少し前のニュースになりますが「警察犬が逃走したので地域に注意を呼び掛けている」というニュースが耳に入りました。
私がラジオのニュースで聞き覚えた内容はこのようなものでした。
・警察犬が山で逃走した
・逃走した警察犬は2歳でよく訓練されている優秀な犬だ
・警察犬は行方不明者の捜索のために警察官などと共に山に入っていた
・警察犬といっても大型犬なので地域に注意を呼び掛けている
そして翌日だったと思いますが「警察犬が保護された」というニュースをまたラジオでききました。
・行方不明だった警察犬が無事に保護されました
・警察犬はリードが木に絡まった状態で捜索中の警察官に発見された
・見つかったのはいなくなった場所から100メートルくらいだった
・発見されたときに興奮していた
・警察官から魚肉ソーセージなどをもらって食べた
こんなニュースでした。
ニュースの内容も事実と相違があることがありますので本当にこうした経過だったかどうかは分かりませんが、そうだとしての私の意見です。
そもそも捜索活動中の警察犬が行方不明になってその警察犬を捜索するというのですから、不思議なことになったのだなと言葉もありません。
山で犬が逃走したの理由はおそらく「衝動的に走り出した」ということだけです。
他の動物の気配などで走り出した可能性は十分にありますが、野生動物は犬の衝動的な行動を引き出すもっとも強い動機です。
よく捕獲本能が芽生えて動物を追いかけるといいますが、捕獲本能というのはそれほど単純なものではありません。
むしろ、わかりやすい言葉でいえば「ビビッて走り出した」ということです。
怖いものがあったら逆の方向に逃げそうだと人は思うでしょうが、監禁されている動物になると怖いものがあるとそれに向かって走り出すという行動になります。
街中で身動きがとれなくなったイノシシが人にむかっていきなり突進してくるような感じです。
見つかった場所がいなくなった場所から100メートルくらい。
ということは犬の移動距離能力を考えると本当にすごく近いですので、人や犬がワイワイといる中に戻れないわけはありません。
衝動的に走り出したが一定の距離を走って自分を取り戻した、しかしそのときにはリードが木に絡まっていて身動きが取れなかった、ということでしょう。
身動きが取れなくなっって周囲に動物の気配があれば、自分も気配を消すのが一番の身を守る方法です。
ここではちゃんと気配を消していたので、見つけてもらったときには大興奮となったと思います。
吠えて人を呼べばよかったのにと思うかもしれませんが、そうしなかったのは冷静な行動でした。
しかし、リードを付けたまま捜索しなければいけなかったこの警察犬は、行動の安定性からするとまだ信頼性は十分ではなかったのか、それともそのリードはほんの短いものだったのかが定かではありません。
いずれにしても「衝動的に走り出した」行動をした時点で、フィールドに出る使役犬としては「まだまだ」であったと言わざるを得ません。
犬の衝動性は「ごほうびと罰」でコントロールすることができません。
犬をほめたり叱ったりする方法で訓練をしただけでは、犬の衝動性を管理することはできないのです。
そもそもその犬の衝動性を制御できるのは「犬自身」出会って他者にはそれができないのです。
ではなぜ逃走しない人と共に活動できる犬を育てることができるのか。答えはとても簡単です。
犬が「個体」よりももっと大切だと思うものを自分の中にもっている時です。
「個体」よりも大切な「群れ」という存在の一部であることを犬が知ったときにはじめて犬は自分の衝動性を抑えることができるようになります。
この抑制は「それがいい」とか「それが悪い」といった価値観をもってされるのではなく衝動的になることがないという行動の変化で訪れてくるのです。
犬と人。違いもあれば似たところもあります。
犬が山で逃走したと聞くと「動物の本能で…」などと失礼な解説をする人も出てくるのもしれませんが、人だって何か別の生物に拘束されてしまえば、何かをきっかけに衝動的に走り出すはずです。
逃走した犬は、まだ群れに所属してはおらず、人にとらわれているという感覚があったのでしょう。
それにしても見つかったことがニュースになったり、美味しそうに魚肉ソーセージを食べたことがニュースになったりする当たり、この国は良い意味では平和、少し悪口をいうなら平和ボケしているのかもしれません。
私がもし山で逃走して見つかった犬を保護したら、その犬の生涯のために絶対に魚肉ソーセージをすぐに与えたりはしません。
本当にその動物を成長させてその犬の持っている力を引き出してあげたいなら、自分の気持ちも律して犬に接すること、これが今のところの私の犬に対する姿勢です。
Author Archives: miyatake
“警察犬が山で逃走した事件”についての個人的な考え・犬の衝動性について
リードを付けた犬と「人犬一体」となれるトレッキングを目指そう
今年も11月に入りました。
いろいろあってあっという間に年末に突入した感じです。
七山にも秋が到来して気持ちよくトレッキングクラスを開催できました。
今週はプライベートクラスのトレッキングクラスで山歩きを犬と飼い主さんといっしょにしました。
まだ数回の犬ちゃんは、だんだんと落ち着いた歩行になってきました。
はじめはリードを前に引っ張るばかりだったのに、ほとんどリードをたるませた状態で歩けるようになっていました。
犬が上手になったのはもちろんですが、飼い主さんの犬をサポートする力がかなり上がってこられているなと思いました。
犬のリードは犬が引っ張るのを引き留める道具ではありません。
犬のリードは馬の手綱と同じ役割を果たしています。
要するに「乗り手次第で動物は変わる」ということです。
馬だともっとわかりやすいのだと思います。
気難しい馬を上手に制御できる人は尊敬を集めたものです。
馬が人に協力をしまさに「人馬一体」となった姿には美しさを感じます。
同じように「人犬一体」となったリード使いではやはり美しいと感じることができます。
リードにたるみがあってお互いにバランスをとりながら歩くトレッキングは、お互いの気持ちを確認できるとても良いコミュニケーションです。
トレッキングクラスで学べることやトレッキングクラスで犬が受ける良い影響はひとつではなく、あげるときりがないほどです。
このすばらしい犬との山歩きを体験していただきたいという気持ちだけでこの七山の尾歩山を育ててきました。
今年で13年で紅葉もまだまだですが、そこそこといった感じです。
季節もあとわずか、犬には10回しか来ない秋だと思うとその1回1回がとても貴重な季節です。ぜひお出かけ下さい。
そのトレッキングクラス中にも何名かに「山で警察犬が逃げた事件なんですけど、先生はどう思われますか…」という質問を受けました。
そろそろブログに私の意見を書きますのでお楽しみに。
犬はよく下痢や嘔吐をする、そしてそんな時は草をモリモリ食べます。
今週お預かりクラスに来てくれている犬ちゃんですが、お預かり前に長らくお腹の調子が悪い…ということで飼い主さんと打ち合わせもしました。
しかし通院の結果重篤な病気に感染しているのではないということで診断を得られました。
元気もあるしお預かりして犬ちゃんの様子を見守りました。
以前にもなんどか下痢の症状のある犬ちゃんを単独のときのみお預かりしたことがあります。
犬は日ごろは人よりもずっと快便です。
毎日規則的な時間に形の整った便をします。
その分は下痢や嘔吐を簡単にします。
体を整える反応が人よりも高く動物的で、調子を整えるために下痢や嘔吐するのです。
出すとすっきりして元気になることが多いものです。
そして何よりもいつも思うのですが、下痢や嘔吐をしている犬は草をとても食べます。
今回お預かりした犬ちゃんも、到着してからバクバクと広場の草を食べていました。
その姿をみながら「これなら大丈夫だなと見守り続けました。」
そして翌日には草の絡まった完璧な便をして、動きも活発になってきました。
都会には自分の体調を整えるためのあのツンとしたイネ科の雑草があまりないようです。
そのため薬で解決しようとしますが、薬はあくまで対処法です。
下痢を止めようとする薬に、出し切ろうとする体が反発してさらにぐったりしてしまうこともあります。
緊急時には薬をちゃんと使い、日常のケアは食べるものや活動で維持するのがベストだと思うのですが、犬と暮らしなれていない飼い主さんには見極めが難しいところですね。
犬が自分で何かをしようとしているときにそれを見守ることができるかどうかにかかっていきます。
そしてそれが犬にとってメリットの高いものであれば見守るけれど、デメリットのもの(ストレス、衝動、自己破壊)であれば止める必要もあります。
そんなことわかるわけないと思われるかもしれませんが、それを学ぶための学校がグッドボーイハートです。
犬ができることのひとつに、自分で自分の体調をある程度は整えるということがあります。
それも自律機能のひとつです。
ひとつひとつを奪ってしまうと犬は何もできないただぼーっとしている動物になるか、狂ったように動き回る壊れた機械のよう生き物になってしまいます。
お預かりの犬ちゃん、いっしょに山歩きしてお手伝いしてくれました。
元気になって良かった。
草を持って帰っていいよ。
日本の野良犬から家庭犬へと変化した遺伝子は稀少である
先日お散歩代行のお仕事をさせていただきました。
意外と知られていないグッドボーイハートのサービスのひとつです。
飼い主さん不在時のお手伝いは、ブログでもご紹介している犬のお預かりクラスが一番のおすすめです。
しかし、犬によっては移動が苦手で自分の住まいとその周辺が最も落ち着いて住める、かつ安定した環境の屋外飼育なで飼い主さんの不在にある程度の時間は耐えられる場合には、飼い主さんのご希望でお世話代行に伺っています。
今回お世話させていただいた犬ちゃんは、知人の紹介で定期的にお世話させていただいていて、社会性の高い犬ちゃんは私を認識してくれるのも早いのでお仕事を受けました。
導入が長くなりましたが本筋の話はこここからです。
犬種は日本のザ・ミックス犬です。
日本にいるミックス犬の中ではかなり大きな体格ではあります。
そして特筆すべきなのはその犬ちゃんの性質です。
日本の犬はそもそも山犬だったものが、人の里にいつくような里山犬となり、野犬と野良犬に分かれていきます。
野良犬とは文字とおり野犬の中でも「優良」の犬の方です。
人に害を与えず特別役に立つわけではないが、人も他の動物との関わりと楽しむ相手として余裕があれば歓迎して迎えたのでしょう。
人のものを無駄に捕ったり荒したりせずに少し下がって関わりをもつことのできる野良犬。
人のモノを常に奪うことを狙っている野犬とはかなり性質が違います。
人になつき、様子をよく観察し、出しゃばらず、隠れることが上手です。
良い意味で日和見的なその性質が時間をかけて人とより近く暮らす、つまりテリトリー(縄張り)を共有する家庭犬としてより洗練されたものだと私は考えています。
こうした雑種犬は今やほとんどいなくなっており、本当に貴重な存在です。
お世話させていただいた犬ちゃんにそんな日本の野良犬の遺伝子の臭いをなんとなく感じてうれしくなります。
なによりもコミュニケーションがとてもよくとれるのですが、もちろん小さいころから元の性質をより大切に育てて来られた飼い主様の環境や接し方があってのことであることは間違いありません。
今の日本の犬事情の中では、こうした社会性の高い性質の犬が増える環境がありません。
ペットショップで販売されている純犬種たちの全てではありませんが、その多くが人との暮らしに必要な遺伝子をあまり受け継がれていないと感じます。
彼らの親犬やまたその親犬は、人とどのような暮らしをしてきたのだろうかと想像するとしたらどうでしょうか。
日本の野良犬には特別な仕事はなく、家庭犬になってはじめて人のテリトリーを適当に守るという番犬としての役割が多少与えられた程度です。
さらに純犬種の場合には、アナグマを刈っていたとか、猟犬だったとか、闘犬だったとか、牧羊犬だったとかいろんな使役として遺伝的に求められたものがあったのです。
それらを一日中なにもしなくてもいい家庭犬として納めていくことの難しさを考えずに、ただ「見かけがかわいい」という気持ちだけで飼われる犬の方にストレスがかかるのは仕方のないことだと思います。
さらに野良犬の方は、餌付けという方法をもって捕獲されてしまいます。
人に時間をかけて自然に近づいてきた野良犬から家庭犬になったものと、餌付けを通して人に近付いてきた犬では大きく違うことをまず理解してあげる必要があります。
もちろんどの犬にも人と暮らす権利があります。
むしろ国内では人に飼われていない犬が生きることは認められていません。狂犬病予防接種法という法律があるからです。
かといって、うじうじと不安や不満を抱えていても仕方ありません。
だから今目の前にいる犬にできることを考えたときに、純犬種もミックスも超えてそのもっとずっと奥にあることは「ただあなたは犬なのだ」ということを思い出してもらうことしかないという考えにいたりました。
あなたはボーダーコリーである前に犬なのだ。
あなたはトイプードルである前に犬なのだ。
そんな時間をすべての犬に大切にすることが、犬が持っている根底の力を引き出すことだと信じています。
犬から引き出すべき素材は、犬本来の習性と自然とのつながりの力です。
日和見主義といえば英語ではOpportunism(オポチュニズム)と言われます。
お天気によって行動が変わるのは犬の本質なので、オポもやっぱり日和見犬でした。
動物福祉に関する無料セミナーのご案内<日本動物福祉協会主催>
今回は動物福祉に関する無料セミナーのご案内です。
コロナ禍で移動や人の集まるセミナーに参加しずらい中、今回は無料のEラーニングスタイルということで本当にありがたいセミナーです。
ブログをいつも読んで下さっている方からご紹介いただきました。
テーマの対象は犬ではなく産業動物の「牛」と「豚」です。
どちらも日々美味しくかつありがたく命をいただいている動物ですが、その動物の福祉について学ぶセミナーです。
犬のこととは関連がないため興味のない方も多いと思います。
ですが実際には動物福祉の考え方の根底の部分はそもそもつながっており、深く深く知りたい方には興味をそそる内容になると思います。
また主催者の日本動物福祉協会は以前、熊本県の被災を支援するイベントとして企画したセミナーの講師を引き受けて下さった山口千津子先生が活躍されていた団体でもあります。
とても信頼のおける動物福祉を学べる団体なのでご紹介を含めてセミナーのご案内をさせていただくことになりました。
いつでも受講できるEラーニングなので、私も早速申込みをいたしました。
詳しくはこちらからご覧ください。
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第8回 動物福祉市民講座
テーマ「産業福祉動物」
◆乳牛のアニマルウェルフェアをわかりやすく
◆豚の動物福祉に関する研究紹介
主催 公益社団法人 日本動物福祉協会
開催場所 Eラーニング
期間 11月9日13時~11月24日13時
配信方法 Youtube による配信
申込み閉め切り 11月4日 12時
詳しい情報と申込はこちらからどうぞ
長いお預かりクラスで学んだことをお返しします。施されたら施し返す!
今週は久しぶりに長い期間のお預かりクラスでした。
慣れている犬ちゃん、始めての犬ちゃん、そして途中でクラスメンバー交代といろいろと目まぐるしいお預かりクラスでした。
お預かりクラスの目的はいつもお話しているとおり、安全に犬たちをお預かりすることです。
さらに場合によっては、今の犬の状態をより詳しく把握して次のステップを決めること、環境をリセットすることでどのような変化が犬に起こるのかを見極めていくこと、という上級クラスのお預かりもあります。
今回は前者と後者がダブルになってお預かりクラスでした。
インスタグラムをご覧になった生徒さんから「喧嘩しないのですか?」と聞かれましたが、もちろん喧嘩をするような犬と犬を同じスペースに出すことはできません。
同時にどの程度の行動制限を与えるのかも、犬の状態に応じて日ごと、いや時間ごとにステップアップしていきます。
昨晩まで起きたことから、今日起きるかもしれないことを予測して、今日のスケジュールを決めるが実際には今日起きるかもしれないことが起きなかったり、予測しないことが起きたりします。
都度犬に対する管理の方法や接し方、やるべきことややることを変化させていくので、自分ながらこれは職人芸だなと思っています。
同じことを人にできるように教えてくれと言われても、決して伝えることができません。
そんな今回のお預かりクラスで学んだたくさんのことの中のひとつは「よく見極めること」でした。
職人気質の私も見ているようで見ていない部分があったり、聞いているようで聞こえていない音があります。
そうさせてしまうのは自分の中にある思い込みの世界です。
犬の飼い主のほとんどがこの思い込みの世界によって、本当の自分の犬を理解することができません。
犬が喜んでいる。犬が好きだから。という言葉がでるときに、本当にそうなのだろうかと考える必要があります。
犬の中にある「良し」「悪し」という単純な選別だけでは犬を知ることはできません。
犬にはもっと複雑な感情があるはずですが、ほとんどの犬がその感情を得る機会を持てていません。
なぜなら、いつもいっしょにいる飼い主が「良し」「悪し」という判断を下すだけだからです。
自分の犬は天使で汚れなくいつも笑っている、そうでなくてはならないと犬に課すことを止めて、犬だってずるもする、文句もいう、反発もする、イライラもするということを認めていきましょう。
それも含めて犬なのですから。
お預かりクラスをご利用いただきたくさん学ばせていただいてありがとうございました。
これからまた他のクラスでお返しさせていただきます。
施されたら施し返す。の精神いただきます。
「犬語をわかる人を探しているんですが…」と連絡があったこと
先日のことですが福岡の某テレビ局から電話がありました。
お問合せの内容は「犬の言葉がわかる人を探していてこちらを見つけたのでお尋ねしたいのですが…」というものでした。
お話を聞いていくとこういうことでした。
① 相談に至った経緯
福岡で変わったものを紹介する番組を制作している。
福岡市中央区の春吉に変わった看板を見つけたのでそれを番組で紹介したいと思っている。
その看板には「ワンワンワオーン…」などと犬の言葉で書かれている。
看板を取り付けた不動産会社に尋ねたところ、その駐車場で犬にトイレをさせる人が多いため注意を促す看板を設置したが、普通に書いても注目されないのでこのような形で設置したということらしい。
② 質問内容
それで、この看板に書いてある犬のことばを訳すということができるのか、犬だったらなんというのだろうか?という単純な疑問で質問してみたくて連絡した。
とまあこんな話でした。
③ 質問に対する答え
そもそも犬のコミュニケーションには音声の他に臭いや視覚的なコミュニケーションもあり、その方法は多様であること
そのすべてのコミュニケーションがシグナル形式になっており、人のように言語学習をしなくても身につくものであるということ。
同じく音声もシグナル形式になっており、犬同士であれば世界共通で会話ができること。
以上が人のコミュニケーションとの相違であって、犬のコミュニケーションの特徴であるということ。
あとは音の長さ、高さ、連続性などで状態を伝えることができるのが犬の音を使ったコミュニケーションである。
とまあこんな説明をさせていただきました。
ある程度はご理解いただいかと思いますが、その適当に書かれた看板の下でどのようなことが書いてあるのかを説明するということにはなりませんけどね。
ただ、犬は人に対しては特別に声を使ったコミュニケーションや音を出すコミュニケーションが多くなるという事実はあります。
これは、人が臭いのコミュニケーションを受け取る能力がなく(犬からみたら人は鼻のない動物ですから…)、そもそもの形が違う犬と人では犬のボディランゲージなどは理解しにくいということ。
そして何より音を出すことが一番人の気を引くことができるということをすぐに犬は学習します。
そんな犬語を学ぶ勉強会をコロナ禍でずっとお休みしているのですが、年内に一度再開できればと思っています。
オンラインも良いですがやっぱりみなさんと対面でお話したいですね。その方がエネルギーが湧き出る感じがします。
犬語セミナーまだご参加されたことがない方もお気軽にご参加ください。
それにしても「犬の言葉がわかる」というキーワードでグッドボーイハートを探しあてて下さったのであったらありがたい話です。
番組はもう放送されたと思いますが、その話題の駐車場は福岡市春吉にあります。変わった看板ということで話題にはなったらしいので興味のある方は検索してご覧くださいね。
結果にコミットするグッドボーイハートのトレーニングは生徒さんとの約束の繰り返し
また預かりクラスのために七山に戻ってきました。
今回の犬ちゃんたちもよりとりどりなので、考えていたらテンションが高まってしまい昨日も本日も眠気が来ずに困っています。
よくみなさんに「好きな仕事をされているから幸せですね。」と言われます。
幸せであることは否定しませんが、好きだからこそ限りなくつぎ込んでしまうこともあるし、思うようにいかず悩むことなど山のようにあります。
どのようなトレーニングを飼い主さんに提案すれば良いのか、レッスンの対象は犬ではなくあくまで飼い主という人なのです。
犬は全く問題がなくても、人はなかなか難しいものです。
そんなことを考えているときに、あの有名なCMがYouTubeで流れていました。
結果にコミットするあのダイエットのCMです。
ライザップのメソッド
1 データに基づいた科学的トレーニング
2 トレーナーが寄り添ったトレーニング
3 日課を与える
これを見たときにそのままではないかと思ったのです。
ライザップさんから勝手にお借りして申し訳ありませんが、当校に当てはめるならこんな感じです。
グッドボーイハートのメソッド
1 犬の習性に基づいた科学的なトレーニング
2 ドッグトレーナーが寄り添ったドッグトレーニング
3 飼い主に日課を与える
そのまんまのぱくりではないかというご指摘甘んじて受けましょう。
しかしこれぞグッドボーイハートの結果にコミットするメソッドです。
しかし上手く考える人は上手く考えるものですね。
こうしたより分かりやすい広告が人に理解を促すのですね。
その点ではわたしは言葉足らずでまだまだ勉強が必要のようですが、今持っているものをまずは全部出し切ることの方が先かもしれません。
しかしライザップさん「結果にコミットする」という言葉もとても深い言葉です。
結果にコミットするとは、お互いに約束を交わすという意味です。
お金を払ったから絶対に痩せますよ、と言ってはいません。
お互いに約束を守ることでいっしょに結果を出しましょうね、というのが結果にコミットするの本当の意味ですね。
グッドボーイハートのトレーニングにも、犬の管理方法や接し方や練習など日々の積み重ねをしていただくことがインストラクターである私と生徒さんである飼い主さんの約束事です。
しかし犬に対する管理や接し方は、犬に対する気持ちがそのまま出てしまうものです。
なかなか私の前で練習したように接することができないというのが実際のところだと思います。
犬を可愛がりたいという気持ちは私も同じです。
ところが可愛がりが甘やかしになる境界線を見つけることは難しいようです。
人の子供に対してですら難しいことを、犬などの社会に飛び出す必要すらない動物に飼い主として責任感を持って向き合える人は本当に一握りしかいないとは思います。
インストラクターの指導内容と、実際の飼い主さんの行動にズレが生じるとなかなか結果にコミットできません。
ズレを修正するには多少の時間が必要ですが、急いで解決したいという気持ちもわかります。
だから多少厳しくはっきりと発言させていただいていますがその点はご了承下さい。
これでも昔よりはずっと丸くなったと生徒さんたちから言われます。
どんなに厳しかったのだろうと申し訳なく思いますが、こうして目の前に犬がいると考えが止まらなくなってしまうような犬バカさからくると思って大目に見ていただければと思います。
生徒さんたちに私から課した犬のしつけ方の日課が約束事なら
私の側のお約束は、犬のことを真剣に考えて知り得たことを飼い主さんに分かりやすくお伝えすることです。
確かだれかとても偉い方(名前が出てきません…)が、自分が理解するのに一年かかったらそれを他人に説明するのにまた一年以上が必要になるというようなことを言っていました。
もっと長い年数だったかもしれません。
本当にその通りなので、犬のことを私から知りたい方はどうぞ気長にお付き合いください。
自分で言うものなんですが、私は日々進化しています。
昨年の自分だったら思いつかないような考えに今年はいたっています。
そして同時に老化もしているのですが、これもまた動物としての成り行きです。
犬と見つめあっていたい?それとも犬の見ている風景をいっしょに見たいと思いますか?
週末はお預かりやトレッキングクラスで七山でゆっくり…とはいきませんでしたが、体をよく使いました。
最近インスタグラムを始めたからか写真を撮らなければいけないと思ってしまって多少反省しています。
自分が写真撮影をすることで犬の時間を邪魔したくないというのが私のポリシーです。
だから写真を撮るときには犬にこっちを向いてと言わないようにしています。
そのせいか撮影した写真はとてもインスタグラムに投稿できるようなものではありませんがブログと同じように日々の日記だと思って気軽に続けています。
そういえばオポの写真はほとんど後ろ姿でした。
今スマホに残されているわずか数枚の写真もほぼ後ろ姿です。
犬を真正面から見つめてかわいいなと思うのは、犬がよく休んでしまってからです。
犬が屋外で活動をしているときは、犬が見ている風景を自分も見たいという気持ちが先に立っています。
犬が何を見ているのか?
犬が何に興味があるのか?
犬が何を感じているのか?
そんなことを知りたいと願っているため、犬の見ている風景を見る。
自然と犬と同じ方向を向いています。
犬たちを見ていてなんとなく感じるのですが、顔をそむける癖があったり、顔をしたに向ける癖があったりする犬は、いつも人の方を向くように要求されてきたのではないでしょうか。
飼い主がリーダーだから自分を見るように教えるという方法もありますが、(実は私もやってみたことがありますが)それは実際の注目とは違うものだと今は思っています。
犬が見ている方向を私が見るように、本当に大切なときには私が感じていることを犬も感じる事ができるようになることの方がずっと大切だと学びました。
それもこれも、犬との山歩きの趣味が犬との山暮らしへと移り変わった犬との生活の中で得た貴重な学びです。
トレッキングクラスで犬たちは何を見ているのでしょうか。
山ではもう人の臭いを嗅ぎ続けなくていいのです。
山ではもっと大切な臭いを嗅いでそして自分を、つまりは犬を取り戻してください。
犬のマイクロチップの装着が法律で義務づけられます。
先日佐賀県の動物取扱主任者資格研修会に参加しました。
動物取扱業として登録している業者の中に同主任者を置くことが義務付けられており、研修会が年に一度開催されています。
今年はコロナ禍ということでいつも5月開催のものが10月開催となりました。
犬のマイクロチップ装着が義務化される
毎年の講習会の主な内容は「動物の愛護管理法」という法律の改正事項です。
今日、みなさんにお伝えしておきたいのはひとつだけ。
犬にマイクロチップ装着がとうとう義務付けされることになったということです。
マイクロチップ装着の義務化について改正は2019年、施行日は令和4年6月1日です。
マイクロチップとは
マイクロチップとは、長さが8~12ミリ程度、直径は2ミリ程度の細い棒状のチップです。
中には15桁の番号が記憶されていて犬の皮下(主に首元)に注射で埋め込みします。
マイクロチップ装着後はマイクロチップリーダーで犬の体の上をなぞるとチップの番号が出てきます。
チップの番号はデータベース登録会社(現在では3社ほど)に登録をします。
その際に、飼い主の連絡先などを同時に登録します。
またマイクロチップは履歴が残りますので、どの販売者からどの飼い主が飼育したか、狂犬病予防接種をいつ受けたかなどの記録を見ることができます。
マイナンバーと同じ仕組みですが、犬の体内に装着されているというところが特別です。
海外では特に牧羊、牧畜を産業とする国ではすでに法的に利用されています。
一番気がかりな、犬の安全性については一定の保証があるとされています。
現在のマイクロチップ装着事情とこれから
現在はペットショップやブリーダーで販売されている犬猫のうち、一部は販売前にマイクロチップを装着した状態で飼い主に引き渡されいます。
法律改正と同時にいずれすべての犬、猫は販売時にマイクロチップを装着した状態で飼い主に引き渡されることになります。
保護施設からの譲渡に関しても同じ条件となります。
すでに今みなさんがご自宅でお世話している「我が家の犬と猫」については、法律の施行日までに各自でマイクロチップを装着する必要が出てきます。
慌ててマイクロチップを装着する必要はありません。
狂犬病予防接種法の案内と共に、行政側からなんらかの指導があるはずです。
装着は動物病院で獣医師の先生によって行われます。
犬にまつわる法律「改正動物愛護管理法」は何を目指すのか?
この問いかけはあまりにも大きな問題ですので簡単に述べられるようなことではありません。
改正動物愛護管理法は令和元年6月に公布された若い法律で、今なおその内容が着々と変化しているところです。
動物、特にペットに関する飼育管理や繁殖と販売について、国内は欧米に比較して未熟と言われており、国際社会基準となることを目指しているのか改正の速度はとても早いです。
その分、日本人のペット飼育の現状はかなりゆがんだものとなっていると感じているのは私だけでしょうか。
その歪みとは、法律はペット先進国のヨーロッパを目指して整えようとするが、あまりにも時間が短く動物に対する理解と急いで作った都市環境が動物の飼育に合わないという問題です。
問題は山積みであることにだれも気が付かないまま、愛護の二文字が走り続ける日本。
愛護の愛は愛すること。
動物を愛するために一番必要なことは「愛護」の前に「理解」です。