家庭訪問レッスンに伺っているときに感じる空気というのがあります。
それは犬の状態が良くなっているのか、悪くなっているのかという今までと違うという空気です。
最近訪問レッスンに伺った時のことです。
リビングに入ったときに犬の様子がいつもと違うと感じることがありました。
あれ、いつもと違う。
いつもより犬が落ち着いている、表情もテンションも今までとは全く違うと感じたのです。
「変わりましたね。」とわたしが一言。
「ホント、なんか今日は特別にお利口さんにしてる」
と飼い主さんも少し驚いた感じでした。
毎日変化は続いていたのでしょうが、飼い主さんの方としてはそういえばいつもと違うという程度だったようです。
そして椅子に座るときに今までそこにはなかったものを発見しました。
ああ、これか。これでこの犬は変化のきっかけを得たのだな。
それは壁に貼り付けられた紙です。
なかなか改善されなかった犬のとびつき行動が
この警告の張り紙で一気に解決したらしいのです。
「犬に飛びつきをさせない」という単純なルールの導入だったのですが、「飛びつかせない」ということができない飼い主が多いのです。
多くの質問が「犬に飛びつたらどうしたらいいですか?」です。
いえ、飛びつかれたら…ではなく、飛びつかせないでください。
この押し問答が続きます。
そしてこの張り紙がリビングに張られていました。
全く飛びつかれなくなったということなのです。
犬が全く飛びつかなくなったと同時に、犬のいろいろな行動が一気に変化しました。
吠え、なきの問題もなくなり、テンションの高い要求行動もなくなっていました。
レッスンの間、フセてマテをして待っていました。
ただの「犬のとびつき行動」。
いえたったこれだけの行動が、犬にとっては大きな行動なのです。
初回のカウンセリングクラスで飼い主さんに尋ねられるのは「どのくらいよくなりますか?」という質問です。
質問しなくても心の中で思っている飼い主も多いことでしょう。
答えはひとつしかありません。
「それはあなた次第」
犬は飼い主次第なのです。
飛びつき禁止の用紙を貼り付けて家族で犬の行動に変化を起こした飼い主さん。
本当にびっくりするほど変わったと驚かれていました。
犬の変化は飼い主の変化です。
犬はやっぱり飼い主の鏡ですね。