昨日の昼過ぎに大量の日本ミツバチが巣箱の近くの上空を飛び回っているのを発見しましてすぐに担当のダンナくんに業務連絡を入れました。
蜂のひとつひとつはどのように飛んでいるのか意識があるのかないのかわかりませんが、全体を見ると大きな渦のようになっていて、蜂と蜂の感覚はほぼ等しくあいています。
左右のどちらかに偏りのあるわけでもなく、全体としてひとつの大きな円の中を飛んでいるように見えたのです。
その後夕方にダンナくんが七山に到着したので、分蜂したかどうかを確認したところ、していないとのことでした。
でも、私が見たただならぬ風景は、あれは間違いなく何かが起きる兆しのはず。
夜になって「もう一度見てくる」と懐中電灯を片手に木々の枝を照らし、分蜂したブドウ球の蜂を探すと、あったやっぱり。
桜の枝の下に、本当に見つけました。
初めて実物のあのブドウの形を見て大感動でした。
ダンナくんの方は巣箱への強制収用に向けて準備が始まり、夜の七山で大騒ぎです。
犬たちはハウスの中に寝ていたのですが、1頭の犬はわたしたちのバタバタする声や動きに反応したのか、珍しく外に出ると言い始めて駆け出していきました。
何かいつもと違うものを感じとったようですね。
分蜂群はいったん巣箱に入ってもらいました。
数日とどまればしばらくはそこにいてくれるでしょう。
昨年いきなりやってきた日本ミツバチの群れが、これで3群れになったのです。
ここには巣箱が3つあります。
できるわけないと思って始めた養蜂が、こうして自分の目の前で繰り広げられるとやはり楽しいものです。
はちみつが食べられかったとしても、生態のいろんな不思議を身近に感じることができて、これからもっと勉強したいと思いました。
そして、犬のこと。
犬も養蜂と変わらないと思うのです。
犬の不思議な習性や犬としての性質に触れて、彼らが感じる世界や興味を持つもの、生得的な行動に触れることが、不思議で楽しくいつまでも見ていたいと感じるのです。
一方で犬と人がひとつの群れとして、自然に形作られる群れのシグナルで活動をできるようになったらどんなに素晴らしくワクワクするかと思うのです。
ある人にとってはどうでも良いと思える犬のしぐさやコミュニケーションが私にとってはとても興味深く、その不思議を紐解くために時間をいくら使っても良いと思えるのです。
これは犬という動物に対する価値観や興味のはっきりとした違いで、わたしの方は「犬がどのような動物であるかまだわかっていない。」と思っていることです。
すでに知っていると思った段階で、何も自分の脳の中には入ってきません。
犬のことをわかりたいという気持ちと同じくらい、犬のことが全くわからないと思うことがあります。
養蜂については最初から全く知らないのですから、どのようなものを見ても「初めて見た」もの、そこになぜという疑問が常に付きまといます。
養蜂楽しい、日本ミツバチがいつか全員でここを旅立って行ってしまう日まで、彼らのことをひとつずつ学び自然にときめきます。
そして、いつか皆さんにはちみつを食べていただきたいです。
Author Archives: miyatake
<83OPPO>昨日2回目の分蜂をした七山の日本ミツバチを観察する。
厳しさを求めるようになると犬も成長アップ。厳しいGW後半戦へ突入!
前回のブログで「服従することの尊さ」についてアニメの鬼滅の刃を借りて書きました。
中学校で経論をされている生徒さんから「中学生の男子学生は、社会的に厳しくされることを喜ぶ傾向がありますよ。」と教えていただきました。
小学生までは大人から優しくちやほやされていた子供たちが、中学生になると大人から厳しくされることを求めている、なんとなくわかりますね。
厳しくされるというのは、厳しく必要な行動を要求されているということです。
つまりは、自分がその集団の中で必要な存在なのだと感じられますし、同時にその集団の中で上にあがっていきたいという上昇欲求も高まるはずです。
男子にはその傾向が特に強く、女子は少し違ったかたちの競争ではあります。
それでも青年期、もっともっとと自分を磨いてきた経験を皆さんもお持ちではないでしょうか?
そんな青年期の犬たちとともにゴールデンウィークを七山のオポの学校で犬たちと合宿生活を送っています。
新しいお泊り犬たちも含めて、夜中の3時にクレートをがりがりする音で目覚める、鳴き吠えが続く、ごはん食べないとか、排泄なかなかしななどといった小さな抵抗もあり。
お預かりが慣れている青年期のオス犬たちの抑えきれないエネルギーを満足させつつも抑える必要があり、一方で一番年上になったメス犬ちゃんの自由奔放な行動に振り回されたりもしています。
はじめてのトレッキングの生徒さんたちもたくさんいらして下さっています。
その隙間に、チェーンソーで薪のカット、草刈とテンションが上がりすぎて夜も眠れない日々が続いています。
今はアドレナリンが出ているから感じない背中の痛みも、ゴールデンウィークが終わったあとにドッと押し寄せてくるのでしょう。
ゴールデンウィークのお預かり合宿も後半戦に突入しました。
元気な犬たち、負けなくない私、厳しいですが辛くはありません。
犬たちとともにこうして学び成長する場所と時間があって良かったとただそれだけ。
甘やかされることが本当に犬の精神にとって健やかなことなのかを考えます。
ですが、厳しくするというのは家に閉じ込めておくことではなく、屋外に共に出て自然の中で戦うことです。
合宿後半戦に突入、最後まで全速力です。
実はカッコいいはずの服従行動はなぜ敬遠されるのだろう。
長らく続いたお預かりのクラスを終えて福岡の自宅に戻ると、長いマテをしていたダンナくんからある要求がありました。
こんな年齢でお恥ずかしい話ではありますが、ふたりして小さな子供たちが喜ぶアニメ、そうあのキメツのアニメを見ることになりました。
そのアニメをみながら犬のある習性について考えていました。
このアニメに出てくる剣術のつわもの達は「柱」と呼ばれ、その「柱」と呼ばれる剣士たちが仕えている主人が「親方さま」です。
剣士たちの主人に対する態度や姿勢、話す言葉など、すべてが服従行動。
小さな子供たちは剣士たちのこの服従行動を見て、格好悪いとは思わないはずです。
むしろ、強い親方様に自ら使える服従的な姿勢は、カッコいい、こんな風に誰かのために礼儀正しく使える強い自分になりたいと思うのではないでしょうか。
この服従行動ですが、犬を考えるときに絶対に必要な行動なのです。
犬と人との関係を表現するいろんな言葉があります。
ペット、いや犬は家族の一員という言い方がありますが、もっと具体的に飼い主としての自分と犬はどのような関係なのでしょうか。
犬は力のあるものに服従する習性を持っています。
その犬という動物の習性をうまく活用(利用かな)できたことで、人は犬を他の動物とは全く違う方法で飼うことができるようになりました。
飼い主と群れというタッグを組んだ犬は、紐につながれていなくても逃げることもないし、飼い主のテリトリーを守る番犬となることもあります。
群れの中で力のあるものに従う犬の習性を「服従」といいますが、この言葉は犬と暮らす日本人にはあまり好まれていないように感じることがあります。
服従行動という言葉を聞くと、可哀そうと感じられることもあるようです。
犬にフセをさせることについて「悪いことをしていないのになぜさせるのか?」と尋ねられたこともあります。
犬にフセを要求するのは、犬に罰を与えることではありません。
犬にフセを要求するのは、犬に対して落ち着きなさいと服従性行動を引き出させるためであって、深読みすれば「私はあなたを必要としていますよ。」という意味なのです。
逆に犬の頭を撫でまわすことに関しては、犬が喜ぶと思われているようですが、先のアニメの中に出てくる親方さまは、命をかけて戦う剣士に対して「おりこうさんだね」といって撫でまわしたりするでしょうか。
相手を認めて手を出すときにも親方様だったら、部下の頭に手を置く程度です。
服従的な行動はわたしたち人の社会でもほとんど見られなくなってしまったため、時代に合わない嫌悪的なものとして遠ざけられているようです。
その服従行動は本来ならとても礼儀正しくカッコいい行動であるはずなのですから、犬には自信を持ってやってほしいものです。
あとは、服従したいと犬が思える主人=飼い主という存在が必要です。
トレッキングクラスと犬語セミナーを開催しました。
ギリギリで晴れてよかったです。
気持ちの良い一日、犬との山歩きのためにグッドボーイハートに集まって下さった生徒さんたち。
回数が増えて慣れてきた犬と飼い主さん、初めてのグループクラスでドキドキの犬と飼い主さん。
飼い主と犬がそれぞれに何を学ぶのかは自分次第ですが、犬と一緒に集団で山歩きをすることで得られる精神的な安定効果は抜群です。
土や草の香りは犬をリラックスさせてくれる。
リードをひっぱるアスファルトの散歩とは違い、山での歩きはとてもゆっくりです。
集団で歩くとグループ性が生まれ規律が高まる。
自分の中に規律があると安定する、それが群れをつくる動物の習性です。
若い犬は生後5ケ月から、熟年の犬は11歳まで、それぞれ違った環境で生活をしている犬たちです。
個々に対面したことのない犬もたくさんいますが、グループになってしまえばそんなことは関係ありません。
群れが歩くから自分も歩く。
一歩の重みも違ってきます。
トレッキングクラスのあとは対面のクラス。
そして午後からは犬語セミナーを開催しました。
みなさんがこうして学んでくださることで、私もいっしょに学びの機会を得られています。
いつもありがとうございます。
みなさんが「山の日」と言って下さっているこのクラスは原則的に第4日曜日に開催しています。
またブログでお知らせしますのでぜひご参加下さい。
30年来の犬の訓練士の友人と再会して盛り上がった犬の話。
30年来と年数を少しごまかしていますが、実年齢の計算に影響するのでご了承下さい。
犬の訓練士の友人とは、若いころに一緒に盲導犬育成施設で働いていたことがありました。本当に若い頃にです。
私が盲導犬の仕事から離れたあとも、なんどか機会をもって話しをしており、オポにも3回ほど会ってもらい、以前あった博多のドッグスクールや、今の七山のスクールにも来てくれました。
盲導犬の育成事業は、盲導犬の育成を通して視覚障害者の方々の自立支援を行うことを目的とした福祉事業です。
仕事の内容は多岐にわたる多忙な彼女と話せる機会もなかなかないのですが、短い時間でもスキルアップされていることを実感できました。
犬の話の中では、繁殖の話、性質の話、現状の話。
犬に対する一般的な見方の変化や、変わるもの、変わらないもの。
盲導犬の育成と家庭犬のトレーニングは全く別のものではありますが、共通する大切にしていることもいくつかあります。
最も共通していると感じるのは「犬と人の関係性」についてです。
盲導犬だから、人のために働く犬だから、人と深い絆を結べるわけではありません。
その犬の出生から活動する現在にわたって関わるすべての人々がそれぞれの人としての役割を果たすことで、犬の中に人とのつながり=関係性というものが生まれてきます。
それは、人が一方的に犬から受け取るという形では成り立たず、やはり人も犬に対して与える必要があるのです。
訓練の中ではもっとも大切なことができない犬が増えているという話も、家庭犬も同じような状況だと共感しました。
その多忙な彼女に、この令和4年の夏、おそらく7月くらいに、グッドボーイハートでのセミナーの講師をお願いして即答でOKをもらいました。
犬と暮らすグッドボーイハートの勉強熱心な飼い主さんのために、どんな話をしてもらおうかとワクワクと企画中です。
近々詳細をブログにアップいたします。
楽しみにお待ちください!
マツコ・デラックスさんが大好きな猫を飼わない理由を深く考える。
ほとんどテレビを見る習慣がありませんが、見識のある方の意見を聞きたくてたまに見る番組があります。
そのひとりがマツコ・デラックスさん。
知識がすごいというだけでなく、ものの見方が深い、最もだと思うことが多いので話の中で学ぶべきことが多い方です。
そのマツコさんが、番組の中で「大好きな猫を飼わない理由」を尋ねられ、答えた内容が本当にごもっともな内容でした。
犬を飼いたい方、すでに犬と暮らしている方にもご紹介したくてこちらに記載します。
マツコデラックスさんのことばはこちらから
「猫を飼うくらいでは、この怠惰な人間が矯正できるとは思っていないの。
猫が幸せあって思える状態にしてあげられない気がする。
自分が都合よく癒されたいときは、わーってやるけど、じゃそれ以外…
ねこだっていやされないといけないじゃない。
その状況っていうのを、物理的にも精神的にも作ってあげられる自信がまだないし、なかなかに踏み切れない。」
こういうご意見でした。
大好きだからこそ相手を理解し思いやる気持ち、どうでしょう。
自分が犬に癒されたいときにはわーって犬に近づき、触って、抱っこして、抱きしめて。
自分が癒されたいときは、犬の背中をなでたり、首元を触ったり、犬をずっと見ていたり。
癒されたいと思っていなくても、多くの時間、犬を眺めたり見たりしてしまうのは、そのことが結果として癒されているからなのです。
結局、犬と暮らしている方のほどんどは犬によって癒されています。
逆に、犬が癒される状況っていうのを作ってあげられるかと考えている飼い主がどのくらいいるでしょうか?
もしかしたら、飼い主に抱っこされたり、触られたり、キスをしたりすることが犬にとっての癒しと勘違いされているのかもしれません。
ただ、マツコさんのこの言葉の中にあるように、人が癒される犬や猫に対する行為で犬や猫の方が癒されるということはないということです。
では、犬や猫という動物が癒される状況ってどんな状況なのでしょう。
猫のことはわかりませんが、犬のことだったらどうでしょうか。
一日の人と暮らす時間の中で犬が癒されている時間は、どのような場所でどのように過ごすことなのでしょうか?
そう深く考えてしまうと犬を飼うことができなくなってしまいます。
実際に犬を飼ったけれどその犬が他界したあとに犬を飼うことができない飼い主の中には、この疑問にぶつかった結果、犬が癒される状況を準備することが今はできないという結論にいたる場合もあるでしょう。
すでに犬との暮らしが始まっているなら「犬が癒される状況ってなんだろう」と深く考える必要があります。
なぜなら、癒しを求めている犬が目の前にいるのです。
その犬の癒しのためにおすすめしたいのは、自然の中で過ごす時間です。
とりあえず、まずは自然の中でゆっくりと過ごす時間を持ってみて下さい。
犬の動きや表情の中に都会で見るのとは違う何かを見つけられるようになれば、いつのまにか犬と自然の風景の中にいる時間が長くなっていきます。
新緑のまぶしい季節です。
ぜひお出かけ下さい。
雨が苦手で散歩をしない犬、雨でも元気に遊ぶ犬たち、いったい何が違うの?
今日は一日よく雨が降りました。
雨でもトレッキングクラスに来きてくれた犬ちゃんがいます。
いつも福岡の都心で土のにおいを嗅ぐ生活から離れているためご機嫌斜めな犬ちゃん。
少しでも癒しを感じられる時間を過ごしてほしいと、飼い主さんが犬ちゃんを連れてやってきました。
まれに「雨だと嫌がって散歩に行きたがらない」とか「雨だと外を歩きたがらない」という犬の話を聞くことがあります。
特に柴犬に多いようで、雨の日は脚が濡れるのを嫌がって全く歩こうとしないというのが飼い主さんの言い分です。
ところが、この雨の日、トレッキングに来た犬ちゃんも柴犬でした。
この柴犬ちゃんの飼い主さんの話を聞くと、自宅周辺の散歩は雨の日にはショートカットするらしいのです。
なのに、七山では降り止まぬ雨の中、本当にすごく雨が降っているのに、草の中を一気に歩きだしていきます。
飼い主さんもその姿を不思議そうに見ていました。
雨が苦手だと思っていたけれど、都会の雨が苦手なだけで、自然の中では雨でも活動したいという欲求がでたということです。
預かり中で泥遊びをしていた犬ちゃんも柴犬くんたちでした。
水たまりの中に自分から入っていって草をひろってみたり、水を前脚でかいてみたりして自由に遊んでいます。
実は私も、七山では雨の中を歩くことを苦に思うことはありませんが、街中では雨の日に外を歩くことが好きではありません。
わたしの中では、苦手なものがより苦手になるという気分です。
犬がどのように感じているのかはわかりませんが、同じような気分なのではないでしょうか。
活動が広がる場所で犬たちは成長し発達し、そして癒されます。
土のにおい、草のにおい、きれいな空気、自然の中でふる雨音には、ただただ癒されるばかりです。
天気がいろいろでもトレッキングクラスは開催しています。
犬と山。
もっともっと近くなりますように。
甘噛み&とびつき攻撃とワンワン攻撃、破壊攻撃に負け、犬に完全に奪われたテリトリーを奪還せよ!
トレーニングクラスを受講された生徒さんからのクラス受講の感想文です。
今回はミニチュアダックスフントのディーンの飼い主さんからいただきました。
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先生と初めてお会いしたのは、昨年の3月でした。
我が家に2代目のミニチュアダックスフンドが来たのは1月末です。
先代犬は女のコでしたが、今回は3ヶ月のミニチュアダックスの男のコのディーンを迎えました。
ペットショップでディーンをショップで抱き上げたときにとても元気なオス犬でしたが、このコだと連れて帰りました。
先代犬は大人しくて、あまり手がかからないミニチュアダックスの女のコでした。
だから今回も大丈夫!と思って子犬のディーンとの生活が始まったのです。
ところが、ディーンは甘嚙み、要求吠えが激しくなかなか収まりません。
排泄もいろんな場所でしてしまうし、家具を破壊してしまいます。
さらに散歩に出しても全く歩くことができない状態でした。
前のコと明らかに違う、これはプロに任せないと大変なことになると思い、グッドボーイハートさんを見つけました。
早速、カウンセリングをお願いし先生に見て頂いたところ、すごい状態になっていることがわかりました。
わたしたちは、ディーンに天下取らせてしまっていたのです。
カウンセリングのときにすぐにトレーニングクラスをお願いしました。
家庭訪問レッスンで先生に言われた事を日常生活で取り入れるのですが、これが大変でした。
ディーンとの暮らしでは先代犬の時と180度接し方を変えなければいけないので、飼い主の方が何度も葛藤しました。
先生の言われることが本当にディーンにいいのだろうか…と以前の接し方に戻ったりします。
このままトレーニングを続けていれば本当にディーンは良くなるのか… と不安も生じます。
ディーンと向き合う日々が辛くなり、何度も手放そうかと思ったりもしました。
でも、やり始めたのだからとあきらめず、訪問レッスンと預かりレッスンをお願いして継続したところ、ディーンが1歳になる頃変化が見え始めたのです!!
こちらのコマンドを理解し始めてディーンが合図に従うようになってきたのです。
ディーンに服従心が出てきたのだと感じることができました!
ディーンは今1歳5ヶ月になりましたが、夜はクレートの中で朝まで静かに寝てくれて、家ではほとんど吠えることがありません。
わたしたちがご飯を食べてても、もらえないと思ったら諦めて自分のベッドで寛いでます。
来客時も以前はずっと吠えていたのですが、今は最初に数回吠えるくらいですぐに落ち着いてます。
先生に出会えて本当に良かったです。
グッドボーイハートに出会えてなかったかと思うとゾッとします。
先生が言われていた「3歳の扉を開く」までは油断禁物ですが、ディーンはどんどんお利口さんになってきています。
犬を知ること、犬と向き合うこと、諦めないこと。
大事なことをここで教えて頂きました。
今ではディーンのことが可愛くて仕方がありません(笑) 手放さなくてほんとに良かったです。
先生、本当にありがとうございました。
これからもよろしくお願い致します。
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同じ犬種を迎えた飼い主さんの中に、ディーンの飼い主さんと同じく「前の犬とどうしてこんなに違うのだろうか?」と困惑されている方は結構多いのです。
純犬種の犬を選ぶ理由の中に「犬の性格がわかりやすい」ということもあるかもしれません。
そして迎えた犬がたまたまおとなしいタイプの犬だったとすると、この犬種はとても飼いやすい、次に迎える犬も絶対に同じ犬種にしよう!となるのも当たり前のことです。
ところが、犬は機械ではありません。
同じ犬種であっても、犬の個性は様々です。
ディーンちゃんも、先住犬のミニチュアダックスフントとは全く違う性格をもった犬だったのです。
ダックスは飼いやすいという固定観念から脱するのにしばらく時間がかかるため、そのうちにおとなしくなるだろうと子犬期の接し方も、前の犬と同じようになっていました。
吠えたら抱っこ、甘噛みしたらボール遊び、部屋はすべえ解放して、おもちゃは山のように与え、なんなら人のものもどうぞという感じです。
犬にすべてを与えてしまい、犬の要求に応じるように接してきたことで、ディーンちゃんに誤解をさせてしまうことになりました。
犬に伝わってしまったメッセージは「あなたのルールで暮らしていいのよ。」でした。
クレートの中では数時間にわたって吠える、吠える。
さすがに参ったと白旗を上げそうになる飼い主さんに代わって、お預かりクラスでクレートトレーニングを完了させました。
環境が変われば、行動も変わる。
犬のトレーニングの基本中の基本を、お預かりクラスで実現させただけです。
クレート中の吠えはすぐに止まりました。
管理するのは飼い主ではなく、私。
自分の王様部屋はもうありません。
周りにはかなわない犬ばかり、犬たちは私に従っている様子。
ひとりで反発を繰り返したディーンちゃん、間違えて奪ってしまったチャンピオンベルトをなかなか外そうとせずにごねました。
でも、こちらは大自然の中です。
敵は私だけではありません。孤立化するにはあまりにもリスクが高いと理解したのか、やっと私たちのグループに入ってきました。
お預かりクラスのあとは多少落ち着いて過ごしていたディーンちゃんも、ムクムクと以前のチャンピオンの思い出が振り返ったようです。
飼い主さんへのワンワン攻撃が出たり消えたりの繰り返し。
気を許せば噛みつき行動で脅しをかけてくることもありました。
サイズは小さいですが、犬の噛みつく行動に立ち向かうためには知識だけでは足りません。
なんどかラインで辛いお気持ちを送ってこられたこともあります。
しかし、ディーンちゃんの飼い主さんは、「このコを飼えるのは自分たちしかいない」という強い気持ちでディーンちゃんに向かって下さいました。
結果として、ディーンちゃんを飼い主さんのグループの中で犬がいるべき立場に落ち着かせることができたのです。
常に上に挑戦しようとするタイプの主張の強い性格の犬は、なかなか気を抜くことができず飼い主さんとしては「大変な犬」となりがちです。
犬に対して「来るなら来い!」という気持ちでいることを楽しいと思えるようになるまでは、ただ辛いばかりです。
大変のように思えますが、この犬に対する態度を持つことで人はかなり強くなります。
人としてもパワーアップして充実した毎日を送れるようになるでしょう。
ディーンちゃんのあらゆる攻撃に勝利した飼い主さんは、人としてとても強く成長されたのではないかと思っています。
犬はそれぞれの時期に何か大切なメッセージをもって私たちの前に現れるメッセンジャーです。
そのメッセージは時に辛いこともありますし、受け取り難いと感じることもあります。
でも、そのメッセージを受け取ることができるのは、やはりわが犬がかわいく愛おしいという気持ちです。
飼い主さんの言われるように。犬のことが愛おしく感じられるようになったのは、犬がおとなしくなったからだけではありません。
飼い主が犬に真正面から向き合った結果、お互いに何かつながりを感じられるような関係が築き上げられたからです。
犬を見れば、飼い主が犬とどのような時間を過ごして来たかがわかります。
初回のカウンセリングのときにもわかるし、レッスンを終了したあとに再会したときにもわかります。
その犬の表情を見たとき「やったね」と犬に話しかけることをいつも楽しみにしています。
ディーンちゃんに今度再会したら「やったね!」と言えるのを楽しみにしています。
おやつがあればできるオスワリがなぜ散歩中にできないのか?
家庭訪問レッスンで、犬に何を教えているのかを飼い主さんに尋ねると「オスワリはできます!」とのことでした。
犬にオスワリをどのようなときにさせていますか?
と質問すると、おやつを与えるときにオスワリをさせているということでした。
それで、散歩中にオスワリを定期的にできるように練習をして下さいということになったのです。
ところが、散歩に出ようとして玄関の戸口のところでオスワリをさせようとしても、もうオスワリをしません。
「おやつがあるとできるんですけど…」と飼い主さん。
おやつがあってもできるオスワリが、おやつがないとできないのでは犬のしつけとはいえないのです。
犬の方は「オスワリとはおやつをもらうときにする合図」と覚えてしまったのかもしれませんね。
それで、もう一度「散歩中のオスワリ」の合図を新たに教えることになりました。
散歩中のオスワリの合図は、移動のときには私があなたをリードしていますよと伝える意味があります。
散歩中のオスワリの形は「座って見張る」の形ですが、飼い主側が犬に合図という形で要求をしたらそれに応えて下さいね、と伝えるのが散歩中のオスワリの合図です。
トレーニングを開始するまで散歩中のルールを伝えていなかったことと、飼い主と犬の関係性を伝えきれていなかったため、犬の方はなかなか役割交代に応じてくれませんでした。
リードでオスワリを伝える練習を私が最初にやってみて、次第にオスワリに応じるようになってから飼い主さんに交代しました。
今まで頑としてオスワリをしなかった犬ちゃんが、リードの合図に応じてオスワリをするようになりました。
リードはふんわりと持って、犬の体重が少し後ろにかかりように操作しているだけです。
リードのショックや首輪のチョークなどは不要です。
飼い主さんご家族も犬のオスワリの姿を見て、感動されていました。
リードを持っている飼い主本人は「犬と気持ちが通じ合った感じで心地よいです。」と言われていました。
その感覚を飼い主がリードで感じられるようになるということは、犬も同じような感覚をリードを通して感じているはずです。
オスワリの本当の目的と意味とやることの価値を知れば、毎日の散歩の練習にも楽しくなります。
できるようにさせる。
できることを繰り返すこと。
犬のしつけの基本を押さえて、練習頑張って下さい!
日差しに当たりたい季節に犬を庭に出してあげましょう。
週末は花見にでかける車で渋滞にはまりましたが、季節が良くてきれいな若葉や花を見たいという気持ちがまだ人間の中にあるということにホッとしています。
福岡に小さな庭があるので週末は預かりの犬ちゃんたちを遊ばせながら庭木の手入れを楽しみました。
庭木の手入れに集中しはじめると、犬の行動が一辺してしまうのことが不思議です。
私が何もしないでただ座っていたり、スマホをいじっていたりすると犬たちは私にまとわりついたり走り回ったりして落ち着きません。
ところが、高枝切ハサミを持ち出して作業を始めると、落ちてくる草木をにおったりと周囲の探索が始まります。
私が庭木の手入れという形で環境に影響を与えているのがわかるようで、切った枝葉が地面に落ちるたびににおいを嗅ぎに行き、口に入れてみることもあるし、運んで調べていることもあります。
2頭の犬たちはそれぞれに自分の今やっていることに集中しはじめて、お互いにちょっかいを出したり、逃げることもなくなります。
庭にひとつだけ出していたピンクのボールには全く興味を示さず、ただ人工的なおもちゃはそこに置かれたままです。
犬の行動の安定を引き出すために何ができるのか、犬が自然に興味関心を持つものを提供するためには何を準備すればよいのかをいつも考えていますが、答えはやはりここにあるようです。
犬の脳がゆっくりと動き、犬の中に幸せや豊かさが広がっていくのは、犬がずっと暮らしてきた土の上、草の香り、木々に囲まれた空間。
その中で、得意の犬の鼻を使って調べ、何かを探し歩きながら自分の頭の中に地図をつくっていくこと、これこそが犬が「大丈夫」と思える瞬間です。
暇そうな犬の時間をトリートボールやおやつ探しゲームで埋めようとすると、犬の脳内は食べ物で埋め尽くされてしまいます。
都会の庭はすぐに乾燥してしまうので、野菜や花をなんども植えましたがなかなかうまく育ちません。
七山の手入れはもっと時間がかかるため、忙しいを理由に進まないことばかりです。
でも、犬が自分のそばにいてうろうろとしてくれていると、できなかったことも進むようになるから「やる気」はやっぱり犬が与えてくれているのかな。
そんな犬たちのために、この季節や庭に犬を出してあげて下さい。
庭のない方は、そろそろ庭を持っているご実家に帰省したり、もしくは山歩きに出掛けましょう。
家を買うなら庭付きしか考えられないし、新しく建てるならやっぱり庭を作って下さい。
すべては犬が犬として、人と暮らしていくために。
飼い主としてできることはまだまだたくさんあります。