犬と暮しているほとんどすべての人が、犬の魅力にはまって犬大好きになるのは素晴らしいことです。
ですが、その大好きな犬への愛情表現の仕方によっては、犬との関係がうまくいかないということがあります。
例えば、大好きな犬への愛情表現の一部をご紹介するとこんな感じです。
帰宅してすぐに「ただいまー」と犬を撫で繰り回し、抱っこする。
「大好き」と犬を抱き上げたり抱きしめたりする。
部屋の中ではずーっと犬を撫でていて、始終くっついた状態でいる。
こんなことが日常的になっている飼い主がたくさんいるのだと思います。
しかし、こうした犬との関わり方はあまりにも犬が自分に対して近くにいすぎることで、実際に犬という動物がどういう動物なのかを知ることすらできません。
そもそも、犬が自律した状態で生きているのであれば、人の膝の上に登ってきたり、ジャンプしてとびあがってきたり、飼い主の寝ている上に乗っかって寝たりはしません。
落ち着いている犬であれば、興奮して向かってくる飼い主を上手にいなすでしょうし、飼い主に寄りかかって寝たり、膝の上に上がろうとすることはありません。
犬を動物として客観的に観察していくためには、犬と飼い主の間に一定の距離が必要になります。
先日、犬語セミナーを受講したあとにある生徒さんがいい話をしてくれました。
あるお坊さんのお話では、尊いと思っている仏像は離れて向き合って手を合わせて拝むものであって、近づいてじろじろとみるようなものではないという話だったそうです。
尊敬の気持ちがあるなら、一定の距離を保って見つめるのだということが犬と人の関係だと同じだと思ったとその生徒さんは言われていました。
それは、本当にその通りだと思いました。
一定の距離を保つことが「犬を尊重すること」だと気付いている飼い主さん、さすがにグッドボーイハートで共に長く学ばれているだけあるとありがたく思いました。
犬と少し距離を保って生活をすることを誤解されている方がいます。誤解とは、犬を撫でまわしたり、抱っこしたり、体に乗っけたりしなければ犬を可愛がる行為がないと思われていることです。
これは大きな誤解であって、むしろ犬を大切に想い、尊重する気持ちがあるなら、むしろ多少の距離をとって犬が何をしようとしているのかを見守る(観察する)姿勢になるはずです。
犬と飼い主の距離が近くなりすぎるということは、犬は行動の範囲が狭いと思い始めているということです。
犬の飼い主に対する執着行動は、犬の生活環境、子犬期の過ごし方、飼い主の価値観で決まります。
犬が大好き、犬のことをもっと知りたい、犬と良い関係を築いていきたいと思うのであれば、少し犬と距離を置いてみましょう。
私ももちろん犬が大好きですが、犬を抱き上げたり抱きしめたり、わさわさと撫でたりはしません。
本当に大切な存在であるからこそ大切に見守っていきたい、犬はそんな存在です。
Author Archives: miyatake
大好きな犬との距離感が近すぎて大切なことを見過ごしていませんか?
グループトレッキングクラス&犬語セミナーを開催しました。
今月もグループトレッキングクラスと犬語セミナーを開催しました。
トレッキングクラス開催の日の夜中からしとしとと降る雨の音に「明日トレッキングできかな…」と眠れぬ夜(本当に眠れなかった)を過ごしました。
当日の朝もほんの少しだけ残る雨でしたが、強気の生徒さんたちからの朝の確認連絡はほとんどなかったことで私も気持ちが盛り返しました。
少々の雨でもいつも室内に閉じこもりがちな犬たちを山で過ごさせたいという飼い主さんの気持ちが伝わったのか、開催時間には小雨もあがり無事にトレッキングクラスを開催できたのです。
今回は預かり犬たちもトレッキングに連れていくために、写真撮影の協力も生徒さんたちにお願いしました。
小さな犬たちもいるのですが写真が撮れていなくてすみません。
写真を撮ることよりも、今この瞬間に起きてることを心にとどめておくことの方がずっと重要なので、みなさんの心に残ったものこそが大切なものですね。
午後は犬語セミナーを開催しました。
はじめてご参加された生徒さんたちもいて、犬のコミュニケーションを読み解く方法をみなで学びました。
同じ動画を何度見ても見落としていることがあって、セミナー中に気づくこともたくさんあります。
他の方がどのように見ているのかを聞くことで開ける世界もまた楽しいものです。
セミナーの後半には、オポハチミツで作っていただいた美味しいお菓子をいただきました。
私の脳内の妄想コーナーに潜む“オポカフェ”を楽しませてくれました。
どんな自然の素材も作り手で変わり、どのような世界を生きていくのかも自分次第です。
犬と暮しているなら、自分の生活の中で生み出されるものを全部丸ごと大切にしたい。
今は犬を飼っていない私ですが、あの時の気持ちはまだ続いています。
グループトレッキングクラスだからできる飼い主さん同士の交流も、仲間がいるから大丈夫、ひとりじゃないから頑張れる気持ちを次々と生み出しているようです。
オポハウスではプライベートトレッキングクラスも開催しています。
家庭訪問クラスを受講された方ならどなたでもご参加可能です。
4月のトレッキングクラスは第4日曜日の10時集合です。
午後の犬語セミナー開催についてはまだ未定です。
犬語セミナーがなくても何かをしようとは思っていますが、決まり次第お知らせします。
飼い主が強ければ犬は安心して暮らせるのが犬の群れのしくみです。
昨日はWBC(ワールドベースボールクラッシック)の決勝戦でした。
日本とアメリカの試合終了間際はと移動タイムだったために、訪問でインターホンを鳴らす時間がずれたことは幸いでした。訪問宅の生徒さんも「ギリギリ間に合いました。ちょうど今終わったので…」と出てこられたところでした。
野球に精通している方ですら生きてる人間とは思えない強さの大谷翔平選手らしいですが、今回のWBCを横目で見て感じたのは「主軸が強いと群れには安心感が生まれる」ということでした。
チームのリーダーとしてはまた別の選手がいらしたのだとは思うのですが、ピッチャーという主軸のポジションになる選手が圧倒的に強く存在感があれば、チームの選手全体がいけそうな気がするという気持ちが盛り上がるのは間違いないと思います。チームだけでなく応援している人々全体に「勝てる」という気持ちが強まったはずです。
このチームの中での大谷選手くらいの存在感が、飼い主と犬で構成する家族の中にあったとしたらどんなに犬は安心できるのだろうかと考えます。飼い主が大谷選手くらい強い主軸になるということですが、犬にとっての飼い主というのはそのくらい強い存在であってほしいと、私が犬なら思うでしょう。
この飼い主なら大丈夫、絶対に負けるはずがない、と犬が飼い主のことを認めてくれるようになれば、犬が吠えたり興奮したりするような乱れた行動をとることはなくなるはずです。
そんな大谷選手的存在になるために必要なことを、生徒さんたちに練習していただいているはずです。
同時に、気持ちの中でも「飼い主としての自分が主軸であることを忘れない。」自分の立ち位置を忘れずにそれを楽しむことも大切であると考えます。
大谷選手に学ぶことはいくつもありますが、大谷選手について語られていることのひとつに私も大きく感銘を受けたことがあります。
それは「緊張する場面に立たされたときに、どうしようかと考えることもあるけれど、それよりもここから何を学べるかを考えるようにしている。」というようなことを大谷選手が言われたということでした。
直接その言葉を聞いたわけではありませんが、いかにもそのように考えられる方だからこそ緊張や難しい場面から逃げずにいられるのだなと思いました。
私自身も困難に向き合ったときに、今学べることは何かと考えるように努力しています。
犬と向き合うときにも、なかなか行動に変化が見られない犬から逃げようとするのではなく、この犬の軸となるのは飼い主である自分、今この犬と向き合って何を学べるかを考えるようにしようと思ってみてください。
犬の軸は飼い主であるあなた自身です。
軸が強いと群れは強い、群れが強いと安心感が生れます。
犬の散歩中の拾い食いは犬のストレス性行動です。叱る前に犬が必要とすることを学びましょう。
犬の拾い食い行動ってどんな行動ですか?
犬が散歩中に落ちているものを口で拾いという行動を見たことがあるでしょうか。
「犬の拾い食い」の多くは年齢の若い犬、散歩に出始めたばかりの犬によくみられる行動です。
犬は好奇心旺盛で何にでも興味を持つ動物なので、落ちているものを口にいれるのは犬としては普通の行動だと思っている方も多いと思います。
ところが、散歩中になんでも拾う行動は「犬のストレス性行動」なのです。
行動のパターンの中では、犬の衝動的な行動であり、継続して繰り返される執着行動のパターンです。
飼い主さんとしては、犬に危険なものを口にしてほしくないし拾ったものを取り返そうとすると咬みついてくるなどの理由でトレーニングを依頼されることが多いのです。
そこでこの行動がストレス過多の状態によって起きることを説明するとびっくりされます。まさか犬が落ちているものを拾う行動がストレスの表現であるとは思いもしないはずです。
犬が口にしたものが完全な食べ物だけであれば、犬は食べるものを探して拾っているということになり、食べられないものを拾うストレス性行動とは少しわけて考える必要があります。
公園でいつも落ちている木々の食べられる甘い実を狙って拾って食べるのであれば、それはストレス性ではなくただ食べたいという欲求で食べているだけです。
散歩の道中に落ちているものを一つ一つチェックしながら食べられるものを見つけている犬もいます。このように「落ちている食べ物を見つけるための活動」になっているとしたら、この散歩は本来の目的とは離れてしまっています。
一番よくみられる犬の拾い食い行動では、食べられない石や紙切れ、ビニール、綿ゴミなどの小さなものを口にする行動です。
拾い食い行動は犬が何歳くらいから起きるのか?
犬の拾い食い行動がよく見られるのは、犬が散歩に出始めたときです。
子犬を散歩させる前に入念な社会化学習の準備をしておけば、拾い食い行動はさほど長引きません。
ですが、子犬の外のにおいに慣らさずにいきなりリードをつけて歩かせようとするとこうした行動をすることがあります。
子犬の散歩のための事前準備に抱っこ散歩は入りません。
※子犬を抱っこして散歩することは、子犬が外で不安を作りやすい状態を作り出すだけで逆効果です。
また、犬が青年期に入り大体生後6ケ月から1歳半の間に起きる社会的な退行期で散歩中の拾い食い行動が出ることがあります。
犬が子犬から成犬に上がらなければいけないこの時期の年齢では、一旦獲得したように思えた社会化が崩れていく行動が見られます。
例えば、それまで他の犬の吠えなかったのに吠えるようになった。
散歩中に急に立ち止まる行動が増えた。
そして散歩中に拾い食い行動をするようになったなどもこの期間に起きることがあります。
犬の拾い食いはどのようにして止めさせたらいいのか?
犬のすべての問題行動について共通していえることは、叱っても無駄だということです。
犬の拾い食いも同じことですが、起きてしまったことにダメ出しをしても犬には理解できません。
それよりも、犬が抱えているストレスの解消をするために何ができるのかを考えた方が効果もあるし犬のためにもなります。
その犬が抱えているストレスとは、犬の社会化の未発達にありますが、またその要因となっているのはやはり「飼い主との関係」です。
逆をいえば「飼い主との関係性」さえ改善すれば、犬の行動は本当に激変してしまいます。
犬がどのような動物なのかを知っていけば、飼い主としてしなければいけない行動も決まってきます。
難しく考える必要はありません。
要するに飼い主次第で犬はどのようにも変化するのだということです。
少しやる気になってきたでしょうか。
犬のしつけ方を習うということは、犬がどのような動物であるかを学ぶということです。
犬は人ではなく犬なのだということに気づくことをぜひ楽しんで下さい。
人生ではじめての「花粉症」という壁にぶつかって知ったこと。
数日前から違和感のある喉の痛みと鼻から出る止まらない水。
わたしは花粉症にならない、という神話が崩れた日です。
私が七山にこもっていると信じているある生徒さんからは「花粉症って都会の病気だと思っていました。」と言われました。
そのとおりです。
花粉を発生させるのは山ですが、花粉は都市空間のスモッグなどの粒子と結合して化学反応を起こして人の鼻の粘膜に吸着してアレルギー反応を起こしていると聞きました。
汚れた空間に長くいたことで起きてしまう花粉症を発症した日は福岡での仕事が続いたときでした。
でも、今までこのスタイルでずっと働いてきたのに起きなかった花粉症の症状がついに私にもやってきたのです。
止まらない鼻水の処理に困りながら、一刻も早く山の学校に行かなければいけないと戻ってくると不思議です。
山の空気を吸ったとたんにスーッと鼻に空気が抜けていくのを感じました。
今まで何人もの花粉症の生徒さんが「七山に来ると花粉症が良くなるんです。」と言われていたことを初めて体験することができました。
空気が体を通る感じです。
山の空気にはスモッグが少ないため花粉は汚されてはいません。
山に来ると花粉症の症状は劇的に少なくなりました。
都会と自然の環境の違いが自分に与える影響についてこれほどわかりやすく感じることはありませんでした。
花粉症の症状は辛いものですが、今回は良い体験をできました。
犬も花粉症になりますが、人とは症状も異なるようです。
また人の花粉症のように数もまだあまり多くはありません。
それでも、犬がこのままずっと都会に生き続けることになれば、そのうち多くの犬が花粉症になるのではないかと不安になります。
犬たちにできるだけ新鮮で透明な空気を吸い込んでほしいと思います。
花粉が山にあるから山には行けないという考えは全く間違っています。
むしろ、花粉症のこの季節には犬をお供に山に出かけて下さい。
七山の空気をたくさん吸い込んだら早く花粉症が改善するような気がします。
犬語セミナーで学べること「犬のコミュニケーションと社会性」「飼い主が犬に与えている影響について」
先月末に犬語セミナーを開催いたしました。
犬語セミナーとは、犬の動画を見て犬のコミュニケーションを学ぶセミナーです。
動画として使用しているのは、ほとんどが預かりやクラスのときに撮影したものです。
グループトレッキング後に開催している対面の練習クラスで撮影した動画は特に人気があるようで、参加した生徒さんたちは食い入るように見られていました。
犬の動画を見て学べることは、まず犬のコミュニケーションの仕組みです。
犬のコミュニケーションはシグナルという規則正しい信号によってなりたっています。
尾を立てる、横に振る、巻くとか、
耳を立てる、下げる、倒すとか、
横に動く、かがむ、前進するとか、
吠える、唸る、牙をあてるなどもです。
ひとつひとつのシグナルを動画を見ながら読み取ります。
そのシグナルは一度に複数出されることもあるし、犬の状態に応じて時間とともに変化していきます。
そうなるとシグナルの数も多くなり動きも複雑さを増していきます。
犬が一貫して変わらない姿勢を貫けば、シグナルは非常にわかりやすいのですが、
犬の気持ちや方向性があっちへいったりこっちへいったりと不安定になると、行動も複雑化していきます。
犬の気持ちに寄り添うように犬のコミュニケーションを読み解く作業はとても楽しいもので、犬の気持ちがわかったと思うときには笑いが出たり、ため息が出たり、飼い主さんも一喜一憂します。
犬と犬が関わる動画が中心になりますので、個々の犬の持つ社会性(社会的なコミュニケーションの力)についても知ることになります。
その犬の個性となることもありますし、成長とともに変化していく行動もあります。
例えば犬と犬の対面練習の動画を一年前のものと見比べてみると、犬の行動が大きく変化していることがあります。
犬が成長とともに社会性を変化させたことを知ることもできるのです。
同時に、犬の社会性やコミュニケーション力に飼い主としてどのような影響を与えているのかを考える機会を持つことになります。
犬と犬のコミュニケーションを見るときに、それがすべて「犬の個性」だとすることはできません。
犬の社会性は犬の年齢とともに変化することは当然のことですが、同時に犬の環境によって大きな影響を受けています。
何より最も影響を与えているのは、犬に日々接している飼い主です。
犬と犬の関係性なのに、なぜ飼い主が影響をしているのかがわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
犬の社会性の基礎は、飼い主との社会的関係だからです。
犬と飼い主の社会的関係とは、犬と飼い主はひとつの群れ(家族)として暮らしていることで関係性を持っているということです。
これは犬の動物としての習性ですが、種が違う動物であっても同じテリトリーを守りつつ生活している同居動物を犬は群れと見なします。
この協力関係を結べることが犬の素晴らしいところでもあり、やや面倒なところでもあるのです。
犬語セミナーは最終的には「では、自分が犬に与えている影響とは何か。」について考えるためのセミナーです。
グッドボーイハートの生徒さんたちは根強く学ぶ方々なので、この難しい質問について真摯に向き合い全力で取り組まれています。
あくまでも、自分を苦しめるためではなく、自分と犬が楽しく暮らすためにです。
犬を抱きしめたり撫でたりすることは、犬との暮らしの上で表面的な喜びでしかありません。
本当に喜びとなるのは、共感の世界に入ることではないでしょうか。
共感を抱くには、他者の存在を認識し、他者が必要とするものを感知しなくてはならない。
フランス・ドゥ・ヴァール著書「道徳性の起源」より
<おすすめのアイテム>ふわふわの小型犬と飼い主の花粉症対策におすすめのドライルーム
ふわふわした被毛を持つプードルやロングコートの小型犬たちが雨に濡れてプルプルと震えているときは早く乾燥させてあげたいものです。
グッドボーイハートの山の学校では雨天でもお外遊びを楽しんでもらっていますが、動いている間は小雨でも元気に遊ぶ犬たちも、とまってしまうと濡れてしまった被毛をどうすることもできません。
柴犬やスムースコートの張りのある毛を持つ犬たちは、ぶるぶると身震いをすれば遠心力で体についた水は一気に吹き飛びますが、ふわふわで産毛のようにやわらかい被毛の犬たちは身震いしても簡単には水が飛びません。
そのふわふわ小型犬たちを救ってくれるアイテムがこちらのドライルームです。
上の写真は預かり中のトイプードルちゃんが雨に濡れてしまったのでドライルームで乾かしている写真です。
たくさんのドライルームが発売されているようですが、当校で使っているのはnelloという商品です。
トイプードル2頭と暮らしている生徒さん宅で「これ、絶対におすすめですよ。」と見せていただいたのがこのドライルームでした。
私が過去に見て来た犬の乾燥機的なものは音がうるさくとても犬を中に入れておくことはできないというようなものばかりだったので、生徒さん宅でそれを見たときには疑いのまなざしでした。
「音、うるさくないですか?」
「犬が怖がらないですか?」
と尋ねる私に、実際にトイプードルちゃんをドライルームに入れて実演してくれました。
すごく音が静かでびっくり、その上温度もあまり高くならないかつ暖かい。
生徒さん曰く「クレートトレーニングしていたおかげでドライルームも全く怖がらないんです。助かりました!」と。
そして、年末に雪だるまになる小型犬対策として購入したドライルームですが、その後は雪遊びをすることもなく雨に濡れた犬ちゃん専用として活躍しています。
特に冬時期は濡れていると寒いので、温かく乾いていくドライルームの中は結構居心地が良いようでみなじーっとしています。
手前のガラス戸を開けても温風は吹くので、手を入れて乾かしてあげることも可能です。
残念なのは小型犬対応のみだということ。
こんな大きな犬ちゃんはドライルームには入れません。
バロンちゃんサイズができるとうれしいですね。
だったら私たちも入れそうですが…。
青い色は殺菌作用があるらしいです。
花粉を飛ばしてくれる効果もあるので、犬が濡れていないときも使用できます。
花粉症の飼い主さんにはありがたい商品です。
すでに生徒さんの中にはこの高額商品をゲットして活用している方も数名いらっしゃいます。
いろんなドライルームがあるので、試して見られたい方は七山学校で使ってみてください。
「人間性の解体」コンラート・ローレンツ著書。胸に刺さる言葉が多いが難解のためあと100回は読むことになりそう。
ずっと持ち歩いて時間のあるたびに開いていた本、ローレンツ先生の最後の邦訳された書籍「人間性の解体」をなんとか一読しました。
「人間性の解体」はローレンツ先生の「鏡の背面」を補完するために書かれたもので1985年に初版が出版されています。
毎日の暮らしの中で動物を観察し続けたローレンツ先生が、人間という動物の今と未来をどのように見通されているのかを知ることができる本で、題名のとおりそれは人類に対する警笛に他なりません。
あまりにも深く難解な内容で読み進めることに時間がかかりましたが、ところどころに胸を打つ内容があり、もっと深く知りたいという気持ちが満ちました。
引用~
…大部分の文明人はこんにち都市居住者であるか、あるいは少なくとも都市で仕事をしている。彼らはその日常瀬克においてほとんどもっぱら生命のないものと、とりわけ人間が作ったものとかかわりともち、そしてそれらと付き合う方法を学んだ人たちである。だが、彼らは、生命あるものと付き合う方法は、習って知っていたのに忘れてしまった。彼らはそれらの事物にどこで接触しようとも、全く信じがたい近視眼的態度で処遇しており、われわれを生かしているものを無視している。彼らが日々付き合っていて、現実的と見なしているものおはすべて人間によって作られているので、彼らは何もかも作ることができると思っている。いったん否定された生命あるものを、二度と生命あるものにすることはできないのだという事実は、彼らにたぶん決して知られていないし、それゆえ忘れられることもない。…
~引用「人間性の解体」コンラート・ローレンツ著書 新思索社発行
初版の発行から38年の月日がたっていますから、人間性の解体はさらに進んでいるはずでしょう。
その中で人間が犬という動物を飼おうというのですから“犬としての解体”は一体どこまで進んでいくのだろうと実に恐ろしい気持ちになります。
ローレンツ先生の知識は動物を愛すればこそ生まれるものだと、私の中では確信しております。
ローレンツ先生が愛したように犬を見て犬のことを知りたいという気持ちを持って本を読むのですが、あまりにも違いすぎる頭脳、ローレンツ先生の言葉を借りるなら「遺伝的な要素をもって違う個体間の差」がすごくありすぎてへこみます。
いや、脳トレと思って諦めることなく「鏡の背面」とあわせて読み続けていきます。
ちょっと犬のことを知りたいと思って読むような本ではありませんが、おすすめの本として紹介させていただきます。
ヒルトンハーブ商品の価格改定についてのお知らせ
犬用のハーブサプリメントのヒルトンハーブ社の商品が4月1日に価格改定されることになりましたのでお知らせします。
詳しい定価はこちらのサイトからご覧ください。
ヒルトンハーブ公式ホームページ
ヒルトンハーブの商品はグッドボーイハート立ち上げの2000年から利用させていただいています。
他界された同社の前社長とは共通する価値観があり、グッドボーイハートが博多の都会の学校から山の学校へと移転をしたときも、最初に祝電をくださいました。
八ヶ岳の自然の中に、馬と犬とともに暮らす素敵な女性でした。
その彼女を頷かせたヒルトンハーブ社のハーブの力を私も信じております。
価格改定により今までより貴重なお品になってしまいましたが、みなさんには今後もグッドボーイハート価格でお渡しいたします。
なお、今回のヒルトンハーブ社の価格改定によりグッドボーイハート価格も見直しをさせていただくことになりますのでご了承下さい。
現在価格でご希望の方は早目にご注文下さい。
輸入品なので在庫には限りがあると思います。
また、ヒルトンハーブの商品をまだ使っていない方、どのような状態で使えばいいのかを知りたい方はプライベートレッスンの際にお気軽にご相談下さい。
犬はいつも自然とともに、動物の底力をアップしてくれるそんなハーブです。
「犬が吠えたらどうしたらいいですか?」に答えはありません。
「吠えたときどうしたらいいですか?」という質問をよく受けます。
特に、トレーニングクラスが始まる前の方、トレーニングクラスをスタートさせたばかりの飼い主さんから多いご質問です。
残念ながらこの質問に対する明確な答えがありません。
「犬が吠えたとき、どうしたらいいですか?」と同じ傾向の質問は他にもあります。
「犬が咬みついたとき、どうしたらいいですか?」
「犬が飛びついたとき、どうしたらいいですか?」
「犬がいうことをきかないとき、どうしたらいいですか?」
「犬が呼んでも戻ってこないとき、どうしたらいいですか?」
最後の質問などは、どうしようもない状況になってしまっているので、犬が戻ってくるまで待つしかないということになってしまいます。
これらの質問に対する明確な答えはありませんが、質問の内容を少し変えるだけで答えが見えてきます。
「犬が吠えたとき、どうしたらいいですか?」は、
⇒「犬が吠えないようにするために、どういいですか?」。
「犬が咬みついたとき、どうしたらいいですか?」は、
⇒「犬に咬みつかれないようにするために、どうしたらいいですか?」。
「犬が飛びついたとき、どうしたらいいですか?」は、
⇒「犬に飛びつかれないようにするために、どうしたらいいですか?」。
「犬がいうことをきかないとき、どうしたらいいですか?」は、
⇒「犬がいうことをきくようにするために、どうしたらいいですか?」。
「犬が呼んでも戻ってこないとき、どうしたらいいですか?」は、
⇒「犬が呼んでも戻ってくるようにするためには、どうしたらいいですか?」。
こういう風に考えられるようになると、犬のしつけはぐんと進みます。
犬が間違ったことをしてしまったあとに「違う」を連発しても、犬は正しいことを覚えないということなのです。
犬には否定形「○○をしない」は伝わりにくいのです。
「吠えてはいけない」を教えるなら、「吠える必要がない」ということを教えなければいえません。
「リードを引っ張ってはいけない」を教えるなら、「リードを引っ張らずに歩くこと」を教えなければいけません。
人の心理学の講義でよく使われるのですが「ピンクの像を想像しないでください。」というフレーズを聞かれたことはないでしょうか?
「ピンクの像を想像しないでください、と言われているのにすでに私たちの頭の中にはピンクの像がいますね」という話で、人の潜在意識(無意識)領域では否定形を受け入れないということの説明で使われる例文です。
人の潜在意識には五感(視覚、嗅覚、触覚、嗅覚、味覚)を通して幼少期に蓄積された情報を元に習慣化された考えや感情、行動のパターンのことを言うらしいのですが、犬の意識はこれに近いと考えてあげると良いです。
犬の無意識とは、幼犬期に五感から蓄積された行動のパターンの他に、犬が生得的(生まれたときから遺伝的に習得している行動がベースとなっています。
犬の過剰な吠え(みなさんのいうところの無駄吠え)、咬みつき、飛びつき、散歩中の興奮などは、すべて犬のストレス性行動です。
犬が吠えたり、咬みついたり、飛びついたりするようになったのは、犬が生まれ持った遺伝的な行動に対してストレスを与えるような環境があったからそうなったのだということです。
犬は環境に対して素直に反応して行動や感情のパターンを身に着けてしまっただけなのですが、それが興奮しやすいとか、怯えやすいといった行動のパターンになってしまったのです。
これらの犬の問題行動に対してできることは、吠えていることを叱ることではなく、犬が吠えないようにするためにどのようにしていったらいいのかを考えることです。
もちろん、それは一瞬では達成できません。
1回のトレーニングでも絶対に無理です。
今まで続けてきた悪い行動の習慣化を断ち切って、新たな犬が落ち着いていられる行動の習慣化を身に着けさせる必要があるからです。
それでも犬は元のパターンにすぐに戻ろうとします。
何しろ小さな年齢で身に着けた犬の行動のパターン(無意識の行動)は、結構根強く残っており、簡単に方向を変えることができません。
それでも、やはり犬は変化していきます。
吠えて興奮したり、人に咬みついたり、リードを引っ張たり、飼い主に叱られたりすることよりも、犬にとっては落ち着いて安心できる環境があればそれに適応しようとするからなのです。
何よりも、犬の脳は「安心&安全」を求めていますし、犬には服従性という素晴らしい性質があります。
これこそ生得的に身についた犬の勲章ともいえる習性で、これを引き出された犬は素晴らしく落ち着いています。
「犬が吠えないようにするために、自分にできることは何か?」を考えられるようになったら、犬のしつけはすごいスピードで進んでいきます。
犬は飼い主さん次第でどのようにでも変化していく、これもまた犬の特性でありすばらしい柔軟性なのです。