踏みはじめると、飼い主さんが大変喜ばれます。
「他の犬の前で遊びを誘うようになったんです。」
いや、遊びといっても「私と遊びましょうよ」というようなやさしい言葉とはちょっと違うのです。
横跳びして追いかけあって、犬たちは自分の小さな領域を守るために横跳びを続けているのです。
犬の横跳び行動、ただの遊び行動ではなく真剣モードだと知ると、逆に犬のことが愛おしくなります。
犬が誰とでも仲良くなる八方美人でなくても、その犬を尊重してください。
誰とでも仲良くなれるような人を私は不思議に思います。
良い人と思われなくてもいい、良い犬と思われなくても犬たちは大丈夫です。
Author Archives: miyatake
<犬のこと>犬の横跳び遊びは意外に真剣勝負
<日々のこと>都会と山で気温の分かれるこの季節
お預かりクラスやトレッキングクラスでたびたび七山に訪れるたびに感じることは、涼しくなったなあということです。
福岡や唐津がまだ暑いので、七山は涼しいというよりもむしろ寒いといった方がいいでしょう。
夜は窓を完全に閉め切ったうえに毛布を使わないといけないほど寒いです。
この夏の終わりのころが、都会と自然の気温の差を一番感じるときです。
山には北風が吹き始め、犬たちは高鼻を使って北風を臭うしぐさを見せてくれます。
この姿が大好きです。
風が吹くときに、どの犬も胸を上げて風を受け鼻を高くあげます。
人は風が吹くと体を丸めたり胸を閉じたりします。
同じ動物なのになぜこのような違う行動をするのかいつも不思議です。
小さな犬が風を胸に受けながら立っている姿は誇らしげで頼りがいがあります。
犬という動物は常に走り回ったり飛んだりしていると誤解されています。
本当の犬という動物はとても静かでゆっくりとした動物です。
その動物を必要以上に動かしたり興奮させたりすると、犬の脳に負担がかかってしまいます。
犬が活動していると、喜んでいる、楽しそうと思いすぎることにも少しストップが必要です。
犬は人にはないスピード、跳躍、感性、強さがあります。
そのことを身近で見たい楽しみたいという欲求が人にあることは特別なことではありません。
でもそれを操作しすぎるのは少し危険かもしれません。
犬のもうひとつの本来の顔。
悠然として身じろぎもせず、ゆっくりと歩き、地に脚がついたその力強い立ち姿をうっとりと眺めるのもまたいいものです。
これからはじまる長い秋のトレッキングシーズン始まります。
今年こそトレッキングをステップアップして、犬とのより良い関係を築いてください。
少し苦戦していたテラスの修理ももうそろそろ終盤に差しかかりました。
秋からまた草刈りなどいろいろと、毎日楽しく犬のこと考えています。
<クラス>高校生のバイク免許取得解除で思った時代がめぐること
このページから当ブログを読み始めた方は「ドッグスクールのブログなのになぜニュースネタなのか」と不思議に思われるかもしれませんが、最後まで読んでいただければ犬の話題にはつながります。
今日のニュースネタは「高校生のバイク免許取得が埼玉県で」です。
私自身が50年代のバイク3ない運動「免許取らせない」「買わない」「乗せない」が蔓延している時代にコッソリとバイクの免許を取得したため、関心のある話題です。
法律で16歳以上は自動二輪の免許を取得することができるとあるのに、高校生には免許を取らせないなど、意味のわからないことを子供に押し付けると子供はじめから大人を信用することはできません。
法律で決められている通り、高校生にもバイクの免許を取得する権利は当然あります。
その中で、大人ができることは、どのようにバイクに乗るのが素敵でカッコいいのかと教えてあげることです。
50年代はバイクといえば暴走族。そういう時代だったのでしょうが、はじけていたのは子供ではなく大人たの方です。バブルではじける親の影響を受けている子供のことだけを責めても、子どもたちはちゃんと知っています。
感性の強い青年期の高校生であれば、大人の影響を受けて爆発してコントロール不能に陥手しまう危険性があるからこそ、そのアクセルに制御をかけるブレーキの使い方と、バランスのとり方を教えてあげる存在が必要だったのでしょう。
今大人たちがそれに気づいたのであれば、反省も含めてそれはすばらしいことです。
変えていく大人たちはちょうど50年代に3ない運動で締め付けられた子供たち、つまりわたしたちの年代です。
こうやって時代は巡っていくのですね。(中島みゆきさんみたい)
犬との暮らしについても同じことがいえるのです。
ペットとの暮らしが急増したのはバブル後です。平成に入ってからです。
経済が一気に落ち込んで派手な遊びができなくなった大人たちは、身近で気分を変えてくれる存在としてペットとして犬を飼うようになりました。
外飼いの番犬から室内の小型犬が急増する時代です。
今はその急増した小型犬たちが老犬となるころです。
老犬の旅立ちをみおくって次の犬を家族として新たに迎える家庭もあれば、自分たちの年齢を考えてもう犬は飼わないという選択肢もあります。
ひとつ前の時代に戻ろうとするところを、このペット産業を継続させようとする新しい波が来ると、犬のサイズや形や風貌にもいびつさがみられるようになりました。
犬という動物にとっては少し危険な波なのかもしれません。
この時代、犬という動物とどのように暮らしていきたいのかを自由に考えられる隙間の時代でもあります。波のないなぎのひとときです。
自由選択ができるといえばラッキーですし、選択肢が広がりすぎたという難しい面もあります。
でも初心に戻ってみましょう。
犬との暮らしは家族との暮らし。
犬をどう飼うのかを考えるのであれば、あなたは家族とどのように暮らしていきたいのかと考えると良いです。
安心、安全、楽しく、豊かにといったところでしょうか。
犬がそうやって生きているのであれば、皆さんと犬の暮らしの方向性はぴったりです。
そしてこれからの時代がやって来ます。
昔の良いところを復活させながら、新しい犬との暮らしを模索してほしいです。
<受講生のコトバ・ダンちゃん>生徒さんからキャンプデビューのお知らせ
夏場なのでなかなか犬同伴のキャンプは難しい季節です。
その夏の合間をぬって、台風通過の涼しい風を利用してキャンプ泊された生徒さんからお写真とコメントが送られてきました。
犬にとってははじめての、そして人にとってもはじめての犬とのキャンプ&テント泊です。
どちらもテンションマックスのこと想像できます。
ご家族でよくキャンプに行かれていたそうなので、キャンプ自体は手慣れていらっしゃるようですが、犬もいっしょとなるといろいろと緊張も高かったでしょう。
訪問レッスンの様子をみながら、その犬くんにとってまた回りの方々にとってもストレスができるだけかからないようにと配慮されながら、デビューの日までがんばりました。
犬の成長だけでなく、犬と人が少しでも関係性を深めていくと、自然環境の中での生活体験となるキャンプは、そうでない場合と比べると満足度が違います。
それは本当に犬のことを学んだ方だけが体感できる特別のものです。
知らなかったことをたくさん学んで、迷いつつ成長して、そして犬を信じているからこそ、こうしてひとつずつ成長されていくのだなとその成長を見守っている私の方もドキドキしてしまいます。
グッドボーイハートのクラスを利用してくださる生徒さんの中には山狙いの方も結構いらっしゃいます。
カウンセリングのときに「初めから決めてました」というまっすぐなアプローチを受けると、告白されたみたいでうれしくもあり恥ずかしくもあります。
手と手を握って「いっしょにがんばりましょうね」という気持ちになれてレッスンにも気合がはいります。
ときには気合が入りすぎてしまい、生徒さんをへこませてしまうこともあり、みなさんすみません。
どうも犬のこととなると真剣モードなので「そんなにマジにならなくても」と突っ込まれても仕方のない状態になります。
そんな本気を受け取ってくださった生徒さんと犬ちゃんの成長のひとシーンを見れるのもまた、この仕事をしている幸せ理由です。
みなさんの成長記録、これからも楽しみにしています。
<テレフォンわんわん人生相談>留守番が結構長いのですが?
犬生には様々な喜びがあり、同時に悩みや苦しみもあります。
ひとに言えない、誰にも相談できない悩み、苦しみ。
そんな時少しでもお役に立てばというのがこのブログ<テレフォンわんわん人生相談>です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ナレーター:もしもし
相談犬:もしもし…
ナレーター:こんにちは。テレフォンわんわん人生相談です。
相談犬:こんにちは。
ナレーター:年齢とご相談内容を教えてください。
相談犬:今年で5歳になると思います。
今日、相談したいのは、留守番について何です。
ナレーター:留守番についてですね。あなた自身の留守番についてですか?¿
相談犬:はい、自分の留守番です。飼い主がひとりなのですがほとんど家にいないので、結構長いものでして。
ナレーター:どのくらい留守番をされているのですか?
相談犬:そうですね。ほとんど…、といっていいかな。
朝8時くらいに飼い主が仕事に行って戻ってくるのが夜の7時くらい、そのあとまた出ていくこともあって結局また戻ってくるのは夜の11時とか12時くらいなんです。
ナレーター:なるほど。まあ一日の大半が留守番ということですね。
あなたおひとりですか?他になにか、犬とか猫とかいますか?
相談犬:いえ、いません。わたしひとりです。
ナレーター:それは大変ですね。おひとりではさびしいでしょうね。
今日はあなたに最適の先生がご相談に応じてくださいます。
先生、よろしくお願いします。
先生:こんにちは。
相談犬:こんにちは。よろしくお願いします。
先生:おひとりの時間が長いようですね。留守番ということは部屋の中ですか?
相談犬:はい、うちはマンションなもので庭もなくベランダに出ることもないので一日中家の中です。
先生:留守番が長くて何かお困りなんですね。どんな風に過ごしていますか?
相談犬:基本的に何もすることがないというか。ひたすら寝るようにしています。
いろいろと考えたくないし、なんか体もだるかったりして、寝ていて一日が終わるとホッとするんです。
でも、ときどき無性に落ち着かなくなって、イライラして自分の体をかんだりなめたりしています。
ただそれを繰り返しているだけです。
先生:まあそれは大変ですね。寝たいから寝ているのではなく、他にすることがないから寝ているということですね。
体も悪くなりますね。十分な運動とかもできていないのですね。
相談犬:運動といえばたまに散歩に連れて出てもらうくらいですが、1週間に1回くらいなので、運動にはなっていないかもしれません。
先生:あなたの健康にとっては今の生活習慣はよくありませんね。そのこと飼い主さんは気づいていらっしゃるでしょうか。
相談犬:あまり気づいていないようなんです。いつもかえってくると「かわいいー」とか「だいすきー」といってとても興奮して近づいてこられるのだけど、なかなかいいたいことは伝わらなくて。
先生:自分の体をなめていることを気づいていないのですか?ストレスかなとか思っていないのかな。
相談犬:自分の毛が少し薄くなっているので、しょっちゅう病院にはつれていかれるんですけど…。薬を飲まされるのもあまり好きじゃなくて。なんだか悪循環なんです。
先生:あなたが体をなめることが暇だからという原因には気づいていないということですね。
相談犬:はい、そうなんです。もしそれを飼い主が知ったしても、とても忙しそうにしているので、困るのではないかと自分も心配になったりして…。
先生:あなたが心配することはありませんよ。それはあまりにも一方的です。
あなたにとって長い留守番がストレスになっていて困っていると知ったら、それをどうするか考えるのが飼い主の責任です。そこは割り切って考えてください。
相談犬:ええ、わたしも飼い主さんにはお世話になっているので迷惑をかけたくなくて、ひとりで悩んでいました。飼い主さんが気づいたら何かが変わるのでしょうか。
先生:あまり期待しすぎてもいけませんが、何もしないのもよくありません。
相談犬:どうやって伝えるのが一番いいんでしょうか?
先生:そうですね。もう少し激しくわがままをいうような形でアクションしてもいいかもしれませんね。
相談犬:アクション?激しくですね。例えば遠吠えをするとかそんなことですか?
先生:それも一つのアクションですが、外出のときに吠えて騒ぐとか、帰宅したら部屋の隅に丸くなっているとか、なにか人にとってわかりやすい行動がいいかもしれません。
これもひとつのカケなので、また病院に連れていかれるかもしれませんが…。
相談犬:それは嫌だな。
先生:ネットは使えますか?たとえば、犬の専門家に来てもらうために、ネットで検索した電話番号をどこかにメモしておくとかですね。
相談犬:なるほど、そちらの方がよさそうですね。ネットは飼い主さんのスマホしか使えないので、寝ているときにやってみます。
先生:それはとても良い案です。たくさん検索しておけば広告に上がってくるでしょうし、少し興味をもってくれるかもしれません。
相談犬:やっぱり誰かに間に立ってもらえると安心です。
自分の気持ちを伝えてもらえる機会ってなかなかないので、ちょっとがんばってみます。
先生:やってみてくださいね。
相談犬:ありがとうございました。
ナレーター:よかったですね。あなたいろいろとお出来になるのね。
どうして今までそれをされなかったのかしら。
相談犬:いや、飼い主さんに伝えること自体に罪悪感があったからなんです。
でも、飼い主さんを信じてみます。
ナレーター:そうですね。もしだめでも今やっておいた方が後で悔いは残りませんよね。
今日はありがとうございました。
相談犬:はい。ありがとうございました。
<日々のこと>お盆なので大好きな映画をみて犬のことを考えた
台風で雨風がすごいです。
七山にいるといつか山が崩れて埋もれて死ぬのかなとよく想像します。
以外と岩盤の硬い七山、しかも尾歩山は手入れもしっかり&オポくんに守られていますので今のところは大丈夫です。
お盆だしオポ大丈夫だよね、といつものお願いモードで預かり犬ちゃんたちのお世話をしています。
犬ちゃんたちもさすがにテンションダウン。
涼しさが心地よいのも重ねてまあよく寝ます。
お盆になったからか急に見たくなった映画をみました。
ローマの休日 です。
あのオードリーヘップバーンの素敵な映画です。
もう10回以上見たのでストーリーは頭に入っているのですが、妖精のような彼女と絶対に重ならない自分を重ねたりして(いや重ならない)みます。
世界中でどのくらいの女子が、こんな風になりたいと思ったことでしょうか。
美しく純粋な心を持ち、そして王女。
この映画を見ていてハッとすることがありました。
預かり犬ちゃんたちの扱いになかなかの難しさを感じたことにつながりました。
預かり犬ちゃんたちの中にも「ユアハイネス」といわれながら育った子たちがいます。
ご自宅で「王女さま」と呼ばれて扱われているのに、預かりにきたら隣にも「わたしが王女よ」という子がいる。
とたんに機嫌を損ねてしまいます。
戦って上下を決めたりはしません。
位は初めから決まっているので、自分は争わないのです。
どちらも自分が本当の王女だと信じていますので、相手を無視したり、王女的な態度を崩そうともしません。
結局終わりのない戦争に入ってしまうので、テリトリーを分けながら過ごさせます。
どの王女さまにも素敵な王子さまと巡り合って、楚々とした女性に成長してほしいと願いばかりです。
そういえば、ローマの休日を何度も見たのは、亡き母が大好きだった映画だったからでした。母もオードリーヘップバーンにあこがれていたのですね。夢は娘に受け継がれています。
<犬のこと>犬の夏バテ必勝法とは
このブログをご覧になってくださっている方々。
多くは福岡・佐賀方面の方のようですが、関西方面や関東方面からもご覧いただいているようです。
また海外でも読んでくださっている方がいらっしゃるようで、お会いしたことはありませんがいつもありがとうございます。
酷暑なのは福岡だけでなく、日本全国いや世界各国で気象の変動が激しいようです。
暑さに弱い犬たちはどうやって過ごしているのだろうと、室内で犬を見るとフローリングと一体化する犬たちの姿ばかりが見受けられます。
室内犬の飼い主さんたちは「外で過ごしている動物はかわいそう」とおっしゃいます。
確かに、囲われたコンクリートの庭に係留されて過ごしている犬たちは、外でも熱中症になってしまいそうです。
田舎の犬たちはどうでしょうか。
土と木々があれば、犬はどうにか寒さをしのぐようです。
もちろん山はそれだけで気温が都心よりも5度くらい低めです。
さらに朝夕の冷え込みがあるので夜はゆっくりと体を休めることができます。
でも日中はやっぱり暑い。
そんな暑い夏を乗り切るために犬たちが自然とやってしまうことがいくつかあります。
そのひとつは「小食を心掛ける」です。
体が弱っているときに一番大切なことですね。
人は弱っているとなぜか余計に食べてしまいますね。
弱っている動物は「食べない」に徹します。
犬の尊敬すべきことはいろいろとあるのですが、食べない必勝法はすごいです。
犬は食べたいという欲求を戦うことなく、食べないを選択できるのです。
すべての犬がというわけではありませんが雑種犬など人が手をくわえていない犬は自己調整機能が高いようです。
小食で体力を回復するのは動物の常とう手段です。
犬は一食くらい食べなくても普通に活動します。
人間も一日絶食するくらいは日常生活に影響を及ぼさないのでしょうが、先にダメージを受けるのは体ではなく心の方です。
食べない犬たちを尊敬します。
食べない犬たちを尊重したいと思います。
<クラス>涼しすぎる七山でお泊りする犬ちゃんたち
福岡が酷暑です。
昨年よりは涼しく犬たちにやさしい夏かと思いきや、やっぱり暑い。
ここ数日は移動中の車の中で熱中症になりそうな自分と、あちこちで見かける救急車に気持ちも落ち込みます。
家庭の犬ちゃんたちも「暑すぎてトイレにも出ないんです」とか「今年はさすがにお庭にあまりでなくなりました。」といった今までと違う行動も見せています。
犬たちも気候の変動の中で厳しい夏を体感しているのです。
そんな酷暑の福岡から脱出して上界の七山に上がってきました。
標高500メートルなのでそれほど高くはありません。
でも涼しい、全然違う。
体感では10度くらい低いように感じてしまいます。
実際には5度くらいです。エアコンをつけない室内で26度くらい、湿度もあまり高くありません。
風があるともっと心地よい感じになるので、室内よりもむしろ屋外の方が過ごしやすいのは田舎ですね。
預かりの犬ちゃんたちを連れて七山に来たのですが、暑さで体調もあまりよくなかった犬ちゃんたちが元気に復活している姿を見ることができました。
夕方少しだけ気温が高くなるときには家やテラスに水まきをします。
水になれていな犬ちゃんには特別にホースでつくったお手製のにわか雨をプレゼント。
お手製なのでときどきどっさりと水が頭から落ちてくることがあるけれど、水にも慣れてほしいし涼しいものです。
8月8日に立秋を迎えたので、これからどんどん日が落ちていきます。
お盆を迎えると七山はもう秋の気配です。
犬も季節の移り変わりを鼻先で、体で感じることができるといいなと思います。
一日中エアコンの中で快適に過ごすことができる犬たちはある意味では幸せです。
気温の変動は動物にとってはストレスになるからです。
でも、本当に犬はそう思っているのでしょうか。
適切な気温の変化の中で、あー涼しいとか、あーちょっと暑いから移動しようかなとか、
地面にお腹をつけてみようかなとか、木陰で風邪にあたって気持ちいいとか、そんなことが動物にとってはすごく幸せなことなのではないかと思うからです。
預かりの犬たちといっしょに過ごすときは、気持ちがいいを連発できるようにわたしも犬といっしょになってウロウロします。
ヒサシを立てかけたり、水を流したり、木を切ったりしてできるだけ心地よく過ごせるようにしています。
そんな何気ないことが動物である私にとっても素敵な時間になるのです。
草を刈り取る横でいっしょになって草をむしる子犬ちゃんたち。
飼い主さんの幸せをいただきながら犬たちとの夏休みが始まりました。
今年も夏休みの宿題がいっぱい。
グッドボーイハートは弟を生み出すことになり、産みの苦しみの最中です。
9月1日出産を目指しています。
ご期待ください。
<犬のこと>あなたのモノは私のモノ、私のモノは私のモノ…
犬の行動を見ていると、ときどきゾゾってすることがあります。
ゾゾとは、なんか自分を見ているようで恥ずかしいと感じるときとか。
動物の欲望を目の当たりにするような気持ちになるのです。
それは攻撃性などの難しい行動じゃなくて、意外と日常的にみられる行動です。
たとえば、モノを取り合う行動であったり。
ひとつのものを取り合いっこして遊んでいるようなのはまだかわいげがあります。
取り合うような感じは全くないのに、全部自分のだといたげな行動をすることがあります。
ひとつのオモチャを自分の元のおいて少し噛み始める。
目の前の他の犬が持っているモノが気になると近付いていってウロウロする。
他の犬がそのモノから離れたら、それを加えて自分の居場所に持ち帰る。
もしくはそれを加えているときに、他の犬がもとあった自分のオモチャへ向かおうとすると、先に近付いておもちゃをくわえてみる。
結局、全部自分のだといいだいのだね。
モノに対する所有欲の高さは圧倒的にメスの方が強いのです。
自分が女子だからひいき目に見てしまいます。
「女の子だから仕方ないけどね。」と。
オス犬がメス犬にモノを取り上げられて何もいえなくても「男のコなんだからがまんしなさい」といってしまいます。
メス犬の所有欲求の高さは、そもそも子育ての過程から来ています。
子どものために余分に必要、子どもを育てるのだからいっぱいいるの。
子ども自体にも所有の気持ちが高まると子育ては失敗してしまいますから、何事にもバランスが必要です。
犬の所有欲の高さなど人間のそれと比べたらかわいいものです。
人はもっと欲しがりるし、だからこそいろいろと発展してきた動物でもあります。
良くも悪くも人間はそんな動物なのです。
その動物がこんどは犬を欲しがります。
あの犬もこの色もほしい。
同じ色の犬がふたつ欲しい。
大きいのも小さいのも欲しい。
犬は所有物ではありませんから、所有として増やすのは止めましょう。
家族として適切なグループとして、仲良くなっていける範囲でお願いします。
<犬のこと・動画>犬の不思議行動:地面に体をこすりつけるのはなぜ?
先日のリンちゃんといっしょに七山お泊り初体験してくれたチワワのハルちゃん。
生後5ケ月という若さなので面白行動が爆発していました。
その行動のひとつが、地面に体をこすりつけるような行動です。
結構たくさんの犬ちゃんがこの行動をするので見られたこともあるでしょう。
リンちゃんがそばで見ています。
動画はこちらからどうぞ。
地面に体をこすりつけていますね。
でもよくみるとこすりつけているのは地面ではなくあるものなのです。
それは、ミミズの死骸です。
死骸といってももう干からびていますのでカラカラです。
犬が反応しなければそれがミミズであることすら気づかないような代物です。
黒くて薄くて軽くて、でもよーくみるとミミズ、そしてないより臭い。
このミミズの死骸に体をこすりつける行動は今までに多くの犬で見ることができました。
なぜ他の昆虫の死骸ではないけないのか、なぜミミズなのかはわかりません。
ただ明らかに臭いことだけは証明できます。
なぜなら体をこすりつけた後に犬の臭いを嗅ぐと、相当くさいからです。
飼い主さん的にはかなり抵抗のある行動らしく、たいていの飼い主はこれを「ダメー」といって止めてしまいます。
ところが私はじっと観察しています。
ハルちゃんですが、かなり長い時間このこすりつけ行動をしていました。
一旦止めたかと思ったら再び始まるという感じでした。
一度部屋に入ってまた出てきたときもやりました。
そして最後は、書くと抵抗がありそうなのでご想像にお任せします。
なんとなくエンディングは想像できますね。
地面ではなくミミズの死骸に体をこすりつける行動の意味は、カモフラージュです。
自分の臭いをミミズの臭い臭いでまとってしまおうとします。
なぜそうする必要があるのでしょうか。
それは、自分の臭いが薄いからです。つまり弱いということです。
弱い臭いでは外敵に襲われる危険性が高まります。
強い臭いだと敵に対して「俺、わりと強いから」というメッセージになります。
ハルちゃんにしてみれば自分の弱さを隠すためのカモフラージュ。
それは他の犬に対して行われているのではなく、環境にいる他の生物たちに向けられたメッセージです。
自分の身を適切な形で防衛する犬としては正当防衛の行動。
この行動を止めることなどできません。
逆からいうとハルちゃんは弱いということです。
この行動は幼い犬に出やすい行動で、特に1歳未満ではよく見られます。
うちは5歳なんだけどするという犬ちゃんは、精神的にはまだ成長途中ということで見守ってあげてください。
成長するとしなくなるこの行動をする犬たち、将来は活動的に行動しやすい性質を持ちます。
こんなことを知ることができるのも、とても楽しい。
飼い主でない私がこんなに楽しいのだから、飼い主さんたちにはもっと楽しんでもらいたいです。