犬のコミュニケーションを学ぶ「犬語セミナー」オンライン講座、まだ準備中。
少しでもコミュニケーションについてお伝えしたいので今日はそんな話題にします。
あまりにも当たり前のことなのに、あまり理解されていないこと。
それは、犬のコミュニケーションの発達は、犬の社会性の発達に直結しているということです。
そして、犬の社会性の発達は犬の豊かな社会生活を作ります。
さらに、犬が豊かな社会生活を送ることは、犬の幸せの値にも相当します。
だからこそ飼い主は犬と自分がわかりあえるようにと努力をするのでしょう。
でもその努力は本当に的を得ているものなのかどうか、犬は確かにコミュニケーション能力を発達させてるのかと疑問を感じる飼い主の行動がたくさんあります。
そこで質問します。
犬のコミュニケーションが発達しているかどうかを判断する「基準」としているのは何でしょうか?
多くの飼い主の誤解が実はここにあります。
犬のコミュニケーションを発達させるつもりで、オスワリ、オテ、オカワリを教えていないでしょうか?
オスワリなどの号令や合図は犬の社会生活に欠かせないものですが、合図をしたら行動をすることは、犬のコミュニケーションの発達することとは少し異なります。
もしくは、犬がじゃれついてきたり、とびついてきたり、鼻をならしたり、吠えたり、前脚をかけてくることを、犬のコミュニケーションだと勘違いしていないでしょうか?
実は人に対する犬の行動の中で、コミュニケーション行動だと思われている行動の多くが犬のストレス性行動や攻撃性行動なのです。
それは犬と犬のコミュニケーションに置き換えてみるとすごく単純にわかることです。
犬の本来のコミュニケーションの発達とは、そうした大きな動作や行動よりむしろ細かな表情やシグナルの発達にあります。
私たち人間にはほとんどわからない程度の小さな表情の動き、それは顔面の筋肉であることもあるし、尻尾の動きであることもあるし、背中の毛の動きであることもあります。
こうした表情筋の動きや細かなシグナルを読み取ることのできない人間は、犬からのコミュニケーションを要求行動と置き換えてしまいます。
かまってほしいと言っている、ごはんがほしいといっている、ボールをなげてほしいといっている、抱っこしてほしいといっている、これすべて要求行動です。
逆に犬と犬のコミュニケーションをみてみましょう。
コミュニケーション力が発達している犬は、表情筋がとても豊かであることがわかります。
そしてコミュニケーション力が発達しにくい犬は表情がとても乏しいのです。
同じ表情が続くというか、筋肉に変化が起こりにくいのです。
生まれたばかりの子犬のころどの犬もコミュニケーション力がまだ未発達のため行動は大きいのですが表情筋肉はまだ十分に発達していません。
しかし生後2ケ月になると明らかに表情が出てくるようになります。
表情筋が豊かに発達している犬はコミュニケーション力が高まる可能性を秘めています。
犬の小さなシグナルを受け取れるようになると、人に対してもよく会話をするようになります。
犬種によってはわかりにくい形のものもありますが、読み取り手がいることでなりたつコミュニケーションなので変化をみていくこともまた楽しいものです。
ただし注意してください。
犬を観察したいという思いが強くなり、犬をじーっと見るのはやめましょう。
犬は特別なことがない限り他者に注目することはありません。
マスク生活でも表情は大切。
私たちも同じことかもしれませんね。