いったんは収まったかと思った流行りのウイルス感染がまた広がりつつあるというニュースを受けて、人々の生活は現実的に不安定になったり、または精神的に閉じこもりがちになったりする時代。
こんな時代に犬に癒しを求めて「犬との生活」を始めた方もきっと多いことと思います。
犬との暮らしを通して犬という動物のすばらしさに気づいて下さる方々がこれから増えてくるのだろうという期待もある反面、犬のことが理解されずに犬そのものが傷ついてしまうのではないかという不安も抱えています。
この不安をあおるひとつの理由は、時代の流れの速さが、犬との暮らしや犬に対する価値観が変化することにも影響をしていると感じるからです。
平成元年くらいの時代には、まだ犬を集合住宅で飼うという価値観すら人によってはどうかなという時代でした。
ところが令和の今になると、もはやそれは選択肢としては当然のことで、今は何頭なら飼育しても問題ないのかという数の問題になっています。
他にも、犬を飼う目的が「だっこしたいから」といっても今では当然の目的であることも、ひと世代前の飼い主さんなら「自分が抱くために犬を飼うなど考えたことがない。」と言われるでしょう。
犬は人にあまりにも近い動物で、人の生活や価値観によって犬である自分自身の生き方も変わってしまうくらいなのです。
そのうちに、犬に散歩などかわいそう、犬に服を着せないのはかわいそう、犬にはおむつが当然必要、犬は抱っこして歩くもの、犬は毎日シャンプーをすることが必要などと、今は自分の中ではありえない価値観が、多数の当然の価値観になっていく可能性も十分にあると考えます。
新型コロナウイルスという生き物の登場ですごい速さで時代が流れていく中で、犬という動物の扱い方が変化することを止めることはできませんが、失われそうな動物に対するモラルをもう一度取り戻していただき、冷静かつ慎重に犬を動物としてみる眼を忘れないでほしいと願います。
残された方法はひとつしかありません。
犬が本来暮らしていた山という場所で犬が落ち着いて過ごす姿を自分の目で確かめて下さい。
犬は動物なのだと、犬は山に生きた生き物だったのだということを思い出していただくだけで十分です。
今日、七山に到着しました。
お預かりの犬ちゃんと明日から、自然との時間楽しみます。