グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬のトレーニングって何?

昨日、福岡のFM放送「LoveFM76.1」の月下虫音(げっかちゅうね)という番組で、パーソナリティの大田こぞうさんがグッドボーイハートのブログを朗読してくれました。大田さんはグッドボーイハートの行動学を学ぶ講座を受講されました。大変刺激を受けた生徒さんのひとりです。

自分で書いたブログの朗読を聞いていて、自分でも反省するところがたくさんありました。
犬のトレーニングに縁のない方にも、犬について理解していただくために、今日は、そもそも犬のトレーニングって何?ということにお答えします。
どんな分野にもそのものの価値観が入るように、グッドボーイハートにもまた価値観があります。なので、あくまでグッドボーイハートが考える犬のトレーニングという視点でお話したいと思います。

まず最初に明らかにしておきたいのは、犬のしつけ・トレーニングを学ぶのは「飼い主自身」であり、その飼い主さんの目的に応じて、大きくふたつにわけることができます。
その1 犬の成長過程に応じて必要な環境や成長のチャンスを提供し、犬を理解するためのトレーニング
その2 犬に問題となる行動や状態が生じたとき、それを解決するためのトレーニング

その1の犬の成長過程に応じてというと、わかりやすいのは子犬のトレーニングです。飼育に必要なものを準備し生活環境を整え、犬がはじめて体験する首輪やリードといったものを犬にわかりやすく受け入れさせたり、適応力を育てる社会化の学習など、生後4ヶ月くらいまでに行われます。その後も犬の成長に応じて必要な理解やコミュニケーションを飼い主さんに知っていただくことで、成長過程に応じたトレーニングは継続されます。犬は7歳ころになると安定した気質をみせはじめますが、またこのさき9歳くらいから体の変化がみられるようになり、年齢に応じた生活環境の整え方やケアの仕方、過ごし方など、老犬になっても「成長過程に応じた」トレーニングを受けることができます。

その2は犬の問題となる行動や状態が生じたとき、これは飼い主さんが犬を飼うことに苦痛を感じられるようなことがあった場合にご相談を受けるケースです。トイレの失敗、いたずら、リードのひっぱり、吠え、かみつき、他の犬と遊べない、来客にほえる、逃走、雷をこわがる、ごはんをたべない…などその問題は多岐にわたります。子犬のころからトレーニングを受けられていても、忙しい飼い主さんの練習が進まないとか、環境によりストレスがかかってしまうなどの理由で、生後6ヶ月を過ぎるころから問題となる行動が生じることもあります。

成長過程に応じたトレーニングは、まだ問題がおきる前に成長を支えるトレーニングであるのに対し、問題が生じてから対応するトレーニングは問題を解決することが目的となります。

後者の犬の行動の問題を解決するトレーニングはへの対応は「対処法」と「行動療法」が行われます。「対処法」とは、とりあえず問題が悪化しないように、一時的に処置を施すものです。一方「行動療法」とは行動の要因をつきとめ、根本治療にあたっていくことをいいます。行動療法を行う際も、対処法は一時的には必要のため平衡して行われます。
と、このように書くと、家庭犬インストラクターの私が犬に直接的に行動改善を行うように受け取られるかもしれませんが、問題行動を解決する「行動療法」も飼い主さんによって行われるもので、その手順をインストラクターが説明するという形です。

犬の困った行動に対する対処法はネットや本に出回り、今や情報があふれています。そのため対処法がトレーニングなのだと思われてしまうこともありますが、それは違います。問題の根っこのところから改善を目指していかないと、犬が本来かかえていた問題が解決したとはいえません。対処法はあくまで「人が困らなくなるための一時しのぎの対応」だととらえてください。犬に罰を与えるなどの対処法はのちのち犬の性格を不安定にさせる原因となり、決してお勧めできません。

さて、トレーニングの目的は異なっているとしても、どちらを学ばれてもやっていることは同じことのように感じらえるでしょう。犬という動物を犬として理解すること。動物と暮らすためにはこれに勝る勉強はないと思うのです。犬のしつけ方教室に通った事がない、トレーニングを受けたことがない方でも、犬と暮らしているかたなら先生は目の前の犬です。犬のことを理解できるようになると、犬との暮らしはとても豊かなものになります。

昨日の大田こぞうさんのコメントでは「先生は決して答えを教えてくれないんですけど…。」といわれていました。
これは本当、その通りです。私が飼い主さんに出すのはヒントだけ、なぜなら答えは飼い主さんが知っているからです。理解できたときの感動を味わってもらいたいと思いつつ、いつもワクワクしながら楽しんでいます。