グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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オポのひとり言

グッドボーイハートの先生でもあるオポ。
飼い主はこの私です。
このコーナーはオポのコトバを私が通訳してお伝えします。

いままで「オポのつぶやき」とか「オポズセンス」という題名で紹介してきましたが
このブログでは「オポのひとりごと」と題名いたしました。

犬ですが、人並に「ひとり」というコトバをあえて使わせていただきます。
では、どうぞ。

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ここ七山にボクが移り住んだのは2年前の梅雨の時期だった
ここに来てはじめて会った犬が「テン」という名前の犬だった
うわさにきくところによるとかなり離れたところにある店の飼い犬らしい

ボクよりも少し小さな体のそいつは、堂々とボクのテリトリーである庭に入ってきた。
ボクが毛を逆立てて近づいて挨拶を求めるけど
そいつは知らんぷりをしてこちらを見ようともしない。
警笛を鳴らして注意を促しても、ボクを完全に無視していた。

「オポもういいよ。私と変わって」とボクの飼い主がいった。
「テン!ちょっと出て行ったら。あなたのテリトリーじゃないのよ。」
と飼い主が交渉を始めた。
そいつは全く顔をあげようとしない。
およそ、聞く耳はもっていないという感じだ。

注意をひこうとものを近くに投げても、
全く反応を示さず、においをとってマーキングをしている。
どうやら、ボクがこの家に来る前までここは彼のテリトリーだったらしい。
彼からしてみたら、ボクたちの方が侵入者にあたるのだ。

テンのテリトリーは広かった。かなり遠くからやってきていた。
来るときも帰るときも走る様子はない。
人間がちょっと脅しをかけるとすごい速さで入口のシャッターをくぐってみせた。
シャッターをくぐるには高さ15センチくらいまでにならないといけないのに・・・。テンはそんなに小さな犬ではなかった。でもその柔軟な体には驚いた。

今まで都会で飼い主によりそう犬や、わんわんと吠える犬しか知らなかったボクが
きっとはじめてあった犬らしい犬であった。

そのテンは初対面から半年後、七山の雪の中にうもれ、空に昇ったらしい。
テンがいなくなってからこの辺の秩序が乱れはじめた。
彼には彼なりの哲学があったんだ。
テンともう一戦交えてみたかった。
男同志の話もできたかもしれない。

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