NHK制作の「72時間」というドキュメンタリー番組があります。日常の72時間をいろんな場所で撮影した番組で、人々の生活の一部を知ることができ感じることは見た人任せでもあるので、ほとんどテレビを見ることない私でも気になる番組のひとつです。
年末特集として「72時間」の2022年の視聴者ランキングのトップ10が再放送されていました。その1位に選ばれたのが「どろんこパーク“雨を走る子供たち”」でした。
川崎市にあるどろんこパークという市の施設はNPO法人のスタッフが運営する無料の子供たちの遊び場だそうです。
撮影された72時間はほとんど雨続き…。子供たちは雨の中を走り回り、泥のウォータースライダーを滑り、どろんこまみれで遊んでいます。
学校に居場所を見い出すことのできない子供の姿もあって、室内では毎日することは自分が決める、その中で子供たちは今日を生き明日をどう生きるかを彼らなりに考えていました。
見方はいろいろとあるとは思うのですが「子供たちに大丈夫を伝えたい。」という大人の言葉が印象的でした。
どろんこパークでは子友達が遊び方を決める、子供同士の意見のすれ違いも子供だけで解決する、学びの場所でも何をするのかは自分が決める。
やりたいことをするということになりますが、やりたいことがあるというのがやっぱり子供っていいな、ただ素敵なだと感じました。
ただこの子供たちもどろんこパークに出会う前は、やりたいことが見つからない、何をしたらいいのか分からない、何もしたくないといった状態だったのかもしれません。
どろんこパークの遊び場は、ただ土があって草があって木が生えていて、自然の素材でつくったような遊び場的なものがあるだけです。
昆虫を見つけたり、花火をしたり、サッカーをしている子供もいましたが、いつでも自然の中に駆け出すことができるという解放感が室内の時間をも維持しているのではないかと感じたのです。
犬たちはどうなんだろう。
公園での散歩しかできない都会や住宅地の生活の中で、体を思いっきり動かすことができなくてストレスを感じているのではないでしょうか?
室内でボールを追いかけても、それは精神的な解放につながるのでしょうか?
そう考えて思いっきり走ることのできるドッグランに連れて行ったとしても、最初にまとまりのある集団が出来ていなければ、ドッグランはむしろいじめの宝庫となってしまいます。ドッグランなら大丈夫と思わずにちゃんと場所を選んで、ちゃんと観察できる力を飼い主とし身に着けておくことです。
学校に行けなくなった子たちの多くはイジメ行為を受けたということを言っていました。私も都会から田舎に転校したことでイジメを受けた経験があるので他人事とは思えません。
犬が自分たちでやることを決めて、お互いを尊重しながら過ごせるようなどろんこパークのような場所を目指して、オポ広場でどろんこまみれで遊んでほしいと願います。
もちろんオポ広場ではいじめはなしです。最近はちょっとしたグループもできあがりつつあり、新米犬のストレス行動には手を焼くことがありますが、みんなでいっしょに乗り越えようという感じになっています。
どろんこパークに1票を投じることのできる人なら、犬が犬として生きる時間も大切にしてくれそうです。
人のことでいっぱいいっぱい、犬のことまで考える時間などないとは思いますが、飼い主だけは自分の犬のことを考える時間を作って下さい。
彼らはきっと何か私たちに教えてくれているはずだからです。