犬と関わりながら過ごしていると、ときどき不思議なことが起こります。
今日はこんな形で起こりました。
グッドボーイハート福岡の近くにお店を持っている生徒さんがいらっしゃいます。日頃からスクールやボランティア活動のチラシをおいてくださり活動に協力していただいています。チャリティイベントのチラシが出来上がったので、昼頃にお店にポスティングに行きました。
その後、外出することになり、用件を済ませて戻るバスの中で携帯電話が受信を知らせます。ポスティングした生徒さんからの連絡でした。そのとき私は「ああ、チラシを見られて電話をかけてくれたのだな。」と思いました。バスを降りる直前だったのですが、バスを降りすぐに折り返し電話をかけました。すると、何か生徒さんのお話が思ったのとは違ったのです。
電話で「あ、先生!今マンションにいらっしゃいますか?お仕事ですか?ミリがどうしても先生にごあいさつすると聞かなくて、今少し離れたところにいるんですけど…」ということだったのです。それで、バス停にいるけどすぐに事務所に戻れることと、ミリちゃんといらしてくださいという旨をお伝えしました。
このとき、私の中では次のようなストーリーが出来上がったのです。
まず、ミリちゃんの飼い主さんが、ポスティングした私からの連絡を受け取った。
次に、飼い主さんがグッドボーイハートと私のことを意識したか、もしくはミリちゃんに「先生からお手紙が来てるよ」と言葉に出して言った。
それでミリちゃんが、グッドボーイハートの事務所のあるマンションの前に止めてある私の車の横に止まって、「先生にごあいさつする」と主張した。
この程度の推測なら筋は通っていると思うのです。「先生」という言葉で私を認識し、その上で、事務所の私の車の横で止まるくらいのことなら、犬の認知能力としては十分に可能性のある行動です。
ですが、今回のストーリーはこのことをはるかに越えていました。
ミリちゃんと飼い主さんが事務所に到着しました。チラシを受け取られたと思い込んでいる私は「チラシとお手紙を見られたんですよね。」というと、飼い主さんは「え?すみません。見てません。」ということでした。
飼い主さんの説明では、ミリちゃんの様子はこんな感じだったそうです。
「お店に行く前にこの建物の前を通ったんです。先生の車があっても、いつもミリはそんなに反応しないんですけど、車の横に止まって建物の中に入るといって、どうしても先生に会うといって聞かなくなったんです。先生はお仕事しているかもしれないよといっても、ミリはどうしても入ると聞きません。それで、あんまりミリがいうもんだから先生に電話してしまったんです。」
これは偶然だね、と思う方もいるかもしれません。確かに偶然だと思うことの方が信憑性が高いとは思います。ですが、こうも考えられるのです。
ポスティングした封筒に、今朝になりミリちゃん用にお手紙を書き添えました。先日バザー用品などをいただいた日に、ミリちゃんが事務所に入りたがっていたのに対応する時間がなかったため、また今度連絡するね、と約束していたからです。それで手紙には「この日ならミリちゃんが来ても大丈夫ですよ。」と書いてお店のポストに入れたのです。
私がミリちゃんに出した手紙を、ミリちゃんが直接受け取ったと考えることもできます。あまりにもファンタジーですが、否定することもできないと思います。犬にはそんなテレパシー的な能力がきっとあるのだと思うのです。それは原始的な生活をしている人たちが、遠くてもつながりを持てるのと同じようなものではないかなと、ですね。
もちろん、これには行動学的な証拠は何もありません。だからこのことを主張する気もありません。ただ、さすがミリちゃん、ありがとうと思っただけのことです。
ミリちゃんは事務所に入ってからも、ミリちゃんパワーを全開にさせていました。電話台になんども飛びつきます。行儀の良い犬なので興奮しすぎることはないのですが、結構しつこくしていました。何も置いてないはずなのにと思いつつ電話台の上をみると、ミリちゃんの良く知っている亡くなったオポの写真があります。写真を手にとり、ミリちゃんの顔近くまで下ろしてあげました。ミリちゃんはオポの写真に鼻をちょこっとつけて、満足したように電話台から離れていました。子犬のころからオポに会うときちんとご挨拶することを覚えたミリちゃん。オポの写真にも何か言いたい事があったのかもしれませんね。
ミリちゃんは9歳の小型犬のワンちゃんでミリちゃんの飼い主さんのことは一度コラムでも紹介しました。
コラム「たくさんの知識が必要なのか~しつけトレーニング~」
ミリちゃんは普通の犬です。ですが、飼い主さんが真剣に向き合って育てられミリちゃん自身も今でも飼い主さんを真剣に見ている犬だなと感じます。
犬にも人にも、すべての動物にはテレパシーとか、つまり言葉では表現できない能力というのがあると思います。「虫の声」ですね。そして人との関わり方によって、その力の使い方も違ってくるのではないかなと思うのです。
ミリちゃんに「ミリちゃんは先生のお手紙を直接受け取ってくれたんだね。」というと、ミリちゃんは得意げな顔をして、飼い主さんは笑っていました。
みなさんは犬のテレパシー力を感じたことはありませんか?
犬の不思議な話しを笑いながらもっとしたいものです。犬ってスゴイよねって。
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熊本被災ペット支援ネットワーク
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