一雨ごとに寒さが増してきました。
緩やかな一日は過ごしやすいのですが、こうして寒くなったり温かくなったりする緩急が訪れると気持ちが引き締まります。
先日も朝から雨模様の気配の日に、トレッキングクラスに来る予定の生徒さんがいました。
ご連絡しようか迷いましたが、あの飼い主さんならこの天候でも来られるだろうと思っていると案の定、犬を連れて到着されました。
雨が降ってきましたね。降り止むまで少し待ちましょう。
といいつつも、少雨になると待ちきれなかったように山歩きに出かけます。
七山の環境にも慣れていて犬もある程度の自由行動ができます。
生徒さんはいつも草刈鎌を片手に歩きだすようになり、腱鞘炎が続くわたしは「しないでください。」と釘を刺される方で、手持ち無沙汰でしたがいつもとは違う雨宿りコースで山を歩きました。
しばらくするとまたザーっと雨が降ってきて、いったん戻ろうということになり室内で服を乾かし、再び雨が上がったのでまた広場に行ってふらふらと。
一日の気温や天候の変化が激しくても自然環境の中ではあまりストレスを感じません。
飼い主さんも「雨の日の散歩がいつもの散歩コースだったら、いやだなと思うのにこういうところだろ全然いやじゃないのが不思議です。」と。
むしろ天気にあわせて外に出たり隠れたりと天候の変化を楽しめます。
犬たちも同様にまったりして気温の変わらないときはぼーっとしているのに、雨が降ったり急に晴れたり、風が吹いたり止まったりという変化が起きると周囲の環境の変化をいち早く知ろうとするのか集中している様子がうかがえます。
こういうことを重ねていくことが頭を使うということではないかと思います。
その日にトレッキングに来ていた犬ちゃんも雨の日は散歩に行きたがらなかったので、山の雨トレッキングも最初は少し抵抗があったようですが今では全然なんともないという感じで雨の中を歩いていきます。
お預かりクラスに来ていた若いオス犬たちは、むしろ雨を楽しんでいるように泥まみれになって遊んでいました。泣きたいのはこちらの方ですね。
でもドロドロになってみたいという若い犬たちの欲求を満たしてあげる方が、汚れることを怖がることよりもずっと大切だと思うのです。
わたしたちも彼らも同じ動物で、自然の中で活動するための知恵を身に着けることが最も大切なことだとどこかで知っているはずです。
成長期に犬の脳を発達させるというのは、知的玩具でおやつを探させることでも、囲われた人工的な空間に連れていくことでも、たくさんの人に撫でてもらうことでもありません。
大きな自然という環境の中で安心を獲得していくこと、そしてそこに信頼できる仲間が共にいること、この二つが犬にとって最も大切なことです。
といっても体力がいりますね。
やっぱり犬はパワーがあります。