犬のトレーニングクラスというと、犬にオスワリやオテを教えることから始まると勘違いされている方がまだまだ多いようです。
犬のトレーニングクラスの始まりは、犬がどのような年齢や状態であろうと変わりません。
犬を迎えたらまずしなければいけないのは、犬が安心して生活していけるように犬の生活環境を整えることです。
例えば子犬の場合には、安心して眠れる場所や排泄場所の確保、犬が安心できる接し方などを身に着けることがトレーニングの始まりです。
犬の環境整備では、犬が安心して活動できるように、ベランダやお庭周辺を整えることも必要です。
今日は、この中で飼い主さんが案外気づいていない犬を不安にさせる環境についてお話します。
それは、お庭やテラスと屋外との境界線の環境です。
庭やテラスから通行人が犬にむかって話しかたり手を出してなでたり、指を突っ込んできたりするようなことはないでしょうか。
通行人が犬に対してこのように接して来られるのは、テラスや庭の低い柵や通気を考えて設置された網の柵が多いようです。
犬がテラスに出ているときに、テラスの向こうから犬を見ていたり話しかけたりする人がいると、犬は大変不安定になります。
もちろん、見たり話しかける人は犬が好きな人なので悪気はないのですが、犬にとってはこの境界線越しに接する行為は、曖昧さにつながり不安を感じさせます。
犬は柵越しに話しかけられると、柵に向かって立ち上がったり、キャンキャンと吠えたり、鼻をならしたり、排泄をしたりするかもしれません。
これらの行動は、犬がその環境で不安を抱えているというシグナルです。
日常的によく来る来客で、室内でも会うことがあり、その人のことを犬が熟知している場合には穏やかな接触ができる場合もあります。
しかし、あまり知らない人や同じマンションの人やいつもそこを通る人で、人側は犬に愛着を持っていても、犬の方が同じであるとは限りません。
実際に、このような曖昧な柵という境界を越して接してくる人に対して、犬が噛みついたという例は少なくありません。
柵を越えて接した人に対する噛みつきの事故は100%人の方がルール違反で犬は悪くないのです。
でも人の方がかみつかれるまでは「今までは喜んで撫でられていた」と主張することで犬が豹変したと思われてしまいます。
犬はずっと同じ主張を繰り返していて結果として噛みつきに発展しただけなのです。
この問題は「境界線があいまいであったこと」。
ただそれだけのことです。
犬にとっての自分の敷地と外部の敷地とでは、直接触れることができない、直接見ることができないことではじめて「境界線がある」と認識されるのです。
中には明らかに外側の人が気づいていないのに、犬の側から外が見えることでわんわんと吠えてしまう場合もあります。
目隠しは境界線をはっきりと作り、犬に対して自分のテリトリーが安心かつ安全であるということを理解させる方法です。
写真は、黒柴ちゃんのご家庭のテラスに作っていただいた目隠しの境界線です。
この境界線があることで、柴犬ちゃんは鼻ならしや立ち上がりや飛びつく行為がなくなりました。
こうした工夫が、本当に犬の立場にたって考えることなのです。
ということは、犬のトレーニングクラスとは「犬の立場にたって考えることを学ぶこと」なのです。
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犬の生活環境を整えること:お庭やテラスの目隠しで犬の安心&安全を確保せよ!
犬のマナーパッドというおむつに違和感がなくなっているのは危険信号です。
犬のマナーパッド、つまり犬のおむつは犬が老犬や病気のときに犬が汚れないように犬の快適性を考えて利用するものだと考えていたのですが、世間ではどうやら違うようです。
つい最近、世界的にメジャーな某ショッピングサイトで犬アイテムを探していたときに、偶然見つけた動画に驚愕しました。
その驚愕した動画とは、犬の玩具(おもちゃ)の紹介動画でした。
トイプードルが人が投げる犬用おもちゃを走って取りに行き口にくわえては持ってくるという動画を繰り返し再生したものです。
そのプードルがなんとマナーバッドをはめているのです。
マナーパッドをはめたままボール遊びをしています。
きれいなスタジオのようなところで床が滑っているのも気になるのですが、マナーパッドが強烈すぎました。
数秒の短い動画なのでその間に犬がマーキングすることもなかなか難しいのではないかと思うのですが、写真スタジオで排泄されるのは困るということなのでしょう。
トイレのしつけができていない犬にボール遊びを教えるとは、驚きしかありません。
子供のおむつを外せないまま計算ドリルをさせているようなものです。
これだけマナーバッドが一般化してしまうということは、犬はもはやトイレのしつけはできない動物だとみなが思っているということでしょうか。
犬についての価値観がどんどん変化していくこの違和感をもし自分だけが持っているのだとしたら、と考えるのもまた怖いことです。
犬が完全に崩れてしまう前に、繰り返しですがいいます。
正常な犬におむつは必要ありません。
正常で健全な犬に排泄のトレーニングができないのであれば、やり方が間違っているか犬の生活環境にかなりストレスがかかっている可能性もあります。
犬にかかる最大のストレスとは、テリトリーに対する不安感と、人や他の動物(犬や猫との社会的な対立構造です。
気づいたら変えてあげましょう。
変えるのは犬ではなく環境の方です。
犬がかかってはいけない一番怖い病気とは何なの?
毎日がウイルスとの戦いの日々となってしまった「マスクをする動物」である人間たちを犬がどう思っているのかと考えています。
先日、訪問レッスンのときに小学生から質問を受けました。
「犬がかかってはいけない一番怖い病気ってなんなの?」
という質問でした。
そうだね、一番怖い病気は狂犬病だね。
質問者はどうやら狂犬病のことを学校で聞いたことがあるらしく「噛みついてくるようになる病気があるんだって」と言っていました。
そうそう、その噛みついて狂ったようになる病気のことを狂犬病というです。
狂犬病になってしまうと100%死んでしまうという恐ろしい病気なのだということを説明しました。
同時に、狂犬病には予防するワクチンがありすべての飼い犬が接種することが法律で義務付けられています。
定期的なワクチン接種で狂犬病の感染を予防することが可能で、人を守る法律であると同時に犬を守るワクチンでもあります。
狂犬病は犬からすべての哺乳類に感染するため、ネコなどが感染していても決して不思議ではありません。
人に蔓延したすべての感染症は野生動物から始まっているということらしいのですが、犬は野生動物とは見られないため、クリーンだと思い込みすぎなのはあまりにも危険です。
もちろん犬は適切な管理で、人に感染する病気を予防し、衛生に保つことで共に生活をすることができます。
人間との生活も長く、人にも自然と犬がもつ細菌にたいする抗体もついてくるでしょう。
それでも赤ちゃんや小さな子供さんとの接触には十分に注意してほしいのです。
ただし、人の生活に犬を組み込むために必要以上のシャンプや被毛の刈り込み、消臭剤の利用、投薬のし過ぎやお洋服や靴下、マナーパッドなどなど、動物の尊厳を奪うようなものを使用することはやめましょう。
お互いに尊重と敬意を持つことができる距離とそれに必要な環境があることがまず優先事項なのです。
今回の質問を受けたことで感じたこと。
感染しないようにする行動を教育することが、子供に対して病気について考えを巡らせることになっているのだなということ。
自分の周囲にあるものに対して小さな疑問を抱くことはとても大切なことで、次は正しく理解することです。
正しく恐れるということが大切なのでしょうが、動きのわからないウイルスについては専門家の方々もそれぞれ意見が違います。
あとは最後には自分自身で考えるという姿勢は絶対に必要だと思います。
犬のしつけ方についても同じです。
いろんな方法や考え方があるけれど、最後は自分でも考えることを忘れないでください。
映画「グレース・オブ・モナコ」の中に見る純犬種犬の行動と役割
映画を見るときにも映画の中に出てくる犬の行動がいちいち気になって仕方がないのは、もはや職業病だとは思います。
スクリーンの中の犬の姿があまりにも擬人的のときは嫌悪感がしてみるのを止めることもあります。
日本のテレビ番組で犬を見る気にならないのも同様の理由です。
しかし、中には映画の中で犬という動物について明確に記されているものもあります。
少し前に見た映画「グレース・オブ・モナコ」に出てくる犬もそうでした。
この映画はグレース・ケリー・モナコ王妃の自伝的ストーリーです。
ハリウッドの映画スターであったグレース・ケリーがヨーロッパのモナコ王の王妃となったことはまだ歴史に新しく覚えのある方も多いかと思います。
映画の舞台はモナコ王室で当時の貴族たちのきらびやかで豪華な生活を映画としてみることができます。
細かく再現することに意味のあったこの映画では、当時の貴族が飼う純犬種の姿もまた正確に再現されていると感じたのです。
最初に登場した犬はスパニエル系の大型犬2頭です。
グレース・ケリー王妃が貴族として作法を学ぶために通った貴族の家にその犬はいました。
最初にスクリーンに出てきたときの犬の姿は「フセの姿勢」。
2頭とも尾を振ることもなく顔を動かすこともなく、微動だにせず「フセてマテ」の待機状態で室内の暖炉の横当たりにいました。
犬の伏せている部屋で貴族の男爵がグレース王妃と会話をしています。
知らない人が見たらきっと「置物」だと勘違いされると思います。
場面が変わると城の庭部分を男爵と王妃が一緒に歩いています。
その横を先ほどの2頭の犬たちが駆け抜けていくのです。
庭では一定のルールを守れば活動を許されているということなのでしょう。
生き生きと走り抜けていく姿が非常に気持ちが良く「仕事終わった!さあ遊ぼう。」という雰囲気が出ています。
別のシーンに登場したのは、トイプードルです。
王室の子供が大人の会議中に地面に座ってトイプードルと遊んでいます。
トイプードルはまるで玩具、子供を傷つけないようにしつけをされている様子に見えます。
怯えもなく、小型犬特有の表情のなさはありますが、緩やかに動きを表現しています。
もちろんトイレシーツなどありませんし、マナーパッドなどしていません。
犬という動物を考えるときに、まずは犬という動物であると考えるのが始まり。
そしてその枝として純血種という犬について考えてみる必要があります。
純犬種犬は人が必要としたために作られた人為的繁殖による犬種です。
使役犬としてのはじまりはあったものの、現在の純犬種として系統立てたのは貴族の利用によってです。
貴族そのものが血統と純血にこだわる必要のある存在ですから当然のことです。
純犬種は系統事に役割と形が決められていました。
まさに貴族の階級制と同じようなものです。
純犬種はヨーロッパではひとつの文化であり伝統でもあるのです。
形と用途の両方が受け継がれているのかどうかは実際に見たことがないので不明ですが、その文化の中にいた犬の姿をこの映画では見ることができました。
この映画に出てくる犬の姿を日本人なら「かわいそう」というかもしれません。
しかし小さな室内に閉じ込められている犬を見てヨーロッパの犬を飼う方が目をそらしているとしたらどうでしょうか。
貴族のように純犬種を飼うことを進めているのではありません。
実際にはそんなにスペースもないですし、そんなことを言ったら犬は飼えません。
しかし犬のことを理解せずに犬を幸せにすることはできないというのは真実です。
犬は屋外の動物であり、犬の習性を崩さない、その上で犬を活用してきたという意味では純犬種という文化をもつヨーロッパの人々の中に学ぶこともあります。
しかし文化も永遠ではありません。
純犬種が生まれて200年近くがたとうとしています。
繰り返される人為的繁殖にどこかでひずみが生じるころです。
犬と暮らすなら犬のことをたくさん学んでください。
それは犬との暮らしを楽しくすることに必ずつながっています。
エルエルビーンのドッグベッドのサイズ選びで悩む方へ
グッドボーイハートではおすすめのベッドといえば、あの高価なエルエルビーンのベッドです。
あまりにも高値のために別ブランドのベッドで試した結果、結局エルエルビーンにたどり着いたという飼い主さんもいます。
「買う」と決めたけど難しいのはサイズ選びです。
どのサイズがおすすめですか?
と聞かれることもあるのですが、大きい方がいいのか、小さめがいいのか、犬にもよるしお部屋のサイズのこともあります。
また子犬のときだったら少し大きなものを買う必要がありますね。
参考にと、生徒さんたちからご提供いただいた犬用ベッドの写真をアップしておきます。
お部屋に応じて大小を使っている犬ちゃんもいます。
コーギーのメイちゃんは2台持ち。
リビングには大きなサイズを利用しています。
よくゴロゴロと転がっていて、大きいものにしてよかったと言われています。
寝室の冬用にはSサイズを利用しています。
丸くなって寝るのにちょうどよいらしいです。
ジャックラッセルテリアのダンちゃんは、過去に準備したベッドをボロボロに噛みちぎり振り回した結果、エルエルビーンのベッドをついにかってもらいました。
ベッドの下のベッド台はお父さんの手作りですね。素敵!
「なんで、このベッドだけ噛まないの?」の質問に、エルエルビーンさんからの返答が欲しいですね。
2頭でお揃いの色のSサイズのベッドです。
刺繍はブランドでしてくれるのですが、モモちゃん、ネネちゃんはお母さんに刺繍をはってもらいました。
来客のときには各自のベッドで寝ています。
子犬のときのはるちゃん。
大きくなっても使えるようにとMサイズを購入されましたが、大きく育ったので良かったです。
ミニチュアダックスのモナカちゃん。
小さなベッドを振り回していたのでLLビーンを買ってもらいました。
このベッドも持ち運びにチャレンジしていましたが最近はよく寝ているようです。
かなり年期がはいっているお気に入りのベッドに寝るサクちゃん。
購入してすぐに利用しなかったのですが、慣れてくるとこちらが気に入ったようです。自分仕様になっていて居心地がよさそうですね。
お留守番中はよくここにいるそうです。(カメラで確認)
クールちゃんは、最初は円形のベッドを利用していましたが、今そのベッドは寝室に移動になり、リビングにはLサイズのベッドで寝ています。
顔をこすりつけているらしいです。
黒ラブのメイちゃんはベッドの上で木をかじっていることが多いですね。
ベッドというとすごい速さで移動するのはさすがにラブですね。
サイズ感つかめたでしょうか。
小さな犬と大きな犬はあまり迷いがないでしょうが、中型犬が一番迷うところでしょう。
迷ったらひとつ上のサイズ選択がおすすめかもしれません。
お値段の高いベッドですが、子犬のころに買っておけばずっと使えるのですから、値段相応の価値はあるかと思います。
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<おすすめのアイテム>犬用ベッドを考えるとき、しつこいようですが絶対におすすめするLLビーンの犬用ベッド
犬がずっと自然へのガイド役であるためのトレッキングクラス
梅雨らしい雨も降らないのに山では夏蝉のジーという声が聞こえ始めました。
小鳥たちの鳴き声もそろそろ終わり、もう少し雨が降ったらいいなというこの頃。
6月末にもお天気を心配する中、すごく心地のよい空気と冷たい風にあたりながらグループトレッキングクラスを開催できました。
なぜトレッキングクラスをしているのか?
トレッキングクラスとは犬と山を歩くクラスです。
実は家庭犬のトレーニングスクールを始めたときは、犬と山を歩くことなどあまりにも普通のことだと思っていました。
ところが、クラスを通して犬のことを飼い主さんにお伝えしていく中で、犬と山を歩くことを知らない飼い主がほとんどだということがわかったのです。
そこで「犬と山を歩くクラス=トレッキングクラス」を作りました。
グッドボーイハートが福岡市博多区から唐津市七山に移転したことで、犬と自然についての学びはどんどん深まり、トレッキングクラスの内容もかなり変化してきました。
犬が人のそばで果たしてくれる本当の役割とは
今言えることは、犬は人と自然をつないでくれるガイド役として私たちのそばにいてくれるということです。
人は自然なしでは生きていけません。
人という動物も自然のひとつであるし、水や風、新鮮な空気、土、そして多くの人から嫌われる昆虫だって、現代の文明のある生活を支えています。
ところが人工的な都市生活の中では、自然とのつながりが途絶えてしまいます。
人と人の間だけで起きていることに執着すると、人や病んでいくような気がするのです。
それを助けてくれているのが、犬という存在です。
犬の存在によってたくさんの人々の心が救われているのが、犬が癒しの存在であるからですが、それは単にかわいいという単純な作用ではありません。
犬が自然の一部として人のそばにいるからです。
犬を人にしてしまうと病気になるって知ってますか?
その犬を自然から切り離して人の方に寄せすぎてしまうと、犬は病気になります。
人の方に寄せすぎるとは、犬を人として育てることです。
もしくは犬を人のように扱うことです。
身体の病気になることもあるし、感覚や行動の病気になることもあります。
病気になった犬たちは病院かドッグスクールに行くことになるでしょう。
ストレス行動が繰り返されることもまた犬の精神が少し病んでしまった証拠なのです。
犬が犬として健康であるためのトレッキングクラス
トレッキングクラスは犬が自然とのつながりを忘れずにいるための時間です。
同時に、自然とのつながりを人に教えてくれるガイド役として活躍する場でもあります。
トレッキングクラスは人が犬に何かを教えるためのクラスではありません。
トレッキングクラスでは他のクラスと同じようにおりこうさんとほめる必要もありません。
むしろ人の方が「上手に歩けたおりこうさん」と犬からほめてもらうことくらいでしょう。
いっしょにがんばった、犬を通して何かを感じた、共感できた、気持ちよかった。
そんな時間を持つことがトレッキングクラスの目的です。
グループトレッキングは来月も開催します。
子犬のトイレトレーニングを成功させるために!子犬の生活管理表を作りましょう。
子犬のトイレトレーニングについて昨日の記事「子犬のトイレトレーニングは生活管理と行動管理が重要※ごほうび・罰は不要です!」の続きです。
子犬のトレーニング(パピートレーニング)の基本は「管理」から始まります。
子犬が家に来たばかりなのに、ほめたり叱ったりして子犬を傷つけてはいないでしょうか。
良かれと思ってやっていることが実は子犬にとってストレスを与えています。
まだ環境に馴れていない子犬に、物事を分かるようにと要求するのはあまりにも酷なことです。
子犬にとってストレスになるばかりでなく、子犬の成長は阻む接し方です。
子犬にとって最初に大切な事は「適切な環境を整えて管理すること」です。
人間の赤ちゃんと同じことです。
人間の赤ちゃんもコミュニケーションを覚えつつも、まずは生活の管理から始まりますね。
何時になったら寝せる、何時になったらお乳を与える、排泄をする、毎日の管理を通して赤ちゃんの生活のリズムがつかめるようになってくるでしょう。
子犬の場合にも同じです。
子犬の生活をきっちりと管理することがトイレトレーニングの成功につながります。
そのため家庭訪問レッスンでは「子犬の生活管理表」の作成をお願いしています。
今回は柴犬のはるちゃんの生活管理表の写しをいただきましたのでご紹介します。
とてもよくできていて、月齢と共に生活が整ってくるのがわかります。
はるちゃんは2月2日生まれです。
一枚目はこちらです。お家に来てまもないころにトレーニングを開始しました。
トレーニング初回のときに管理表の作成をお願いしたのでそのころのものです。
ピンクはクレートの中
△がトイレの失敗、〇はトイレの成功ですが、このころはまだ排泄場所が室内にありました。
室内のトイレトレーでさせているために、成功は多いけれど回数もとても多くなっています。
管理表がバージョンアップしました。
このあたりから排泄場所としてテラスを利用していたころですが、サークルを完全に撤去できたところです。
テラスに行く手前にもトイレシーツがあり、まだ排泄回数が多めですね。
最近の管理表です。
排泄場所は室内のものは撤去してお庭だけになってひと月以上がたちました。
排泄はすべて成功。
散歩も始まり、散歩中にも適切に排泄を行っています。
トイレの回数は大が2回くらい、小が4,5回くらいです。
はるちゃんは今生後4ケ月半になりますが、この程度が普通の回数です。
子犬の生活管理は飼い主さんがどのくらいの時間、子犬のお世話ができるかどうかでその進行度合いは変わってきます。
当然ですが、飼い主さんが自宅にいて管理ができる方が子犬の行動は安定します。
留守番の長い子犬は安定するまでにかなりの時間を必要とします。
だからといって子犬を毎日他の犬のいる幼稚園に預けるような生活はおすすめしません。
子犬はたくさんの犬に囲まれて成長するとテリトリーの形成が不安定になります。
それぞれの環境での子犬の育てなので、皆が同じようにできるとは限りませんが、生活管理表の作成は、子犬を適切に管理できているかを客観的に見ることができる道具です。
お写真のシートを参考にしてご自分なりの子犬の管理チェック表を作成してみてください。
子犬のトイレトレーニングは生活管理と行動管理が重要※ごほうび・罰は不要です!
引き続きですが、子犬のトイレトレーニングのためにフードやオヤツなどの食べ物を使う方が多いことで「それ違いますよ」の説明が続いています。
しかし毎回お話するのですが、違っているということを説明するためにたくさんの時間を使う労力と時間が本当にもったいないです。
なので今日も何が違うのかという説明はいたしません。
とりあえず、犬のトイレトレーニングには食べ物は不要です。
同時に犬のトイレトレーニングには罰や脅かしは絶対にしてはいけません。
子犬のトイレトレーニングを成功させるために必要なこと
は、たったの二つだけです。
1、生活環境の整備を整える
2、行動観察を常に行うこと
1、生活環境の整備を整える
子犬は自分の生活空間を汚しません。
だから巣穴変わりのクレートの中では排泄をしません。
同時にクレート周辺の自分の場所や、自分のベッドやマットなどに排泄をしません。
同じように、室内を自分の住処とみなすようになると犬は室内に排泄を失敗することはありません。
生活環境の整備が不十分で子犬に排泄の失敗をさせてしまうのはこんな例があります。
・子犬が自由行動できるスペースを広げすぎた。
・子犬が死角にはいるようなわかりにくい家具の配置をしている。
・子犬のクレートトレーニングが上手くいっていない。
・子犬が自分の排泄場所で歩いていけるような環境が整えられていない
・子犬がソファなどの高い場所に生活をしている
もし子犬に排泄の失敗が多いなら、以上の環境整備で間違った部分を訂正してください。
2、行動観察を常に行うこと
子犬が部屋の中を住処とみなし、排泄場所への移動が適切に行われるようにするために、子犬が排泄のシグナルを出し始めたらすぐに排泄場所に誘導します。
子犬が排泄をするシグナルとは、床の匂いをとりはじめる、匂いをとりながら周りはじめる、左右に動くような動きをする、肛門が膨らんでくる、こんな感じです。
子犬は生活空間が安定していれば、室内で排泄をしたくなるような行動はしないのですが、室内空間に馴れていない子犬は室内の匂いですぐに排泄をはじめてしまいます。
今まで屋外で飼育していた犬や、家に来たばかりの犬、テリトリーを広げ始めているときなどの飼育環境を変化させたときには、子犬に失敗をさせないようによく観察をしてください。
子犬が排泄の失敗をしたからといって、叱っても子犬はそれがだめだということを理解しません。
トイレトレーニングは子犬に善悪を教えることではありません。
あくまでも「自分の住処は汚さない」という子犬の習性にのっとって、環境整備と行動観察で子犬が適切な場所に排泄をするように導いてください。
焦らず、急がず、きちんと記録をとることも大切です。
子犬のトイレ管理表の作り方については次回ご説明します。
関連記事はこちらへ↓
<犬のこと>犬は境界線の上に排泄(トイレ)をする動物です
犬の快適な移動の手段として「犬用リュック」の活用を!
先日のブログ記事でお手製の犬用カートをご紹介しました。
生徒さんの自前のカートでマンションのエレベーターの移動でも犬に負担をかけません。
しかし、中には動けない状態で他人や他の犬との距離が近くなることを恐れる犬もいます。
こうした犬たちのための有効な移動の手段は「犬用リュック」の活用です。
リュックを活用している生徒さんから写真をいただきました。
体重5キロくらいのミニチュアダックスちゃんの移動に使っています。
横開きになるので犬を抱えて無理にいれなくとも、ハウスにいれるように自分の足で歩いて行かせることができます。
こうして自分で入れるバッグは犬にとってはストレスが少ないのです。
リュックに入った瞬間は犬は何となりますが、すぐにリュックを背負うと飼い主さんの背中と密着する状態になり、すぐにおとなしくなります。
今までにもこのタイプのリュックを使用された方がいましたが、どの犬たちも静かに入っていました。
マンションの移動中に抱っこの状態では人の吠えてしまう犬も、クレートやリュックの移動のときには吠えません。
自分が無防備な状態であるのに、拘束されて動けない状態になることは犬にとっては大変なことなのです。
もちろんそれで我慢のできる犬もたくさんいますが、中には感受性が高かったり、幼少期の経験などで抱っこ移動苦手な犬たちもいます。
それらの犬たちのために安全かつ安心できる移動手段を飼い主が提供するのは、犬に対する支援であって過保護ではありません。
リュックは夏の暑いアスファルトを避けて散歩をしたいときにも有効です。
子犬のお散歩デビューのときにも使えますね。
リュックに入っているミニチュアダックスくんのお顔はこちらです。
どこでも行ける。
いつでもいっしょ。
安心&安全の移動の方法として犬用リュックを活用しましょう。
マンションの移動の手段にお手製のカートが大活躍してます。
マンションなどの集合住宅での共有部分の犬の移動について、原則として犬を歩かせないで移動させるというところが多いようです。
犬を歩かせないで移動する方法とはこんな感じでしょうか。
・抱き上げて移動する
・カートにいれて移動する
・クレートにいれて移動する
・リュックやバッグを使って移動する
道具がいらず一番簡単なのは「抱き上げて移動する」ことです。
しかしこの「抱っこ移動」は犬の立場にたつと最善とは言えません。
犬によっては「抱き上げできないサイズ」「抱き上げを好まない性格」もあるからです。
なので、移動の方法としては「抱き上げ」以外の方法をお勧めします。
犬のサイズによってはリュックやバッグ可能ですが、中型犬以上ではこの方法もできません。
そうなると、カートでの移動が現実的な選択になります。
犬用のカートは高額なものが多いですが、そんなおしゃれなカートも体重が6キロくらいの犬しか入れません。
もう少し大きなサイズとなると、カートも結構高いです。
マンションの入り口に置いたときにとられるかも…と思うだけで悩みます。
その悩みを解決した素晴らしい道具をDIYで製作した生徒さんがいます。
なんと犬のエレベーター移動のために手作りのカートを作ったというのです。
それがこれです。
なんと台車に木の板を付けて犬用の台車にしたというのです。
後ろからみるとこんな感じに。
すごくないですか?
抱き上げんしなくても自分で乗って自分で降りることができる。
だけど移動中はじっとして乗っているということなのです。
リヤカーに形が似ていますよね。
ゴールデンウィークにお父様が作ったとのことで感動して写真をお借りしました。
犬のためにできることっていろいろとあると思うのです。
それは「犬の立場にたって考える」ということです。
マンション内の移動について、犬の立場にたって考えた結果がこのスタイルになったのでしょう。
素晴らしいです!
なんだか犬くんのお顔も凛々しくみえますね。