昨日、博多の人工的な庭を自然の庭に復活させている試みについて話しました。
人工的な庭を見ていて悲しくなるのは、犬も同じように自然から遠ざけられた存在となったからです。
まず犬の外見は人の好みに整えられてしまい、体形は大きく崩れてきました。
外見だけでなく犬の機能性の損失についてはひどいものです。
もはや自然と会話できるすべを失い始めています。
犬として生まれた後も、人工的な室内にで発育して生活し、人工的なドッグランで走り回るだけの生活では、犬としての感性は芽生えるチャンスがありません。
そうなると、犬の外界とつながる感度は落ちてしまい、その機能は使われることなく封印します。
犬は風を匂ったり感じたり、土のにおいから情報を仕入れたり、草を食べて自分の養分にしたりする時間も場所もないし、その機会を与えられることもなくなりました。
犬はすることがなく室内をうろうろとして犬のおやつをもらい、オテやオカワリなどの芸をして、飼い主の膝に抱かれたり飼い主に触られる刺激を受けて一日を過ごします。
自然との接触を断たれた犬には限られた空気の循環する室内空間しかありません。
犬は現代の人と同じように、頭の中で起きたことをただ繰り返すだけなのです。
頭の中では車の内規循環マークのように、同じことを繰り返す常同行動が続きます。
犬は限られた空間で、ボールをなんども持ってきては飼い主の前に置くでしょう。
犬はボールを持ってくるという行動をなんどもなんども繰り返し、そして疲れて寝てしまいます。
活動するためのホルモンが犬の体の中に作られても、犬はその活動を常同行動に使ってしまいます。
犬は本当にボール遊びが好き?なのでしょうか。
そのボール遊びは常同行動という犬のストレス性行動ではないでしょうか。
健康な犬はなんども同じ行動を繰り返したりはしません。
健康な犬とは、脳の感性が開いている犬のことです。
次々と変化する匂いや温度、湿度、他の動物の気配、そして太陽の動きを感じて生きていることです。
犬の脳の大半はこうした自然とつながるセンスできています。
それが犬の素晴らしく尊敬すべき部分です。
犬から奪いすぎるのはもうやめて、そろそろ犬が持っているものをお返ししたいです。