お天気が味方になってくれたので今月もグループトレッキングクラスを開催しました。
はじめての犬たちも数頭デビューし、先日デビューした犬たちはもう先輩犬になります。
グループトレッキングクラスに参加している犬たちは、みんな家庭でのしつけクラスを受講された生徒さんたちです。
共通のルール、共通の価値観があればこそまとまることができるグループクラスの集団行動で犬たちも落ち着きを取り戻します。
グループトレッキングのあとは、犬語セミナーを開催しました。
犬語セミナーは犬と犬が対面する動画を見て、犬のコミュニケーションについて学ぶセミナーです。
動画を繰り返しみて、犬の尾や耳の形、犬の動きなどの犬のシグナルを読み解けるようになれば、ある程度は犬の行動の種類を推測することができるようになります。
犬語セミナーは繰り返しご参加になる方が多いため、参加者はかなり犬語を読み解けるようになっています。
落ち着かせ行動、警戒、威嚇、挑発、攻撃、興奮など犬の行動を表現する言葉が次々と飛び出します。
動画でみた犬の行動を種類別に分類できるようになると、次に知りたいのは「なぜ犬はそのような行動をするのか?」です。
犬の行動の目的について考えるために、人と犬の考え方の違いを理解しておくと少し犬の世界に近づきます。
例えば、犬は人のように長い時間の単位を持っていません。
犬は明日の事を考えて「今日は早く寝よう」と行動を起こすことはありません。
犬のしつけの中でも失敗しやすい傾向としてあるのは、教える側の人の方が自分のもっている過去と未来を持ち出して犬に接してしまうことです。
犬の行動は、犬が情報として脳内に持っている記録に基づき、入ってきた外的な情報に対してかなり反応的に行動をしているということです。
反応しているというと衝動的だと誤解されそうですが、そうではありません。
むしろ、犬は現時点にかなり集中しているのです。
今に集中しているというと犬の立っている場所は小さな点になりそうですが、同時に犬には深い情報があります。
犬は現時点に立っている、同時に過去や未来よりももっと深い記憶の中にいるのです。
生まれながらに遺伝的に受け継いできた情報を持っていて、犬のコミュニケーションのシグナルもまさに生得的に身に着けています。
この深い記憶の世界に犬が入っていくことができるようになると、犬の世界はぐんと広がります。
犬は犬として生きる時間をよりたくさん持つようになるでしょう。
そんな犬の世界を覗きたくて、犬をじっと見ています。
犬語セミナーに参加された方からいただく感想で多いのは「こんなに真剣に犬のことを学んでいる飼い主さんたちがいることに驚きました。」ということです。
皆さんの犬を知りたいという熱意というエネルギーがいろんなものを動かしていきます。
一緒に学ばせていただいてありがとうございます。